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電話回線を通じて、画像情報を伝送するファックス。現在ではメールの普及などにより、使う機会がだいぶ減りました。企業のオフィスには、プリンターやスキャナーなどの機能を持つ複合機として設置してあることもまだまだ多いですが、ファックスを置いている家庭に至っては今や珍しく、一度も使ったことがない人もいるでしょう。
需要が減ったとはいえ、2018年でも家庭用ファックスは販売されています。まずは、最新機種の機能やトレンドの移り変わりなどを、国内家庭用ファックス市場のほぼ唯一のメーカーとなったパナソニックの近藤譲さんに話を聞きました。
――まずはファックスの市場のお話から伺いたいと思います。正直なところ、最近ファックスを置いている家庭は減っていると思うのですが、いかがでしょうか?
国内の電話・ファックス市場の総需要は、ご想像の通り右肩下がりです。2000年をピークに、以降は前年比90%で推移している状況ですね。
当社で調査した結果、固定電話での1日あたりの通話時間は3分くらいで、ほとんど使われていません。肌身離さず使われるスマートフォンとは、まったく異なる商品だと言えるでしょう。
――たしかに固定電話やファックスを利用する機会がほとんどなくなった印象です。逆に、現在ではどんな方が、どのように利用しているのでしょうか。
家庭用という意味では、町内会や幼稚園、小学校の連絡網などに使われていることが多いようです。また、利用者で多いのは、個人事業主の方ですね。お酒の卸(おろし)など、メールではなくファックスでしか注文を受けていないところは多いので、そうした需要はまだまだある認識です。
――市場のピークだった2000年から18年が経ち、使う機会が減りましたが、最近のトレンドはいかがでしょうか。
最近と言っても2007年からの機能なのですが、送られてきたものを印刷する前に端末の液晶でチェックできる「見てから印刷」が大きな変化のひとつだと思います。最新機種ではスマホとの連携機能もあり、端末の液晶だけでなく、スマホ上で確認することができるようになりました。
また、スマホ連携機能がある機種では、スマホで見たウェブページを、ファックスを通じてプリンター代わりに印刷できる機能が使えます。
――たしかに印刷する必要があるかどうか、事前に確認できるのは便利ですよね。紙やインク代の節約にもなりますし。
また、昔のファックスは感熱紙を使う機種がほとんどだったのですが、現在では普通紙にインクリボンで印刷するタイプに変わっています。感熱紙を使う機種は、現在では弊社も1機種しか販売していません。
――感熱紙とインクリボンタイプではどう異なるのでしょうか。
インクリボンのほうがきれいに印刷できますね。両者を比べれば、かなり鮮明に見えると思います。
――印刷技術の進歩はファックスにとって重要な変化ですね。ほかに変わったことはありますか?
ファックスではなく電話機能にはなりますが、利用者の傾向として高齢者の方が多く、最近では「振り込め詐欺」などの社会問題への対策が大きなトレンドになっています。たとえば、これらの機種に電話をかけた際、「通話を録音します」と伝える機能。消費者庁の調査では、このメッセージを出した場合、詐欺グループの9割は電話を切ってしまうようです。
このメッセージを出している間、電話のコール音は鳴りません。つまり、電話を受けている側が知らないうちに電話詐欺を撃退しているのです。実はこれがポイントで、特に高齢者の方は、一度電話を取ってしまうと、口がうまい人に言いくるめられだまされてしまう場合があります。なので、そうした電話をまず受け取らないのが、詐欺対策になるのです。
こうした機能を搭載した機種の普及はまだまだですが、全国7割の警察署とコラボして、詐欺被害を減らそうと奮起しています。
――なるほど。詐欺被害対策の面が強化されているのですね。ちなみにSDカードが挿入できるようですが、記録用に使われるのでしょうか。
そうですね。主には電話帳の登録機能として使われますが、万が一詐欺被害にあった際に、通話内容を録音したSDカードを警察に持っていくことで証拠とすることができます。さすがに電話機自体を持っていくことは難しいので(笑)。
――最も大きな変化というかトレンドは、どちらかというと電話機能なのですね。ファックスのトレンドというと、あまり変化はないのでしょうか?
