【SIM道楽】eSIM設定トラブル編 : キャリアアクティベーション vs QRアクティベーション
eSIM搭載機の急速な普及に伴い、eSIMユーザーも急増していることと思います。
eSIMプロファイルの選択は、従来の 物理SIMカードと比べて SIMカードの配送や受け取り迄の手間や時間が掛からず、一旦 利用開始してしまえば他のSIMへの切り替えの際に「SIMの挿し替え」作業不要、SIMカードの保管不要と、便利な使い方が出来るというメリットがあります。
ただ、便利な使い方が出来る一方で、不便な点もあります。
その最も代表的な「不便さ」の一つに、既に多くのeSIMユーザーが経験しておられると思いますが…機種変更の際の「eSIMの入れ替え作業」があります。
物理SIMカードであれば、旧スマホ[A] からSIMカードを抜いて 新スマホ[B]へと差し替えればそれで完了~となりますが、eSIMの場合、既にスマホ[A]に既インストール済の eSIMプロファイルは スマホ[B]へ入れ替えることは出来ません。一度インストールしたeSIMプロファイル(QRコード)の再利用(再インストール)は不可となっているからです。
(ただし、iOS-17以降の iPhone/iPad、そして Android-14以降の Pixel に於いては「eSIMクイック転送」という機能が提供されているので、旧スマホ[A] から新スマホ[B]へのeSIMプロファイル転送が手元で行えるようになっているので とても便利ですが、対応機種が限定されていること、旧スマホ[A] と新スマホ[B]が共に「eSIMクイック転送」対応機種である必要があります)
ということで、いきおい、一般的なケースでは、機種変更の際には「eSIM再発行」という手続きが必要になります。その結果、この「必然的作業で発生」する「eSIM再発行=QRコード方式」の手続きに起因する問題点が発生していました。例えば :
①「eSIM再発行」という手続きが有償だったり…
② eSIMプロファイルの「QRコード」を表示させる別デバイスが必要だったり…
③ また、eSIMプロファイルの取り扱いに不慣れなユーザーは、再発行の際に送られてくる「QRコード」を上手く読み込めなかったり、誤って「QRコード」を他人に渡してしまって悪用されたり…等々。
そんなこともあって、①については、費用軽減策として 現在 国産MNO/MVNOの多くでは「手数料無料」が導入され、②、③に対しては「QRコード」の読込作業不要な「キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」という仕組みが始まりました。
しっか~し、ここでまた「キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」の普及に伴う新たなトラブルが発生し、ネットのトラブルQ&Aサイトでもしばしば散見されるようになってきました。
その新たなトラブルとは~( iPhone/povo2.0のケース) :
旧スマホ[A] を使って、povo2.0アプリから 機種変更の際に「eSIM再発行」を申請し…本人確認の完了を待ちます ( ↑ 画)
本人確認完了後、アプリ上で次のステップ「1.eSIM設定」>「2.eSIMプロファイルのダウンロード」>「3.eSIMをアクティベート」と滞りなく進みます ( ↑ 画)
さらに、ついつい 流れに任せて「続ける」ボタンを押していくと…「モバイル通信設定完了」と表示され~ な、な何と、再発行したはずの eSIMプロファイルが 機種変更前の旧スマホ[A] に自動インストールされてしまいます~あららら(泣) ( ↑ 画)
これをやってしまうともう後戻り出来ません。 新スマホ[B]へeSIMをインストールするには 再々度のeSIM再発行が必要になります。。。
本来、注意深く説明を読んで理解しながら進めば途中で間違いに気づくはずですが、ケアレスミスで旧スマホ[A] に自動インストールされてしまったトラブルを最近はよく見かけるようになりました。このケアレス・トラブルを避けるには~以下の[a]、[b]の2通りの回避策があります。
[a] : 最初から新スマホ[B]を使って povo2.0アプリを事前にインストールしておき、アカウントを有効にしてから「eSIM再発行」申請の開始から始まって一連の操作を新スマホ[B]で実施することで再発行した eSIMプロファイルは難なく新スマホ[B]に自動インストールされることになります。
または、
[b] : 最初は旧スマホ[A] を使って、povo2.0アプリから、「eSIM再発行」申請、本人確認を完了し、「1.eSIM設定」>「2.eSIMプロファイルのダウンロード」のところで【上手く行かない場合には、こちらより手動設定をお試しください】を選択することでeSIMプロファイルの QRコードが表示されるので、そのQRコードを新スマホ[B]にインストールすることで、新スマホ[B]で再発行eSIMが有効になります。( ↓ 画参照)
