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「写ルンです」のラスト1枚でバトル! 素人がプロカメラマンに挑んだら名勝負になった
1993年生まれ。ライター。記事の撮影はスマホのカメラを使うことが多いので、スマホがないと生きていけない。
こんにちは、たかやです。
Webライターには「レポート記事の写真は撮れるだけ撮っておけ」という鉄則があります。手ブレや撮り漏れを避けるために、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる方式で撮りまくるんです。
我々の職業に限らず、例えば自撮りなんかでも、何枚も撮影して気に入った写真だけをSNSにアップする人は多いんじゃないでしょうか。
しかし……
「何枚でも撮れる」という心持ちで、本当に「いい写真」が撮れるのでしょうか?
もしかすると、たった1回しかシャッターボタンを押せない極限の状態のほうが、素晴らしい1枚を残せるかもしれません。
そこで、こんなゲームを考案しました。
ラストの1枚で戦え! 写ルンです撮影バトル
ルールは至ってシンプルです。
【ルール】 ➀プレイヤーは「撮影可能枚数が残り1の写ルンです」を用意 ➁そのカメラを使って「いい写真」を撮れたほうが勝者 |
対戦相手はプロカメラマンの栃久保さん。普通に戦ったら歯が立たないけど、このルールなら勝てるかも…という目論見で挑戦状を送りました。
「何枚でも撮れる」が当たり前の時代だからこそ、あえて今、「残り枚数1」で写真対決をしてみます!
今回は『写ルンです シンプルエース』で対決を行います。
この機種は27枚撮りなので、最後の1枚以外は勝敗と関係ありません。しかし、ムダ打ちはもったいないので「26枚は練習用に使っていいルール」にします。
さっそく練習だ!
記念すべき練習1発目は、アニメキャラのフィギュア。好きなフィギュアをレトロ調の写真で残してみたくて…。
あれ…? ファイダーからのぞいた景色=画角で合ってる? えっ、ズームできないの? っていうかピントはどうやって合わせるの? 名前書く欄があるけど、書いたほうがいいの!?
筆者にとっては約20年ぶりの「写ルンです」。久しぶりすぎて、勝手が何一つわからない…。
パチッ
撮った! 思いのほかシャッターの感触が軽くて不安になります。この感覚も懐かしい。
が、ここである事実に気づきました。
現像するまで確認できないから練習にならない (もっと早く気づけ)。
画角、ピント、そして撮影した写真のチェック。スマホならその場で簡単にできるのに、「写ルンです」では何一つできません。嘘でしょ? 昔って、こんな状態で撮影してたの?
というわけで、26枚を撮り終えました。
ほとんど練習になりませんでしたが、かろうじて学べたことは……
●ピントという概念は捨てたほうがいい(手動で合わせられないから) ●シャッターボタンは想像以上に軽く押せるから、本番では指の力加減に気をつけよう |
これぐらい。浅すぎる…。
練習中に撮影した写真は、記事の後半でまとめて紹介します!
練習はどうでしたか?
練習になりませんでした。現像するまで何もわからないから。
同じだ……よかった。
プロが素人と同じこと言ってるの、うれしいな。
今回の写真のテーマは「テニス選手」。
「このテーマに沿って、とにかく“いい写真”を撮れば勝ち」というざっくりしたルールです。
選手が自由に打っているところを撮るのもよし、選手に指示してポーズをとってもらうのもよしとします。
テニス選手役は、担当編集・うないさんが務めます。中学の頃は軟式テニス部に所属していて、今回23年ぶりにラケットを握るそう。
この日の天候は、あいにくの「雨」。激しい動きが予想される被写体に、悪天候が重なりました。これがゲームならベリーハードモードと言えるでしょう。
互いにカメラを交換して、相手の残り枚数が「1」であることをチェック。写ルンですシップに則り、正々堂々戦い合うことをここに誓います。
う~ん…。
どうすればいいんだ…。
さすがに気軽にはシャッターを切れない両者。たった1回の判断ミスで“死”が決定するからです。
うないさん、思い切りサーブ打ってみてもらえますか?
サー!
スパアァァァン!
「無理だわ」
やはりボールは画角に収めたいところですが、ボールのスピードが速すぎます。連写ができない以上、速いものにタイミングを合わせるのが難しい。
プロである栃久保さんの顔にも、マジの険しい表情が浮かんでいます。
難しいですね……でも撮りたい構図は2つに絞りました。
えっ、早っ!
ただ、その狙い通りの写真を「写ルンです」のスペックで撮れるか懸念がありますね。
「このショットはできますか?」「こっちに移動してもらってもいいですか?」と選手に指示していく栃久保さん。たった1回しかシャッターを切れないからこそ、あらゆる可能性を模索します。
たかや君、お先にどうぞ?
いや、譲ってるようで相手の出方を見たいだけじゃないですか。その手には乗らない。
栃久保さんこそ、プロゆえの重圧は半端ないでしょう? 早く解放されたほうがいいんじゃなくって?
