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低体温症になると右心室と左心室とで酸素濃度の違いが大きくなるのはナゼ?

【17:30修正: 主に「代謝の低下」と「血流の再分配」で右と左を間違えていましたので修正しました】
先月末21時放送のNHKスペシャルの11~12分辺りによると「低体温症になると右心室(静脈血)と左心室(動脈血)とで酸素濃度の違いが大きくなる」らしいのですが、なぜでしょうか?

本来なら右心系(体から回収され肺に向かう血)よりも左心系(これから体を回る血)の方が酸素濃度が低いのですが、低体温で下記の通り代謝・循環・肺呼吸が弱まるとその3つが、いずれも酸素濃度の差を小さくする方向で作用するように考えられます。

■代謝の低下:
低体温により全身の代謝が低下し、酸素消費量が減少するため、右心室内の血液の酸素濃度が上昇しやすくなります。

■循環の低下(血流の再分配):
体温が低下すると末梢血管が収縮し、血液が体の中心部に集中します。これにより末梢での酸素消費が減少し、上記と同様に右心室内の血液の酸素濃度が上昇しやすくなります。

■呼吸機能の低下:
低体温時には呼吸運動も低下するため、酸素の取り込みが減少することがありますが、これは左心室内の血液の酸素濃度を下げやすくなります。

したがって、低体温症の状態では、右心室(静脈血)と左心室(動脈血)の酸素濃度の違いは小さくなる(等しい濃度、つまり生命活動停止状態に近づく)と予想されます。


15 件のコメント
1 - 15 / 15
それで、何か心配なのですか?
私はどちらかと言うと体温は高い方なので、低温地方に行く予定もないので、関係ないと思ってますが。それとも、突然発症する病気ですか?
マスコミは、他と違った内容のテーマを話題にしないと視聴率が上がらないから、結構、怪しい内容も取り上げますが、NHKなら、そんなことはないのでしょう。
かなり、専門的な医学的知識も必要でしょうから、マイネ王に挙げても期待薄じゃないですか?
知識を整理しましょう。
①右心系は、全身から血液を吸い込んで、肺に送り出すポンプ系で、全身から吸い込む血管が大静脈、送り出す血管が肺動脈。
②左心系は、肺から血液を吸い込んで、全身臓器に送り出すポンプ系で、肺から心臓に入る血管は肺静脈、左心系から全身に出ていく血管が大動脈。
24で03さんが言う右心室(静脈血)上記の説明だと①のことで、
左心室(動脈血)は②のことですよね。
元々、酸素濃度が高いのは、今から全身を回る血液つまり②ですね。
24で03さんの説明を改めて読んでみましょう。
代謝の低下でも、血流の再分配でも、
元々、酸素濃度の高い左心系の濃度が高まるのですよね。
呼吸機能の低下があるならば、逆に左心系の濃度が下がる。
つまり、代謝が低下し、血流の再分配がおきて、
元々酸素濃度の高い左心系の酸素濃度がさらに高まり、
酸素濃度の差が大きくなるわけです。
http://www.jsmmed.org/_src/sc536/A0420hypothermia420Oshiro202011.pdf

(4)脈と呼吸の低下、不整脈の出現
軽症では体温を上げるために体が活発に反応し、脈拍数、呼吸数がともに増える。
中等症になると活発な反応が低下し、徐脈(脈が遅くなる)や不整脈が出現し、呼吸数も低下する。
おおよそ体温28℃では脈拍数30~40回/分、体温20℃以下では脈拍数10回/分となる。

代謝の低下より、脈拍の低下の方が大きい、という事では無いでしょうかね?
当たってるかどうかもさっぱりですが、知ってる方はいるんですね。マイネ王もカバーする範囲が広いですね。驚きです。
ただ、素人からすれば、それが論理的に解明されたとして、何がどうなるんでしょう。
どういった時にそういう状態になって、そうなるとどうなるか、対処方法はあるのか?
色んな疑問だけ残って、一部の人だけ満足される感じがして、個人的には後味が悪いですね。
24で03
24で03さん・投稿者
ルーキー

>> mikecat さん

すみません。血流の再分配と代謝の低下の部分は右心と左心を逆に書いていました。お恥ずかしいかぎりです。
単純なコピペミスですが場合によっては大事故につながっていましたね。
気を引き締めたいと思います。

■本題ですが、書き直してもやはり問題は変わりませんでした。
ご指摘の通り、本来なら左心系(これから体を回る血)の方が、右心系(体から回収された血)よりも酸素濃度が高いのですが、低体温で代謝・循環・肺呼吸が弱まるとその3つが、いずれも酸素濃度の差を小さくする方向で作用するように考えられます。
24で03
24で03さん・投稿者
ルーキー

