「法律なくして犯罪なし、法律なくして刑罰なし」
罪刑法定主義(ざいけいほうていしゅぎ)とは、「いかなる行為が犯罪となり、それに対してどのような刑罰が科せられるのかについて、あらかじめ国会が制定する成文の法律で定めておかなければならない」という近代法の基本原則です。
「法律なくして犯罪なし、法律なくして刑罰なし」という法格言で表現されます。
国家権力が恣意的に人々を処罰することを防ぎ、国民の自由と人権を保障する重要な役割を果たしています。
日本の憲法においては、日本国憲法第31条がその根拠とされています。
罪刑法定主義から派生する5つの原則
この主義をしっかりと機能させるために、以下の原則が導き出されています。
〇成文法主義: 犯罪と刑罰は、必ず文書化された「法律」で規定しなければなりません(慣習法による処罰は禁止されます)。
〇遡及処罰の禁止: 法律が作られる(または改定される)前に行った行為を、新しい法律で遡って処罰してはなりません。
〇類推解釈の禁止: ある行為について処罰する法律がない場合、似ている法律を無理に当てはめて処罰してはなりません。
〇明確性の原則: どのような行為が犯罪になるのか、どのような刑罰が科されるのかが、一般の人にも分かるように明確に規定されていなければなりません。
〇絶対的不定期刑の禁止: 刑罰の重さ(期間や量)の上限を全く定めないような刑罰は許されず、あらかじめ基準を定めておかなければなりません。
例
日本の刑法第199条では「人を殺した者は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する」と明確に定められており、この法律が存在して初めて、該当する行為に対して刑罰権を行使することが可能になります。
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