【SIM道楽】フル・MVNOの快進撃 - 国内専用 docomo回線プリペイド・データSIM 最前線
キャリア(MNO)SIMの料金が低下するにつれて、格安MVNO・SIMの勢いが急速に衰えつつあると感じる今日この頃。。。
一部のMVNO社では、帯域逼迫/速度低下、接続品質の低下を招く低速(無料)の大量データを消費するユーザーを締め出す狙いの新プランや、低速利用時のデータ量制限(或は、低速利用不可)を設けて、MNOと同等…とまでは行かないまでも、何とか一般ユーザーの不満の出ないレベルまで回線品質を維持しようとする努力を続けて来ているのが現状です。
そんな中にあって御多分に漏れず、MVNO老舗と称される IIJmioとしても「低速(無料)の大量データを消費するユーザー」には「低速(無料)データ利用は 366MB/3日間」という厳しい制限を設けることで一般ユーザー向けに通信品質の維持に努める一方、数年前から「フル・MVNO」という仕組みを取り入れることで、回線利用に対するMVNOとしての自由度/柔軟性を増大させるべく戦略を取っています。
この仕組みを導入することで、IIJmio提供のSIMは独立した「ネットワーク・オペレータ」として認識され、独自のネットワーク名「IIJ」や独自の識別子 「MMC-MNC=440-03」(MCC=mobile country code, MNC=mobile network code)の基に行う様々な変更や管理を利用/表示することが可能になるので、多様な個人/法人向け需要に対応し、ビジネスの自由度を広げることを可能にしています。。。
折しも先々週、あるプリペイドSIM販社(CalendarWorld社)から「Docomo回線用・プリペイド・SIM 新商品!! 」販売開始という お知らせが届きました。
新しいSIMを見つけるとまず気になるのは「SIM提供元(MCC-MNC)は誰?」そして「APNは何?」、最後に「ネットワーク表示名」です。↑ 画像の SIMについて調べてみたところ
・MCC-MNC = 440-03
・APN = ppsim.jp
・ネットワーク表示名 = IIJ
おおおっ! これは紛れもなく あの IIJmio・フルMVNO版 SIMによるサービスであることを確認しました。その他のメニューの中にも docomo回線用SIMプランが増えていたので、一通り纏めてみて再度ビックリ!! IIJmioのみならず、丸紅ソリューションからもフル・MVNOを展開した SIMと、さらに eSIMに対応した新商品が提供されていました。↓ 表参照
Calendar World
https://www.jpsimshop.com/
これらプランの多彩さもさることながら、各プランSIMの識別子やAPN等が多岐に渡っていて、SIMプランの広がりが感じられました。
他のプリペイド販社でも同様なことがあるかも~ということで、その状況を探るべく、手始めにネットショップでは頻繁に見かける大手プリペイドSIM「Nippon SIM (DHA Corporation)」の商品についても調べてみました。
Nippon SIM (DHA Corporation)
https://www.nipponsim.jp/
こちらも CalendarWorld 同様に、 IIJmioのみならず、丸紅ソリューションからもフル・MVNOを利用した プリペイドSIMがラインアップされていました。
「Nippon SIM (DHA Corporation)」ラインアップでは「ドコモ回線用」と一口に言っても、、日本国内向けプリペイドSIM・サービスとして、↑ 表のように基本的に 5種類の異なるサービスが提供されています。見た目が非常に似通ったパッケージになっていますが、SIM発行元やSIM情報、そしてAPNやネットワーク表示が各々異なるSIMが使われているので、購入時には希望の商品選択を間違わないよう細心の注意が必要です。
次に、やはりプリペイドSIM販社である イエローモバイル社「コミコミパック」シリーズSIMと、Mewfi社「日本プリペイドSIM」シリーズの国内向けプリペイド・パッケージを調べてみました。
イエローモバイル
https://www.yellowmobile.jp/shopbrand/sim/
Mewfi
何と~ここでも IIJmio「フルMVNO版 SIM=44003」がシッカリとプリペイド席を確保していました。
