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超短編SF 第3次世界大戦

 それは今から50年前に銃声ひとつなく、流血も無く静かに始まった。
世界を経済支配しようとしてたった一つの国が企てたバイオハザード。
 1945年に終息した第2次世界大戦は小さな国に核を落とし何十年に及ぶ白血病という爪痕を残したが、その苦い思いも風化しつつあるころであった。
 最初はパンデミックという形で静かに始まったが、数か月後には音にならない爆発的な感染力で世界を席巻した。
 そのウィルスは季節性で無く再罹患もし変異もした。
世界の製薬会社がワクチンの開発を急いだ。協力体制の基いくつかのワクチンが作られたが、副作用の強さに本末転倒もした。
 そのような中、企てたと思われる国でワクチン投与が富裕層に行われたが、すでにコントロールの効かない変種のウィルスが蔓延り自国で作ったウィルス兵器に振り回されることとなった。
 ウィルスは地球上のあらゆる環境下の基、独自の変異をとげ人知の及ばぬ領域に入った。
 今年2070年。人類は50年に及ぶ年月の中で経済機構を変化させソーシャルディスタンスの中で人口を減らし続けている。 完


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