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レコードを聴き始めた頃の話

中学生になってクラシック音楽に目覚めたが視聴できるのはNHK教育テレビで放送していた音楽番組だけであった。
皆が寝ている横でテレビの音を可能な限り小さくして聴いていた。
どうしてもプレイヤーが欲しくて友人の蒲鉾屋の息子に頼み込んでアルバイトをした。
アルバイトで貯めたお金で小型の電蓄を買った。

電蓄.PNG

木製のケースにコンパクトに纏められた真空管式の蓄音機であった。
100vのコンセントが無いと使えないのにポータブル電蓄という商品名であった。

電蓄裏.PNG

内部はトランスレス式の50EH5という電力増幅用のMT菅1本だけの簡単な構造で、これは後に同じ真空管を一本買い足してステレオに改造した。

ソノシート.PNG

蓄音機を買ったらレコードを買うだけの余裕がなかったので専ら『少年サンデー』とか『冒険王』とかの子供向けの漫画雑誌で宣伝していたソノシートを買うことで満足していた。
映画音楽やアニメソング等あったが私はクラシックの小品や内外の行進曲を購入していた。
ペラペラのビニール製の直径17cmのLPレコードで1枚50円であった。
ハードもソフトも最低限の品質であったが毎日聴いても飽きることはなかった。

この頃コンサートホールソサエティというクラシックレコードの頒布会が設立され月刊雑誌の中に入会申込用のはがきが閉じ込んであった。
入会すれば17cmのLPレコードが無料で貰えるというのに釣られて入会した。
ステレオ録音盤が出始めていた頃で申し込み時にモノラル会員かステレオ会員かを選択するようになっていた。
ステレオ装置など買えないしモノラルレコードの方が安かったのでモノラル会員で申し込んだ。


コンサート補^る.PNG

送られてきたレコードはベルリオーズの「ハンガリー(ラコッツィ)行進曲」とウェーバーの「舞踏への勧誘」であった。

コンサートホールソサエティは毎月カタログを送ってきたが、その中から1年間で30cmのレコードを最低3枚購入しなければならない規約があった。
何も買わないまま1年になろうとした時ビゼーのオペラ『カルメン』の3枚組の全曲盤がカタログにあったのでこれを買って条件をクリアした。
レコードは中々送って来ず代金として手元に置いていたお金(これもバイトで貯めたもの)は飲食に少しずつ使ってしまった。
約2ヶ月後にレコードが来た時には所持金は0で親に泣きついて払ってもらった。
金銭にだらしないのは今も変わらない。


15 件のコメント
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> コンサートホールソサエティというクラシックレコードの頒布会

懐かしい。この組織の名前を久しぶりに見ました。親父が会員でした。
中学校が芸術にも熱心で、優秀な音楽教師でレコード流して同曲の指揮者比較していた。
ピアノ弾いて音符を書かせた🙀
同級生も曲では無くどの指揮者が好きかのレベル。

当然触発されます。

音楽は始まったばかりのFM放送をトランジスタラジオで聴いていた。伊勢湾台風の影響で、いっきに乾電池式トランジスタラジオになっていた。

レコードはなかなか買えなかったな。

音楽流れる良い青春時代を過ごせました。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
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>> p928gts さん

コメントありがとうございます。

レコードの通販というのは珍しかったですが コンサートホールソサエティの扱うレコードには馴染みのないオーケストラ、指揮者、演奏家が多かったせいか10年ちょっとで消滅」しましたね。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
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>> 伊勢爺い さん

コメントありがとうございます。

中学の頃から音楽的に素晴らしい環境に恵まれていたのですね。
歌舞音曲は軟弱であるという風土で育った私には羨ましい限りです。

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中学の頃に下校時間になるとクラシックの音楽が流れていて、その曲のレコードが欲しかったのですが、
昔で誰にも曲名を聞くこともできずに長い間、探していました。数年後にドボルザークの新世界(第二楽章)と分かりレコードを買いに行きましたが、当時はどの指揮、演奏が良いのか分からずオーマンディ指揮のレコードを買いました。当然、当時はオーマンディの事は知りませんでした。
テープに録音して何度も繰り返し聴きました。またNHK教育放送で演奏があれば(サヴァリッシュ指揮だったと思います)深夜(確か日曜日の21時頃の放送)に聞いていました。

中学の頃からクラシックには興味はありましたが、どんな曲が良いのか良く分からなかったので、新聞の通販でソニーのクラシック名曲(カタログ音楽の様なカセットテープ購入)を聞いていました。今ではバルトーク、ドビュッシー、ストラビンスキー、ラベルの曲を良く聴きます。

自分が何故クラシック音楽が好きになったのかをたまに考えるのですが、親は全くクラシック音楽を聞かないので興味はないと思っていたのですが、ある日にラジオから流れてきたラベルのボレロを親が聞いていたのですが、切るのを忘れたのかと思いラジオの電源を切ろうとしたら聞いていると言ったので、意外だなぁと思いました。
でももっと前に昭和の初め頃に親が買ったと思われる落語のレコードが数枚押入れの中にあるのを見つけた事があり、親が若い頃に卓上のビクトローラの蓄音機を持っていたのではとその時に思いました。
漫画本は買って貰え無かったけれど、中学・高校の時代・コースの本だけは買ってくれた。 入学時には付録でソノシートが付いていましたね、サウンドトラックで「エデンの東」が初めて聞いたレコードでした。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
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>> コロコロポポロン さん