MVNOにおいて「プリペイドSIM(期間限定、容量限定)」のシェアの増加は、「常用月次契約SIM」増加とは性格が異なって 利用時間帯の分散が期待できるので、契約帯域の平準化利用に有効であると考えれば、回線品質を落とすことなくビジネスの増加が期待できるというのも大きなポイントになるのかもしれません。
以上、 自前の設備(フル・MVNO)を着実に整え、市場の拡大を図ることで プリペイドSIM・docomo回線ビジネスでも急速に増殖しつつある IIJmioと丸紅ソリューションによる一騎打ちの様相が垣間見られた プリペイドSIM 最前線レポでした。
(注意!) 文中に記載した各プリペイドSIMに関する情報は、当方が個人的に調べ/確認した情報なので、間違いや誤解等のある場合があります。購入等を検討される場合にはユーザーご自身で内容についてシッカリ確認の上、自己責任での利用をお願い致します。
フルMVNO版(データ通信専用)に注目したプリペイドSIMの価格については~ 本文中に登場するプリペイド・SIMプランの中から「長期間/低データ容量」のモノを選んで IIJmioギガプラン・eSIM(2GB/月)=440円と比較してみました。180日間プランや、365日間を対象としたプリペイド・SIMプランにおいては相応の競争力が期待できるという認識です。
概ね、1GB/月/220~300円といったところが最前線相場でしょうか。
一方で表立ったプリペイド再販に消極的な docomo本家(?)や KDDI本家(?)、そしてイマイチ当てにならない MVNOに対して、外国語対応も含めてサポート体制が既に構築されている IIJ や丸紅ソリューション提供のプリペイドSIMは再販社にとっても付加価値が認められるのではないでしょうか。
>> pasorin さん
IIJ ギガプラン eSIM (PLMN=44003)を利用していますが、昼時の混雑時を含めて不都合を感じたことは全くないです。(注 : 私は低速は使いませんので、低速の際の通信品質は未経験です。。。)国内ローカルとしては未だ 丸紅ソリューションからの提供だけで IIJから提供されている eSIMプリペイドというものは見つけられませんでした。一方で、3HK(香港)が提供する ローミングeSIMを利用した国内利用者向けプランも2社から販売されていることが分かりました。
更に選択肢が増えて来るようであれば、また一段と面白くなりそうです。
今は昔…それまでの プリペイドSIM市場は SoftBank(MNO・本家)SIMを格安(?)大量にまとめ(卸し)買いしたSIM再販業者による再販ラインアップが殆どでした。2019年12月にまとめたSoftBankプリペイドSIM体験レポートは ↓ URL参照…
【SIM道楽】2019.02 続々登場 SoftBank回線利用 長期プリペイドSIMの実力を徹底分析
https://king.mineo.jp/reports/62279
当時は DocomoやKDDIは自社の回線を使ったプリペイドSIM販売には積極的でなかった(?)ことから、プリペイドSIMとしては SoftBank SIM ほぼ一色といっても過言ではなかったように思います。そんな折、記憶に新しく、ネット上で大きな騒ぎとなった「繋がらない○○クラウドWiFi・無制限サービス」トラブル。再販業者へのSoftBank SIMの格安提供がストップ(料金値上げ?)されたことで、クラウド・システム側に必要なSIMがタイムリーに補給されなくなってしまったことが原因~とされていたと思います。。。
以来、プリペイドSIMの市場は、より安心感のある docomo回線、かつ安定供給とサポートの信頼性が期待できる フルMVNO (IIJmio版 と 丸紅ソリューション版)に移行しつつあるというのも合理的な選択肢かと思います。
pmにてお問い合わせ頂いた docomo回線・プリぺイドSIM ↑ についての SIM情報をわかる範囲でシェアします。
プリぺイドSIMというのは素性(属性)が明示されてないケースが多く、購入時に分かり難いという欠点があります。。。
よく見かけるクレームとして…
「国内利用に購入したのに、ping値が100ms越えで、よく見たらローミングsimだったぁぁぁ~」とか「ダウンロード速度が 2~3Mbpsと遅く、昼時なんて全く使えない~」とか。やはり購入の際には最低限、プリぺイドSIMの製作元(販社ではなく)と APNくらいは事前確認したものを使いたいです。