【SIM道楽】いつになったら使えるようになるのかな~日本のWiFi-Calling~
iPhoneとしては iOS-9(2014年)から世界的に導入されていたにもかかわらず、日本国内の3キャリアではその対応どころか、その存在にすら沈黙が続けられている WiFi-Calling (WiFi通話)。これが今回の内容です。。。他投稿で話ネタになっていたので改めて国内でも触れられる WiFi-Calling について 体験トライして纏めてみました。
既に iOS-16.4がリリースされている今日現在、世界各国の多くのキャリアでは WiFi-Calling(WiFi通話)の機能が日常一般的に広く開放されていて、多くのエンド・ユーザーに利用されています。
モバイル電波の届き難い場所/屋内であっても、通常使っている電話番号のまま、周囲にあるWiFiネットワークを利用することで安定した音声通話が出来ることや、海外渡航先からでも自国の電話番号宛てに国内通話料金(その時点で有効な契約中プラン)で通話が掛けられるメリット等、国際通話料金の節約という観点からも多くのユーザーが便利に利用するに至っています。
WiFi-Calling (WiFi通話)の機能や仕組み、長所/短所についての手短な説明は ↓ リンクを参照されると解りやすいと思います。
https://support.apple.com/ja-jp/HT203032
2014/10/14 第680回:Wi-Fi Calling とは [ケータイ Watch]
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/keyword/671136.html
さて今回、手元にあった 以下の海外6ヵ国のローカル/ローミングSIMを使って、WiFi-Callingの利用について実際にトライしてみました。このトライにはコロナ過以前に海外出張時に利用したSIMを使いました。( スマホは iPhone-SE3使用)
・AIS sim (タイ)
・Smart sim (フィリピン)
・TIM sim (イタリア)
・Movistar (スペイン)
・EE sim (イギリス)
・VERIZON (米国)
各SIMによる WiFi-Calling利用の可否確認については、
①「モバイル通信」欄に「WiFi 通話」のオン/オフ選択欄が表示されるか?
②「このiPhoneでWi-Fi通話」のスイッチがオンになるか?
③ ステータスバーのネットワーク表示に「XXX WiFi Call」または「XXX VoWiFi Call」という表示が現れるか?
これらの3点について確認しました。
しかし、②「このiPhoneでWi-Fi通話」のスイッチがオン」や、③「ステータスバーのネットワーク表示に「XXX WiFi Call」」については、手持ちSIMの「契約プランの有効期限切れ」や「海外ローミング時の WiFi Calling で日本からの利用不可」等の理由により表示が現れないケースがあることが判明したので、各SIMについてのWiFi-Calling利用の可否判定は、① モバイル通信欄に「WiFi 通話」欄の「オン/オフの表示」の有無のみとしました。
結果 ↑ のように 6カ国中、TIM(イタリア)SIMを除く5ヵ国のSIMでは既に WiFi-Calling(WiFi通話)に対応していました。
ということで、iOS-9(2014年)による WiFi-Calling がリリースされてからの9年間に (日本に比べて電波の届かない地域が多いと思われる海外諸国では…) 携帯通話環境の改善の一環として WiFi-Callingを積極的に推進されてきていることが覗えます。
次に、WiFi-Calling(WiFi通話)に対応していた5ヵ国のSIMのうち、②まで確認できたのが Smart(フィリピン)SIM ↓ でした。
しかしながら、これは「海外ローミング時ではWiFi Callingの利用不可」とのSmart社制限により日本国内からのローミング接続の場合では ステータスバーの「ネットワーク表示」に「XXX WiFi Call」は表示されないことが分りました。本来、利用可能であれば「Smart VoWiFi」と表示されるようです。(「WiFi-Calling = VoWiFi」と書かれるケースも多いようです )
さらに、「このiPhoneでWiFi通話」をオンすることで ③の「ステータスバーのネットワークに「XXX WiFi Call」表示まで確認できたのは、「海外ローミング時のWiFi Call利用可」となっている AIS sim(タイ)でした。↓ 下画
この AIS sim(タイ)については、実際にタイ(+66)電話番号に通話してみたところシッカリ音声通話が出来ました。また通話料金は、日本から掛けたにも拘らず国際通話料金は掛からずに、タイ国内のローカル通話料金が適用されました。 もちろん、この「AIS WiFi Call」番号宛ての電話着信も確認できました。
