性善説ビジネスについて(ついでにフリータンク考察)
【話の前提】
ここでは
「性善説=全ての人を信用する」
「性悪説=全ての人を疑う」
という意味でとらえてください。
最近、性善説に立ったビジネス(以後、性善説ビジネスと略します)を
見かけるようになってきました。どのようなものかいくつか事例を挙げます。
【事例その1】アマゾンが始めた「置き配指定」について
既にご存じの方も多いと思いますが「置き配指定」は、注文者の在宅・不在に関係なく
応対・サイン不要で指定場所に荷物を置いていくサービスです。
注文者は時間にとらわれることなく荷物を受け取ることができ、
配達側は再配達のコストを削減できるメリットがあります。
ところが、この「置き配」で思わぬトラブルも起きているようです。
Amazonの「置き配」であわや自宅軟禁
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1909/20/news118.html
荷物の置き方が配達員に委ねられているが故に、思わぬトラブルが
起きてしまう恐れがあるのです。
盗難のリスクもあります。また、注文者は直接受け取らないことを悪用して
盗難されたふりをして返金を申し出たり、配達員は盗難を装って荷物をそのまま
持ち帰ることもあるかもしれません。
トラブルや不正を防止するにはどうすればよいのでしょうか。
例えば、配達員にカメラをつけてモニタリングする、盗難防止用のタグを付ける、
ワイヤーと南京錠の付いたBOXの設置を義務化する・・
などなど、色々方法は考えられると思います。
【事例その2】フードバンク、こども食堂などについて
フードバンク、こども食堂 という言葉を最近聞くようになりました。
毎日の食事にも困窮する人達のために、無償もしくは安価で食料・食事を
提供する仕組みです。
つい最近こんな記事がありました。
「本当に困ってるところには届きづらい」子ども食堂をやってみたが、
想定していた層が全く来なくてやめてしまった話
https://togetter.com/li/1461698
生活に困ってもいないのに、単に食費を浮かせたいという理由だけで
子ども食堂やフードバンクを利用する人たちが存在します。
こういうただ乗り(フリーライド)を排除するにはどうすればよいのでしょうか。
収入証明書を提示してもらう、調査員を派遣して本当に困窮しているか確認する
などなど、色々方法は考えられると思います。
【事例その3】マイネオ フリータンクについて
さて、ここでお馴染みマイネオ フリータンクについて。
フリータンクはユーザーの余ったパケットを自発的に寄付することで
成り立っています。パケット不足で困ったときは無償で引き出すことができます。
その一方で、特に困っていないけど無償だからと引き出す人たちが存在します。
こういうただ乗り(フリーライド)を排除するにはどうすればよいのでしょうか。
入れたパケット>出したパケットを条件にする、引き出す量・回数に制限を設ける、
引き出す時に困っている理由を自己申告してもらう
などなど、色々方法は考えられると思います。
はい! ここまで来ればもうお分かりですね!
性善説に立ったビジネスというものは。どれも同じ構図になるんです!
それこそが性善説ビジネスの本質だからです。
トラブルやずるい人、悪人を完全に排除することは可能でしょうか?
事例1~3からよ~く考えてみてください。
色々方法は考えられますがおそらくキリがなく、どんなに対策を打っても
完全に排除することは不可能でしょう。
それこそが性善説ビジネスの本質だからです。
それでもとにかくずるい人、悪人は許せないからといって
排除するために無限に対策を打っていったらどうなると思いますか?
もちろん私だってずるい人、悪人を容認する気はありません。
しかしながら、この性善説ビジネスの本質に気づかないまま
無限に対策を打っていったら その行き着く先は
排除するコストばかりかかって
とても使い勝手が悪く
肝心の本当に困っている人たちには届かない響かない
誰も得をしない
そんな見事な負の遺産の出来上がりです!
【最善の対処法】
さて、それでは最善の対処法は何でしょうか?
正解は
「どこかで割り切って考える」(それ以上追求しない)
です。
性善説ビジネスの前提を崩さずに、他にどんな対処法があるでしょうか?
【提言その1】
マイネ王事務局さんに申し上げます。
フリータンクの仕組み作り、運用にあたって
この性善説ビジネスの本質はご理解されていますでしょうか。
既に理解されているのでしたら、申し上げることはありません。
大変失礼いたしました。
もしそうでなければ、ぜひともご理解頂きたいと思います。
フリータンクの継続的な改善は今後も必要と思いますが
ユーザーからの要望、特にずるい人の排除、規制を求める声
は今のフリータンクの仕組みを維持する限り、無限に上がってきます。
どこかで割り切って考えないと、行き着く先は・・・上記で述べた通りです。
【提言その2】
マイネ王ユーザーの皆さんに申し上げます。
フリータンク、本当に色々な意味で気になりますよねぇ。
・みんなもっとフリータンクを正しく使って!
・フリータンクが枯渇するのはなんとしても食い止めなければ!
