- 201
- 27
- 71

よく見ると違う。複雑すぎる「USBケーブルの種類」を見分けるワザ
ガジェット・ローカルネタ・卓球が好きなライター。過去に番組リサーチャーとして秘密のケンミンSHOWなどを担当。
スマホやPCを扱うユーザーたちを、地味に悩ませるのが「USBケーブル」です。
まず、わかりにくいのがUSBの規格。例えば、
- USB 3.0
- USB 3.1 Gen 1
- USB 3.2 Gen 1
実は「これらは全て同じ」です。もっと言うとAppleが使う名称の「USB-C」も、Androidスマホなどで語られる「Type-C」と同じ。
そのほか、一見しただけでは性質や機能などはわからないことも多いのがUSBケーブルです。一つずつ整理し、「USBケーブル地獄」から一緒に抜け出しましょう。
USBケーブルの端子を一つひとつ紹介する
まず「USB(Universal Serial Bus)」とは、今や大スタンダードになった「データ転送や電力供給のための標準規格」です。スマホを持っているなら、当たり前に使っているはず。
このUSBができるまでは、PCに周辺機器をつないで使うにも、再起動が必要なことが多くありました。それを「プラグアンドプレイ」という機能で、即・使うことが可能になったのです。
そこで、主なUSB端子をまとめた表がこちら。
これらは使用する頻度が高いので、いらないケーブルを処分するにしても1本ずつは残しておいてください。Type-A、Type-Cなどの使用頻度の高いものは2本以上残すといいと思います。
順に説明していくと、まず、長らくPCなどで使われてきた大きめの端子が「USB Standard A(Type-A)」です。最初のメジャーリリースだった「USB1.0」時代から使われているため、大きく広まりました。
そして、現在主流なのが「Type-C」。上下どちらを上にしても差さったり、USBポートを小型化できたりと、いいことが多いので、今全盛となっています。
Type-Aとともに、初期から標準で使われてきたのが「USB Standard B(Type-B)」で、こちらの四角い端子。プリンターや外付けHDDなど、PCと接続する周辺機器によく使われます。
同じくよく使われてきたのが、「Mini-B(mini USB Type-B)」と「Micro-B(Micro USB Type-B)」です。
「Mini-B」は最近あまり見かけなくなりましたが、かつてはデジタルカメラなどのガジェットで、これを使うものも多くありました。
Type-Cが普及するまでよく使われていた「Micro-B」は、スマートフォンなどにも利用されてきました。「mini~」より薄くて抜けにくく丈夫な規格だそうです。
ポータブル大容量ディスクなどに使われているこちらも、実はMicro-Bの仲間であり、「USB3.0 Micro-B(Micro USB Type-B 3.0)」という規格です。
「USB3.0 Micro-B」の端子のコネクタは2つに分かれていて、それによりUSB2.0でも3.xでもハマる端子を持つ優れものです。
また、iPhoneユーザーがとくに多い、日本人にとってとくになじみ深いのがこの「Lightning」ケーブルでしょう。厳密にはUSB規格ではないようですが、広く普及しています。
長らくiPhoneがこれを採用していましたが、転送速度や充電スピード、さらにはEUからの勧告などの影響で、iPhone 14シリーズを最後にType-C(USB-C)に移行しました。
あまりにも複雑すぎる、USB規格の名前
端子の違いのほか、これらのUSBにはたくさんの規格が存在します。以下に主なものをまとめました。基本的にUSBの数字が上がるほど転送速度も上がります。
この通り、妙に複雑になっています。中でもUSB3.0、USB3.1 Gen2、USB4は、呼び方が一、二度変わっております。
しかし、以前の規格の名前で世に出ている商品が存在するため、事実上同じ規格なのに、いろいろな名前のものが混在してしまっているのです。
ですが転送速度は、実は「Gen」の表記のみである程度わかります。
となります。
また、これらの呼び名があまりにも複雑なため、マーケティング名を簡略化する動きも出てきていますが、それは後ほど。
USB、どう見分けるか?
