【SIM道楽】米国主要3キャリアで回線切換えが可能に~TelePortal by US Mobile
米国ではMVNO社として分類されている US Mobile社の新サービス。 https://www.usmobile.com/ 2024年8月1日より新たなサービスとして AT&T, Verizon, T-Mobileの 3キャリア回線を契約の追加や変更する必要なく、同一電話番号のままネットワークの切換え利用が可能になる新機能がリリースされました。
特長としては :
① 1つの契約で3キャリア(AT&T, Verizon, T-Mobile)回線をカバー
② 1つの電話番号のまま3キャリア回線を切換え利用
③ 回線切換えに際しサービスレベルの変更ナシ
④ 3キャリア回線の切換えは US Mobile管理サイト内で完結します。「ネットワーク転送」欄 (TelePortal) に移動した後、IMEI、携帯電話を入力し、WiFiに接続して切り替えが承認/完了することで、切り替え先のネットワーク用の新しいeSIM用のQRコードが表示されるのでインストールします。
このような複数キャリアを利用する国内サービスとしては ドコモ、AU、ソフトバンク各社による「副回線サービス」がありますが… https://ahamo.com/column/column10/index.html
・メイン回線契約時に追加契約が必要
・副回線利用時はメインの電話番号と異なる番号
・副回線サービスの速度は最大300kbps
以上のような制約があります。副回線と言え、不測時の利用に際し通常利用とは異なる「見知らぬ電話番号」からの発信となってしまうので、現実的な利用には難しさがありました。
ということで、今回の AT&T, Verizon, T-Mobileの3回線を、1つの契約、1つの電話番号、自前スマホで回線切換え…を可能にするサービスは国内の「副回線サービス」とは大きく異なるものです。
US Mobileの提供する切換え可能な3キャリア回線にはニックネームが付けられていて、
・「Warp」はVerizonネットワーク
・「Dark Star」はAT&Tネットワーク
・「Light Speed」はT-Mobileネットワーク
それぞれ呼ばれています。
これらを自前で切換える機能として提供されているのが「TelePortal」と言い、eSIMを介していつでもネットワーク間を移行できる機能です。
さて、ここから「TelePortal」を利用した「3キャリア回線の切換え」の具体的な手順を見てみます。
【eSIMへの転送】: T-Mobile(Psim)->Verizon(eSIM)
[ステップ1]:アカウントダッシュボード( US Mobile管理画面) にログイン→個別のライン一覧から、内部転送したいラインを選択クリックします。
[ステップ 2] :回線を開いたら、下にスクロールして「ネットワーク転送」オプションをクリックします。
[ステップ 3] : eSIM に転送する場合は、下の「eSIM」オプションをクリックし、「次へ」をクリックします。
[ステップ 4] :デバイスの IMEI を入力し、「続行」をクリックしてから、「転送の確認」をクリックします。
[ステップ 5] :完了すると、ネットワーク転送リクエストが送信されたことが表示されます。他に何もする必要はありません。転送が完了するとすぐに、電子メールで通知され、ライン ページに「転送が完了しました」というバナーが表示されます。
[ステップ 6] : eSIM へのネットワーク転送が完了したら、ダッシュボードの回線に移動して「QR コード」→「はい、準備完了」をクリックし、デバイスで QR コードをスキャンして新しい eSIM をインストールします。また、そこから eSIM をインストールするための QR コードが記載されたメールも届きます。
と、ここまで「3キャリア回線の切換え」の具体的な手順を見て来ましたが、1つの電話番号のまま3キャリア回線を同じサービスレベルのまま自由に切換え利用出来るようになったことは、これまでに無かった非常に有用な機能が提供開始され始めたというエポックメイキングな出来事だと感じています。
ただし、現行の「TelePortal」の手順は 入力情報の数や、入力後の確認/承認の待ち時間(1~2時間)がそれなりに掛かるらしいので、使い勝手の面からの更なる改善要望が出ているようです。
また、無制限の無料転送を提供しているのは US Mobile の無制限プレミアムプランで、他のデータ プランでは、2 回の無料転送切換えが提供されていますが、さらに追加の転送切り替えるには 1 回あたり 2 ドルが必要になります。
今後の経過とともに、使い勝手の簡素化や、確認/承認待ちの時間軽減、そして「TelePortal」無料転送の適用範囲の拡大なども期待したいところですね。
以上、米国 US Mobile社の新サービス、 AT&T, Verizon, T-Mobileの 3キャリア回線について、1プラン(契約)で電話番号維持したままのネットワーク回線切換えが可能になったことの紹介でした。こういうSIMサービスが日本国内でも出来たらいいのにね~(泣)
今回の US Mobile の新サービス「3キャリア回線の切換え」TelePortal機能 については、当方としては現時点で未体験の内容なので、理解不測や誤解などあるかもしれません。興味を持たれたユーザーは ご自身で US Mobileウェブサイトや関連記事を参照の上、利用されるようお願いします。
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・2021.12.10【SIM道楽】米国Verizon回線を使ったローカルMVNO・プリペイド eSIMサービスを開始! https://king.mineo.jp/reports/151940
・2022.02.10 【SIM道楽】<続編>Verizon回線を使ったプリペイド・ローカル eSIMサービス@USA https://king.mineo.jp/reports/151940