( AIS の場合には、WIFI Callの利用開始に当たって、最初に一度だけ、USSDコード=「*399*1#☎」を送信してアクティベーションしておく必要があります)
ということで、iOS-9(2014年)による WiFi-Calling がリリースされてからの9年間に、海外各国では携帯通話SIM環境の改善の一環としての WiFi-Callingの導入/推進が積極的に進められていることを実感しました。
日本キャリアにおいても WiFi-Callingを導入してくれれば、ユーザーにとっては、ビル内部のモバイル電波の届かない会議室/屋内からの通話や、海外渡航時における国内宛ての通話料金が大幅に抑えられると言う大きなメリットが出てくるはずなのですが…
他方、それは日本キャリアにとってみればボッタクリ状態の国際通話料金収入が激減することを意味することなので、やっぱ3社とも頑なに口を噤んで知らんぷりしている~というのが現状なのでしょう。
WiFi-Callingとは異なりますが同等なWiFi通話機能を持っているのが RCSを使うRakuten Un-Limit VIIです。WiFi環境でも電話番号を使った音声通話が可能、かつ海外ローミング渡航先からも国内宛であれば無料(=国内通話料金)通話になっているということで、3キャリアとは一線を隔した対応が採られていることは大いに注目に値すると思っています。ただし、Rakuten Un-Limit VIIでは R-Linkアプリ(専用)を必要とするという点が WiFi-Callingと比べてマイナスポイントです。
とまれ~いつになったらWiFi通話が利用できるようになるのか日本キャリア~~ またぞろ、いつの間にか~知らず知らずのうちに世界の進化に取り残されて時間の止まったガラパゴス状態にならないように…と切に願うばかりです。
相変わらずニッチなテーマでまとめてみた〜国内でも出来る、やれば出来る、ささやかな WiFi-Calling(WiFi通話)の現状体験でした。
追記 ) 2023.4.06 「機内モード+WiFi」
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通常の「機内モード+WiFi」で音声通話を発信しようとすると、↓ 画のように「ネットワーク接続なし…」となって発信不可となります。
ここで、
通話発信側 : 機内モード(=モバイル通信をオフ) +「AIS WiFi Call」
通話受信側 : 機内モード(=モバイル通信をオフ) +「AIS WiFi Call」
というように、両スマホとも「機内モードに」にして通話を試してみました。
その結果、何~と、シッカリと 音声発信と音声着信が成立しました。もちろん着信番号も正しく表示されました。( 左画=発信スマホの標準ダイアラー、右画=着信スマホの着信画面 )
「機内モード + WiFi」でも音声通話の発/着信が正しく行われるのは、何とも良く出来ている機能だと思います。
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ちなみに、WiFi-Calling(WiFi通話)が有効になっている場合の、iOS と Androidデバイスのステータスバー上での表示は ↑ 画(左=iOS, 右=Android) のようになっているとのことです。
試験的に手持ちの Xiaomi Mi 11 Lite 5Gでも AIS simを挿れて WiFi-Callingを試みてみたところ、「SIMカードの設定」画面では「WiFi通話」がオンになるものの(左画)、WiFi-Callingアクティベーション(USSD=「*399*1#☎」)送信したところで、「お手持ちのデバイスは、AISの WiFi-Callサービスに対応しておりません…」と拒否(右画)されてしまいました。
しかしながら一方で、Xiaomi Mi 11 Lite 5Gについて、Vodaphone(UK)サイト(↓URL)で WiFi-Callingの設定手順が示されていることから、WiFi-Callingの利用可否は SIMカード(キャリア)のみならず、デバイスとの組み合わせで確認することが必要のようです。
https://deviceguides.vodafone.co.uk/xiaomi/mi-11-lite-5g-android-11-0/calls-and-contacts/turn-wi-fi-calling-on-or-off/
「WiFi-Calling (VoWiFi)」 が有効になっているときのコントロール画面 こんな感じ~
日本は国外になかなか出ないので、こういうことのメリットを感じにくいのだと思います。しかし、今はあんまりの楽天のサービスが注目され、ユーザがそちらに移行し始めれば他社も追随すると思います。
あとは楽天が踏ん張れるか、耐え切れないか、かも?
