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「SIMカード」徹底解説!

「SIMカード」徹底解説!

マイテク@運営事務局
ライター: マイテク@運営事務局
mineoの技術関係、端末検証担当です。通信網、AndroidOS、iOSなどブラックボックスの中で日々もがいています。

マイネ王運営事務局のマイテクです。
いつも、マイネ王の王国通信をご覧いただき、誠にありがとうございます。

今回は、『SIMカード』のお話をさせていただきます。

一昔前?まではSIMカードはキャリア(通信事業者)ショップなどで端末購入時にショップ側で端末に入れられていたので、あまりSIMカードを意識したことがなかったと思います。現在は続々とMVNOが登場するようになり、SIMカードもだんだん私たちの目に触れる機会が増えてくるようになってきました。

SIMカードとは

さて、SIMカードとは「Subscriber Identity Module」カードの略称で、元々は欧米のGSM方式(第2世代方式)の携帯電話で使われていたICカードのことでした。第3世代移動通信システム(3G)になってからは、SIMカードをベースにして拡張されたICカードとなったため、名称もW-CDMA方式はUIMカード(User Identity Module Card)またはUSIMカード(Universal Subscriber Identity Module Card)、CDMA2000方式はR-UIMカード(Removable User Identity Module)と呼ばれるようになりましたが、一般的には特に区別せずに「SIMカード」と呼ばれることが多いようです。

SIMカードの構造

SIMカードの表面を見てみると、接点(金色)があると思います。実は、接点の下にはICチップが埋め込まれています。このICチップは小さなコンピュータであり、CPU、RAM、ROM、EEPROMなどが組み込まれていて、この接点を通じて様々な情報のやり取りが行われ端末内で使用されています。この仕様は国際標準で決められています。

SIMカードの大きさ

SIMカードの大きさも国際標準で決まっており、大きさは下記のとおりです。

SIMカードの内容

SIMカードにはどの様な情報が入っているのでしょうか。
SIMカードには、回線契約や通信に必要な固有番号情報および携帯電話番号等が記録されています。機種変更でSIMカードを新しい端末に差し替えるだけで同じ携帯電話番号や回線契約を継続できるのはこの仕組みがあるからなのです。また、記録されている情報のフォーマットももちろん国際標準化されているのです。(主な記録情報は下表のとおりです。)

このように大きさや接点、情報などの仕様は国際標準で決められているため、SIMカードは様々な端末で共通的に使用することが可能なのです。

PINコードロック

SIMカードには、携帯電話を使用する際に必要となる重要な情報が記録されています。SIMカードを差し替えるだけで携帯電話機の機種変更ができる便利なシステムですが、万が一の紛失に備えて、安全のために「PINコード」でロックを掛けておくと安心です。

SIMカードには、「PIN1コード」「PIN2(セキュリティ)コード」という2つの暗証番号を設定できますので必要に応じて活用してください。

SIMロック

SIMロックとはSIMロックが施されたキャリア(通信事業者)端末で、そのキャリア(通信事業者)が指定するSIMカードでしか使用できなくすることです。また、SIMロックとは逆に、SIMロックが施されていないことを「SIMフリー」と呼んでいます。

SIMロックの仕組みは、上述のSIMカード情報を端末が読み込み、キャリア(通信事業者)指定SIMでないと判断すれば端末を使用できなくしてしまうものです。このためキャリア(通信事業者)間競争の促進やSIMロック解除のできない端末では海外渡航時に現地の安価なSIMを手持ちの端末で使うことができませんでした。

そこで総務省は本年5月からSIMロック解除の義務化をスタートさせ、キャリア(通信事業者)各社の義務化以降販売する端末をSIMロック解除できるようにしました。今後、キャリア(通信事業者)間競争や利便性の向上が図られるようになると予想されます。

主なキャリア(通信事業者)のSIMロック解除案内ページ

【NTT docomo】
SIMロック解除の手続き

【au】
SIMロック解除のご利用手続きについて

【SoftBank】
ソフトバンクモバイルの携帯電話を他社で利用する

では、『SIMロック解除出来たから端末そのままでキャリア(通信事業者)を乗換えて使えるわ!』となればいいのですが、下記の点に注意が必要です。

・端末の通信方式が乗換先事業者の通信方式と合っているか
・端末が実装している周波数帯が乗換先事業者の周波数帯と合っているか(LTE,3G)