非常に難しいご質問で、正直そこまで変わっていないのが実情です。いろいろな機能を付けてはいますが、ここ10年間での劇的な変化はなく、微々たるものかなと。
ただ、社会問題のなかで、お客さまの困り事を解決するという切り口で商品開発を進めています。大きなトレンドの波を追うより、今のお客さまが困っていることを、いかに製品で解決できるかを念頭に置いて商品企画・マーケティングをしており、今後出る機種もそうしたニーズに合わせたものを提案していければと思います。
2000年のピークを皮切りに、家庭用ファックスを使う機会はたしかに減りました。一方、同じファックス市場でも「インターネットファックス」と呼ばれるサービスは、企業を中心に利用数が伸びているそうです。
インターネットファックスとは一体どのようなサービスなのか、そして、通常のファックスとどう異なるのか。次は、インターネットファックスサービス「MOVFAX(モバックス)」を提供する日本テレネットの小幡卓さんに話を聞いてみましょう。
――そもそも、インターネットファックスとはどのようなサービスなのでしょうか。
端的に言えば、ファックス機がなくてもパソコン上でイメージデータの送受信ができるサービスです。ファックスで送られた紙面をデータとして受信して印刷せずに見たり、逆にパソコンから相手のファックス宛にデータを送ったりすることが、場所を選ばずにできるわけですね。
特徴的なのは、ファックス原稿に文字や図形を入れられる、イメージ編集機能。たとえば、イベントの申し込みのために氏名を入れる、閲覧済みのスタンプを押すといったことを、印刷せずにできるのが便利です。
また、今までは050から始まる番号を提供していましたが、東京(03)、大阪(06)、神奈川(045)など市外局番から始まる番号の提供もオプションとして開始しました。050ではなく、市外局番から始まる番号のほうが、送り手の場所がイメージしやすく受け手も安心感があるということで、こうしたサービスを提供しています。業界では後発なので、逆に他社にない機能を補うことで差別化を図っているんです。
――サービス開始は、昨年3月と聞きました。どのような経緯でインターネットファックス事業を始めたのでしょうか。
弊社はもともと、同じファックス原稿を多くの相手に送る一斉同報サービスを展開していました。大手の家電メーカーなどから、街の電気店へ情報を共有するためのファックスのインフラを構築してほしいと依頼されたことがきっかけです。
一斉同報は26年前にスタートし、現在では弊社の基幹事業の1つに成長しました。しかし現在、同じ原稿をさまざまな人に送るだけではなく、「Peer to Peer」と呼ばれるような、内容の異なる原稿を個々の相手に送る市場が伸びています。
ファックス事業を長く行っている弊社として、需要の高まりを背景に、お客さまに提供するサービスの選択肢を増やす意味も込めて、後発ながらサービスを開始しました。
――最近はファックスを使う機会がなく、話を伺うまでは「需要はあまりないのでは?」と思っていました。しかし、インターネットファックスの需要は高まっているのですね。
現在、ビジネスの場面でコミュニケーションに使われるのは、主にメール。1日あたりに受け取るメールはかなりの量なので、そのメールが自分に必要かどうかは、3秒ほど件名を見て判断されてしまうと言われています。
一方、ファックス原稿はすべての情報が出力された状態で見られるので、同じ3秒でもタイトルだけで判断される可能性は低いはず。もちろん興味を持たせる工夫が必要ですが。また、紙で出力されるので、同じオフィス内で回覧されたり、掲示されたりしやすいわけです。メディアとして、紙はまだまだ強いのではないでしょうか。
さらに、オフィスのファックス普及率はかなり高く、名刺にファックス番号を書いている企業も多い。特に「商品が○%引き」といったタイムセールの情報を送るのに有効と、ファックスが見直されている事情もあります。
――たしかに、ファックス番号が書かれた名刺を見る機会は少なくないですね。今でも需要があることはわかったのですが、インターネットファックスは具体的にどんな場合に利用されているのでしょうか。
たとえば、既存顧客用のファックス番号をすでに登録していて、新規顧客のファックス番号を別に管理したいケース。わざわざファックス機とファックス番号を用意しなくても、ウェブ上で登録作業を数分ほど行えばすぐ使えるので、インターネットファックスを利用するお客さまは多いです。
