【SIM道楽】iPhoneのSIM_App機能で Yesimの2つの IMSIの切り替え体験
楽天MNOの Un-Limit-VIや、IIJmio-eSIMの登場で 多くのユーザーに グッと身近になりつつあるeSIM。今回は iPhone SE2を利用して、数ある海外eSIMの中から、SIM_Application機能を使って、2つの IMSI を切り替える事の出来る Yesimを国内で利用体験してみた。
Yesim(eSIM)は世界123ヵ国(日本を含む)をカバーするグローバル・eSIMサービスです。
https://yesim.app/en/
世界的なコロナ禍の中、ディスカウント・クーポンをゲットしたのでGW中のステイホームを使って試用してみました。
Yesimは通常の eSIMプロファイルが QRコードで送られてくるタイプで、管理用アプリも準備されていることもあり、使い易いサービスかと思います。
さて、eSIMプロファイル(JPN, 300MB/7日間)を iPhone SE2にインストールを完了すると、ネットワークは SoftBank-4Gに接続されました。
・接続ネットワーク : SoftBank 4G
・キャリアバンドル : Partner 46.0
・APN : uinternet (orange)
Yesim関連の情報については事前の調査より、この eSIMが iPhone内臓の SIM_Application機能を使って eSIM内に登録されている 2つのIMSIを切り替えられるということだったので、それを中心に試してみました。
↑ 画像 iPhone SE2 : 「SIM Application」>「DMI」>「Setting」>「Profile」 と進んでいくと、Profileとして
0 290060145959515
1*425019614959515
という2つのプロファイルが表示され、(*)マークのついているプロファイルが選択されているページに到達します。
下( ↓ ) 画像は、同様に Yesim(eSIM) をインストールした Android機の場合です。 まず「SIM Toolkit」というアプリが自動的に現れることが分かります。
iPhone SE2の場合と同じく、
Android(eSIM)機 : 「SIM Toolkit(APP)」>「DMI」>「Setting」>「Profile」 と進むことで、
0 290060145959512
1*425019614959512
という2つのプロファイル表示に到達します。
先ほどの iPhone SE2のプロファイルとの違いは 末尾4桁の[9515]に対して、Android機では[9512]という別番号になっていることで、eSIM毎に個別に割り当てられたプロファイルになっていることが確認できます…(アタリマエ!(笑))
さて、このプロファイルの数字列が何を意味しているのかを確認するために、
「1 425019614959515」=>「0*290060145959515」
に手動で変更(*マーク)してみました。(タップするだけ)
その結果、
・接続ネットワーク : SoftBank LTE
・キャリアバンドル : Play 46.0
・APN : internet
ネットワークは SoftBank-LTE に接続され(表示が 4G->LTE に変更)、読み込まれれているキャリアバンドルも 「Pertner 46.0」から 「Play 46.0」に置き換えられ、APNも自動的に別の設定に変更されました。
この段階で、Android機で利用できる SIM Infoアプリを使って
「1 425019614959512」=>「0*290060145959512」
という eSIM情報の変化を覗いてみました。
eSIM内に格納されている2つのプロファイル (#0, #1)
0 290060145959512
1 425019614959512
を切り替えることによって、以下が適用されていました。
・ ICCID : 変更なし
・ IMSI : [42501xxx9512]<->[26006xxxx9512] 変更
・ SIM国籍コード : il(イスラエル)<->pl(ポーランド)変更
・ SIM管理者コード : 42501(Orange/Partner)<->26006(Play/P4)変更
と色々変更が為されていることが確認できました。
このことから、Yesimでは eSIM内に2つの IMSIを同時保持していて、「SIM Application(iPhone)」, または 「SIM Toolkit(Android)」を使って変更することで利用ができることが体験されたことになります。
もちろん一般ユーザーによる通常の利用に際しては このような手動による IMSI選択をする必要はなくて、サービス対象地域に入国したと同時に、自動的にネットワーク環境に最適な IMSIを選択してくれて、最適なネットワークに接続してくれるものと理解しています。
このような 複数の IMSIを搭載している SIMの身近な例としては Rakuten Un-Limit-VIが、国内利用と海外利用の場合に異なるIMSIを選択する仕組みが該当しているように思われます(私的想像)。