通話料金が利益の源泉で、強力な競争相手も居ない状況でデメリットしか無い行動を取る訳が無い。
+メッセージなどのRCSも、仕様ではIP電話も含まれるのに実装しているのは楽天LINKのみ。
>> さと さん
>WiFi-Calling って従量制の課金…?アレコレ見る限りでは、WiFi-Callingの対象になる多くのケースは「自国内通話」または「渡航先から自国内への通話」で、その場合、既に該当する電話番号が契約しているプラン料金が適用されるようです。すなわち自国内で「カケ放題」を契約していれば無料、契約プランが従量課金ならば「従量課金」というのが一般的。
>> Y. Daemon@ポリアモラス さん
>日本は国外になかなか出ないので、>こういうことのメリットを感じにくい…
そういうことなのかもしれませんね。「メリットを感じにくい…」というよりは、日本国内なら津々浦々、どこでも電波がソコソコ繋がるので音声通話に不都合を感じるのは知床沖くらい。さらに昔から「渡航先からの電話は高額なモノ」という先入観に慣らされてしまっている。。。
日本からアメリカの電話番号に安くかけられるのが良かったですね。
>> うめちゃん2号 さん
>無理に1票。あらら、まぁそう言わずに…(笑)
特に近年は海外渡航する人口が急増していると聞きますので、渡航先から日本国内への通話料金の高さに不満が噴出してくることを期待しましょう(笑)
>> ヨッシーセブン@北京 さん
>アメリカのt-mobileは、Wi-Fi calling>に対応してました…
そそそ、そうなのです。やはり T-Mobileはネットワークカバレッジが他の2社(Verizon, AT&T)と比べて大きく劣っていたので、必然的に一番早くから WiFi-Callingの対応/解放に至ったという経緯のようです。
>> kc_iOS9.2.1 さん
2014年に対応していたような気がします。海外特に北米対応のため、iPhone6(5sだったかも)を導入して、初めはH2Oのプリペイド、その後、t-mobileに変えたら、Wi-Fi callingが出てきて、とても便利でした。
WiFi-Callingの基地局は、野良の無線LANでいいんですか?
そのWiFi-APに音声が載ってるとか、ルーティングやセキュリティが不安。
>> さと さん
以前私が利用していたt-mobileだと、料金は電話回線利用の際と基本的には同じでしたね。海外からかけてもアメリカ国内にいるのと同じ料金体系ということになりました。
電波が行き渡っている事を使う安い方法だと
mineoでんわやGcall等のプレフィックス系。
wifiを利用する方法だと
050系
おっしゃってましたが
通常の電話番号でwifiで通話できる物として
楽天linkですかね、通話料は無料です。
電話番号は有りませんが
LINEは通話も基本料も無料です。
こうやってみると、それなりに選択肢があるように思えますね。
(それぞれ専用のアプリが必要だったりしますが)
携帯の電波が行き渡る事にお金を掛けてますので
行き渡らない(お金を掛けない)代わりに安い通話が使える。
というのは日本では流行らないような気もしますね。
>> gavotte@新型NISAウイルス さん
>WiFi-Callingの基地局は、野良の>無線LANでいいんですか?
あちこち見る限りの知識では、いまのところ接続先のWiFi-アクセスポイント仕様に対する制限はないようです。仕組みとしてセキュリティ・ゲートウェイを介しているようですが、公衆WiFi、コンビニWiFi や 野良WiFi等を利用した場合のセキュリティーに関する不安がある場合には このWiFi-Callingに限ったことではないので、利用するか否かはユーザーの判断次第ということでしょう。
>> ヨッシーセブン@北京 さん
おおお、さすが~既に経験者でしたか !!T-Mobileについては ヨッシーセブンさんの体験された通り、米国におけるWiFi-Calling導入の先陣としての経緯が記載されていました。
https://goodspeed-tarmac.blogspot.com/2015/02/wi-fi-calling.html
>> かくいち さん
>携帯の電波が行き渡る事にお金を掛けてますのでまさに ご指摘の通りだと思います。
国内利用している限り、今日では地下の居酒屋ですら通話の届かない店は無くなりつつあるように思いますので、国内キャリアとしては優先度が低いのでしょう。
2023.4.06 : 以下の実験結果を本文追記として追加
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・通話発信側 : 機内モード(=モバイル通信をオフ) +「AIS WiFi Call」
・通話受信側 : 機内モード(=モバイル通信をオフ) +「AIS WiFi Call」
というように、両スマホとも「機内モード」に設定して音声通話を試してみました。
その結果、何~と、シッカリと 音声発信と音声着信が成立しました。もちろん着信番号も正しく表示されました。( 左画=発信スマホの標準ダイアラー、右画=着信スマホの着信画面 )
「機内モード + WiFi」でも音声通話の発/着信が正しく行われるのは、何とも良く出来ている機能だと思います。
>> kc_iOS9.2.1 さん
機内モードで通話できるって考えもしてなかったです。様々なことを追求するのすごいなぁ。私は、AIS WiFi Call表示状態なら003プレフィックス国際電話で日本にも通話できることを確認したくらいで追求するの止めちゃったからなぁ…。
>AIS WiFi Call表示状態なら
>003プレフィックス国際電話で
>日本にも通話できることを
>確認したくらい…
おおお、それこそ大発見! 追っかけでそれ私もやってみました !! しかも「機内モードで」(笑)
==> 003-81-xx-xxxx-xxxx 宛てに標準ダイアラー発信。
教えて頂いた通り、確かに「003国際プレフィックス」を付加することで、日本電話番号宛てにも WiFi-Calling出来ました。着信先でも正しく番号表示されていました。どんな課金になるのかとっても興味ありますが…(笑)
ところで「003」とは どこの国の国際プレフィックス? 事業者?なのでしょう? 国際プレフィックス一覧で調べてみましたが見当たりませんでした。
>> kc_iOS9.2.1 さん
ご紹介されているリンク先には、フライトモードでWi-Fi接続では、かけられないように記載がありますね。私はテストした記憶がなく、分かりません。
今は出来るように変わったのか、通信会社により異なっているのか、どちらでしょうかね?