そんなUSBケーブルには、もう一つ問題があります。それは、「見ただけではどんな機能・性能かわかりにくい」こと。
そこで、いくつか見分けるためのチェックポイントをお知らせします。
まずケーブルがデータ転送に対応するかは、そのケーブルでスマホをPCにつなげばわかります。ストレージとして表示されればデータ転送OK、そうでなければ充電専用のケーブルです。
さらに、急速充電できるかどうかは、急速充電対応の充電器を使い、急速充電に対応するAndroidスマホにケーブルを接続するとわかります。画面に「急速充電」と表示されるかどうかで判別可能。
また、「USB2.0」と「USB3.x」では大きく性能の差がありますが、USB Type-Aの場合はそれをだいたい見分ける方法があります。それは、端子の一部が白・黒か青かです。
原則的には白・黒がUSB2.0、青がUSB3.xとなります。中には例外もある ようですが、基本的にはこれで見分けられます。
USB Type-Cについては、明確にUSBのバージョンがわかる方法はありません……が、(確実ではないものの)うっすらわかる方法があります。
それは、「ケーブルの太さ」です。信号線が9本あるUSB3.xは、信号線が4本のUSB2.0に比べてケーブルが太くなりやすいため、太いケーブルはUSB3.xのことが比較的多いようです。
ちなみに逆・裏ワザ的知識ですが、USB3.x対応端子をゆっくり挿すと、USB 2.0デバイスだと認識してしまう場合があるので、ご注意ください。
もしUSB接続のSSDなどストレージの転送速度が遅い場合は、USB2.0と認識されている場合があるとのこと。その際は、USB端子の抜き差しで改善される可能性があります。
呼び名を簡略化? しかし……
実は2022年9月30日に、USBの仕様策定などを行う業界団体のUSB Implementers Forum(USB-IF)が、転送速度や送れる電力が一目でわかる「新しいロゴ表記」を決めています。
そして、それが付いているのが例えばこのケーブルです。
このロゴは「40Gbps」の最大転送速度を持ち、「240W」の電力で充電できるということを示しています。
さらに、USB-IFは従来の「USB 3.2 Gen 1 / USB 3.1 Gen1 / USB 3.0〜」などのマーケティング上の表記を改める方向であり、今後は「USB 20Gbps」「USB 40Gbps」など、転送速度がそのままマーケットでの名前になるとのこと。
全てがこの表記になれば、我々はケーブルの悩みからいくぶん解消されることでしょう。
しかし、そもそもオープンな規格であるUSB。USB-IFのガイドラインに従うかどうかはメーカーごとの判断に委ねられているそうです。さらに、従来の商品も市場に存在するため、まだまだ「USB いくつ〜」の表記があちこちで見られます。
しかもロゴの使用には、USB-IFへの加入や認証の取得などでお金や手間がかかるため、ロゴを付けているUSB機器はまだ限られています。
ただ、認証ロゴがある製品は品質的に安定しているとの声も見られるので、迷ったら認証ロゴのある商品を買っておくといいかもしれません。
また、USB-IF非公式の独自ロゴを付けているメーカーもあり、性能の参考になる場合はあるようです。
最終兵器「USBケーブルチェッカー」を使おう
このように、ある程度ケーブルのタイプがわかる方法はわかりました。しかし、サクッと詳細に調べる方法は?
ここで秘密兵器、ケーブルの性質がすぐわかる「USBケーブルチェッカー」の登場です。
簡易的なものなら1,000円台でAmazonなどで売られていますが、ひときわ高機能なのが、ビット・トレード・ワン社による「USBケーブルチェッカー2」です。
少し高価ですが、日本のガジェット界では他の追随を許さないほどに信頼を置かれているテスターです。
下部にいろいろな種類の端子を挿すところが付いていて、どのランプが点くかによっていろいろなケーブルの正体がわかります。
例えばこのケーブルは、USB2.0のみ対応で、充電だけができるタイプだとわかりました。
ダイソーで買ったこのUSB2.0のケーブルは、充電およびデータ通信がOK。なお、上のディスプレイに表示される「抵抗値」は少ないほどロスが少なくて優秀なのだそうです。
某100円ショップで買ったケーブルは抵抗がかなり多め。
最後に一番最近買ったUSB4.0のケーブルを測ったら、全てのランプが点灯しました。抵抗値も少なく、質のいいケーブルのようです。
全体的な印象としては、
- 単独で販売されるケーブルは高性能なものが多い
- 安い商品のオマケで付くケーブルは低性能が目立つ
という感じ。あくまで肌感の話なので、ご参考程度になさってください。
これで不要のUSBケーブルをいっぺんに断捨離するのもいいでしょう。
このUSBケーブルチェッカー2は全部入り機能のために約6,000円と高額なので、チェックしたい機能が決まっている人は、もう少し安い1,000〜2,000円台の商品でも間に合うと思います。
まとめ
ここまで、USBケーブルの複雑な世界を見ていきました。以下に「整理のしかた」をまとめています。
- 193
- 9
- 90
何だか失敗したことがあり、それからは自分で判断せずお店のスタッフに確認しているのですが、情報を保存したのでこれでもう大丈夫ですね👌
私も家にケーブルいっぱいあります(笑)
充電器もUSB-PD対応品を使い、e-Marker内蔵のUSB-C to USB-Cケーブルで統一したいところですが、中にはコネクタ形状はUSB-CでもUSB-PD充電器では充電出来ない機器が存在します。
そんなときはUSB PDトリガーケーブルで負荷側の電圧を5Vに指定してあげる必要があります。
たとえば、安価なUSBファンなどでしょうか
他にも、信じられない事に2025年現在でも旧態依然としたMicro USB Type-Bコネクタ仕様の製品が存在します😒
最新のAmazon Fire TV Stick 4K Max(2024年リリース)もMicro USB Type-Bコネクタですが、これを車載利用しようとすると、最近の車側のUSB電源端子はUSB-Cなので一般的なケーブルは使えません😨
この場合、Amazon等でUSB PDにも対応したDC5V出力のUSB-C to Micro USB Type-Bケーブルを探す事になります。
これがあると、詳しく調べることができて便利そうo(^o^)o
これらは全て小さい台形の端子で、ある意味統一感があります!
