ガラホ（KYF37）に LINE を入れてみる

モバイル・ITアプリ／WEB

2021.12.30 20:42

真里亞さん

Gマスター

【注意事項】
ガラホ向け LINE が 2022年11月 1日でサービス終了し、その影響だと思われますが

「最初に LINE を起動した際のアップデートがエラーになりアプリが起動できない」

状態となります。

端末初期化後にスマホ用の LINE を上書きインストールしても、初回起動時のアップデート動作が行われてしまうためアプリ起動には至りません。
ショートカット系のアプリで直接 LINE を起動する事も出来ますが、LINE の仕様変更により

LINE バージョン 11.13.0 未満では新規登録および（ログインによる）引き継ぎはできません。

という制限がかかっており Android 5.1.1 で使用可能な 11.5.0 では何もできない状態となります。
既に使用している状態の場合は継続して使えますが、一度ログアウト状態になると再び使うことは出来なくなりますので注意が必要です。

以前行った手順などの確認結果でもあるので、この掲示板はそのまま残しておきます。

あまり利用する機会は無いと思いますが、メモ・備忘録？を兼ねて記載しておきます。

ガラホでは Google Play ストアが利用できないのでスマホの様な Play ストアからアプリをインストールするという方法ではなく、アプリの APK ファイルを置いてあるサイトからダウンロードした APK ファイル（ Play ストアで配布しているものではないため「野良 APK 」とも呼ばれたりします）を利用してインストールする事になると思います。
この場合は「自己責任」となりますので注意してください。

関連記事（後編的な？）

ガラホ（KYF37）に LINE Lite を入れてみる
https://king.mineo.jp/reports/156147

もくじ
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　1. スマホに変更できればいいんだけど
　2. KYF37 の仕様
　3. KYF37 の LINE を確認してみる
　4. LINE のバージョンを上げてみる
　5. ガラホではトークを引き継げない
　6. LINE Lite をインストール
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

1. スマホに変更できればいいんだけど
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各社で 3G 停波していくにあたり、ガラケーからスマホへの変更を行う場合が増えて来るかと思います。

今までのボタンを「押す」という操作方法からスマホのタッチパネルを「触る」という根本的な操作の違いによって、スマホを使ってみた・触ってみたものの使い勝手の違いから操作するのが難しくて今までのガラケーの使い勝手のままにしたいという場合も出てくるかと思います。

スマホでの操作が可能であれば「かんたんホーム」系のホームランチャーに変更するとか電話やメールの物理ボタンがあるタイプ（ BASIO4 など）にする等で対応もできますが、慣れないタッチパネルでは思ったように操作できずに誤操作ばかりになってしまうという様な場合では「非常に使いにくい、出来る事なら使いたくない」という気持ちが強くなり、

「家族からスマホを勧められたが苦痛でしかない」

という様な状況・気持ちになる可能性もあるかと思います。

ガラケーの場合は通話とメールが主な使い道だったと思いますが、最近では LINE でのやり取りも増えている事から、

出来るならガラホで LINE を使いたい

という要望も出てくるのが現状かと思います。

しかし、携帯電話版 LINE 関連は終了の方向ですし、ガラホでのプッシュ通知も終了、以前は LINE がインストールされていた端末もありましたが最近の KYF41 や KYF42 などでは LINE はインストールされていないという状態です。

仮に少し前の LINE がインストールされている機種の中古を用意して無理やり LINE を使い始めたとしてもガラホではスマホの様な Google アカウントを利用したトークのバックアップを引き継ぐことが出来ないので、

ガラホで LINE を使う
　　　　↓
利用開始時にトークは引き継げない
機種変更の時は過去のトークを捨てる

という事が先々出てきてしまいます。
やはり、この辺りを考えると LINE はスマホで使うのが望ましいとなりますね。

2. KYF37 の仕様
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

確認に使用するのは au GRATINA KYF37 です。

仕様を確認すると Qualcomm Snapdragon 210 MSM8909 1.1GHｚ×4コアが使用されているそうです。
Wi-Fi は IEEE802.11b/g/n（2.4GHz）、Bluetooth は Ver. 4.1 に対応しています。

メモリは ROM 8GB / RAM 1GB ほどなので、写真をたくさん撮影するという用途には向かないですね＾＾；
また、RAM も少ない状態なので最低限の動作しか出来ないと考えた方が良さそうです。
使える SD カードも microSDHC（最大32GB）となっていますので注意が必要でしょう。