>> kc_iOS9.2.1 さん
AISでの国際電話プレフィックスのようですよ。>> ひみつ77@👈👉ご安全に! さん
True 006, Dtac 004だったようです。合併対応後は?
https://suemari.com/thailand/story/s210526.html
>> ヨッシーセブン@北京 さん
>フライトモードでWi-Fi接続では、>かけられないように記載…
今しがた ↑ 画のように「機内モード」+「AIS WiFi call」で 003-1-xxx-xxx-xxxxの米国宛てに電話してみましたが、シッカリ通話着信しました。番号表示も正しく出来ました。まぁ機内から通話発信する機会はありませんが、WiFi-Callingも日々進化しているのかもしれませんね。
>> ひみつ77@👈👉ご安全に! さん
>AISでの国際電話プレフィックス…おお、そうでしたか。タイの国際プレフィックスは「001」(日本は「010」)とばかり思っていましたが、タイの各社は事業者として国際プレフィックス「00X」を持っているということのようですね。
>> かくいち さん
情報シェア、ありがとうございます。海外からでも自国宛ての国際通話料金がローカル料金で済むというのは有難いですよね。渡航先から自国に掛けてもボッタクリ国際電話料金になる日本キャリアも WiFi-Callingの導入を考えてほしいものです。
>> ヨッシーセブン@北京 さん
中国ではWi-Fi Callingは採用されていないのでしょうか?韓国とかも日本と同じでしょうかね?
イギリスのように日本より狭い国でも採用されているということは、国土の広さは関係ないんですね。
>> Wiesbaden610@insiders さん
中国は色々と厳しいですからね。機能制限がいくつがあります。
まず、eSIMが使えません。
Wi-Fi通話も非対応ですね。
https://support.apple.com/ja-jp/HT203982
>> Wiesbaden610@insiders さん
>Wi-Fi Callingを採用していない国は…はじめまして。
回答の真偽/正確性は分りませんが、ChatGPTは ↑ のような回答をくれました。何故か日本が含まれていないですね。
>> ヨッシーセブン@北京 さん
前コメントに貼り付けてもらった Appleの「iPhone の通信事業者のサポートと各機能」リストを見ると 世界中で WiFi-Callingのキャリア別の利用可否が一覧できますね。>> kc_iOS9.2.1 さん
ありがとうございます。chatGPTに聞くという発想は思いつきませんでした(笑)真偽はともかくとして、とりあえずこの件に関していえば日本がガラパゴスなわけではないということはわかりました。
>> ヨッシーセブン@北京 さん
ありがとうございます。eSIMがNGな中国。eSIMの何がNGなんでしょうかね?
>> Wiesbaden610@insiders さん
私が予想しているのは、海外のSIMを簡単に契約、利用開始できてしまうので、電話の傍受が出来なくなるからではないかということです。eSIM対応機は今のところ販売されていないですね。
>> ヨッシーセブン@北京 さん
最近もアステラス製薬の日本人現地社員がスパイ容疑をかけられて帰国寸前で逮捕、拘束されるという事件がありました。解放の目処は全く立っていない様子。気をつけてお過ごしください。>> ヨッシーセブン@北京 さん
中国も数年前にesimのテストなんかもやってていつでも対応はできるようだけどなぜかいまだにesim使えないのは謎ですね海外出張なら会社支給なので電話代気にしないし、プライベートならそもそも海外旅行中にわざわざ国際通話することがほぼない
昔香港で財布落としてカード止めようと電話した時くらいかな
その時もまさかの何も盗まれることなく近くのホテルに財布が落とし物として預けられていたので結果カード止める必要はなかったのでラッキーでしたが