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ライターのたかやです。
誰もがスマホを所持する現代では、公衆電話を使う機会は滅多にありません。しかし、通信障害などでスマホが使えなくなった場合、公衆電話が助けとなるはず。
しかしそんなとき、もし手元に10円玉が1枚しかなかったら……?
僕たちは常日頃から「公衆電話の短い通話時間の中でも、相手にメッセージを伝え切る練習」をしておく必要があるんじゃないでしょうか。
そこで、こんな企画を考えてみました。
公衆電話10円分の通話で伝えられる、「大切な人への感謝のメッセージ」を考えてみよう!
私事で恐縮ですが、僕の父は今年の夏に60歳を迎え、もう少しで定年退職をします。そして母も昨年、長年勤めた仕事を退職しました。
息子としては、そんな両親に、これまでがんばってくれた感謝の気持ちを伝えたいんですよね。ちょうどいい機会なので、この企画を利用します。
NTT東日本のサイトで調べてみたところ、僕の住んでいる東京から実家のある長野まで発信する場合、10円分の通話時間は8秒(午前8時〜午後7時)。
そして一説によると、人が1分間に話せる文字数はおよそ300字前後なんだとか。
つまり、今回は8秒なので、40文字程度の感謝のメッセージを考えれば、通話時間内に伝え切ることが可能と予測できます。
とは言え、これまでお世話になった両親には、伝えたい気持ちもそれはもうたくさんあります。
たった40文字に収めるのはあまりにも難しい…。
それに、欲を言えば、ちゃんと両親の心にも響かせたい…!
そこで、ひらめきました。コピーライターにアドバイスをもらえばいいんじゃ…?
コピーライターといえば「短い文字数で、相手の心に響くフレーズを考えるプロ」。
つまり、コピーライターの方に、メッセージを作成する上でのアドバイスを聞けば、解決への道筋が見えるかもしれません! そこで……
コピーライター・土田さんの登場です。
土田 充康(つちだ・みつやす) コピーライター/プランナー 長崎県出身。大学で材料科学科を専攻。卒業後デジタルエージェンシーを経て、コピーライター事務所「コトバド」を立ち上げ、フリーのコピーライターとして活動。“伝えたい”を抱いているすべての方々の手助けをすべく、広告やブランディングのコミュニケーションを通じて、さまざまなモノやコトに対する企画や制作を提案している。 「コトバド」HP:http://cotobad.jp/ Twitter:https://twitter.com/mitsuiroism |
➀散らかす(たくさん書く) ➁選ぶ(伝えたい相手の視点になる) ③磨く(表現や言い回しを考える) |
そんなわけで、土田さんから大変タメになるアドバイスをいただけました。土田さんも、まずはたくさん書くのが大事と言っていたので、もう少しメッセージを考えていきます。
もう反射のごとく、思いついたら片っ端から入力していくんですが…。なかなか自分の中で「これだ!」というメッセージが見つかりません。
う~~~~~ん…! なんか違う…!な~~んか、違う…!
土田さんは「本音を伝えるのが大事」と仰っていたけど…。自分の本音を見つけるって、それはそれで結構むずかしい。やっぱり、どうしても「良いことを言わねば」が邪魔してしまうというか…。
母へのメッセージもたくさん考えました。
考えているうちに、自分の「絶対に言いたいこと」を見失ってしまったし、だんだん「感謝のメッセージ」でもなくなってきてるし…。このときの僕、なにがあったんだよ。
そんなこんなで、最終的に……
約500案考えました。
なんていうか…。たぶん、僕が生涯で親へ伝える感謝の言葉、今回で全て出した気がする。
も~~~~~~充分だろうよ!!!
そして約500案の中から、「自分が本当に伝えたいメッセージ」をそれぞれ1つずつ選び、言い回しや語句を微修正し(「言葉を磨く」作業)…
ついに両親への感謝のメッセージが完成しました!
親父と公衆電話で通話をする。小学生以来です。
約30年前。長男である僕が生まれ、「父」になった親父。
そこから一家の大黒柱として、長として、奮闘してくれた親父。
真面目でしっかり者だからこそ、正直、息子の僕は負い目を感じていました。
いつだって、僕は父の影を追っていました。
親父のようなちゃんとした大人にはまだなれていないけど…。
本当は、親父が還暦を迎える前に、僕も親父に胸を張れるような人間になりたかったけど…。
それでも、父に、この言葉を伝えたい!