GRATINA KYF37 スペック
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/lineup/kyf37/spec.html

初期化後の状態では空き容量が 4GB 未満となっています。
少ないですよね＾＾；
少し使用した状態ですがメモリの方もグラフでは半分ぐらいの空きにはなっていますが、元々が 1GB ぐらいしかないため、実際の空きメモリは 480MB ぐらいしかありません。

3. KYF37 の LINE を確認してみる
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

KYF37 には LINE のアプリがインストールされています。
端末初期化後のバージョン情報などをＰＣから adb コマンドにて確認してみると、

　primaryCpuAbi=null
　secondaryCpuAbi=null
　versionCode=1 targetSdk=22
　versionName=1.0
　timeStamp=2020-04-02 01:55:59
　firstInstallTime=2020-04-02 01:55:59
　lastUpdateTime=2020-04-02 01:55:59

の様になっていました。

まずは LINE を起動してみます。
流れとしてはこんな感じ。

① Wi-Fi に接続
② LINE を起動
③ プライバシーポリシーの確認
④ アップデートの確認
⑤ 「はい」を選択
⑥ アップデートとインストール
⑦ データ通信制限の確認
⑧ アップデート完了の表示
⑨ ポインターが利用できます
⑩ ON/OFFの切替
⑪ 「LINEへようこそ」の画面が表示される
　　[ はじめる ] しか選択できない状態

アップデート後のバージョン等を確認してみると、

　primaryCpuAbi=armeabi-v7a
　secondaryCpuAbi=null
　versionCode=91710133 targetSdk=28
　versionName=9.17.1
　timeStamp=2021-12-13 23:41:49
　firstInstallTime=2020-04-02 01:55:59
　lastUpdateTime=2021-12-13 23:44:13

の様になっていました。

armeabi-v7a なので 32bit 版向け
（64bit 版は arm64-v8a になります）
アプリのバージョンは 9.17.1

という事が分かります。

スマホで登録してあるアカウントで「アカウント引継ぎ」をオン（３６時間有効）にしてからガラホの方でそのまま進めてみます。

[ はじめる ] を選択
　　　↓
電話番号の入力、右下の (→) を選択
　　　↓
SMS で認証番号を送る確認、OK を選択
　　　↓
認証番号の入力
　　　↓
おかえりなさい
　はい、私のアカウントです ← これを選択
　いいえ、違います
　　　↓
パスワードの入力
　アカウントのアイコンが表示される
　　　↓
右下の (→) を選択
　ここでスマホの方に「他の端末でLINEにログインしました」と表示
　　　↓
確認が表示される
　[ OK ] をタップすると引継ぎが完了します。
　以前の端末ではLINEを利用できなくなります。
　よろしいですか？
[ OK ] を選択
　　　↓
LINEを最新のバージョンにアップデートした後、もう一度お試しください。
LINEを最新バージョンにアップデートできない場合は、OSのアップデートをお試しください。
OSのアップデートができない場合は、端末の機種変更をご検討ください。

と表示され、[ OK ] しか押せない状態
　　　↓
[ OK ] を押すと、トップ画面（ LINE へようこそ）の画面に戻る。

スマホの方で一度 LINE を終了し、再度 LINE アプリを起動してみると、アカウントはログインした状態のままになっていました。
つまり、ガラホの方ではログイン出来ず引継ぎは完了しなかった（ガラホにインストールされている LINE は既に使えない状態）という事になりますね。

まぁ、公式の方でも終了というのがありますし…。

携帯電話版LINEアカウントのサポート終了のお知らせ
https://guide.line.me/ja/update/0005.html
UPDATE 2021.07.14

携帯電話版LINEアカウントのサポートを 2021年 9月下旬頃に終了することとなりました。
終了後は対象のアカウントを削除いたします。

参考
adb コマンドを利用する場合、ＰＣで「Android SDKツール」をインストールして adb コマンドが使える状態にしておく必要があります。
また、対象の端末では「開発者向けオプション」を有効にし、「開発者向けオプション」の「USBデバッグ」を有効にする必要があります。

あくまでも「開発者向け」という位置づけなので、通常では使う事が無い機能になりますね。
また、ＰＣから接続した際に「USBデバッグの許可」が必要になりますが、「常に許可」のチェックを入れた状態で接続を許可したＰＣからの２度目以降の接続時は確認が表示されないので、ケーブルでつなげば adb コマンドが使える状態を維持しています。
家族が使う共有のＰＣなどの場合は、その都度許可をするようにした方が良いでしょう。

