虚構の物価安定
今日発表された26年4月の消費者物価指数は前年同月比1.6%と、政府目標の2%を下回りました。
電気・ガス代への補助、ガソリン価格の抑制、私立高校授業料の実質無償化が総合指数を約0.8ポイント押し下げた結果です。統計上は物価安定が達成されたように見えます。
しかし、エネルギーの下落は政策による人為的なものであり、市場価格の低下ではありません。補助終了後は反動増が避けられず、物価は2%台後半へ跳ね上がると予想されます。
内訳をみると、ガソリン価格が9.7%下落(前月の5.4%下落からさらに下落幅が拡大)し、これだけで総合指数を0.92%ポイント押し下げる最大の要因となりました。
学校給食が98.0%下落、高等学校授業料が68.8%下落、電気代は2.6%下落、都市ガス代は5.1%下落しています。
しかしながら、食料品(生鮮食品を除く)が4.1%の上昇と引き続き家計を直撃しています。
上昇品目で目立ったものを見ると、アイスクリーム: 9.8%上昇、冷凍食品など 7.9%上昇、宿泊料: 6.8%上昇、外食 5.9%上昇、スナック菓子: 5.5%上昇、トイレットペーパー: 5.1%上昇、自動車修理代: 4.2%上昇などがあげられます。
このような状況は、物価安定というより「虚構の安定」と呼ぶべきです。政府は財政支出で価格を抑え、中央銀行は低金利を維持する口実を得ますが、家計の実感と乖離した統計は政策判断を誤らせます。
特に低所得層は食料・エネルギーの支出割合が高く、補助の恩恵以上に負担増を感じています。
物価統計は本来、市場の需給を映す鏡であるべきです。補助による下押しを除いた「参考コア指数」を併記し、政策効果を透明化することが望まれます。さもなければ、見かけの安定に安堵する間に、実質購買力の低下が静かに進行することになります。
住宅ローンを借りている人は、固定に変更する最後の機会だと思っています。

