市場の不安を抑制するためのレトリック
政府の首相会見におけるナフサ中間在庫1.8か月、供給は万全という表現は、市場の不安を抑制するためのレトリックとして機能していると考えられます。
しかし、その背後には、統計の集計範囲の広さとサプライチェーンの構造的脆弱性という二つの異常が潜んでいる可能性があります。
第一に、統計の集計範囲についてです。会見では、ペレット状ポリエチレン、気体のブタジエン、液体のトルエンなど、用途も形状も異なる多層的な原料在庫を勘案して在庫量を算出していると説明されています。
これは、ナフサそのものやエチレンといった上流原料の不足を、川中・川下の在庫で補って見せている可能性を示唆します。
このような広範な集計は、特定のボトルネックを特定しにくくし、政策判断を誤らせるリスクがあります。
第二に、サプライチェーンの構造的脆弱性です。日本は中東からのナフサ輸入に依存しており、地政学的リスクや物流の混乱が生じた場合、エチレン・プロピレン・BTXといった基礎化学品の供給が不安定になります。
政府が中東以外からの調達や多様化を強調するのは、本命の供給源が機能不全に陥っていることを示すシグナルと解釈することも可能です。この点は、医療用プラスチックや点滴バッグなど、人命に関わる最終製品への波及を考慮すると、より深刻な問題です。
第三に、政府発表のレトリックと市場の反応の関係です。万全、問題は生じていないといった表現は、短期的には市場のパニックを抑制する効果があります。
しかし、実際の供給制約を隠蔽することで、長期的には調整コストを増大させる可能性があります。
透明性の高い情報開示と、ボトルネックの特定に基づく構造改革が求められます。
以上を踏まえると、我々は政府発表をそのまま受け入れるのではなく、在庫の内訳・輸入量・価格・物流データを多角的に分析し、サプライチェーンのどの段階が脆弱かを特定する必要があります。
同時に、国内生産体制の強化、代替原料・リサイクル原料の活用、物流・備蓄インフラの整備など、 構造的な強靭化に投資することが、長期的な安定供給と経済安全保障の観点から重要であると考えられます。


https://www.msn.com/ja-jp/money/markets/アジアのナフサ価格急落-adnocがオマーン経由で輸出再開/ar-AA24GR6d?ocid=BingNewsSerp
ナフサの価格も3月上旬の頃と同じぐらいまで下落していますね。今後まだどうなるかわかりませんけど。
ちなみに今回のナフサの高騰は今のところ2022年の高騰時に負けているのはどういうこと?
https://jp.tradingeconomics.com/commodity/naphtha
それ以前に、ここで述べられている政府の権能に対して、政府に期待しすぎというか、「企業は国営?ここはどこの社会主義国?」的なベースの違いを感じてしまったので、AIに聞いてみました。
Q. サプライチェーンの整備は政府の仕事?それともステークホルダーの仕事?
A. サプライチェーンの整備は、企業などのステークホルダーが主体的に担うべきものです。政府はそれを円滑に進めるための環境整備や規制、および支援を担います。現代では、官民が連携してリスク管理やインフラ構築に取り組むことが不可欠となっています。
サプライチェーン整備における両者の役割は、以下のように分かれます。
ステークホルダー(企業・取引先など)の役割
ステークホルダーは、サプライチェーンを実際に構築し、管理する実務の主体です。
・効率化と最適化:企業はコスト削減やリードタイム短縮のため、ITツールを活用した在庫管理や物流の最適化を行います。
・リスク管理:自然災害や地政学的リスクに備え、調達先の多角化(マルチソーシング)や在庫の適正配置を主導します。
・コンプライアンスとサステナビリティ:人権侵害や環境破壊のリスクを防ぐため、「責任ある調達」ガイドラインの策定や取引先の監査を自主的に実施します。
政府の役割
政府は、ステークホルダーが安全かつ公正にサプライチェーンを運営できるよう、ルールの策定と基盤づくりを支援します。
・法的枠組みと規制:人権や環境に配慮した「人権デュー・ディリジェンス」の法制化やガイドラインを策定し、企業に遵守を促します。
・インフラ整備と支援:港湾や道路などの物流インフラの整備、あるいは特定の重要物資(半導体や蓄電池など)の国内生産に対する補助金や税制優遇を行います。
・外交・通商交渉:自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の締結により、国際的な物流網を安定化させます。
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AIの回答はわたしの認識に近いものでした。なんでもかんでも行政ににおんぶにだっこという感覚はわたしにないのですが、行政がもっと口を出すべきとお考えなのでしょうか?
#幼稚園の在りようについての東西の認識のズレを思い出しました
>> ジョニー23k さん
5-25のブルームバーグによると、ナフサ由来の化学製品は早ければ6月末には供給不足が生じる可能性がある。
政府は年を越えて供給可能との見通しを示すが、丸紅で社長・会長を務めた国分文也氏がそんな厳しい見方を示している。
商社に勤めている人の話を聞くと、こういう見方が共有されているようです。