通信の最適化によるお客さま影響について（ペーシング）

最適化されるとき、されないとき

通信の最適化の内容に触れる前に、そもそも通信の最適化が行われない場合について整理しておきます。

●アップロードは対象外

通信の最適化はmineoネットワークを通して「ダウンロードする通信」に対して行われます。
※WEBサイトや動画を閲覧することはネット上のデータを受信することなので、ダウンロードになります。
例えばInstagramや Facebook等のSNSに画像や動画をアップロードする場合には通信の最適化はかかりません。また、mineoネットワークを通らない通信（ご自宅のWiFi等）であれば、ダウンロードであってもかかりません。


●混雑する時間以外は対象外

通信の最適化は、平日の混雑する時間帯のみ実施しています。この時間以外に通信する場合はかかりません。また土日祝日にも実施しておりません。
※適用時間帯は通信の混雑状況に応じて見直すことがありますが、その場合はユーザーサポート等で事前にお知らせします。
※プレミアムコースも対象となります。
※現時点では、通信の最適化をお客さまにて選択（適用/非適用）できませんが、2018年9月末での実現に向けて準備を進めております。

このように、通信の最適化が行われる可能性があるのは、平日の混雑時間にmineoネットワークを通してダウンロードする通信であり、それ以外の条件では行われません。

ペーシングについて

ペーシングとはデータの流量をコントロールすることです。パケットの交通整理といえばよいでしょうか。パケットは一定時間内に相手に届かないと破棄され、再送が行われます。再送が起こってしまった場合、再送前のパケットは無駄なパケットとなってしまいます。ネットワークが混雑している状態ではこの交通整理を行わないと、次々と無駄なパケットが増加してさらに混雑が加速します。例えば、渋滞している高速道路に次々車が入っていくような状態です。

動画データに対してペーシングを行うことで、混雑が起こらないように調整しています。通常では、動画を再生しようとすると、次々と先の未視聴分のデータをダウンロード（先読み）していきます。そのまま最後まで動画閲覧すればそのデータは無駄にはならないのですが、途中で視聴をやめたり、別のコンテンツに切り替えたりすると先読みしてダウンロードしたデータは無駄になります。動画ペーシングでは、動画視聴に最低限必要なデータは残しつつ配信速度を抑制することで無駄なパケットが発生しないよう調整を行っています。

ペーシングによるネットワーク全体の混雑緩和の状況を表すと次の図のようになります。

配信速度を抑制しながら、再送が行われないようにパケットの交通整理を行うことは、大規模なイベント会場で規制退場を行うことに似ていると思います。ペーシングを行うことでトラフィック全体の帯域を公平に利用することができます。

ペーシングの対象

ペーシングの対象は動画サービス全般です。https通信など暗号化された通信の場合は「動画サービスと推定される通信」のみを対象としてペーシングします。そのため、一度に大量の通信を行うもの（例えばスピードテスト）は動画と推定される可能性があります。誤解されている方が多いのですが、全てのSSL通信がペーシング対象となっているわけではありません。

「動画サービスと推定される通信」以外の通信では配信速度は抑制されません。また、ペーシングによる配信速度の抑制はお客さまの回線単位ではなく、各通信単位でかかります。ペーシングで配信速度が制限されていたとしても、回線全体で制限がかかるわけではなく、動画データの通信のみにかかります。

【2018年5月23日　20:50 修正】
　動画サービス以外　⇒「動画サービスと推定される通信」以外

最後に

今回は通信の最適化のペーシングについてお伝えしました。ペーシングを実施することで、混雑時において、Webサイトや動画が早く表示されたり、データの使用量が節約できたりするため、通信サービス品質の確保につながります。混雑の解消を目指して、これまで通りPOI増強も継続して行っていきます。動画の配信速度が抑制されご不便をおかけすることもございますが、ご理解をお願い致します。
次回は「画像データの圧縮について」お伝えする予定です。

これからもmineoをよろしくお願いします。