USB Cable確かにいろんな変換Cableをついつい買って使っていました 形状見るとこれが何をほぼだいたい言える往時の回路設計屋🐻です が 確かに充電専用か Data通信も出来るか Data通信は速いか...使ってるとたまに このCable遅いんだよな...みただけじゃあ分からないです...中にはうそつきも...USBじゃなくてHDMIにうそつきが多い気がしますが💦
この記事を読んでついつい整理するか❗️と思ってしまった🐻でした やる気も貰えた気がします 再度 ありがとうございます🐻
最近、c-typeに統一されつつあるので
うれしいです(^ー^)
cとcが主流と言われ薦められましたが
今現在必要なのはaとcなのでc&cは断りましたが…
過去の物も機種変の度に残してます(極たまに役に立つので)が、
極力その時手元に合う新しいのを買ってしまいます。
興味ある話ですが長いので
後でゆっくり学びたいと思います。
ありがとうございました。
まずは今のiPhone11を早く卒業させてLightningと縁を切りたいです。
USBに限らず、コンピューター関連は主流の規格や時期だと選択肢も多く、価格も求めやすいのですが、そこから外れてしまうと幅が一気に狭まるうえに価格も上がっちゃいますね。
現在主流のType-Cはかなり使いやすくなったと思います。性能はピンキリですけどね。
通販サイト等で「うsb」と言う名の幻の規格を入力した事ある人は、正直に挙手しなさい!
それにしても色々あって、買う場合は悩みますのでこの記事はとても参考になりました。
またケーブルの性質がすぐ分かる「USBケーブルチェッカー」、技術の進歩は進んでいますね。
次回ケーブルを買う場合は、是非参考にさせていただきます。
何と無くですが解りやすかったです。。😌
Androidスマホの中には、120Wなどの急速充電がありますが、対応するUSBA-typeCのケーブルと独自の充電器が揃っている場合に限ります。
あわせてUSBPDの50W程度の急速充電に対応しているスマホもありますが、以下注意点があります。
USBPDのなかでもPPSという規格に対応した充電器が必要なケースがほとんどです。
最新のUSBPD充電器であっても、全てPPS対応とは限らないうえ、PPSが作動する電流電圧の範囲も確認が必要です。
さらに、汎用的な3Aのケーブルで不十分である場合、5AのUSBCケーブルが必要なこともあります。
ですので、USBPDの充電器やケーブルを揃えても、15W程度の充電しかできない場合もありますが、10Wより高いためスマホ上では急速充電と表示されることもあります。
>> 上加納山 さん
コメント失礼します。>PCの再起動が必要だったというのは誤認識。
誤認識……とまでは、言えないと思います。
Windows98の登場までは、起動しているパソコンに新たに機器を接続して使おうと思ったら、①一旦パソコンの電源を切って、②接続する周辺機器(プリンターやHDDなど)の電源を先に入れて、③それからパソコンの電源を入れ直し【再び起動する】という順序①→②→③が決まっていました。
これは、OS・BIOS・周辺機器など全ての規格が、ホットプラグ(またはホットスワップ)やそれから発展したプラグアンドプレイ(PnP)に対応していなかったからです。
プラグアンドプレイを満たすUSB規格が受け入れられた1990年代末以降では、パソコンも周辺機器もPnPを実現する技術規格を満たしています。シリアル・パラレルインターフェース採用の周辺機器も、後付けでPnP対応出来るようになったようです。
1. USB規格世代(≒通信速度)
2. 端子形状
3. 給電(充電)能力
経緯があるとはいえ各要素それぞれ判りにくいところがある上に、その三要素を自由に組み合わせて製品にできるので機能を把握するのが面倒ですね。
ただ、USB 3.xが主流の今はやっかいな過渡期で、USB4がメインストリームになれば「とにかくなんでもType-Cでつないで充電はPD」と、かなりシンプルになるのではと思ったりもします。
かつてmini/micro-Aやmini/micro-ABという端子も存在したと古文書にはあるのですが、実物は現存するのでしょうか?
>> エキストラC さん
> かつてmini/micro-Aやmini/micro-ABという端子も存在したと古文書にはあるのですが、実物は現存するのでしょうか?はい、現存します。 ハードオフとか行くと、まれに見かけることありますよ。
難しくややこしく苦手です
>> Kazuo Kubota さん
お気に留めていただいてうれしいです。自分はUSB規格の解説に載っている画像(写真や模式図)くらいでしか見たことがないので、「伝説上の存在」的に感じちゃっています。実際にはどんな機器に使われていたのでしょうか?
またmini/micro-Bは耐久性がやや低めという印象で、ABはこれで大丈夫なのか‥とか思ったりも。
チェッカー見てきます。
あると便利なんですけどね〜