US Mobile の「TelePortal」では 「物理SIM(Psim)=>物理SIM(Psim)」 「eSIM=>物理SIM(Psim)」への転送も可能ですが、手順の中に「SIMカード送付」が組み込まれるので、スピーディーな回線切換えには eSIM転送のほうがメリットが大きいと思います。
すでにアメリカでは3キャリア接続サービス始まっているのですね。
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2405/27/news080_3.html
データ通信のみの場合はクラウドSIMサービスが古くから3キャリアの回線を自動で選んで使えるようになっていましたので、選択できれば便利に使えたと思いますが今の所聞かないですね。
ルータの設定で最適化を実行で他の通信キャリアに切り替わる場合が
あるのは確認済みですが。
クラウド SIM と謳っても、実際繋がるのは、
殆どが再販可能な SoftBank の法人 SIM だったり、
MNO の中途半端で使い勝手の悪い施策だったりと、
日本では糠喜びが続いていますからね。
まだまだ不完全とは言え、米国キャリアの試みは素晴らしいと思います。
普段は米国追従の日本でしょうから、
日本のキャリアも見習って欲しいものです。(●´ω`●)
https://help.iijmio.jp/answer/650d2e74567eff075b0d8bdc/
>> モバイル クエスト@gmail.com さん
>トリプルキャリアと謳って 3 つの回線が>併存するだけ…
はい、全くもってご指摘の通り。
国産MVNOの「D/A/Sの3キャリア…利用ない(切換え)可能」と言っても3社の別プランに変更するだけで、本質的にはMNP作業と変わりないわけです…回線契約変更については「変更申請->プラン変更作業->QRコード発行->課金」をMVNO社の作業に100%依存しているのに対して、US Mobileの TelePortalではユーザー自身のダッシュボード(管理画面)上でそれら全ての作業(回線切換え)を完結してしまうところ、プラン契約は変更なし、回線のみ切換えというところがミソですよね。
必然的に「リアルタイムでの切換え処理完結」が期待されるところですが、未だそこまでは達成していない~(汗) 最速で約20分で切り替えが出来たという報告もありましたが。出先でも気軽に回線切換えが出来るというのも有り難いポイントです。
https://blog.soracom.com/ja-jp/2022/07/06/planx1-docomo-support/
https://soracom.jp/services/air/cellular/pricing/price_iot_sim/#plan01s
https://soracom.jp/services/air/cellular/pricing/price_iot_sim_add_subscription/#planX1
https://dev.classmethod.jp/articles/soracom-iot-sim-planx1-softbank-kddi/
https://note.com/susa_lab/n/ne4b1b76d60da
>> pd019Ac さん
>一応SORACOMはローミングで3キャリア>切り替えできる…
ネットワークの冗長化(切換え)には以下の方法があります。(↑表参照)
・ローミング方式による冗長化
・Dual SIMによる冗長化
・Active Multi Access SIM
ローミングでマルチ回線を可能にしているサービスとしては既に幾つか提供されていて、良く知られているのは
・SIM2Fly
・DENT
・YeSim
等が挙げられます。1枚のSIM(eSIM)のまま回線切替えが可能です。この切換えは「自動」であったり「SIM Tool Kit」「SIM APP」の利用
が一般的です。Soracomサービスもこの例かと思います。
Dual SIMによる冗長化としては国内キャリア提供の
・「副回線サービス」や
・MVNO各社の提供する D/A/S
が挙げられ、共に複数SIMが必要になります。
今回の US Mobileの TelePortal は 1枚のSIM/eSIMのまま複数回線を切換えるサービスということなので、Active Multi Access SIM方式と理解します。既存の例としては、Rakuten-最強プランが1枚のSIMで、国内=44011(楽天)、海外=20801(Orange)のPLMN(IMSI)を切換えることが知られています。
既にご指摘されていたように、日本通信の「ネオキャリア」導入で、Active Multi Access SIM方式を採用するようでであれば 国内外のSIM利用の多様性にも期待が持てるでしょう。
【参考】
・2021.05.08 【SIM道楽】iPhoneのSIM_App機能で Yesimの2つの IMSIの切り替え体験 https://king.mineo.jp/reports/117740
・2023.03.30【SIM道楽】1枚のSIM2Fly上で利用可能な 国内2回線(D&S)を簡単手動で切替えて使ってみた https://king.mineo.jp/reports/229245
・2023.06.03【SIM道楽】海外で初めて使った 楽天Un-Limit VIIは~ 思っていた以上にパワフルな体験 https://king.mineo.jp/reports/238928
最後にQRコードからeSIMを再インストールするので、eSIMを別ネットワークに変更して再発行しているだけ。もしActive Multi Access SIMならeSIM内部で切り替わるので、再インストールは不要なはず。という解釈を私はしていました…間違った解釈だったんですね😅
>> Shallow Grave@😴 さん
> 1枚のSIM/eSIMのまま複数回線を切換える…確かに… ここの記述は間違っているかもしれませんね。「1枚のSIM/eSIMのまま…」でなく「既存契約を変更することなくマルチIMSIの切換え…」とした方が正しいのかもしれません。
まぁどちらにせよ未体験な推察の範囲なので、実際に体験してみて、登録されている IMSIや PLMNがどんな値を示すのか 今後の興味になるところです。