夏だ!おばけだ!マイぴょんだ! ~注:マイぴょんは関係ないです~
マイネ王に集う良い子のみなさん、待ちに待ったお化けの季節ですね。
ということで、お化けを見たと勘違いした話と、人魂を見たという伝聞です。
ホラーとか心霊現象ではありませんので、背筋が凍って猛暑の中でも涼しく爽やか、とはなりません。期待した方、ごめんなさい。
表題ですが、マイぴょんは関係ないです。
語感が良かったのでつい出来心で使ってしまいました。ごめんなさい。
でも肝が冷える幽霊バージョンの夏マイぴょん、待っています。
●お化けに部屋の扉を閉められた
中学生の頃に住んでいた家での事です。
物置に使っていた4畳半の部屋があり、夜その部屋の扉を開けて入口に立ち、明かりの点いていない暗い部屋をぼんやりと眺めていました。
眺めていた視線の先には掃き出し窓があり、そのガラスに部屋の入口に立つ私の姿が映っていました。
私のいる部屋の明かりを背に、私のシルエットが映っている感じです。
と、その瞬間私のシルエットが突然動き出し、扉を閉め始めました。ガラスに映っていた明るい部分がすーっと消えていき、暗くなっていきます。
「自分は動いていない!閉じ込められる!」と驚き振り返りましたが、扉は開いていますし部屋も変化はありません。
何が起こったのかを理解するのに暫く時間がかかりました。
実は、物置部屋の掃き出し窓と同じ位置に隣家の掃き出し窓があり、隣家の住人が雨戸を閉めようとしていたようでした。すぐに閉めず、少し動作を止めていたようです。家族と話をしていたのかもしれません。そのタイミングで私が部屋を覗き込んだようでした。
たまたま、隣家の住人が自分と似た動作をしていたので、自分の姿が映っていたと勘違いしていました。そのため、自分の影が勝手に動き出した、つまりお化けに扉を閉められたと思ってしまいました。
よく考えれば、真っ暗な部屋の窓に明るくシルエットが浮かぶ訳がありません。隣家の雨戸が閉じ、真っ黒な状態の部屋のガラスにうっすらと映る自身の様子を見てようやく状況が理解できました。
●一反もめんが出た
住宅地の脇に雑木林のある所に住んでいたことがあります。
午前3時頃、用事があり原付バイクで雑木林の脇を走っていました。街灯は無く真っ暗です。
当時の原付バイクのライトは暗く、懐中電灯と大差ないくらいでした。
すると暗闇の中、バスタオルくらいの大きさの白い物がフワフワと空中に浮かんでいるのが見えました。
紙か白いレジ袋が飛んでいるのかと思いましたが、風はありません。
「まさかゲゲゲの鬼太郎の一反もめん?」と一瞬たじろぎました。道路から外れて飛んで行けばいいのですが、私を先導するかのように前の方でフワフワしています。不気味ですが先に行かなければなりません。
数メートルまで近付き正体がわかりました。
白いTシャツに黒いズボンを履いた人が散歩をしていました。
原付バイクのライトが暗いため黒いズボンが判別できず、暗闇の中に白いTシャツが薄暗く浮かびあがっていました。歩くテンポに合わせて上半身が軽く上下するため、フワフワ浮いているように見えていました。私と同じ方向に歩いていたので先導しているように見えたわけです。
私は午前3時を深夜と思っていましたが、人によっては早朝の散歩の時間なのだということをその時知りました。
また関東でしたので、ゲゲゲの鬼太郎の一反もめんは出ません。一反もめんが出ると思わせる漫画の影響力は凄いですね。
●雨降る夜の墓地に若い女性
20代半ばの頃です。整備された大規模な霊園が近所にありました。
住宅街に隣接していて、周囲が林の丘陵地です。霊園の中心には数キロの桜並木があって通り抜けられ、昼間は近所の方が散歩やジョギングをしていました。
街灯は無いので普段の夜は真っ暗ですが、桜の季節になると駅に近い数百メートルに提灯を出してくれて、夜桜見物や屋台でにぎわうようなところでした。
ある雨の夜に、一人で車に乗りそこを通り抜けようとしていました。
真っ暗な雨の中、車のライトを頼りに進んでいくと、ライトの明かりの中に傘をさして歩く人の後ろ姿が浮かび上がりました。
若い女性のようでしたが、少し気味が悪いな、と思いつつ通り過ぎようとしたところ、突然振り返り手を挙げました。
雨の夜、暗闇の墓地で若い女性が一人、手を挙げるのです。
口から心臓どころか、心臓から口が飛び出すかと思いました。
状況的に不審なので関わるまい、と通り過ぎようとしましたが、お化けが怖くて逃げだした、というのは生意気盛りの若者としてのプライドが許しません。少し行き過ぎてから停止しました。すぐに止まらない時点で完全に怯えていますね。
