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普段は見えないeSIMを公開!謎めいたeSIMについて詳しく解剖します  

普段は見えないeSIMを公開!謎めいたeSIMについて詳しく解剖します  

ガジェラ@運営事務局
ライター: ガジェラ@運営事務局
技術、端末検証担当のガジェラです。

お久しぶりです。ガジェラです。みなさん、覚えていますか?mineoがサービス開始間もないころ、少しだけ記事を書いておりました。
一度mineoから離れ、別のサービス検討を行っていましたが、2023年7月に舞い戻ってきました。現在はモバイルイノベーション班というところに所属しておりまして、SIMには少しだけ詳しいです。以後、よろしくお願いいたします。

さっそくですが、今回のテーマは「eSIM」です。
eSIMを内蔵したスマートフォンでは、サービスを契約したあと、画面に表示された指示通りにスマートフォンを操作しているといつの間にか通信ができるようになります。SIMカードの抜き挿しが必要な端末に比べてとても便利です。これは一体…?魔法?と勘違いしてしまうくらい今までとは違います。(さすがに言い過ぎ?)

今回は、そんなeSIMについて詳しく知りたいというマニアックなあなたのために、お話しさせていただきます。

eSIMの形状について

eSIMとは「Embedded Subscriber Identity Module」の略称で、直訳すると「組み込まれたSIM」、つまり、「スマートフォンやそれらに準ずる機器、端末に内蔵されたSIM」という意味です。

ところで、みなさんは実際にeSIMの姿、形を見たことはございますか?eSIMには形が存在しないと思っていませんか?実は、eSIM対応スマートフォンの中にちゃんと入っているんです。

初めて見たという方も多いのではないでしょうか?
SIMカードは1~4FFという名称で大きさが決まっていましたが、eSIMは「埋め込み(Embedded)」の名の通り、端末にチップとして内蔵されているため、小さな形をとります。代表的な規格として「MFF2」(Machine to machine Form Factor 2)があります。
※ もっと小さいものもあります!

左から標準SIM、micro SIM、 nano SIM、 MFF2(eSIM)

知らないようで知らない、eSIMの機能について

eSIMは、遠隔で中身の入れ換えが可能なSIMです。
新しい端末を使うとき、eSIMが内蔵されていない端末の場合、端末にSIMカードを挿してからAPN設定(モバイルデータ通信サービスに接続するための情報を入力する作業)を行い、ようやくデータ通信や電話ができるようになります。
eSIMが内蔵された端末の場合は、eSIMがSIMカードの代わりになるので、SIMカードの抜き差しは不要。APN設定をするだけで、データ通信や電話ができます。eSIMにはリモートSIMプロビジョニングと呼ばれる機能があり、この機能によって遠隔でeSIMの中身の情報(プロファイル)を書き換えることができるため、SIMカードの差し換えがいらないのです。

なお、一応補足ですが、SIMカードと同じく書き換えられないeSIMも存在しますし、eSIMと同じく遠隔でプロファイルを書き換えらえる機能を持ったSIMカードもあります。が、とてもややこしいので今回のブログではご紹介を割愛させていただきます…。

eSIMを解剖!内部構造はこちら

ここからはかなりマニアックな話になりますので、お好きな方はお付き合いください(笑)。先ほどお見せしたeSIMの内部構造は、このような形になっています。

GSMA標準より抜粋

eSIMの内部構造の中で、重要な部分は「ISD-P」「ISD-R」「ECASD」の3つです。

  • ISD-R(Issuer Security Domain Root)…次に説明するISD-Pの作成とライフサイクル管理を行う機能を持っています。
  • ISD-P(Issuer Security Domain Profile)…個々のプロファイルを格納するセキュアな領域です。インストールするプロファイル毎に生成されます。
  • ECASD(Embedded Chip Authentication and Security Domain)…暗号鍵や証明書等を格納する場所です。後述するSM-DP+と通信する暗号の検証などで使用されます。

eSIMはこのような内部構造で、各機能が作用することでSIMカードとして成り立っているんですね。

eSIMで通信ができるようになるまでの流れ

みなさんがスマートフォンを利用するにあたっては、コンシューマモデルと呼ばれる形態の仕組みが利用されています(M2Mモデルというものもありますが、今回は省略します)。
コンシューマモデルを用いてeSIMを使えるようになるまでの流れを、mineoのご契約を例にとって下記の通りご説明します。

※簡易的にご説明するため一部の設備を省略しています

① mineoの契約画面でeSIMサービスを契約
② mineo設備がSM-DP+にプロファイルの準備を指示
※SM-DP+(Subscription Manager Data Preparation plus)とは、プロファイルの生成や管理を行うサーバーです。通信事業者の設備と接続されており、ユーザーがサービス契約を行った際にダウンロードのための情報連携等を行っています。
③ mineoからQRコードを発行
④ 発行されたQRコードを利用するスマートフォンで読み込んでSM-DP+にアクセス
⑤ SM-DP+よりプロファイルをダウンロードし、eSIMにインストール
⑥ ネットワーク設定をして、通信できるようになりました!

