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スマホのバッテリーを長持ちさせるには?スマホの電池の減りが遅くなる設定を試してみた

スマホのバッテリーを長持ちさせるには?スマホの電池の減りが遅くなる設定を試してみた

湯浅顕人
ライター: 湯浅顕人
PC・ガジェット・AV機器などの解説や評価を行なうフリーライター。趣味は旅行・キャンプ・登山・海の沖のほうで泳ぐこと。

ライターの湯浅です。

スマホは使いこなすほどに、使用時間が増えてバッテリーの持ちが気になりますよね。何年も同じスマホを使っている人や、たくさんのアプリを駆使している人は、とくにバッテリーの減りが気になるんじゃないでしょうか?

かといって最近の高性能スマホは高価ですから、できれば買い替えずにすませたいものです。

実は、スマホは設定や使い方次第でバッテリーを長持ちさせることができます。
今回はバッテリーがすぐに切れてしまう原因を解説しつつ、長持ちさせる方法を紹介しましょう。

使いすぎ?バッテリーの寿命?バッテリーの減りが早い理由をチェック

バッテリー容量が0%になる、すなわちバッテリー切れになるのが早い理由は、大きくわけて2つあります。

(1)バッテリーの消費量が多い

設定やアプリの使い方のせいで、消費電力が大きくなっているということです。

(2)「満充電時のバッテリー容量」(最大容量)が少なくなっている

バッテリーが劣化して、満充電したときの容量が少なくなっているということです。
ここでいう「満充電」とは「それ以上充電できないところ(100%)まで充電した状態」のことを指しています。

この、満充電をしたときの容量は、バッテリーの使用→充電を繰り返しているうちに減っていってしまいます。つまり、使い方が変わっていなくても「新品時には満充電後に28時間使えたものが、12時間しか使えなくなる」ということになるのです。

そこで、バッテリーを長持ちさせるためには、
(1)バッテリーの消費量を減らす
(2)バッテリーの最大容量を減らさないようにする
という2つの対策方法があるわけです。

スマホによっては、現在のバッテリーの劣化具合(最大容量が新品時の何%まで減ったか)を調べられる機種もあります。

Google Pixel 8 Proの場合

iPhone 13の場合

劣化したバッテリーの容量を回復させる方法はないため、最大容量を元に戻すにはバッテリーを交換するか機種変更するしかありません。

特に、バッテリーが膨らんでいる場合には、破裂や発火などの危険があります。その場合にはスマホの使用をただちに中止して、バッテリー交換か機種変更をしてください。

その場合には、以下の記事も参考にしていただければと思います。

関連記事:【プロが解説】iPhoneのバッテリー交換は意味がないってホント? 交換時の費用やタイミングの目安も紹介

一方、まだバッテリーが劣化していないのに減りが早い場合や、費用をかけたくないといった場合には、スマホの設定や使い方を見直してバッテリーの消費量を減らすことで、バッテリーの持ちを良くすることができる場合もあります。

2.スマホのバッテリーを長持ちさせる方法

まず、スマホの消費電力を減らすための設定や使い方を解説しましょう。

2.1. 省電力モードを活用する

多くのスマホに搭載された「省電力」「スタミナ」「バッテリーセーバー」などのスマホ性能を制限するモードを使用すると、消費電力を最低限に抑えることができます。

具体的な内容は機種によって異なりますが、以下のような設定が主流です。
●CPUの動作速度を抑える
●画面を暗くする
●電波の出力を弱くする
●バックグラウンドで動作しているアプリを停止させる

以下の[2.2]~[2.5]で紹介する省電力設定をまとめて行なってくれるモードと考えてもいいでしょう。

2.2. 画面表示設定を見直す

バッテリーを大量に消費しがちなのが、液晶のバックライトや有機ELの発光。そのため、「画面の輝度を下げる」「画面をまめにオフにする」「操作していないとき画面が自動オフになるまでの時間を短くする」といった設定によって、消費電力を減らせます。

2.3. 通信機能を適切に設定する

モバイル通信の電波(4G/5G)が弱い場所や圏外では、スマホが頻繁に基地局を探そうとするため、消費電力が高くなります。そのため、なるべく電波状態の良いところに移動するか、圏外の場所では機内モードにするとよいでしょう。

BluetoothやWi-Fiも電力を消費するため、不要ならオフにしておきます。

ただし、モバイル通信よりはWi-Fiのほうが消費電力を抑えられる傾向にあるため、Wi-Fi接続できる場所ではWi-Fiで通信するほうが電力の消費を削減できます。


2.4. 不要なアプリは終了するか削除する

アプリによっては多くの電力を消費するものがあります。このようなアプリは、消費電力の少ない類似アプリに置き換えられないか検討してみましょう。

また、画面には表示されていなくても隠れて動作しており、電力を消費しているアプリもあります。そのようなアプリは、起動しているアプリの一覧画面(「タスクマネージャー」や「アプリスイッチャー」と呼ばれる画面) から終了させましょう。

たとえばFace ID搭載のiPhoneでは、画面下部から上にスワイプして止めると表示される「アプリスイッチャー」の画面から行うことができます。または、そもそも不要なアプリであればアンインストールしてしまうのも良い方法です。

2.5 設定の最適化

不要な機能をオフにすることによって、消費電力を抑えることができます。たとえば、画面に天気予報やニュースといった最新情報を表示する「ウィジェット」や、メールを自動チェックする機能、位置情報(GPS)などです。