いえ、僕は大丈夫なので、どうぞお先に。
腰がしんどくなってきたから早くしてくれ。
一見、ただの撮影会に見えますが、その裏では白熱した心理戦が繰り広げられています。
ガンマンの勝負さながら「先に動いたら負け」で足踏みする両者。
…しかし、先にこの男が動いた!
「う…うわぁぁああああああ!!!」
勝負は攻めてナンボ! うないさん「バックハンド」でお願いします!!
しびれを切らしましたね!
じゃあ、壁に当てて返ってきた球をバックハンドで打ちます。
バックハンドで構える、うない選手!
その瞬間を……
撮った!!!
ッシャオラ~~~~!!!!!!!!!!!!!
撮ったッ、撮ったーーーーー!!!!!
ひィ…ひぃ~~~~! ッヒィ~~~~~~!!!!!!!!
こんな奇声あげながら撮るカメラマン見たことない。
シャッターボタン押すタイミング早かったかもなぁ…。ああー! マッジでわかんねぇ!
練習パート同様、撮影後すぐに確認できない「じれったさ」が襲いかかってきます。
そしてついに撮影のスタンバイに入る栃久保さん。「ジャンプサーブ」を指定します。
ほんとに大丈夫ですか~? プロカメラマンにとっての1枚、さぞや重いでしょうねぇ~!?
うるさいメガネ!
ローアングルから攻める栃久保さん。濡れているにも関わらず、ちゅうちょなく地面に身体をつけるあたりにプロの執念がうかがえます。
ボールはどこに飛んでいってもいいので、とにかくジャンプして打ってください。
わかりました、やってみます。
ジャーーーンプ!
打った!!
撮った!! !
うあああああ~~~~!
撮った〜〜〜〜〜〜!!!!
こんなに叫ぶプロカメラマンもなかなかいない。
終始、緊張の面持ちだった栃久保さんにも、ようやく安堵の表情が見えました。
どうでした?
狙ったショットを押さえられたと思います。でも失敗したかもなぁ~! 良くなかったかもな~~!
ここまでプロを不安にさせて申し訳ない…。
お互いの残数が「0」になったところで、ゲーム終了!
しかし現像しないと何もわからないため、うないさんに現像をお願いし、結果発表は後日に持ち越します。
そして1週間後……
ビデオ通話で再集結しました。
写真屋さんで現像した写真の他にデジタルのデータももらえたので、うないさんのPCで画面共有しながら振り返っていきます!
たかやの練習写真
僕は私物のフィギュアを中心に撮影しました。かわいく撮れてたらいいな。
え!?
なにこれ!? なんでこんなに暗くなるの!?
フラッシュをたかなかったのが原因かも。
えっ、フラッシュ!? でも、晴れた日中で、カーテン全開で、室内でも十分明るかったんですよ?
「写ルンです」はISO感度が400ですからね。
これは近所の商店街を撮った写真ですけど、たしかに屋外なので明るめですね。
室内では基本フラッシュを使えってことか。
いいですね。こういう写真が意図せず撮れるのが、写ルンですの醍醐味ですね。
心霊写真にしか見えないのに、なぜか褒められた。
うわ~~~。いい!!!
自分で言うのもアレですが、予想よりはうまく撮れてました。よかった…。
僕、これ好きです。いいな~。
いま確信しましたけど、「写ルンです」は風景写真を撮るのに向いてますね。
例えばこれは、実験的に「寄り気味で撮った」料理の写真です。
ピントがまったく合ってないですね。
もうちょい離れて撮ればなんとかなる?
そもそも、寄りの写真を撮るのに向いてないってことか…。
暗くなっちゃいますよね。めっちゃわかります。
でも、自分の見た世界と撮れた写真とで明らかな違いがあるのは面白いですね。
さすがはプロカメラマン。最後の1枚ではなく、26枚のトータルで勝負するルールだったら圧倒的敗北でした。
あと、「写ルンです」で撮った写真を眺めていると、「修学旅行後に廊下に貼り出された写真を眺めていたあの頃」に戻った気分になれてスゴく楽しい。
ラスト1枚の発表!
さて、ここからが本番です。
練習でどれだけいい写真が撮れても、勝敗を決するのは最後の1枚のみ。
では、お互いの「最後の1枚」を発表します。
こんなに緊張することはない…。
練習は失敗に終わったけど、頼む頼む頼む…!
練習であんな失敗してたのに、意外にもしっかり撮れてる。
いや、その可能性マジでありますよ…。
こ…これは……
思ったよりいい勝負じゃない!?
この展開を誰が予想できたでしょうか?
「写真としては面白みに欠けるけど、ピントが合っている写真(たかや)」と、「アングルはいいけど、全体的にブレている写真(栃久保さん)」が出そろいました。
シャッターのタイミングが遅れたと思ってたんですけど、思ってたよりもよく撮れてます。
僕の狙いは「水しぶき」ですね。これを捉えるためにフラッシュをたきました。
明るい屋外なのに? そんな裏技が…!? たしかに水しぶきで躍動感がプラスされてる…!
これ、ボールに見えるけど、黄色いシューズですか?
