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日本通信のeSIMとIIJmioのeSIMのプロファイルダウンロード方法の違いについて

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「日本通信のeSIMはAndroid機種で使えるか、また、IIJmioのeSIMと共存できるか。」
https://king.mineo.jp/reports/185367
で、日本通信のeSIMとIIJmioのeSIMは同じドコモ回線を使っていても共存できることを確認しましたが、それができる理由についてちょっと調べてみました。

画像は、横に2枚張り合わせてありますが、

左側は、IIJの「eSIMの仕組みを技術的に解説/主要ベンダーの動き」
https://ent.iij.ad.jp/articles/31/
に載っているeSIMの運用方法についての説明で、

右側は、総務省の「検討の方向性(案)について」という令和3年2月26日付の資料
https://www.soumu.go.jp/main_content/000735823.pdf
の4ページ目の右側半分を切り取ったものです。

簡単に言うと、左側はGSMAという通信に関係する業界団体の出しているもの、右側はその仕組みを一般の人にも分かるように総務省が描き直して表示したものです。

eSIMはこういう仕組みで運用されています。MNOすなわち通信キャリアとSIM会社は、物理SIMの場合は同一ですが、eSIMの場合は別になっていて、今のところeSIMのSIM会社は日本に存在しません。GSMAの承認を得ないと運営できないので手間や経費がかかるせいか、日本の通信事業者は手を出さないようです。




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こちらの画像も、最初に示したIIJの資料の中に出てくる内容で、eSIMのプロファイルについて解説したものです。

eSIMのユーザーは、SIM会社すなわちSM-DP+サーバーを運営している会社からプロファイルをダウンロードする必要がありますが、そのプロファイルは画像のような構造になっています。

$から$までの間がサーバーの名前を示していて、その後の英数字がMactching IDと呼ばれる個人ユーザーを識別するための情報です。

どうやら、このeSIMのプロファイルのダウンロードの仕方が日本通信とIIJmioでは違っていて、それがeSIMの共存ができる理由となっているようです。




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こちらは、同じくIIJが出している「eSIMについて」というPDF情報の中の一部を示しています。
https://www.iij.ad.jp/dev/tech/techday/2018/pdf/TD2018_6.pdf

eSIMのプロファイルのダウンロード方法には、大きく分けて3つのやり方があるそうです。
1. Activation Code(QRコード)
2. Default SM-DP+
3. SM-DS

1.はEIDを使わないやり方で、大抵の通信会社はこの方式を取っています。auやソフトバンク、povoやLINEMOなどもこのやり方です。

2.はEIDを使ったやり方で、ドコモがこの方式をとっています。

3.もEIDを使ったやり方で、さらにSM-DSというサーバー?を使うみたいですが、今のところ日本でこのやり方を取っている通信事業者はないようです。






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こちらは、1. Activation Code(QRコード)のやり方を図示したものです。

右上に大きく「IIJ」と書かれていますが、例としてIIJと書いてあるだけで、IIJに限らずMNOがこの位置に来ます。

その左のサーバーの絵が、SIM会社のSM-DP+サーバーを意味しています。

一般ユーザーは、そのSM-DP+サーバーからeSIMのプロファイルを自分のスマホにダウンロードすることになるわけです。

そのプロファイルには、メールアドレス?その他の個人を識別できる情報から生成したMatching IDが付加されています。

これがまず一般的なやり方なわけですね。




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一つ前に示したやり方には、まずい点も一つあるんですよね。

インターネット通信できる端末が自分のスマホ1台しかない状態でeSIMプロファイルのQRコードをそのスマホにダウンロードしても、そのQRコードを自分のスマホのカメラアプリでは読み込めないわけですよ。

他のスマホ・タブレットやPCがあればよいのですが、全員が全員そういう状態にあるわけでもないので、そういう場合でもスムーズにeSIMのダウンロードができるように考えだされたのが、画像のようなやり方です。

専用のアプリを用意して、そのアプリにeSIMプロファイルをダウンロードさせれば、別にQRコードの読み込みをする必要はなくなります。

このやり方は、楽天モバイルが採用していますよね。「my楽天モバイル」アプリを使えば、QRコードのダウンロードやカメラアプリによる読み込みは必要ありません。

最近LINEMOのeSIMを契約したのですが、LINEMOも「eSIM開通」というアプリを開発していて、QRコードのダウンロードをすることなく、そのアプリを使って回線の開通が可能でした。




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それに対して、ドコモだけは 2. Default SM-DP+ を採用していて、申し込み時にeSIMを使う端末のEIDを登録する必要があります。

通常1台のスマホにはEIDは1つしかありませんから、それでユーザーを識別できます。

でも、逆に言うと、このやり方を採用した通信事業者のeSIMを使おうとした場合、同じくEIDを登録する必要がある通信事業者のeSIMを追加することは不可能となってしまいます。

だから、ドコモやahamo、日本通信やリンクスメイトのうちのどれか1つのeSIMを契約している場合、同じやり方をしている他のドコモ回線の会社のeSIMは使えないということになります。