さらにギリギリまで消費電力を抑えたければ、通知用のバイブレーターや画面の自動回転機能などもオフにするといいでしょう。

3. バッテリーの寿命を伸ばす方法

スマホで使われているバッテリー(リチウムイオン電池)は放電→充電を繰り返すたびに劣化し、満充電時の容量が減っていきます。充電が短時間で100%まで到達するように感じる場合は、劣化のサインかもしれません。

バッテリーを劣化させないためには、次のようなことに気をつけましょう。

3.1. 100%まで充電しない

リチウムイオン電池は、満充電にすると劣化が進みやすくなります。80%~90%になったら充電をやめましょう。スマホによっては、一定量まで充電されると自動的に充電をストップする設定ができます。

Samsung Galaxy S20+の場合

Google Pixel 8 Proの場合

iPhone 13の場合

3.2. 0%のまま放置しない

リチウムイオン電池は、残量0%のまま放置すると「深放電(過放電)」という状態になり、劣化の原因になります。スマホをしばらく使わないような場合には、最低でも20%くらいまで充電してから保管するといいでしょう。

3.3. 高温の状態で使わない

高温のまま使うのも劣化の原因になります。車のダッシュボードなどに置いて高温になった状態では使わないようにしましょう。

とくに、充電しながらの使用はやりがちな行為。充電中はバッテリーが高温になります。高温になるのは端末とバッテリーに高い負荷がかかっている状態なので、そのまま使い続けてしまうと、劣化の原因になるのです。

4. バッテリーの持ちがよくなる方法を検証!

ここでは、設定や使い方次第でバッテリーの持ちがどのくらい良くなるか、筆者のスマホで検証してみます。

4.1. 検証方法

使用するのは、長年使ってバッテリーの最大容量がだいぶ減った「Samsung Galaxy S20+」。いつも85%で充電をストップするように設定しているため、そこからさまざまな条件でスマホを使い、4時間後のバッテリー容量をチェックします。

検証は、以下の6通りで行いました。

(1)通常設定
筆者が普段使っている設定です。画面オフの、いわゆる「待ち受け」の状態で放置しました。Wi-FiとBluetoothはオンにしています。

(2)明るさ最大で常時表示
画面の輝度を最大にした状態で常時表示し、放置しました。

(3)明るさ最小で常時表示
画面の輝度を最小にした状態で常時表示し、放置しました。

(4)省電力モード
「省電力モード」に加え、Wi-Fi・Bluetooth・NFC・GPS・自動同期・画面の自動回転機能をオフに。画面を消した「待ち受け」の状態で放置しました。

(5)ゲームを常時起動
消費電力が多いとされるゲームアプリ「Pokémon GO」をプレイし続けました。音声はスピーカーから出しています。

(6)動画を連続再生
(1)の設定で、YouTubeの動画を再生し続けました。音声はスピーカーから出しています。

4.2. 【結果】消費電力が大きいのは「負荷の高いゲーム」や「画面表示」「動画視聴」! 「省電力モード」は効果てきめん!

検証方法4時間後 (消費量)長持ち度
(1)通常設定69% (-16%)B
(2)明るさ最大で常時表示21% (-61%)C
(3)明るさ最小で常時表示53% (-32%)B
(4)省電力モード78% (-7%)A
(5)ゲームを常時起動0% (-85%以上) C
(6)動画を連続再生13% (72%)C

※(5)は3時間15分で0%に。

結果として、バッテリーを多く消費するのは「輝度最大で画面を表示」「負荷の高いゲーム」「動画再生」でした。

「輝度最小」は「輝度最大」よりは長持ちしたものの、それでも画面を消したままの(1)よりはかなり短くなっています。バッテリーを長持ちさせるためには、できるだけ画面を表示させないことが大切トなようです。

また、(4)の省電力モードでの持続時間がきわだって長くなっていました。この状態でも電話の着信を受けたり、手動チェックでメールを受信したりはできますので、バッテリー残量が少ないときに少しでも長持ちさせたいときには効果的でしょう。

つまり、バッテリーを長持ちさせるには
・画面の輝度(明るさ)を下げる
・ゲームや動画再生を避ける
・省電力モードに切り替える
といった方法が有効であることがわかりました。


まとめ

スマホのバッテリーの減りが早いとき、設定や使い方を変えると、想像以上に長持ちさせられることがわかりました。

とはいえ、必要だからこそやっている設定や使い方もあるでしょう。また、輝度を下げれば画面は見づらくなりますし、省電力モードでは動作速度が低下するなど、使い勝手にも影響します。
そのため、場面に応じて設定や使い方を変える、という方法がおすすめです。

たとえば
「休日で頻繁なメールチェックが不要なときは自動同期をオフにする」
「室内で使うときには輝度を低くする」
「一日外出する際に、少しでもバッテリーを持たせたいときには省電力モードにする」
などです。

そして、あらゆる手を尽くしてもバッテリーの持ちが悪いという場合には、バッテリー交換や機種変更を検討するといいでしょう。



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56 件のコメント
1 - 6 / 56
参考になる情報ありがとうございます。
TPOケースバイケースですね👌🐰🌕🚀
バッテリー・電池の長持ち、設定をいろいろ試すのが好きで、今回のブログ記事は、楽しいです。不要なのに、アンインストールできないアプリで困っているので、もっと勉強します。ためになる記事ありがとうございます。
設定や寿命の仕組みが分かりやすく、今日からできる節電術と劣化を防ぐ習慣の両方が学べるため、スマホを長く使いたい方に最適ですね。
参考になります🙂
ありがとうございます
 大体実行しています。
 基本的に機内モード。
 不要なアプリは無効にする。使わないアプリは停止させる。
 画面は暗くする。
おつかれさまです
いつもありがとうございます!
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