ということで、eSIMプロファイルのインストール操作の簡素化対策として登場した「キャリア・アクティベーション(自動)方式」ですが、この方式にもまた別のトラブル発生の種が潜んでいるので注意が必要です。
この「eSIM キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」の導入は、物理SIMカードを使わなくなった 米国iPhoneのユーザーにとってのトラブル回避のための必須の改善策だったとも聞き及びます。まぁ、そうは言ってもこの改善策も発展途上、そのうちにさらにトラブルレスを目指した対策が出て来ることが期待されます。
さてこんな状況の、まだまだ課題含みの「eSIM キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」ではありますが、国産モバイル・サービス提供各社の対応状況はどんなものか…ということで現状を一覧表にしてみました。 ( ↓ 表)
注(*1) : LinksMateの場合には Androidスマホでのキャリアアクティベーション可否が機種ごとに分かれて表示されています。
調査した範囲での結果としては、iPhone(iOS)については MNO/MVNOの一部のサービスを除きほぼ全てが「eSIM キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」に対応しているのに比して、Androidでは MNOのみ「eSIM キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」に対応してはいるものの、MVNOで対応しているサービスは皆無でした。
MVNO各社に「eSIM キャリア・アクティベーション(自動/簡素化)方式」を選択する自由となど有ろうはずもなく、ここでも国産MNOによる MVNO軽視の姿勢が明白に表れているように思います。
以上、今回は「eSIM設定トラブル編 : キャリア・アクティベーション vs QRコード・アクティベーション」ということで、最近気になるトラブルとして纏めてみました。素人調査ゆえ、記載内容に誤解や間違いなど気が付かれましたら、お知らせ頂けるとありがたいです。









<< 追記 >>IIJmioウェブサイトにある「eSIM・キャリア・アクティベーション」に関する記述
https://help.iijmio.jp/answer/6503eec0b3ec0fb46b5d711e/
出来るようです、arrows We2 Plus M06(IIJ版)で確認済みです。
https://tabiesim.jp/setting/
https://king.mineo.jp/reports/308391
上のような挙動のため、サポートページどおりにeSIMプロファイルのインストール操作が進まず、自動的に入ったeSIMプロファイルを不要なものと考えて消してしまった方がこれまでに何人も居られます。
>> pd019Ac さん
>ライトMVNOでもキャリアアクティべーションは出来るようですLinksMateの場合には Androidスマホでのキャリアアクティベーション可否が機種ごとに分かれて表示されていて、総じて古めのスマホ機種は QRコードのみで、キャリアアクティべーションの利用が可能になっているのは… ザっと見て新しめのスマホ機種。
・Pixel : 8a以降 キャリアアクティベーション可
・Xiaomi : 14以降 キャリアアクティベーション可
・Aquos : 9以降 キャリアアクティベーション可
・Xperia : 10以降 キャリアアクティベーション可
・Galaxy : 25以降 キャリアアクティベーション可
・Oppo : QRコードのみ
・Rakuten : QRコードのみ(Hand-5G除く)
こんな感じでしょうか。
ひょっとすると他の一覧表のMVNO/Androidも同様で、機種ごとにキャリアアクティベーションの利用可否が変化しているかもしれませんね。
本文中の一覧表は一覧表で、Linksmate/Androidの箇所については、サイトで記載が確認できた範囲で 訂正しておきます。
(Arrowsは記載が無かったので不明です)
>> えでぃ@Since 2015 さん
>上のような挙動のため、サポートページ>どおりにeSIMプロファイルのインストール
>操作が進まず…
おおお、そういうこともあるのですか。
