課税処分取り消し判決を破棄 最高裁、審理差し戻し 6/23
このたびの最高裁第三小法廷の判決には、いたたまれない気持ちでいっぱいです。
事実の整理
夫が生前に負っていた十六億円もの借入金債務について、金融機関との間で六億円余りを分割で支払えば残額を免除するという和解が成立しました。
夫の死後、妻と子らがその債務を引き継ぎ、約定通りに支払いを完済したところ、残りの債務は確かに免除されました。
しかし税務署は、この免除によって生じた経済的利益を一時所得とみなし、巨額の課税処分を下したのです。
これに対し、二審の東京高裁は「相続による取得分を非課税とする所得税法に反する」として課税処分を取り消しました。ところが最高裁はこの判断を覆し、「免除の効力による経済的利益を相続で取得したとは言えない」として、審理を東京高裁に差し戻したのです。
はたして、これは本当に公正なのでしょうか。妻や子らは、夫の遺した莫大な借金を引き受け、必死に支払いを続けてようやく免除を得たのです。
彼女たちが手にしたのは、紙上の経済的利益にすぎません。現金が手元に入ったわけでも、何か具体的な財産を得たわけでもないのです。
それなのに、国がその価値に対して課税すると言い出す——これは、相続という悲しみに追い打ちをかける、実に酷な仕打ちではないでしょうか。
もともと十六億もの借金を背負うこと自体が、遺族にとっては計り知れない苦痛でした。その借金が免除されたからといって、実際に九億円もの現金が懐に入ったわけではありません。
債務が消えたということは、確かに経済的な負担が減りました。しかし、それはあくまで損をしなかったというだけで、得をしたとは言えないはずです。
最高裁は、「債務が確実と認められるものに当たらず債務控除の対象にならなかったとしても、相続後に債務が消滅することによって生ずる経済的価値に対して相続税が課されるものではないから、その経済的利益に所得税を課すことは二重課税には当たらない」と判断しました。
しかし、税制の理屈ばかりを追い求めて、現実に生きる遺族の心情に寄り添おうとしないこの姿勢に、私は強い疑問を抱かずにはいられません。
国は税は公平にと申します。しかし、すでに故人の借金という重荷を背負い、それを必死に返済してきた遺族に対して、さらに課税の刃を向ける——それが本当の公平なのでしょうか。
私は、この判決が遺族の心情を無視した、あまりに冷たいものに思えてなりません。どうか差戻し審では、数字の理屈ではなく、人の心に立った判断がなされることを切に願います。


相続放棄すべきかどうか迷っていたり、時間的余裕がない場合には専門家弁護士に相談
借金返済の義務から解放される方法として、相続権を放棄する相続放棄は有効な手段
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相続放棄は原則として「相続の開始を知った時から3ヵ月以内」に行う
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手続きが完了すると、法的に初めから相続人ではなかったと見なされ、被相続人のプラス財産(積極財産)も、マイナスの財産(消極財産)も一切引き継がなくなる
被相続人と疎遠で関わりたくない場合や、プラス財産よりマイナスの財産の方が多い場合に利用可
配偶者と子ども全員が相続放棄すると、親や祖父母が借金を相続
親や祖父母もいない場合は兄弟姉妹や甥姪が借金を引き継ぐが、法定相続人が全員相続放棄すると、
誰も借金を引き継がなくて済む
注意点:
・故人の預貯金を自分のために使ったり、故人の借金を支払ったら、もはや相続放棄はできません
・相続放棄の手続き中や検討中に、借金の催促が来ても、故人の預貯金から支払ってはいけません
・相続放棄の手続き中であることを伝え、支払いを保留してもらいましょう
民法上の相続人が不存在の場合の準確定申告の手続
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/07/15.htm
>> gavotte@新型NISAウイルス さん
背景事情含め答えてくれるAIはすごい便利---
Q最初に相続放棄が選択されなかった理由を教えてください。相続時に利得などが見込まれたのでしょうか?
Aこの事案で相続放棄が選ばれなかったのは、「あと100万円支払えば約9億7,000万円の借金が消える」という破格の和解条件がすでに成立していたためです。相続を放棄して資産も負債もすべて手放すよりも、相続して条件を引き継いだ方が、遺族にとって圧倒的に多大な利益が見込める状況でした。
1. 父親が生前に結んでいた「奇跡的な和解」
元の借金:約16億円
和解内容:約6億2,600万円を分割で支払えば、残りの約9億7,370万円は免除する
父親の状況:亡くなるまでに6億2,530万円を支払い終えており、残りわずか100万円というところで逝去
2. 相続時の判断:放棄か、承認か父親が亡くなった時点で、遺族の前には2つの選択肢がありました。
相続放棄した場合:父親の財産(家や土地、預貯金など)をすべて手放さなければならなくなります。
相続を承認した場合(こちらを選択):遺族が引き継いだ負債は、実質的に「残り100万円の分割金」だけです。これを支払えば、本来なら返さなければならない巨額の債務から解放され、父親のプラスの財産もそのまま残せる計算になります。
結果として、遺族は100万円を支払うだけで9億7,370万円の借金を消滅させるという莫大な経済的利益を得ました。
3. 今回の裁判になった理由遺族側から見れば「100万円で借金がクリアになり、めでたし」となるはずでした。しかし、国(税務署)から「100万円を払って9億7,000万円もの借金をチャラにしてもらったのだから、その差額分(免除された利益)はあなたの『臨時の所得(一時所得)』ですよね。所得税を払ってください」と、約2億円の追徴課税を求められたことで今回の訴訟に発展しました。
税務当局は法令を自分よりに解釈して少しでも税金を取ろうとするけど、司法の判断はその都度揺れているように思います。
過去にはこんな例もありました。
武富士親族の贈与税回避 - 虎谷会計事務所(京都市中京区)
http://www.toratani-kaikei.jp/14665881250628
こちらは遺族が最高裁まで争って勝っています。