とりあえず足があるのがわかりましたので恐らくお化けではないです。それに確か20時頃でしたのでお化けが出るにはまだ早い、というところまではなんとか瞬間的に考えることができました。
小走りで助手席側に近付いてきましたので、窓を開けて話をしました。
・最近引っ越してきた。
・霊園の入口にある駅で降り、駅員にバス停があると聞いた。
・バス停はどこにあるか。
といった内容でした。
ようやく携帯電話が普及しだした頃です。スマホの地図アプリなどありませんので、地理に疎い場所ですぐに調べることはできず、道に迷うのも無理はありません。
その駅の近辺にバス停は無く、歩いて行くには遠くて、どうも要領を得ない話でしたが、道に迷っているようですし雨もそれなりに降っていますので「近くのバス停まで送りましょうか?」と言うと「お願いします」との返事でした。
ちなみその時に乗っていた車は1BOXのバンです。一般的に、配送業の方や職人さんが現場に行くときに使うもので、内装は鉄板がむき出しの無骨な車内です。ハイルーフというタイプで天井が高く、人が立てるくらいで、趣味でバイクを積むのに使っていました。
室内灯を点けて後席に乗ってもらい、どこに行きたいのか地名を聞きましたが、言葉を濁します。行き先を知られると良からぬことをしそうな輩に見えたのでしょうか。
よく見ると、座っている位置がシートの左端で、ピッタリとドアに寄っています。
車の室内灯は小さな電球で、天井の高さがあるために光源が遠くて車内はぼんやりした明るさです。空荷でしたので、空間の広さと外の暗闇も相まって何とも言えない距離感でした。
かなり警戒していることは伝わってきましたが、行き先が定まらないことにはどうしようもありません。とりあえずバス通りに向かいますね、と言って室内灯をつけたままで走り出しました。霊園のメインの通りを行くと遠回りになります。脇道がありそこを通ると近道なのですが、道幅が狭く舗装状態も悪くて木が多い茂り昼間でも鬱蒼としています。
せいぜい5分程度の距離ですがさすがに不審に思われると思い、状況を説明して近道を通るかメインの通りで行くか聞いたら「近道で」との返答でした。
私からした女性の方が不審なので、不審な人に不審と思われることを心配をしなくてもいいのですが、よくわからない状況です。
雨の中、鬱蒼とした暗闇の荒れた道をガタガタ揺れながら進み、バス通りの交差点に着きました。赤信号で停止しましたが停止線は通りから少し後退した位置ですので、車が停まっている位置はまだ薄暗い場所です。
どちらに曲がりますか、と聞こうとしたら「ありがとうございました!」との声がし、振り返るとちょうどドアが閉じられたところでした。シートと床が雨で濡れているのがわかりましたが、前を見るともう姿が見えませんでした。
正確には、後席のドアの外、つまり暗い車外を見てから明るいバス通りを見たので、瞬間的に明暗差に目がついていかなかったというのはあります。
直後に信号が変わりましたのでバス通りに進みましたが姿は見えませんでした。バス通りは交通量もあり明るく、住宅も並んでいます。
バス停の無い駅で降り、夜の雨の墓地を一人で歩き続け、最後は一瞬で姿が見えなくなったあの人は何者だったのでしょうか。
あの時のお嬢さん、怖かったのは私の方です。
●人魂
母から聞いた話です。
母の実家は山に挟まれた平地の農村です。それほど大きな集落ではないですが、ローカル線の駅の隣には農協の倉庫があり、貨物車両1~2両程度の引き込み線と積み込み用ホームがあるようなところでした。
私が子供の頃には農協の小さなスーパーがあり、とりあえず日用品は賄えました。
そんな地域ですが母が子供の頃、夏の夕方になると人魂が出たそうです。
友達と遊んでいると、ゆらゆらと人魂が出てきてそれを見て「人魂出たから帰ろう」と言って帰宅していたそうです。
出るのは川べりと言っていました。
私の物心がついた頃には人魂は出ませんでした。人魂が出たという川には橋があり、夜になると水銀灯にカブトムシやクワガタが集まるので、夏休みに母の実家に行くのが楽しみでした。
子供の頃に人魂の話を聞いたときは気味が悪いと思っていましたが、今になると見てみたい気がします。
今の若い人なら「エモい~」と言いながら一緒に自撮りし、即SNSにアップするのでしょうか。
暑い日が続きますがマイネ王に集う良い子の皆さん、水分をしっかりとって健康にお過ごしくださいね。
恐ろしいです。
>> hageten さん
飛蚊症は日常生活に影響が出ることもありますので大変ですね。原因によっては悪化することもあるようですのでお大事になさってください。柳の枝が揺れるのが幽霊に見えたという話がありますが、飛蚊症という症状がわかっていなかった時代は、お化けを見たと勘違いしたのかも?と思いました。