ガチャ
親父「はい」
これが、散々悩んだ末の、僕が10円分で父に伝えたいメッセージです。
僕が親父に対して抱える劣等感や、同じ男として抱く尊敬の気持ちを1、2行目で。
そして、3行目の「俺も、頑張るね」に「親父、お仕事頑張ってくれましたね。お疲れ様」の意味を込めました。定年まで働いた人間が言われてうれしい言葉って、やっぱり「頑張ったね」だと思うんですよね。
…いやまぁ、ありふれた言い回しかもしれません。
それでも、父と息子なんだから、ゴチャゴチャ言わずにストレートな言葉が一番なハズ!
まだ少しだけ秒数に余裕もあるはずなので、親父のレスポンスも待ってみます。
果たして、息子が本気で考えたメッセージに、父はなんと応えてくれるんでしょうか。
電話の向こうで大号泣しているかもな。
父の返答や、いかに…!?
親父「……………」
親父「………どうも〜?」
…ブツッ(ここで通話時間終了)
ツー… ツー… ツー… ツー…
どうも〜?
あっコレ、アレだ。その場しのぎで使う「どうも~?」のやつ。
とりあえず、どんな相手だろうと波風立たせない処世術だ。
急いで、ネタバラシ。今度はちゃんとスマホで親父に電話をします。
電話の内容がきちんと伝わっていたか確認したところ、
「言ってることは全部わかった」
「でも、相手が誰なのか分からないうちに通話が終わった」
「それはそれとしてありがとうね」
とのこと。
プルルルルルル…
母さん…! 母さん…!
大人になった今でも、直接言うのは恥ずかしいけど…。
お腹を痛めて産んでくれて、本当に感謝してるよ…!!
僕にとっての母の存在は、母親であると同時に、友だちのような存在であり、頼れる相談相手でもあり…。
僕が反抗期のころには、かなり喧嘩もしました。
いつもどこかズレていて、突発的に謎の行動をする母さんだけど…。
そんな性格も、息子としてやっぱり愛おしい。
母「……もしもし?」
これが、悩みに悩んだ末の、母に伝えたいメッセージ…!
仲の良い友だちに送るような、同時に、愛しい母に送るようなメッセージにしました!
ただ、先ほどの父の反応を踏まえると、実の息子といえど、電話越しの相手って結構わからない?
い、いや…!そんなことはない! 信じてる、俺は母さんのこと信じてるから…!
母「………はい?」
ブツッ(ここで通話時間終了)
やっぱ無理か~。
その後、母にも急いでネタバラシしました。
「声だけだと誰だかまったく分からなかった」
「そういう企画なのね」
「ありがとマッチョ」
とのこと。ありがとマッチョて。
そんなわけで、公衆電話の短い通話時間内で大切な人にメッセージを送ってみる企画いかがだったでしょうか。
両親ともに一発で伝えることは無理だったんですが…。それでも、両親への感謝の気持ちにここまで向き合えたのは初めてだったのでよかったです。
もちろんスマホのほうが便利に決まっていますが、もしものときに備えての練習という意味でも、皆さんもよかったらやってくださいね。
そして今回協力いただいた、土田さん、ありがとうございました! 取材の後にも、何度もアドバイスをいただたり、本~当に助かりました!
実際に電話をかけてみて「8秒って思ってたより長いな」と思ったんですが、8秒は僕の勘違いで、実際は15.5秒でした。
親のスマホに電話をかけたんですが、ケータイへの発信の場合は相手との距離は関係なく、一律15.5秒の通話が可能だそう(公衆電話→固定電話への発信だと8秒)。
そうとわかっていれば、もっと親が号泣するようなメッセージが作れていたのに……!
というわけで、次回は「妹弟への感謝の言葉を考える編」があるかも…!?(ないかも)。
編集:ノオト
いますぐ両親に連絡してみます!
公衆電話なんて何年使ってないだろう…
だったんですが、オチで吹き飛びました"笑
やっぱり情報量って多くても少なくても大変ですね"笑
確かdocomoだっけ?なら公衆電話からメールも送れたきがする
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#マイネ王9周年おめでとう!
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. #mineo10周年おめでとう!