さいごに~eSIMの未来~

2030年には世界のスマートフォンの大部分がeSIMを活用するようになると言われています。それを実感する世の中の動きとして、北米ではiPhone14からSIMトレイがなくなってeSIM対応のみとなりましたし、この記事執筆中に発表された新型iPadもSIMトレイが廃止されました。 mineoで取り扱う端末もeSIM対応のものがどんどん増えています。
端末からSIMトレイが無くなり、SIMカードが無くなり、eSIMが標準となる未来もそう遠くないかもしれません。

長々とお付き合いありがとうございました。eSIMのことが少しお分かりいただけましたでしょうか?
mineoサービスでは、AプランとDプランの2プランにおいてeSIMのサービスを提供しておりますので、ぜひこちらのプランもご活用いただければと思います。
今後も何か仕組みネタがあればレポートしていきたいと思います。

※ご注意※
eSIMプロファイル設定用のQRコードを第三者に渡す行為は、自身の回線契約を第三者に渡す行為と同じですので、絶対にしないよう十分にご注意ください。

詳しくはこちら⇒ https://support.mineo.jp/news/1590/


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103 件のコメント
54 - 103 / 103
eSIMのチップは初めて見ました(というより、個別のチップだったんだと驚きました)。

個人的にはeSIMが標準になって欲しいです。
そのためには、MVNOにおけるeSIM再発行料や端末間のeSIM転送機能が充実しないと先に進まないかと。

eSIMが自由に使えるようになると、用途別に複数の回線を選択しながら通信ができるようになるからユーザの利便性が向上します。更に通信会社もeSIMを前提とした新しいサービスが展開できるはずです。もう少しのところです。
勉強になりますね~
こういうのは面白くて大好きです。
興味深い内容の記事、ありがとうございます。
仕組みは分からないままに、マイそくをeSIMで追加して使っています。
契約時にはオンラインで全て完結出来たことに感動してしまいました。
興味深い話をありがとうございます。
次回か次々回位の機種変でこれになるのかな?
eSIM…、きちんと理解するのは難しかったですが、
ちゃんとSIMがあるのだと知り、勉強になりました。
取り外しができない5berですね。
mineoでは機種変には再発行代金がついて回るので、なかなか難しいですね。
おつかれさまです!
esim気になってたので、うれしいです。
ゆっくり読ませていただきます!ありがとうございます!
へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~へぇ~!20へぇ~!!!
字面のイメージで電子SIMの略かと思ってました!まさかの組み込みのeとは!これは勉強になりました!
解説ありがとうございます。
最後の赤字部分、ホントに大事。
eSIMの情報有難う御座います。
現在の機種に変える時にeSIMにしました。四苦八苦して操作したのを思い出しました。
やはり中に小さなCIMが入ってたんですね。
解説ありがとうございました。
参考になりました。ありがとうございました🙏
これは興味深いですね~
勉強になるし、おもしろいです。
途中から飛ばし読み💧
ぶっちゃけ内臓と外付けそれぞれメリットデメリットありますよね。
どちらかが売れたらどちらかが消えるのかな?
昔ガラケーなんかのバッテリーはいくら小さくても交換出来たものですが、スマホでバッテリー着脱タイプは見た時無いです。
個人的にバラしやすいものが不具合の切り分けし易く好きなので外付けが消えないと良いなぁと思ったりました。
SIMがなんの略なのかを初めて知りました。サブスクライバー!レム睡眠の意味を知った時みたいなスッキリ感!eもエレクトリックではなくエンベデッドだったとは!おもしろーい!
simの抜き差しが近い将来思い出になるんですね。
物理simカードを作ったり送ったりする無駄もなくなるのか
しみじみ
そもそもSIMの種類がこんなにあると知らなかった。勉強になりました。
次機種を変える時、新しいiPhoneを購入時に、物理SIMのタイプかeSIMのタイプかを選ぶことができるのかな⁇よくわかっていない...
スマートフォンのセキュリティがどんどん高くなってるのに、スマートフォンのSIMトレイを開けただけで盗まれてしまう物理SIMはもはやセキュリティの欠陥と言っても過言ではない。
物理SIMなんて選択肢があるからみんな迷う。今すぐ廃止してほしい。
参考になりました。
ガジェラ@運営事務局さんお疲れ様です。
分かりづらいeSIMの仕組みについて要点を絞って分かりやすく説明されていてとても良いと思いました。(^^)
既にSIMカードで契約している人がeSIMにする場合に、具体的にどうやる必要があるか、手数料などサラッとでも書いておいてほしかった。
おすすめ記事として出てきた「eSIMのメリットや注意点を分かりやすく解説します!」にも無かったのよね(動画は見ていない)
簡単な詳細説明ご苦労さまです