>> かくいち さん

確かにそれはあり得ますね。
わかりやすくするため非現実的なほど極端に言うと、正常時の左心室系の酸素濃度が100%,右心室が50%で、低体温症で心停止したとすると、血流がなくなり、冠動脈からの心臓への酸素供給では足りず心臓自体の酸素消費で49%ぶん、左・右心室系で消費されたとします。
この時、左心室系の酸素飽和度が51%,右心室が1%になり、もとは右と左で2倍の酸素濃度が心停止後には51倍になります。つまりNHKの番組通り「低体温症になると右心室(静脈血)と左心室(動脈血)とで酸素濃度の違いが大きくなる」と言えますね。

これが原因かなぁ?
こんにちは😃

右心室、左心室ある血液の酸素濃度を測定できることに驚きです😳 しかも低体温症🥶

>> 24で03 さん

こちらこそ失礼しました。
左心系の酸素濃度が高くなるはずありませんよね。
よく考えずに答えてしまいました。ごめんなさい。
24で03
24で03さん・投稿者
ルーキー

>> Y. Daemon@ポリアモラス さん

司法解剖で死因が低体温症かどうかを判別する話でした。
まあ、生体でも心臓カテーテルで採取or測定できると思います。

>> 24で03 さん

低体温症で亡くなった方はそういう傾向があるんでしょうね。
うちの父、低体温じゃじゃないですけど、亡くなる直前はめちゃくちゃ冷たくなっていました🥲

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 検察側の鑑定と弁護側の鑑定は、当然 食い違うので、どちらかの鑑定に疑問を持った ということだと思います
 学者は 他の学者と違うことを言うことが仕事なので、異なる鑑定は いくらでも出せる気は します


鑑定とは?
https://www.courts.go.jp/osaka/saiban/medical/03_01_kantei/index.html


徹底分析シリーズ 周術期の低体温
呼吸・循環への低体温の影響―体温の低下に対して変化は一様ではない 医療の介入や薬物による反応の増強に注意
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.3101101421

「救急外来に運ばれてきた低体温でも,事故や疾患の種類(寒冷環境への長期曝露や脳疾患,意識消失などに伴う体温調節反応の減弱など)によって異なる…」と あるので、

 事故(事件)の態様によって、低体温状態に陥った原因が異なり、低体温と酸素濃度との関係も異なった結果 となることも考えられます

 というか、逆に、結果から原因を推測するのだろうと思います(法医学に限らず、一般的にも)


偶発性低体温症患者に対する高酸素療法と死亡率上昇の関連:多施設前向き観察研究の事後解析
https://www.kameda.com/pr/ccmc/post_337.html

「高酸素血症が脳血管収縮を起こし脳組織への酸素供給を低下させたり、肺において不必要な活性酸素を発生させ肺血管収縮や肺胞障害を起こす機序が示されている。
中枢温32℃以下の偶発性低体温症は、集学的治療が必要な重症病態である。低体温の状態では、組織の酸素需要が低下し、組織に過剰な酸素分子が出現する可能性がある。」

 (偶発性)低体温症 下では、酸素需要が低下することにより、結果的に高酸素血症となる という仮説があり、

 この仮説を援用すると、

「低体温症になると右心室(静脈血)と左心室(動脈血)とで酸素濃度の違いが大きくなる」(酸素需要低下による 高酸素血症が原因)

という「仮説」は成立する かもしれません
循環器内科や集中治療領域で有用な知識ですね。

最初の一連の書き込みは高体温症の間違いでは?
高体温なら赤血球と酸素の結合も弱く抹消で離れやすくなります。
24で03
24で03さん・投稿者
ルーキー

>> _カブ さん

>「低体温症になると右心室(静脈血)と左心室(動脈血)とで酸素濃度の違いが大きくなる」という「仮説」は成立する かもしれません

下記の様に酸素の需要が減ると右心室(これから肺へ向かう静脈血)の酸素濃度が上昇しませんか?そのため右心室(静脈血)と左心室(動脈血)の酸素濃度の違いは小さくなると考えられませんか?

■代謝の低下:
低体温により全身の代謝が低下し、酸素消費量が減少するため、右心室内の血液の酸素濃度が上昇しやすくなります。

>> 24で03 さん

 気温や水温が低い場合、体温を維持する為に、産熱します
 ふるえなどの筋肉運動(による産熱)には酸素が必要なので、酸素需要は増えて、需要を補うために、吸入空気量を増加させて、供給を増やします

 「低体温症」は、産熱が間に合わなかった結果としての、体温低下なので、

 低体温に至る 過程と、低体温に陥った結果では、解釈が 逆になるだろうと思います


 法医学は「裁判医学」なので、
裁判官を どう納得させるかのツールでしかない とも 感じます
(少なくとも、検察側か 弁護側の どちらかは間違っていますし、両方とも間違っている可能性すらありますが、裁判官が どちらの鑑定に納得するか ということに過ぎません)


法医学分野
https://www.tokyo-med.ac.jp/med/course/21.html
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