※詳細は以下の総務省のページをご参照ください。
各携帯電話事業者の通信方式・周波数帯(2015年12月7日追記<リンク先更新>)

いかがでしたでしょうか?
SIMカードはこのような仕組みとなっていました。
今後も何か仕組みネタがあればレポートしていきたいと思ってます。


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38 件のコメント
1 - 38 / 38
とてもわかりやすい解説でした^ ^

各キャリアさんから出るモデルも、他のキャリアのSIMで使える周波数帯対応が進むのをユーザーとしては望みたいです!これからが楽しみ♪
非常にわかりやすく為になりました。
最終的にはau回線もdocomo回線も問題なく使える末端があれば、mineo契約者にとっては嬉しいんですが…。
無いものねだりでしょうか?
mineoさん作ってください!
SIMカードについて知らない部分も分かりやすく書かれていて
勉強になりました。
こういった記事今後も期待します(^^
退会済みメンバー
退会済みメンバーさん
ビギナー
 mineoさんらしい記事になっていますね。最初の図解からびっくり。他社さんで同じ記事を作ったら各端子の説明までは入れないだろうと。知ったからといってどうなる訳でもないのでしょうけど知りたい内容でした。
 micro SIM, nano SIMも世界標準だったのですね。また日本のキャリアは勝手な規格を作って面倒なこと(SIMサイズが違う)をユーザーに押し付けてガラパゴス化するのか…と思っていました(笑)。
国によって違うのでしょうけど以前私が勤務した地ではプリペイド式が一般的でSIMカードは2-300円程度でどこでも売られていたものでした。その頃は今でいう標準SIMしかありませんでしたから、機種を変えるときにもSIMサイズなんて気にする必要もありませんでした。
正直今は面倒です。機種変更の時にはmineoさんでもSIMサイズ変更で3000円かかりましたから。
 技術屋さんの記事はこれからも期待しています。
1つ気になるのが、SIMロック解除をサーバー側でできるようにした仕組みです。
これは、公開できないのかな?
昔,SIMカードなんてあったなぁ…っていう未来はどこまで来てるかなぁ。
すごく、わかりやすくためになりました。 
SIM カードについて人に話やすくなったので、この説明を話ながら紹介していきたいと思います。
次回、SIM カードについてもしあるなら、こういう使い方をするとメリットなど教えて欲しいです!
退会済みメンバー
退会済みメンバーさん
ビギナー
 SIMがどうなってるのか興味はありましたが、今まで調べもしませんでした。

 この記事は分かりやすくて面白かったです。
SIMカードそのものもキャリアフリー化もできれば
クレジットカードか銀行口座だけで
乗り換え出来るのになー(笑)
ふむふむ・・・・
ICCID・MSISDN・IMSI
重要なのはこんなもんですよね
auがVOLTEの時はSIMが異なるは、やっぱおかしいですよね
VOLTEかどうかの判断は後方側(基地局かau側)でするべきですよね
なんで、そのようにしたのかauの意見を聞きたいものですね
いまからでも変えてほしいと思うのは、私だけ?
すごく、わかりやすくためになりました。
mineoが目指しているマルチキャリアの目標は、1枚のsimでdocomoとau回線を使い分ける形ですよね?

各キャリアの協力を得て実現するのは中々難しいと思うのですが、例えば明日にでも了承が取れれば、googlesimのような自動切り替えsimは、技術的にすぐにでも作成できる物なのですか?

端末もZenfone2みたいに対応バンドが網羅されてれば使える物なのか、専用端末が必要なものなのか?

個人的にはすっごい期待して楽しみにしております!!

