「異性装(クロスドレッシング)の演劇・パフォーマンス」
https://king.mineo.jp/reports/347505
こちらの投稿の関連です。
女が理想の男性像を演じる日本の宝塚と、その熱狂的ファンの関係は異質なのではないか(タニマチではくくれない)?という視点から、古今東西、異性装について調べてみました。
やはり、女性による新しいエンタメでした(笑)歌舞伎は外国人に人気ですが、宝塚はどうなんだろう???という新たな疑念が湧き出てきました(笑)
独自のフォン文化でチケットも買えないそうですし、当然、外国人観光客も観れない(別ルートあるの?)、これでは将来性もなく先細り、もっと開かれるべきではないかと外野ながら危機感を感じます。
男女が互いの性を演じる「異性装(クロスドレッシング)の演劇・パフォーマンス」は、古代から現代、東洋から西洋に至るまで、世界中の演劇史において普遍的に見られる現象です。
多くの場合、宗教的規制、社会的禁忌、あるいは芸術的表現の追求から生まれてきました。
歴史的な主な事例を「男が女を演じる(女形・女装)」と「女が男を演じる(男装)」に分けて、時系列・地域別にご紹介します。
🎭 男が女を演じる歴史(女形・女装)
歴史的に、多くの文化圏で「女性が舞台に立つこと」が禁止されていたため、男性が女性役を担う伝統が発展しました。
東洋の伝統
日本の歌舞伎(女方 / おんながた)
背景: 17世紀初頭の出雲阿国による「おくに歌舞伎」は女性が主役でしたが、風紀を乱すという理由で幕府が女性の登壇を禁止(1629年)。その後、少年による「若衆歌舞伎」も禁止され、成人男性のみが演じる「野郎歌舞伎」へと移行する中で、男性が理想の女性像を表現する「女方」の技術が極限まで洗練されました。
中国の京劇(旦 / ダン)
背景: 清代(18〜19世紀)に、社会風紀の乱れを防ぐ名目で女性の舞台出演が法律で禁止されました。そのため、男性俳優が女性役(旦)を演じる伝統が定着しました。
20世紀前半の伝説的名優・梅蘭芳(メイ・ランファン)は、その美しい所作で世界中を魅了しました。
西洋の伝統
古代ギリシャ演劇
背景: 紀元前5世紀頃の演劇祭では、市民権を持つ男性のみが舞台に立つことが許されていました。そのため、悲劇や喜劇に登場するすべての女性役(メディアやアンティゴネなど)は、男性俳優が仮面(マスク)をつけて演じていました。
シェイクスピア時代のイギリス(エリザベス朝演劇)
背景: 16〜17世紀のロンドンでは、女性が公共の舞台に立つことは不道徳とされていました。そのため、ジュリエットやオフィーリアなどのヒロイン役は、変声期前の少年俳優(ボーイ・アクター)が演じていました。
シェイクスピアの劇中には「男装するヒロイン(『十二夜』のヴァイオラなど)」が頻出しますが、これは「少年が女性を演じ、その女性がさらに男装する」という複雑な二重構造になっていました。
⚔️ 女が男を演じる歴史(男装)一方で、女性が男性を演じる文化は、女性のエンターテインメント進出や、特定の美意識の追求から生まれることが多いのが特徴です。
日本の伝統と発展
宝塚歌劇団(男役)
背景: 1914年(大正3年)に小林一三によって創設。「清く正しく美しく」をモットーに、未婚の女性だけで構成された劇団です。男性以上に理想的な男性像を体現する「男役」は、独特のメイク、発声、身のこなしの技術を確立し、独自のファン文化を築き上げました。
少女歌劇のブーム
背景: 大正から昭和初期にかけて、宝塚以外にも「OSK日本歌劇団」や「松竹歌劇団(SKD)」などが誕生し、女性が男役を演じるレビュー文化が日本独自のエンターテインメントとして定着しました。
西洋の歴史
バロック・オペラの「ズボン役」(トラヴェスティ)
背景: 17〜18世紀のヨーロッパでは、高い声域を持つ男性歌手「カストラート」が主役(英雄や青年役)を歌っていました。しかし、19世紀以降にカストラートが衰退すると、その音域をカバーするためにメゾソプラノやソプラノの女性歌手が青年・少年役を演じるようになり、これが「ズボン役(Breeches role)」として定着しました(例:モーツァルト『フィガロの結婚』のケルビーノ、リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』のオクタヴィアン)。
19世紀の「ブリーチズ・ロール」と大女優
背景: 19世紀の演劇界では、女性がタイツやズボンを履いて男性役を演じることが、一種の視覚的魅力(普段隠されている女性の脚線美を見せること)としても機能しました。また、19世紀末のフランスの大女優サラ・ベルナールは、高い演技力を持ってシェイクスピアの『ハムレット』の主役を演じ、歴史的な評価を得ました。