そうですね。この写真にはボールは入ってません。
うわー! お題が「テニス選手」なのに、ボールが入ってないのは痛いですね……。
勝敗の行方は!?
今回は「3名の審査員」にジャッジをお願いしました。事前にコメントをいただいてます。
審査員?
すしぱくさん
フリー素材サイト「ぱくたそ 」の運営兼撮影者。ポートレート撮影が得意。
森カズシゲさん
フリーの写真家。「料理」と「人物」を中心に活動中。
小野奈那子さん
フリーの写真家。物、人、空間を主に撮影。ホームページは「NANAKO ONO | PHOTOGRAPHY 」。
えっ……3人ともプロの写真家!?
それでは参りましょう!
怖すぎる……。
深く腰を下ろしてボールを見るフォームがキレイで、SNSのプロフィール欄に「テニス歴○○年」とか書いてあっても違和感ないレベルです。ただし、それは「プレイヤーのみ」を見た場合です。
全体構図を見ると、ママチャリやカラーコーンなど、余計なものが入ることで緊張感がなくなっています。「誰もいない雨の中、必死に練習に明け暮れるテニスプレイヤー」みたいな意図があるなら話が別ですが、やはり気になりますね。
しっかりしていてわかりやすく、トータル的に安心感があります。ボールもいい位置にあり、選手の表情もいい。少し躍動感に欠けますが、使える写真です。
選手の横から撮られていますが、前からのアングルなら選手の気持ちがより伝わる写真になると思います。「写ルンです」だと難しいのですが、望遠レンズを使うなど機材の工夫でもっと良くなりそうです。
ぱっと見て、色合いが美しいです。水たまりにコートが反射して映っているのもいい。コートや背景の植物が緑色で、被写体の洋服・ボール・ラケットの黄色といいコントラストになっています。被写体にピントがしっかりあっているので「この人はどういう人なんだろう」と気になってきます。
何のために撮った写真かによって良し悪しは変わりますが、いろいろな要素が入っているので「説明的にも見える写真かな」とも思いました。
雨に濡れたテニスコートに、ジャンプサーブを決める選手。水しぶきが飛び散り躍動感あふれる様子はスポーツシーンならではで、ポイントが高いです。不要なものが入っていないし、流し撮りでいい感じにブレているし、言うことなしです。
スローシャッターにできない「写ルンです」は、被写体ブレをコントロールできないため狙って流し撮りをするのがかなり難しいです。それを理解した上で、このような写真を撮ろうと狙ってシャッターを切ったのであれば素晴らしい。要は運でしかないのですが、そういう要素も加味するのであれば、ものすごくいい写真です。
このポーズは、エアK? 下からのアングルが面白く、躍動感もあっていいのですが、ボールと選手の位置から、どんなプレーなのか想像がつかないのが残念。ラケットにボールらしきものが見えますが、もしかして空振りした瞬間を撮った?
ボールの位置さえ良ければ、イメージ写真としては大きく使えるタイプの写真になったかと思います。風景はブレずに被写体だけがブレているともっと良くなりますね。「こういう写真を撮りたい」という気持ちはとても伝わってきます!
全体的にブレているのも動きがあって美しい。雨上がりなのか水しぶきがあがっているのもいい。奥の色濃い緑や、選手の体や髪の毛の動きもなんかいい。黄色の服も背景との色合いがきれい。シンプルな構図も、私は気持ちいいなと感じました。
額にいれて部屋に飾っても素敵な気がしてきました。見ていると、「これはなんだろう」と気になる要素がいろいろと出てくる写真です。
AとB、どちらが“いい写真”か!?
それでは、いよいよ結果発表です!
ちょっとこれ本当にわからない……頼む…。
奇跡よ、起こってくれ…!
はたして、勝つのはどっちだ…!?
……えっ、引き分け?
続きあります。
……ということで、2対1で栃久保さんの勝ちです!
よし…! よし……!
いや~、負けたけど文句のつけようもありません。
狙い通りに撮れた自負はあるので、ちゃんと伝わってよかったです。
僕は「失敗しなければOK」としか考えてなかったですからね…。
面目は保ててよかったです。あ~~~、緊張した。
戦ってくれてありがとうございます…マジで……。
そんなわけで、ゲームの幕が閉じました。
たった1回しかシャッターを切れない緊張感、現像するまで一切確認できない不安感、そしていい写真を撮れたときの喜び……。スマホで撮影することに慣れているからこそ、新鮮な気持ちになれるこのゲーム。みなさんもぜひ挑戦してみてください!
(編集:ノオト)
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フラッシュするとき、キュイーンっていうのとかも。
懐かしいな。そして、さすがプロの写真ですね!
水中用もあったような…
昭和の頃のアルバム出したくなり、ずっとずっとみている自分がいました!
うつるん勝負やってみます。
現像するかしない悩むところです。
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#マイネ王7周年おめでとう!
なかよしか!w
懐かしい。
現像もいらないし
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#マイネ王9周年おめでとう!
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. #mineo10周年おめでとう!