クラシック音楽にまつわるお話興味深く読ませていただきました。

サバリッシュはN響とは40年程協演関係にありN響だけでなく日本のクラシック音楽の演奏水準の高度化に尽力された指揮者ですね。
コロコロポポロンさん の聴かれたNHK教育テレビでの放送は私が聴いていた番組と同じものだったと思います。

私がクラシックに興味を持ったのは地元の大学の文系サークルが一丸となって公演したビゼーのオペラ『カルメン』を観たことがきっかけでした。
それまで体験したことのない鮮烈な印象を受けて、それ以来オペラを中心にクラシック音楽を聴いています。

コメントありがとうございました。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン

>> 1953生まれ さん

コメントありがとうございます。

ソノシートは音楽だけでなく講話やニュースや鳥の鳴き声等、音に関するあらゆるものが録音されていましたね。
プレイヤーを持ってない頃はハガキの角に針を刺したものをソノシートの上に置きシートの中心部を指で回して聞いていました。軸は鉛筆の短いのを板に固定していました。
指の動きが均等でないのでおかしな抑揚で再生されるのが面白かったです。

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>> hijiake さん

N響と言えばホルスト・シュタインやサヴァリッシュの指揮の時に良く聞いていました。

小中学校で音楽の時間にクラシックの音楽を聞く時間がありましたが、当時は退屈だなぁと思いながら聞いていたので興味は無かったと思います。先程も記載しましたが、自分はどんな曲が好みなのか良く分かっていなかったからだと思います。

昔は新聞の通販などで廉価版のクラシックCD全集を販売していましたが、古い演奏になるとノイズがあったりでこの手の商品は買いませんでした。

古い演奏でもベートベンの運命(カルロス·クライバー指揮)の演奏は音に奥行きも有りとても良かったです。

バーミンガム交響楽団(サイモン・ラトル、ベルリン・フィル就任前)
ピアノ、マルタ・アルゲリッチの生演奏を聴きに行ったときは鳥肌物でした。

指揮者はオーマンディ、クラウディオ・アバド、ショルティ、アンタル・ドラティ、ブーレーズが好きです。

オペラは聴いた事がないので分からないのでのですが、カルミナ・ブラーナやマーラーの千人の交響楽、カンカータ·プロファーナ(バルトーク)を聞いていると楽器の音も良いのですが、人間の声が一番感動する様に思えました。

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ソノシートと言えば、小学5年の時に学研の科学の付録に蓄音機があって組み立てて聞きました。鈴虫、𓆏などの鳴き声が入っていました。

昔は雑誌の付録にソノシートが付いていましたが、プレイヤーが無くて聞けないと親に良く言っていました。後で安いおもちゃプレイヤーを買って貰いましたが扱いが悪かったり分解したりで壊してしまいました。

知り合いが写真の様な据え置きタイプの蓄音機マニアだったので、聞かして貰った事があるのですが、今のステレオに負けないくらい音が良く感動しました。
蝋管レコードの音も良かったです。

ただ昔の物なので日本舞踊(漫才?)など娯楽で聞く感じのレコードばかりでした。

でも蓄音機、レコードの状態が良くないとノイズが大きくなり聞きづらいです。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン
クライバーは演奏回数は少ないですが緻密に構築されていて完璧と言えるものが多いですね。
若い頃のインタビュー動画を見ますと楽曲に如何に真摯に向き合っているかが良くわかり好感が持てます。
私も好きな指揮者の一人です。
私はレーザーディスク全盛期の頃録画された『こうもり
』や『ばらの騎士』やウィーンフィルとのニューイヤーコンサートのLDを持っていますがクライバー自身も楽しそうに振っていて彼のくだけた一面を垣間見ることが出来ました。

蝋管レコードとか歴史上の遺物と思っていましたが現存するのですね。
しかも実際に再生したものを聴かれたとは驚きです。

ソノシートのことも含めて貴重なお話有難うございました。

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>> hijiake さん

蝋管レコードは今思い出しましたが、エジソン型の蓄音機でした。蓄音機は見ているだけでも雰囲気があって良かったです。クラシックが好きで蓄音機などにも興味があればハマるとおもいます。

音質としては例えるならラジオから流れてくる様な音で今のデジタルの音と違い温かみのある感じでした。

集めている方は音楽の話はされなかったので蓄音機のみに興味があるのだと思いました。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン
詳細な情報ありがとうございます。

原理的には音溝のない新しい蝋管を取り付けてラッパから音楽等吹き込めば録音できると思いますがどうなんでしょう。
新品の蝋管が販売されているかどうかも分かりませんが気になります。

>> hijiake さん

初期の蝋管は数回の再生で摩耗するので所有者が録音したとの記述があるのでカッター針にかえて録音したのではと思います。1本で5分程度の録音ができるので当時の音楽とか声が録音されているのだと思います。

☆長々と記載して申し訳有りませんでした😀
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン
SP盤用の蓄音機は10台ほど修理(殆どゼンマイ切れ)したことはありますがそれ以前の蓄音機に関しては全く未知の分野でした。
今回コロコロポポロン様に蝋管レコードについてご教示御説明を頂だき興味の世界が広がりました。

本当にありがとうございました。
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