2015-08-10-00-29-27_deco.jpg

>Rudyさん

壊したことはないですが、壊すのが嫌なのでアダプタにテープのりを貼ってくっつけて使ってます(^_^;)透明なシート?が受け皿としてくっついているタイプのアダプタです。抜き差しの際に外れることなく使えています(・ิω・ิ)

壊れる原因はSIMが外れたり、誤って空で挿してしまって抜けなくなったアダプタを無理矢理引き抜いてしまったというのが多いのではないでしょうか。

話は少し逸れますが、高校の時によく先生に携帯を没収される前にUSIMカードを抜いて本体だけを没収させ、違うケータイに挿して使っていました。(当時は没収対策のためvodafoneのV802SHとV801SHとV801SAの3台持ちをしていましたw)
抜き挿しをやり過ぎて、そのうちUSIMカードが認識されなくなるということがあったので、やはりカードの抜き挿しは必要最低限に留めることが無難かと思います。
>yumuさん

simのテープ張りの件参考になります。

しかし、ある意味凄い逸話ですね(笑)
私はこの年になるまでsimが入れ替え可能な事も知りませんでしたから。感心しました(*゚∀゚)

私も高校の頃に携帯があったら、同じ様にその裏ワザを試したかも知れません( ´∀`)

2015-07-01_09.08.01.jpg

とても勉強になりました。
他社MVNOで以前、nanoSIMカードを2台のモバイルルーターで併用していたら、10ヶ月程度で接点が剥がれたことがありました。SIMカードサイズ変換アダプタも使用していたため、通常のSIMカード挿入時よりも負荷がかかっていたのかもしれません。
変換アダプタで壊すケースといい、抜き挿しの機会は減らした方が無難なのかも…。
みなさんコメント、応援ありがとうございます。

私も当初SIMカードの中身が小さなコンピュータであるということは知りませんでした。(ただのメモリーカードだと思ってました・・・)
SIMカードも「将来利用」の端子があったりするので、今後も進化していくのかもしれません。今後は端末もSIMロック解除が義務化され、SIM進化もあいまって、自由に使える端末が増えていくことを我々も期待しています。

>Rudyさん
「PLMN」の件ですが「IMSI」には含まれていません。SIM内では別に管理されています。

>バギンズさん
SIMロック解除の件ですが、基本的にはSIMロックは端末側でかけられています。サーバー側からロックを外すためには、端末側になんらかのロック解除のプロセスがあるのではないかと想像しています。

>たまごさん
自動切換はSIMカードだけでは実現は難しいと思われます。OSや網側の対応も必要だと思われます。

>Rudyさん、yumuさん、takacci0714さん
SIMアダプターの件ですが、アダプタを使うとアダプタからSIMが外れてSIMソケットが破損する可能性があります。(アダプタの透明シートがはがれたり・・・)また、頻繁に抜き差しすると、SIMカードやSIMソケットが損傷する場合もありますのでご注意ください。
>Rudyさん
コメントありがとうございます。
いただいた内容は、ぜひ今後の記事作成の参考にさせていただきます。
なお、auのSIM施策については、残念ながら私たちにも情報が非開示であるため理由はわかっていないのが実状です。どうかご理解いただければ幸いです。
とてもとても余談なお話しですが、SIMがある程度統一されているのってドコモさんだけですよね(正確にはSIMの切り替え時期が良かったといいますか)…。

auさん以上にソフトバンクさんはイーモバイルさんと合併する前からSIMがバラバラで、機種買うごとに交換が必要なくらいの規格(AndroidとiPhoneとでSIMサイズが一緒でも挿しかえ不可、iPhone6と5s以前とで挿しかえ不可、などなど)で作っているのを見て、やっぱり「手数料稼ぎかな」「契約数稼ぎかな(データ通信端末で1端末に2枚SIMが発行される契約もありました)」なんて斜めから見てしまっていました^^;

先日SHV31(au VoLTE機)を使う友人の操作を手伝う場面がありましたが、接続しているキャリアの表示が

「au / au」

という、GSMやW-CDMA機(ドコモと一緒)に準じた表示なっていました。

CDMA2000に対応するSIM(auのVoLTE非対応のLTE 機と3G機)では

「au」または「KDDI」

と出るので、やはりVoLTE機のSIM変更はCDMA2000とW-CDMA(国際ローミング用)とLTEのR-UIMカードから、W-CDMAとLTEのデュアルモードUIMカード(ドコモと同じ)に規格変更したのが理由になるのかな、って勝手に推測していました^^;