Windowsでadbコマンドを使う方法! Android SDKを入れてパソコンのコマンドプロンプトから操作しよう
https://sp7pc.com/google/android/34263

Android Debug Bridge（adb）
https://developer.android.com/studio/command-line/adb?hl=ja

パッケージの一覧を取得
adb shell pm list package

パッケージのステータス・情報を確認
adb shell dumpsys package <対象パッケージ名>

インストールされている LINE のバージョン等を確認
adb shell dumpsys package jp.naver.line.android

4. LINE のバージョンを上げてみる
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

LINE 9.17.1 は 2019/07/10 頃にリリースされたバージョンだと思われますので２年以上前って事になりますね…。
結局、KYF37 にプリインストールされている LINE をアップデートしてもログインは出来ませんでしたので、

「既に使う事は出来なくなっている」

という結果になりました。

KYF37 は Android 5.1.1 なので LINE バージョン 11.5.0 までは利用可能という事から、一応 9.17.1 から 11.5.0 への更新は「出来なくはない」という事にはなります。
ちなみに KYF41、KYF42 は両方とも Android 10 で LINE はインストールされていませんでした。

LINEの利用環境
https://help.line.me/line/?lang=ja&contentId=10002433

Android版
Android 6.0 ～ 6.0.1：LINEバージョン 11.15.0まで利用可能
Android 5.0 ～ 5.1.1：LINEバージョン 11.5.0まで利用可能
※ Android 4.4.4 以下の場合、利用ができません

しかし、ガラホだとバージョン 9.17.1 からのアップデートは無さそうですし、ガラホでは Google アカウントを利用・設定しないので Play ストアは利用できない状態です。
そうなるとスマホ用の 32bit版の APK ファイルを用意して（無理やり）インストールするしか無さそうです。

ガラホに APK ファイルを使ってインストールしようとする場合の方法としては、

・Bluetooth 転送経由

・adb コマンドで直接（ＰＣなど）

のいずれかという感じになります。

APK ファイルが置いてあるサイトをいくつか見てみると見ると、LINE 11.5.0 の APK ファイルは armeabi-v7a と arm64-v8a の両方に対応した物しか無く、ファイルサイズも 140MB ぐらいあるため Bluetooth での 1Mbps ぐらいの転送では２０分近くかかるだろうと考えられます。

そのため、今回確認する方法としてはＰＣから adb コマンドによる直接転送で行います。

単に APK ファイルからインストールを行うと、既に LINE がインストールされている状態なので「既に存在しているためインストールに失敗しました」という結果になります。

Failure [INSTALL_FAILED_ALREADY_EXISTS]

この場合は「上書きインストール」（既にインストール済みの対象パッケージを置き換えてインストール）するオプションの -r を付ければインストールが出来る様になります。
（ -r は Replacement：置換か Replace：交換の略じゃないかな？）

adb コマンドからじゃないと出来ない機能だと思いますので、Bluetooth 転送方式では上書きインストールは無理なんじゃないかと…。

これでもインストールには２～３分ぐらいかかりますね。

再度バージョン等を確認してみると、

　primaryCpuAbi=armeabi-v7a
　secondaryCpuAbi=null
　versionCode=110500189 targetSdk=29
　versionName=11.5.0
　timeStamp=2021-12-14 23:12:48
　firstInstallTime=2020-04-02 01:55:59
　lastUpdateTime=2021-12-14 23:15:22

の様になっています。

上書きインストールが完了すると先ほど起動した際のアップデート後と同じようにガラホの画面に「データ通信制限の確認」の注意が表示されます。

アプリ情報を見ると初期状態が 1.0、アップデートで 9.17.1 に更新、更にスマホ向けの LINE を上書きインストールして 11.5.0 に更新という感じ。

再度 LINE を起動して引継ぎできるか？などをやってみます。

起動したあとの画面が 9.17.1 の時は「はじめる」のみでしたが、 11.5.0 では「ログイン」と「新規登録」の２つが表示されている状態になっています。
まぁ、その上の文章が欠けているのは画面の都合で仕方ないのでしょうね（文字サイズを初期設定の「中」から「小」にすると変わるかも）。