できましたら、 Q&Aの#15以降でのeSIMプロファイル回線切り替え時の不具合についても、解説をお願いします🤲
https://king.mineo.jp/question-answer/端末/各種設定/操作 SIMカード/eSIM/39404
eSIMの情報ありがとうございました。
専門的でなかなか理解できなかったですね。。。
ただ、現機種にeSIMが内蔵されていることは確認しました。
将来eSIMが標準となった場合、機種変更時にオンラインで設定できるか心配です。
eSIMのeは電子メールと同じeじゃなかった!!
embeddedだった…
物理的に存在してるんだから、そりゃそうですね。学んだわ〜
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.  #mineo10周年おめでとう!
分かりやすい解説でした。
それにしても時代は進歩しているし、その進歩を深く感じることなく活用できているのはありがたいことですね。
今後も、分かりやすい記事配信を期待しています。
わかりやすい解説ですね。ありがとうございました。
eSIMの話をありがとうございました。
eSIMの件で悪い事をする人はmineoのメンバーにはいないと思います。
Sプランのesimはまだですか??
気になるのはSM-DP+へのネットワークは
開通してなくてもアクセス出来るん?
QRコードがネットワークを開けるんかな?
破損、紛失時の手続き等は簡単なんだろうか?
調べてないので単純に疑問が湧くが
今までの物理SIMだと
端末破損時は物理SIM自体損傷しなければ
予備機に差し替えで即通話出来るんだけど・・
紛失時は再発行に数日はかかるね
で通信の為のAPN設定は難しくないけど
初心者にはeSIMが最適かもね。
 eSIMの仕組みがよく分かりました。「SIMデータ専用のフラッシュメモリ」といった感じでしょうか。

 ただ、eSIMの契約~QRコード取得までのプロセスは、eSIMを使用しない他の端末・回線を介して行わなければならないと読めました。
 もしそうならば、少々使いづらいですね。
(^thank^)/♪🦉
物理SIMは無くなっても、microSDカードスロットは無くさないでほしい(^o^)丿
物理SIMのほうがメリットが大きいのと、eSIMは緊急時の対応が...元々敬遠してましたけど、、
スマホの買い換えでデュアルスロットのうち、片方がeSIMという試練wとなってMNPでの方法も含めて一通りやりました。
初めてのプロファイルのダウンロードは手こずりましたね。。
メリットはその場で即日(条件次第ですが)で完結するというところでしょうか。
mineoをデ―タのみのeSIMにして、海外での通話用に日本通信SIMを入れてます。国内での通話はYモバイルのガラケー話放題で2台持ちです。最近、スマホでいろんなことをやっていると、故障に備えて予備機がいるかな?と思っています。この時eSIMは面倒ですね❗王様コインを使っては出来ますがその度にコインを使うのも考えものです。なんとかならないものでしょうか?
物理SIMは解約後の返却が面倒だぴょん〜w🙀

>> 鵺鳥(ぬえどり) さん

内臓→内蔵
(こういうジャンルの時あるあるw)

>> ギア さん

内臓→内蔵(以下略
eSIM関連では、随分以前ではありますが、IIJmio meeting 24 にて取り上げられています。2つの講演があり、資料も公開されていますね。

-- MVNO素朴な疑問・eSIM (IIJmio meeting 24発表資料公開)
https://techlog.iij.ad.jp/archives/2598
・IIJにおけるeSIMの取り組み – サービス開始に向けた軌跡 – (IIJ 圓山)
・eSIMプロファイルの取り扱いと今後の展望 (IIJ 木野)
プロファイルと単純に呼ぶとiPhoneのアレと混同することが多いので、必ずeSIMプロファイルと呼ぶことにしています。
Q&Aの答えなんかで単に「プロファイル」なんて用語として使うのは厳禁なのです。
Q&AのAマニアの皆さん、ご注意を。

>> Monads さん

それは勿論docomoがeidを必須にする、そうdocomoが決めたからです
。。。従うしかありません、
e-simの仕組みを教えて頂きありがとうございました。
この前主人がe-simを申し込みすぐに使用できるようになりましたが
便利になった分、注意したいです。

>> beatre さん

Docomoの場合はeidを指定して申し込みするのでesimのqrコードが盗まれても他人のスマホに入れられる事態にはなりません。
ただし、先日もあったような本人確認の証明書を偽造された場合にはesimであろうが物理simであろうが携帯回線を盗まれる事は起きますね。この場合docomoの対策は役に立ちません。
全くもってちんぷんかんぷー
だけども
すんごいんだね。
んぅん。
わたすもがんばらなきゃ。
今回の買い替えは、前のスマホも残しておきたくて物理SIMにしました。DタイプなのでsSIM設定難しそうで…。次に買い換える時はeSIMかなあ。
まだまだe-sim対応の機器が少ないから両方どちらも持てて設定てきれば便利なんだけど
マイネオのeSimを使用していますが、マニュアルをにらめっこしながらようやくなんとなく開通したというのが実情です。
なので、その正体、仕組みは、ほんと知らないようで全く知らないまま何気なく便利に使っています。
記事は興味津々でした。よく考えられているなぁと、少しは勉強になったつもりですが、やっぱり専門用語は難しいわ。が本音。
だけども、こういうマニアックな話題をわかりやすく解説しようという熱意が有り難いし、今後も期待しています。
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