IIJはこのやり方を採用していないので、IIJのデータeSIMと日本通信のeSIMは同じ1台のスマホに共存できたということのようです。





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ここからは、付加情報となります。

EIDは32桁ありますが、そのそれぞれの桁が何を意味しているのか、大日本印刷株式会社が総務省に提示したPDFに解説が載っていましたので、それを示します。
「eSIMのセキュリティーについて」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000730083.pdf

リンクスメイトのeSIMを使おうとした場合、EIDの先頭8桁が「89049032」、「89033023」から始まるもののみ対応となっていますが、先頭8桁というのは、eSIM製造メーカーの国コードと事業者コードを意味しているようです。





アハモ+ドコモ+リンクスメイト+日本通信.jpg

こちらの画像は、ドコモ方式を採用している会社のホームページに載っているQRコードです。

左から、アハモ、ドコモ本家、リンクスメイト、日本通信となります。

見た目、アハモとリンクスメイト、ドコモ本家と日本通信がそれぞれ同じで、2つのQRコードがあるようにも見えます。




アハモ+ドコモ+リンクスメイト+日本通信QRコードの読み込み.jpg

でも、それぞれのQRコードをQRコードリーダーで読み込んでみると、4つともすべて同じサーバー名が表示されました。(当然と言えば当然ですが。)

このQRコードでは、$~$のサーバー名は表示されますが、それだけで、Matching IDは表示されません。その代わりにEIDを使うことになるわけです。



IIJmioのeSIM.png

私のIIJmioのデータeSIMのQRコードを示します。

SM-DP+サーバーの運営会社はドコモと同じようですが、サーバー名の数字が違っています。また、Matching IDも表示されています。

段落が尽きたので、とりあえずここまでにします。


お断り 
私はあくまでも一般ユーザーでしかないので、細かいつっこみや質問のコメントをされても、それに対してお答えするほどの技量は持ち合わせていません。あらかじめご承知おきください。





17 件のコメント
1 - 17 / 17
okitaomote
okitaomoteさん・投稿者
Gマスター

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MVNOが自社で音声通話にも対応したeSIMを出せるかという話の答えとなるような解説が、
一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会が総務省に出した資料
「スイッチング円滑化タスクフォース「eSIMの普及促進」に関するヒアリング資料」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000725218.pdf

の中に載っていましたので、紹介しておきます。

自社で音声交換網を運営しているフルMVNOでないと、音声通話のできるeSIMは発行できないようです。

実際問題そのような音声交換網を運営しているフルMVNOになるのは経費等から考えて現実的ではないので、結局音声交換網を運営しているMNOからシステムごと買ってこない限り、音声通話もできるeSIMは発行できないようです。

データ通信まではできるフルMVNOのIIJmioとしては、到底ドコモのやり方をシステムごと買ってくるなどということはできないので、結局今のまま推移することになるのでしょう。

他のMVNOとしては、どうしたものか様子見といったところでしょうか。
お~~~~~、色々とお調べになりましたね。
大変参考になります。

ただ、
『このやり方を採用した通信事業者のeSIMを使おうとした場合、同じくEIDを登録する必要がある通信事業者のeSIMを追加することは不可能』
の部分が十分理解できませんでした。
okitaomote
okitaomoteさん・投稿者
Gマスター

>> ひみつ77@👈👉ご安全に! さん

すみません、ちょっと書き方が悪かったですね。

「同じくEIDを登録する必要がある「ドコモ回線を使った」通信事業者のeSIMを追加することは不可能」

という感じで、「ドコモ回線」とEIDを使っている通信事業者のeSIMであることが分かるように限定した書き方をしないといけなかったのですが、書き忘れてしまいました。
執筆お疲れ様です。
私も、eSIMユーザーでありますが、大雑把な理解しかできていなかったです。
勉強になります。

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いや~いつも色々と勉強させてもらってます!

紹介して頂いた DNP社資料の中に「適切なEIDと判断した場合…」「指定されたEIDに対するプロファイルを作成…」と記述されていることから

①ドコモは EIDの適否判断をしている?
②1個のEIDに対して作成されるドコモ・プロファイルは1個のみ?

ということが容易に推察されますね。
ただ、このドコモ・プロセスには疑問が残ります。
「eSIMプロファイル発行の適否」について MNOが勝手に特定のEIDのみと判断/限定するのは如何なものかと思います。適否を判断するのは 公的なGSMA認証機関であって、認証されたものが EIDを付与されているハズでしょうから。。。

そのうち eSIMカード(eSIM.meは 89033023でも89049032でもないEID=8906xxxxらしい…)が届く予定なので、本当に拒否されるのか否か、ドコモ系eSIMのインストールチャレンジしてみようと思っています。
ご苦労様です。

本当にややこしいですよね🤔

面倒くさがり屋の自分には、eSIMプロファイルは仕方ないにしても、「APN構成プロファイル」に過敏に反応しちゃって絶対無理です😱

楽天モバイルやUbigi、DENTみたいな仕様が最高なんですけどね😓
こんばんは♪
povo2.0をesimで契約した際(QRコード方式ではなく)コード入力方式で、長桁数の文字コードをコピペしたうえで、esimの発給を受けたのですが、これはQRコードを使わないActivation Code方式なのでしょうか?
こういう記事を読んでいると、モバイル通信プランをつい消してしまうような行動を取りそうになるので危険だわ。
にゃいすな記事やね!勉強になったにゃ!
あんちゃん、eSIM好きかも!