起動後はスマホ版のアプリと同じ流れ（元々スマホ用だし）なので、進めていく際の画面や選択などは省きます。

途中で「トークの復元」が出てきますが、そもそも Google アカウントが端末に登録されていないのでアカウントの選択は出来ません。
試しに「 Google アカウントを選択　　v」を選択してみると「正常に処理できませんでした」というエラーが表示されました（選択する一覧を出そうにも端末に Google アカウント無いし）。

その後、データの同期が行われて「Google Play 開発者サービスが必要」という旨の表示が出ますが、名前やアイコン画像なども反映されておりアカウントの引継ぎは出来ている状態ですね。

なお、スマホの方の LINE の画面には、

と表示されており、「確認」をタップすると LINE の初回表示画面（ログイン・新規作成）が表示されて端末内のトークも削除されます。

ちなみにスタンプとか一切無いので未確認なのですが、おそらく再ダウンロードで大丈夫ではないかと思えます（スマホの場合はそうなので）。

しかし、これで安心して使える様になったという訳ではなく「ガラホ最大のハードル」の「トークのバックアップ・リストア」が出来ない問題があります。

5. ガラホではトークを引き継げない
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既存のアカウントの電話番号でログインして、ユーザー情報等の同期が行われて一応は使えるという状態にはなりましたが、ガラホでは「Google アカウントの設定を行わない（実際には利用できないという方が正解？）」という関係で「トーク履歴」を復元できませんでした。

補足
Android スマホを利用開始する際に必ず Google アカウントの登録がありますが、これをスキップしても端末の初期設定は完了します。
しかし Play ストアのアプリを起動して「何かアプリをインストールしようとする」と、端末に Google アカウントを登録しなければ Play ストアにアクセスする事が出来ません。
また、Android 版の LINE では「Google アカウント」を利用して Google ドライブ内の領域にトークのバックアップを行うため、バックアップとリストアを利用するには端末に「Google アカウント」が登録されていて利用可能な状態になっている必要があります。

ガラホだと端末の利用開始時に Google アカウントの登録はありませんし、Google アカウントが利用可能な状態にはなっていないため、

LINE のトークをバックアップ・リストアする機能は使えない

という状態になります。

スマホ向けの LINE をガラホ（ KYF37 ）にインストールした場合の画面を見てみると、設定 → トークを見てみるとスマホでは表示されている「トーク履歴のバックアップ・復元」という項目がありません。

3G 停波のためガラケーからスマホに一旦変更（この時もガラケーのトークは引き継げない）して LINE を使ってみたけど、やはりスマホは使いにくいのでガラホにしたいという様な場合、スマホでトークのバックアップを取っていたとしても、ガラホで同じアカウントで LINE を使おうとするとアカウントは使えてもトークを引き継ぐことは出来ない状態となります。
また、ガラホで使っている間のトークをバックアップする事も出来ないという状態になるため、

ガラホへの切替えではトーク履歴は引き継げない
ガラホ使用期間中のトークは端末内のみ
機種変更時はガラホのトークを全て捨てる

という選択しかない事になります。

まぁ、スクリーンショットを撮っておくという手はありますけど、スマホからガラホに切り替えて LINE を使うというのは実際の使い方としては厳しいと言えますね。

6. LINE Lite をインストール
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【注意事項】
LINE Lite は 2022年 2月28日 12:00（正午）でサービス終了となります。
この掲示板は動作確認等があるので情報としてそのまま残しておきます。

スマホからガラホに切り替えて LINE を使うという事は運用上難しい事が分かりました。

ガラホのみという状態では難しいのですが、スマホとガラホの両方を使える状態にしておきガラホでも LINE のトークが利用出来る様にするという方法ならあります。

LINE と同じ LINE Corporation が提供元の軽量版（地域・機能限定版）の LINE Lite というものを利用する方法です。

この場合、スマホで LINE を利用してガラホでは LINE と同じアカウントでトークを主体に使うという感じになるためガラホのみにはなりませんが、ガラホでもトークを利用できる状態となり、スマホの方ではトークのバックアップ・リストアも可能という風に出来ます。

ガラホに LINE Lite をインストールする方法等については別記事にて掲載します。

ガラホ（KYF37）に LINE Lite を入れてみる
https://king.mineo.jp/reports/156147

更新履歴
2021/12/30 初回作成
2022/01/28 LINE Lite 2022年 2月28日サービス終了追記
2023/04/15 ガラホ用サービス終了に伴う注意を先頭に追加