・OUTばかりする人がいるから、もう寄付するのやめました
・どうして困ってもいないのにOUTばかりする人がいるの・・助け合いなのに悲しい
・フリータンクのただ乗りずるい!許せない!もっと規制強化して!
(アイデアファームを少し覗いてみてください。まぁこの意見の多いこと)
これらのモヤモヤした気持ちを一挙に解消する最善の方法は
「どこかで割り切って考える」(それ以上追求しない)
感性の鋭いユーザーさん達は既にこの本質に気づいておられるようで
フリータンクについては静観・達観を決め込んでいるようですよ。
【性悪説について】
さて、ここで角度を変えて性悪説に立ったビジネスについて。
こうして考えてみると、世の中の大半の仕組み・ビジネスは
性悪説に立っていると気づかされます。
・代金の支払いは口座振替かクレジットカードで(踏み倒されるリスク回避)
・本人確認のために身分証明書の提示
・続柄を示すために、戸籍や住民票を提示
・税金の支払いは源泉徴収
・ローンを組む時に担保を求められる
・ネットするには暗号化、セキュリティ対策が必須
・試験を受けるときは必ず試験監督が同席
(以上はほんの一例です)
ドコモやマイネオなどの通信サービスも当然ながら性悪説ビジネスです。
身分証明書出さないと契約すらさせてもらえないし、代金はしっかり回収されるし
払わなければ回線を切られますよね。
そんな性悪説ビジネスが大半を占める世の中で突如降って湧いたかのように
登場したのが、性善説に立つフリータンクです。
既存のビジネスと仕組みが根本的に違うからこそ、
これだけの関心・共感・軋轢・様々な感情を引き起こすのではないでしょうか。
【終わりに】
ここまでお読み頂きありがとうございました。
なるべくシンプルに書くよう努めましたが、この本質を伝えるためには
どうしてもある程度長文になってしまいます。
さて、ここで皆さんはこう思うかもしれません。
「本質は理解できた。でもこれが広く知られるようになったら、
ずるい人、悪人を勢いづかせることにならないか?」
その心配は確かににあります。
でもそれはもはや性善説ビジネスの限界ではないでしょうか。
性善説ビジネスがこれからの世界で増えていき、根付いていくのかどうか
は分かりません。
(くどいようですが、性善説ビジネスがうまくいくかどうかは
「割り切れるか」どうかにかかっています)
性善説ビジネスが衰退していくのであれば、やはり今の世の中には通用しないということでしょうし、
仮に日本で衰退していくのであれば日本人には向かない仕組みだということになるのでしょう。
~終~
誰も金払ってないはずだが?
某はフリータンクって参加型ゲームかと思っていたでござるよ。(笑)
置き配などに関して言えば、
家のポストと同じですよね。
家のポストにその家宛てのハガキや新聞紙が届きます。
今は鍵付きのポストも見かけますが、
新聞紙なんてのは、ポストに刺さったまま、
引き抜こうと思えば引き抜けるものポストも多数見かけます。
スーパーやコンビニで考えても、
品物が陳列され、
盗もうと思えば手を伸ばし、いわゆる万引き、
やろうと思えばいくらでもできます。
やるかやらないかは、
人それぞれ。
当然良心がある人が殆どだから、
まだ日本は良いかもしれない。
でも、犯罪はできないことはない。
良心がやらないだけです。
フリータンクの話で言っても同じこと。
利用者次第。
でも、運営は未だに、そこまで厳しく取り締まらない。
それはなぜか。
私の個人的な見解ですが、
そもそも、フリータンクへ出し入れされるパケットは、
大元はその人が既に購入したパケット。
それを善意で寄付しているだけ。
寄付しなければ、基本使わずに無駄になるから寄付している。
それを、使いたい人が引き出すだけです。
つまり、
運営としては、既にその分のお金は徴収しているから、
痛くも痒くもないわけです。
ユーザ次第になるだけ。
フリータンクが枯渇しても、
それはユーザが選んだこと。
だから、厳しくして、なんとか延長させよう。
とまでは思ってないのかなと。
私も一つ事例を思い当たりました。
コーヒーショップで、ミルク・砂糖・紙ナプキン等を配る方法について
【性善説であれば】カウンターに置いておき、各自が持っていけるようにする
【性悪説であれば】店員に言わないと、もらうことができない
前者であれば使い勝手は良いですが、タダで大量に持って行ってしまう人が
いるかもしれずそれを見た人は眉をひそめそうです。
店側としてはこの仕組みで行くなら、そういう人もいると
割り切るしかなさそうです。
後者であれば多少不便ですが、タダで大量に持って行く人はいないでしょう。
客の店への印象は多少悪くなるかもしれませんね。
・・・すみません、それだけなんですが。
「制限」とかでは無く「工夫」が必要でしょう。
子供食堂の場合、例えばですが「手伝い」などをさせたり、もっと地域のコミニティに協力してもらうようにもってゆく手腕が必要になるのでは無いでしょうか?