サポートページを見ながら一覧表にしましたが、mineoでは実際の手続きとサポートページが正しく一致していない~ということでしたか。それもまた別の問題を引き起こしそうな気がしますが…(汗)
この辺りの話は中の人たちもどれくらい理解されているか分らないので、問い合わせるのも難しいですね。
メインのmineo物理SIMとサブ機のpovo物理SIMとモバイルルーターのLinksMate物理SIM。
povo eSIMはデータ専用、
BNEeSIMは移行する。
Firsty eSIMも移行かな。
>> kc_iOS9.2.1 さん
私自身が試した訳ではないですが、このトラブルに遭遇した方たちは「モバイル通信の設定を完了」の通知には気が付かなかったようです。表示されても無意識にタップした可能性もあります。いずれにしても私がサポートアンバサダーとしてこのような相談を何件も受けていますので、マイネ王の運営事務局さんには「サポートサイトの記述が適切ではない」旨の報告してあります。
>> えでぃ@Since 2015 さん
>マイネ王の運営事務局さんには「サポートサイトの記述が適切ではない」旨の報告…お知らせ、ありがとうございます。& サポートアンバサダー活動の継続、ご苦労様です。
「サポートサイト」の記述が適切でなければ、特に不慣れなユーザーはまさに暗中模索状態に陥ってしまうわけで~(汗) Q&Aサイトでは状況の理解すら分り難い状況かと思います。
今回の「eSIM・キャリア・アップデート」の調べるにあたって一通りザッと他社サイトも覗いてみた上での感想としては、iPhone(iOS)デバイスの対応に関しては対応機種や対応条件、手順について、各社とも十分明確、一義的にシンプルに記述していて分りやすいのに比べて、Androidデバイスへの対応機種や手順といったものについては、曖昧な表現も多く、とどのつまり「機種やOSのバージョンによってガイドと異なる場合があります…」と"逃げ"セリフが付記されている始末。。。
まぁ、スマホメーカー毎に微妙に異なる OS(Android)を搭載していてUIや画面構成も異なっている以上、その微妙な違いに対応した「eSIM・キャリア・アップデート」手順を用意するのも手間の掛かることなのでしょう。
そこへ行くと、Linksmateは多数の機種別に個別の eSIM開通方法を準備してくれているのがとても参考になりました。

Chat GPTに「iPhoneの eSIMキャリアアクティベーション対応機種は?」
と問い合わせてみました。
真偽は不明です~(笑)

Chat GPTに「Androidの eSIMキャリアアクティベーション対応機種は?」
と問い合わせてみました。
真偽は不明です~(笑)
>> kc_iOS9.2.1 さん
最近の下記のQ&Aが、まさに私が申し上げた「iPhoneとmineo DプランeSIMの組み合わせで起きるトラブル事例」の一つです。Androidなら機種により設定方法の違いはあるものの、このようなトラブルは起きません。
■圏外になりました
https://king.mineo.jp/question-answer/端末/各種設定/操作 SIMカード/eSIM/41555
>> えでぃ@Since 2015 さん
>「iPhoneとmineo DプランeSIMの組み合わせで起きるトラブル事例」トラブル事例紹介、ありがとうございます。
リンク頂いた 78787さんの投稿を見ました。
これは iPhoneの「eSIM・キャリアアクティベーション」で発生するもう一つの典型的なトラブルでしょうね。。。
ユーザーは第一回目の eSIM再発行を実施した後、実際は「eSIM・キャリアアクティベーション」が自動完了していたにも拘らず「うまくいかなかった…」と思い違いして 二回目の eSIM再発行を要求しました。
ところが、いつの間にか第一回目の eSIMは有効になっていて 暫くの間利用出来ていたものの、今度は先ほどの二回目の eSIM再発行の分が開通期限とともに自動開通(有効化)されたことで、それまで生きてい第一回目の eSIMが圏外(無効化)されてしまった…という展開ですね。
ここでの問題は、「eSIM・キャリアアクティベーション」=eSIM自動インストール(QRコード不要)という簡素化システムでは、(不慣れな)ユーザーには意識されないまま eSIMプロファイルのインストールが自動完了してしまう~~という現象。そしてそれをユーザーは「eSIMインストール失敗」と思い込み、何らかの次のアクション(二回目の eSIM再発行)等を行ってしまうという問題。
今後、 (不慣れな)eSIMユーザーの急増を考えれば、これからも「eSIMプロファイルのインストール自動完了」に起因するトラブルは増加していくことでしょうね。。。

此処にもありました。。。「…間違えて現在所持しているスマホ側で回線を開通してしまった…」