泣き女の壁画 ルクソール
今は昔の話である。(註)
ナイルの中流域にあるルクソールは左岸は死者の世界として王家王妃の谷、ハプシェプスト女王、ラムセス2世3世の葬祭殿等の遺跡で有名であるが他に貴族クラスの墳墓が整備されないままに点在している。
その中の一つ泣き女の壁画で有名な墳墓を探して自転車でウロウロしていたが中々見つからない。
とある墳墓の入口で佇んでいたら2人の地元民が現れてきたので壁画のある墳墓を知らないかと訊くと付いてくるようにと手招きして案内してくれた。
中には自由に入れるようだが真っ暗である。
これではどうにもならないなと思案していると2人の地元民はバッグから大きな鏡を取り出し一人が陽光を墓地の羨道に当てもう一人がそれを墓室に向けて中を照らしてくれた。
(上はネットからの拝借画像)
狭い範囲ではあるが鮮やかに壁画が浮かんできた。
鏡を上手に操り一面は観ることが出来たが他面は薄暗くはっきりと観ることはできなかった。
懐中電灯だったらどの方向でも照らせるのにと思ったが彼らには彼らなりの流儀があるのだろう。
当然ながらバクシーシを要求してきたが他の観光地に比べると非常にささやかで良心的な額であった。
嬉しくなって倍のチップを弾んだ。
(註)
「今は昔の話である」で始まる文章は全て20世紀の話です。
制度や料金等も当時のものですのでご注意ください。
0 件のコメント
コメントはまだありません。
コメントするには、ログインまたはメンバー登録(無料)が必要です。