配達に関しては、簡単な工夫とはいきませんが、自宅の玄関に監視カメラが何処のご家庭にも普及すればあまり問題無いかも知れないし、それはそう先の事では無い気がします。安くなっていますからね。(^^;
私の案では対策になっていないと思われるかも知れませんが、成功するにはそれ以上の工夫が必要ということで……。ではでは。
https://www.fnn.jp/posts/00414900HDK
↑こんな事件も思い出しました。
性善説の仕組みも、余りにも悪用するとこうなるよ、と
少しは抑止力になるといいのですが。
などと真面目に答えようと思いましたが…
マイネオで(ただ乗りではないよ)お金を払って(ズルではないよ)ルール通りに引き出している人を「ずるい人・悪人」と一緒くたに扱っている時点で議論に値しませんね。
>「性悪説=全ての人を疑う」
言葉の定義がこういう意味であるのなら、性善説ビジネスであるのかどうかという疑問を持ちました。
例えばAmazonの置き配についても、実際には性善説というよりインターネットのようなベストエフォート型と捉えたほうが良いのかもしれません。インターネットは送信したデータが全部一回で100%届く事を想定した技術ではありません。一回で100%届くような電話みたいなシステムを構築し維持するには極めて高品質なシステムが必要で膨大な費用が掛かります。したがってインターネットは80%届けばいいじゃないか、届かなったらその分を送り直そうという考え方でできています。
Amazonとしては盗難率などの問題が起こる確率を試算してそのリスクに保険をかけた上でそれでも全体としては効率がいいとのビジネス判断で置き配をはじめたのではないかという気がします。その場合は盗難などの問題が起こらない前提でのビジネスではないので性善説と呼ぶのは妥当ではないように思います。
の記事を読んで思ったのはこれはむしろフールプルーフ(人為的ミスへの対策)の問題であるように思いました。本来置き配に適した置き場が無い消費者が玄関前に置き配を指定したので、他の通行者の妨げにならない位置に置いたらドアが開かなくなる危険性があったと。ルールを変更して対策は必要かと思います。ただ置き配そのものが駄目ということではないように思います。
あとフリータンクへのただ乗り(フリーライド)は悪なのかな?とも感じました。私が以前フリータンクへパケットを入れていた時も別に今月困窮している人や後でタンクへ返すつもりの人しか引き出して欲しくないとは思っていませんでした。単純にほしい人が引き出してくれたら良いなと。システム上もそれが許されているわけですし。
フリータンクに問題があるとしたら、ユーザ間の善意だけで成り立たせようとしたら無理があるかもしれないという点です。定期的にmineoも寄付に参加すれば良いのにと思います。
チケット制にするなどして、利用者を限定するなど仕組み作りが必要ではないでしょうか。
フリータンクに関しては、わざわざ利用履歴を公開する必要がないと思います。
個人が寄付や募金する時に「俺は沢山募金したから偉いだろう!」と自慢する人はいませんから。
法人や富裕層が寄付をしたことを公開するのは、その事業に対しての知名度アップの目的も含まれるので別の話しですし。
フリータンクがパケット互助会だとするのであれば、パケットを入れた分だけ引き出せるとルール変更すれば解決出来ます。
mineoが掲げる助け合いの精神からすれば、借りっぱなしはマナー違反な気がします。
入れる人は自己満足で入れてるだけだし(元々余ったら消える運命)
出す人は特に違法でも無いので、毎月不足しててもプランを見直す訳でもなく毎月決まったようにフリータンクから出す
余る人も足らない人も毎月適切なプランを選べば良いだけの事
急に足らなくなったら、お金出して追加でパケット買えば済む話じゃ無いの?
えっ!お金が無い?
だったらスマホ止めれば良いんじゃない(笑)
ご利用は計画的に
出し難くしないで枯渇すれば、皆さん割り切る気持ちになりませんかね。
たしかフリータンクは運営事務局が5TB拠出して始まったセールス特典みたいなものじゃなかったのかな?(商売道具です)
私的には、INする人は収入が豊かな寄付者
OUTする人達は、生◯保◯者と理解する様になりました。
元々善意で助ける話が掲示板ではぼちぼちありました。マイネ王の規模が大きくなった時、助けてで埋まったら大問題です。そこでフリータンクというシステムが生まれた。
フリータンクは人助けではなく、助けてという書き込み防止策だったと思う。証拠にパケットを欲しがる書き込みは禁止事項になっているはずです。
善意のシステムではなく、書き込みの整理の為のシステム。
善意だと思うと腹が立つのでゴミ箱だと思うと良い。
世界にはゴミ漁りで生計と立てる外国の子供がいます。
ゴミがなくなったらその子達は生きていけるのかな?
多分違う事をして生きていくだけです。
環境を汚さない素敵なゴミ箱、それがフリータンク。
そのフリータンクを漁る子供たちが今日も・・・
個人の感想を極端な形で文章にしてみました。