にゃいすだから、京成パンダコンギョしとく?
okitaomote
okitaomoteさん・投稿者
Gマスター

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皆さんコメントありがとうございます。
お一人お一人にコメントはお返しできませんので、ごめんなさいね。


追加の話として、アプリの話をしておきます。
IIJmioや日本通信の場合は、特に専用アプリはないようです。

povo2.0の場合は結構細かく作られていますよね。自分のeSIMのQRコードやアクティベーションコードがいつもアプリ上で確認できます。(画像参照)
ようこそ!→契約管理→eSIMの設定→eSIMの情報とたどっていくと、
QRコードと、その下にアクティベーションコードが、<iPhone・iPad用>と<Android>用ということで表示されます。

ahamoにも一応あるけれど、ウェブで操作するのと何も変わらなくて、これは果たしてアプリと言えるのかと思った経験があります。ahamoは高いのでもう契約しませんけれど。
okitaomote
okitaomoteさん・投稿者
Gマスター

LINEMO.jpg

最近できたLINEMOのアプリを示します。最初の頃はなかったです。

画像のような感じで、アプリ上で①から⑥までたどっていくと、eSIMの設定ができるようになっています。
 これまであまり深く考えていなかったのですが、やはりキーポイントは、okitaomoteさんが本スレでも説明されていた「Matching ID」の違いということになるのでしょうか。

 SM-DP+サーバーからeSIMプロファイルをダウンロードする際に、一般大多数(LINEMO, povo, IIJmio, 丸紅ソリューション等)のeSIMサービスが採用している「 Activation Code(パラメータ自動生成)」方式が【使用ユーザー】を特定するのに対して、ドコモ系(ahamo, LinksMate, 日本通信)のドコモeSIMサービスが採用している「EID登録」方式では【使用デバイス】を特定しているということです。

 前者では特定された【使用ユーザー】がeSIMプロファイルをダウンロードしさえすれば、以降、どのスマホにインストールしようとユーザーの自由です。
一方、後者(「EID登録」方式では【使用デバイス】を特定) では、eSIM発行時には【使用デバイス】以外へのインストールは不可、そして eSIM再発行時にも EIDを維持したままなのか、EIDの新規登録(機種変更)が必要なのか、ケース・バイ・ケースでの取り扱いが必要になることが窺えます。

 さらに注意が必要かと思われるのは… EID というものはスマホの外箱にも記載されているものであり、ヤフオクなどでも商品画像に映っている番号なので、第三者によって意図的に eSIM登録されてしまう悪用の可能性も出て来そうです。サービス開始以来「ahamoのeSIM再発行」が長期に渡って休止していたのもそんな意味合いがあったのかもしれません。
先生!
この制約って物理sim+esimだったら気にしなくていいんでしょうか?
日本通信のesim+LIBMOの物理SIMにしたいんですがどっちもDocomo系だと無理なのかなと尻込みしてたのですが🙄
あ、端末はReno 5AでLIBMOはデータ専用のSIMを契約しようかと考えています!😆

>> tekuteku1981 さん

>先生 !

 ハハハ、先生と呼ばれるほどのバカでなし~(笑)

さて、スレ主の留守に恐縮ですが、お問い合わせの
・端末 = Android (DS : 物理SIM+eSIM)
・物理SIM= LIBMO(D)
・eSIM = 日本通信(D)

という組合せであればデュアル・ドコモでも件の EID不都合は発生しません。このデュアルSIM組合せで問題なく使えます。


また余談になりますが、同様の組合せであっても
・端末 = iPhone (DS : 物理SIM+eSIM)
・物理SIM= LIBMO(D)
・eSIM = 日本通信(D)

という組合せの場合には残念ながら利用できません。ダブル・ドコモで件の EID不都合は発生しないのですが、LIBMO(D), 日本通信(D)ともにAPN構成(mobileconfig)プロファイルの追加インストールが必須となりますが、プロファイルは2個インストール出来ません。なのでこの組み合わせでの利用は不可となります。

>> kc_iOS9.2.1 さん

おー早速の回答ありがとうございます
リンゴは結構制約あるんですねぇ🤔
泥で良かった😆
ここは色んなこと試してる人多くて勉強になります🤓
本日、諸事情があってLinksMateのeSIMを導入しました。EIDの入力めんどくせー。w
(その上、mvnoなのでプロファイルも導入が必要です)

一応、プロファイルの抜き差しは別として、一台のiPhoneにLinksMateとiijmio、UbigiのeSIMが共存しています。(それとは別に楽天の物理simもある)
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