しかし残念ながら、現時点 iOS 14.5.1 では 「SIM Application」表示は現れません ( ↓ )。ユーザーには開示されていないようです。
Rakuten Un-Limit-VI については、国内利用時には キャリアバンドル : Rakuten 4X.X、そして海外利用時にはキャリアバンドル : Orange 4X.Xを利用していたことが報告されていたようなので、SIM内で2つのIMSIを自動切換えしているものと思われますが、当方としては未検証です。今後のお楽しみです( ´∀` )/
ということで、2つの IMSI搭載の Yesimの手動による切替え体験でしたが、一つのSIMに対して、ICCDの変更しないまま、SIM APP内のIMSIの選択でキャリアバンドルも切り替えできるというのは面白い発見でした。
一方で、SIM Applicationの動作やリフレッシュ/再起動、選択IMSIの確認など、手順がチョットややこしいのと、SoftBankネットワークへの接続が少し不安定 (当方の使用環境のせいなのか、2つのIMSIが存在することによる理由なのか不明)ということもあったので、eSIM利用不慣れなユーザーにはお勧めするものではありません。
興味本位ユーザーとして試されるのであれば、あくまで自己責任モードでお願いします(笑)
最後に…
海外SIMを利用した場合にはしばしば見掛けるこの 「SIM Application(iOS)」や「SIM Toolkit(Android)」なのですが、今後、さらなる eSIMや グローバル利用の普及につれて この SIM Applicationを利用したパラメータ設定やプログラム管理、複数IMSIの切替えなど利用方法も多様化してくることと思います。なので、このエリアにおいても従来の枠にとらわれない Rakuten Un-Limit VIの新たなチャレンジに期待したいものです。
いつもながらのニッチな体験レポ…興味本位なユーザー向けの隙間話にここまでお付き合い頂けたなら感謝です。。。
( お得情報に興味のある方は 当方のマイページを覗いてみて下さい)
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(お知らせ)1枚のSIMでドコモと海外通信事業者の通信サービスが利用できるマルチプロファイルSIMを開発
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2017/11/28_01.html
総務省の研究会での楽天の資料です。
pp.9-10 ですが、現状は p.10 の仕組み(Roaming IMSIはOrangeのもの)と想定。
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https://www.soumu.go.jp/main_content/000604575.pdf
知識不足で理解が追いつきません。
>> ひみつ77@👈👉ご安全に! さん
>マルチプロファイルSIMを開発…おおお、こういうこともやっていたんですね~
現実にモノになっているサービスはあるのですかね?
それにしてもアプレットへの実装はやはりジェムアルト頼みということのようなので、この辺りも GSMAガイドの基本プロトコルに従う仕組みにならざるを得ないということでしょうかね。
それにしても楽天のフットワークは見習うところ多々です(笑)
>> ヨッシーセブン@北京 さん
>変なSIM貼るタイプで、SIMを切り替えるイメージ…「貼るSIM」といっても Flexiroamは単なる元SIMのバイパス・スイッチでしかありませんが、「変なSIM」と「SlimDuet」についてはSIM APPの中でプラン選択するような仕様になっているので、基本的に複数 IMSIをアプレットに格納するタイプですね。
>> たきしま さん
国内版の Pixel3には残念ながら eSIMデバイスが搭載されていないのではなかったですかね。JPN独自仕様だったような記憶。。。おまけ情報 :
SIM2Flyの 「SIM Application」の使用例 ↑
iPhoneで 「SIM Application」を利用している他のケースとして グローバル・ローミングSIM/eSIMサービスとして良く知られている タイ・AIS社の SIM2Flyを覗いて見ました。
「モバイル通信」>「SIM2Fly(AIS)」>「Prepaid」>「Check Balance」と進めてみることで、このSIMのアカウントとして 131THB(タイ・バーツ)の残高が表示確認に辿り着きました。
SIM2Flyは専用の管理アプリが提供されているのでアカウント残高確認は そちらで簡単に出来るのですが、アプリを利用しなくても SIM Applicationのアプレットを通して情報提供されることの一例です。 (因みに SIM2Flyの場合には 複数IMSIを格納して切替えするような操作はありません)
まだ発展途上の機能のように見えるので、今後何か面白い利用法が出て来るのを楽しみにしてます(笑)