ファックスを使ったアンケート回収も、インターネットファックスを利用していただくことが増えています。というのも、回収したアンケートをすべて紙に出力すると大変ですが、インターネットファックスではデータとして管理されるため、保管場所に困りません。
また、大量に届いたファックス原稿から特定の1枚を探したいときも、紙よりデータで管理しているほうが見つけやすいです。弊社のサービスにはまだ搭載していませんが、紙に書かれた文字を読み取り、デジタルデータに変換するOCR技術も進歩しています。そうした技術が使えるサービスと連携すれば、内容もすべてデータで管理できます。
――紹介いただいた事例ではオフィス利用がほとんどだと思いますが、家庭での利用はないですか。
弊社の実績としては、非常にわずかなのが実情です。家庭利用の場合、メールだけでなくSNSなどもコミュニケーションツールで用いられるので、選択肢としてあがることはなかなかないのではないでしょうか。今後含めて、家庭利用されるには、デバイスの進化も必要だと思います。
たしかにピーク時よりは減っているものの、家庭用ファックスの需要はまだまだあるそうです。また、オフィスのファックス普及率は高く、インターネットファックスは市場を拡大しているとのこと。
筆者自身使う機会がほとんどなく、懐かしさまで感じるファックスですが、紙の利便性が高いのも事実。コミュニケーションツールとして今後も独自の進化を遂げながら、根強く生き残っていくかもしれませんね。
(編集:ノオト )
義理の父母に正確に連絡する場合、耳の遠いお二人に叫びながら伝えるより、FAXで筆談したほうが、結局、楽で間違いがありませんからね★
重宝してます♥
ただ、そのFAXを受信する機械(コピー機)がだいぶ古くなっています。
ところが、欧米ではFAXは「時代遅れ」という烙印を押されています...σ(^_^;)
IoTと絡んで、どこまで進化するか見ていきたいですね。
相手がメール使用してない場合もペーパーレス出来て便利でした。
会社でも少なくなりましたね。
面倒なら写真撮って添付になりましたから。まぁ、大きな画像送れるからですが(笑)
自宅には電話にありますが、この機能は
使っていません。
親戚の子どもには「大きな電話」と言われて
います。
親機はワイヤレスでもないコードが付いて
いるタイプ。
その子どもには「大きくなったらちょうだい」
と、何故か好かれていてプレゼント予約済み。
捨てるに捨てられず電気を食べてます(笑)
取引先に年配の方が多く、また田舎ということもありますが・・・
まだまだ頑張って貰いたいです。
私が電話番の時は電話に出てピー!ってなったらFAXボタンを押してました!懐かしい!(○´∀`○)
父が仕事を辞めるまではFAXも現役であり続けて欲しいですねー
父にゼロからパソコンとメールの使い方を教えるよりははるかに簡単ですしw
うちは家庭用複合機でプリンタ・スキャナ・FAX・電話、全部バリバリ現役です。
すごい前に、迷惑FAXとかいらない情報をFAXで送られて来るので、一旦モニターで簡単に確認できて必要なら印刷をする方法をインターネットがでる前に特許行けるんじゃねえか?と思い色々と動いたら。
某紙系を扱う所から紙が売れなくなるだろうと言われた(^_^;)
( ˘•_•˘ ).。oஇ
自宅では年に数回、子供の学校行事プログラムを在所の両親宛に送るだけの機能になってます。
メールを多く使います。
たまにFAXが必要になる事があるのと、コンパクトでそれ程場所を取らない事
最近は安価なモデルの値段が昔の留守番電話機並の値段にまで下がっている
ので購入したという感じです。
業務でも、6月まで調剤薬局に勤めていましたが、処方箋を患者さんが持って
来られる前に病院のFAXコーナーでFAX送信して貰う事により事前にお薬を
準備出来るので、仕事ではかなり大量に使っていました。
調剤薬局には大抵FAX機があるので、個人からでも初回に事前連絡をした上で
FAXを送ればお薬の準備をして貰える所は多いかと思います。
但し原本は必要になるので、最終的に薬局の受付に渡す必要はあります
けどね。(^^ゞ
それと、事務所では一斉同報がよく使われていました。
記事の通り、メールだと見て貰えない事が増えるので、自動的にプリント
されて出てくるFAXによる送信は未だにメリットがあると思います。(^^