だからこそ、ソフトバンクの仕様が謎(何故機種ごとにSIMとAPNを変える必要があるのか)だったりもしています^^;
余談ですが、サイズの他に、厚みにも違いがあったはず(nanoだけやや薄い)。

mineoさんはD系はピンクsimのようですが
ちなみに最近SIMの色による、消費電力の違いを検証しているサイトを見ました。
この事実をマイネ王「mineo技術・サポート」にて検証してほしいです。
ttp://www.mono.reviews/mvno-sim-no-battery-shouhi-877/

もうひとつ
自分はセルスタンバイ対策にSMS付で契約しましたが、作動確認端末にSMSの有無によるセルスタンバイの検証もあればありがたいです。
>かくいちさん
コメントありがとうございます。

・SIMの厚みの件ですが、確かにnanoSIMだけ少し薄いようです。(nano:0.67mm、その他0.76mm)
 情報ありがとうございました。

・SIMの色での消費電力が違う件、サイト拝見いたしました。興味深い内容です。また、セルスタンバイの検証も含め、いただいたご要望に対し、社内で検討させていただきます。
なかなか「SIMカードってどんな構造しているんだろう? どんな働きをしているんだ
ろう?」と興味はあったものの、普段は気にしていなかったけどふとした時に思い
出してモヤモヤしていましたが、今回の解説でそのモヤモヤが多少晴れた気が
します。ありがとうございました。

今後もこういったマニアックな(?)「おお、こんなことまで取り上げるんだ!!」と
いうマイネオ王国ならではのネタに期待してます。
dokomoのmicro SIMとnanoSIMの大きさが同じみたいなのでわかりづらい。ハッキリしたチェック方法はありますか?ちなみにdocomoxi WI-FI station s-d2F とdokomo MEDIAS n-O7Dです。がよろしく願います。
>モムチャンさん
あなたのもっている機種を私が調べたところ、どちらもminiUIM(docomo表記)のmicroSIMサイズでした。
ご返信が大変遅くなりすみません!!マイネ王 運営 事務局です。

>Hiroさん
ありがとうございます!日常生活では中々接する事の無いSIMカードですので、少しでもご参考になっているとのことで、嬉しい限りです!!
引き続き、頑張りますね^^

>モムチャンさん
docomo xi WI-FI station L-02F、docomo MEDIAS N-07Dであれば、どちらもマイクロSIMになります!!
     
>かくいちさん
いつもフォローコメントや教室での回答、ありがとうございます!!!
退会済みメンバー
退会済みメンバーさん
ビギナー
全く理解できないけど、こういう記事は素晴らしいですね。マニアの方にはウケそう。
古い記事が目にとまりました。

残念です。
キャリアなのに、閉ざされて変な国の方言を標準にするとは。

貴社から送付されるSIMサイズは名称規格なし?
フルから取り外して小さくする、
いまだに製造流通はこのサイズでしょ。
ミニを標準と、マイクロをミニと呼称した某社にならい、
我が国では判りにくいままです。

fullsizeSIM(1FF),miniSIM(2FF),microSIM(3FF),nanoSIM(4FF)

現在はナノが主ですから、契約時のミスは減ったかもしれませんが、
3FFや4FFと併記した方が親切だと考えます。

https://en.wikipedia.org/wiki/Subscriber_identity_module

https://ja.wikipedia.org/wiki/SIMカード
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#マイネ王5周年おめでとう!
勉強になりました。ありがとうございます。
勉強になりました。
勉強なりました!
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#マイネ王7周年おめでとう!
   なるほど!!
ありがとう ございました。

  ! ! (ノζ o 茴 ξ)
古い時期のエントリーですが、分かりやすい良記事だと思いました。
普通に素手で触って出し入れしてました。汚さないように気をつけよう
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#マイネ王8周年おめでとう!
知らないことばかりだったので、とても勉強になりました。
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#マイネ王9周年おめでとう!
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タメになりますね
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