【読み物】歩け！河嶋さん・第１歩『渡辺さん』

出典：大阪府『歴史街道ウォーキングマップ』
https://www.pref.osaka.lg.jp/doroseibi/kakusyusesaku/rekishikaidou.html#kumano

続き物です。
『序章・恐怖の不健康診断』
https://king.mineo.jp/reports/204312
第０歩『計画を立てよう』
https://king.mineo.jp/reports/204702

写真を撮る習慣もスキルもないので、テキスト中心になります。
悪しからずご了承下さい。

『これっ？』

ボンヤリしてたら確実に見落としてしまうような。
大阪・天満橋の通り沿いに、その碑は佇んでいた。
昆布屋さんの前にある『八軒屋船着場跡』。
平安時代、京の都から熊野詣でに旅立った貴族達は、ここから陸路で熊野本宮大社を目指したそうな（諸説あります）。
わたしはこの地をウォーキングの出発点と定め、トボトボと歩き出した。

今でも覚えている。
その日は春先だというのに、とても暑かったんだ。

最初の目的地、坐摩（いかすり）神社。
大層なこと言ってるけど、石碑からは目と鼻の先。
熊野街道沿いにある『九十九王子』の一発目。

【以下、熊野本宮大社HPより】
『九十九王子とは、熊野詣の先達を務めた修験者により、12～13世紀にかけて組織された一郡の神社です。 本来、熊野古道の近隣住民が在地の神を祀っていた諸社を「王子」と認定し、熊野詣の途中で儀礼を行う場所としました』

今や跡形もないんだけど、『窪津王子』がある場所に坐摩神社はあるんだって。
あと、ここは渡辺（渡部）姓発祥の地らしい。
住所も中央区久太郎町四丁目渡辺３号。
もとは東区渡辺町。
渡辺（渡部）姓のマイネ王国民の皆さま、興味があれば是非ドーゾ。

谷町筋（めちゃんこ広い道路）が、かつての熊野街道だと思い込んでいたけど大ハズレ。
二本ほど外れた道を、てくてく南下。
近所の生活道路を歩いていると何の刺激もなかったんだけれど、細い旧道を歩いてみると案外面白い街並みだ。
高層ビルに囲まれながらも、大開発からちょっと離れた感じ。築古なビルがポツポツと残る街並みを見ると、いつかこういうところに住んでみたいと思うものの……
車置けないから諦めよう。

途中で見かけた案内板。
こんな古いものが残ってるってことは、少なくともその時点で建物があったということだ。
珍しいぜ！なんて思いながら写真をパチパチ撮った記憶はあるけどデータがない。よってコレは借り物。

（この写真も参考資料です）
四天王寺、堀越神社あたりを汗だくになりながら更に南下すると、天王寺（阿部野橋）へ登場。ここで急に都会へ放り出される。

今はもうないけど、よく行ってた飲み屋がこの辺にあった。
ああ、ビール飲みたい。
でも今飲んだら汗だくになるやろな。

悪魔のささやきを振りほどきながら、阪堺電車の軌道に沿うように歩く。

やってきたのは安倍王子神社。
ほんの少し離れた安倍晴明神社（境内扱い、だけど飛び地らしい）にも寄ってみる。

ここでふと、昔付き合ってたヒトの事を思い出した。
何故？
人からおちょくられるほど野村萬斎に似てたからだ。
今ではいい思い出。そっとカレの健康を祈っておこうか。

ここら辺に来ると、足はもう限界。
阪堺電車で帰りたい。もういいじゃん。
そうやって泣き笑う膝をなだめながら、本日の目的地である南海高野線・住吉東駅に到着。
駅のベンチにへたれ込み、わたしは心に誓った。

『こんなしんどいこと、二度とやるかっ！』

その誓いは二週間後に破られ、住吉東駅に再び降り立つんだけどね。
本日の歩行距離、道迷い等含めて約11km。
（万歩計から推測）
参考事項：ヘトヘトで、住吉大社はスルーした。

ご褒美：帰路の乗換駅で飛び込んだ餃子の王将
餃子一人前よく焼き（焼き目が少々強い）と瓶ビール（大しかない）！
その他諸々！

健康を取り戻す、言うてたん誰やねん……
旅はまだ始まったばかりですぞ。