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着メロ作曲、ワンセグ、赤外線通信……最近見ないスマホ・ケータイの機能、今どうなってるの?
ローカルネタ・ガジェット・卓球が好きなライター。過去に番組リサーチャーとして秘密のケンミンSHOWなどを担当。
壮絶な過当競争が巻き起こったスマホ・携帯電話業界。
古くなった、時代に合わなくなった機能やサービスも次々と消え去っていきました。
しかし、「今では見かけなくなった機能」たちも当時は多くがその役目を果たしており、その存在をあらためて知ることが、スマホ・ケータイの歴史を正しく理解することにもつながるはず。
今こそ当時の思い出とともに、消えた・減った機能たちを振り返っていきましょう。
着メロは「作る」のが当たり前だった
従来型携帯電話、いわゆるガラケー時代、隆盛を誇ったのが「着メロ」【※】です。
※ 着メロは株式会社ビジュアルアーツの登録商標だが、着信メロディーの略称として浸透している。
着メロは元々プリセットされたものに加え、好きな曲を入れたいときは、自らケータイに打ち込んで作るのが当たり前でした。
ちなみにケータイとして初めて、自分だけのメロディー着信音を作れた機種が、1996年発売の「デジタルミニモD319(デンソー)」です。
今回は、その2年後となる1998年に発売された「DP-145(パナソニック)」の中古品を2,000円で購入しました。
実は携帯電話黎明期の機種は入手困難なものも多いのですが、これはほぼ全部入りで安く購入できました。
キャリアは、今はなき東京デジタルホン(現ソフトバンク)。それと前後してJ-PHONEというコミュニケーションネームを名乗っており、電源を入れるとロゴが登場します。
着信メロディーがいくつかプリセットで入っており、ドラえもんや太陽にほえろ!など、時代を感じさせるラインアップ。まだ和音(二つ以上の音を同時に鳴らして合成された音)は流せず、単音のみでした。
「着メロのオリジナル作曲機能」を数字コマンドで呼び出し、メロディーや休符などを打ち込みます。
それを手っ取り早く作れる、ヒット曲などが多く収録された、「着メロを打ち込むための本」も登場し、メロディーを一音一音入力していったのです。
本に従って入力すれば、2分ほどでセッティングOK。短いフレーズがループされる格好ですが、たしかにおなじみのメロディーの着信音が流れます。
筆者は当時携帯電話を持っていなかったので、「これがあのころウワサに聞いた着メロ作曲か~!」と、時を超えて当時のみんなに追いついた気がしました。
このあと、次々と着メロ配信サービスが始まり、至るところで着メロが鳴り響くように。その後は「着うた」に進化し、ヒット曲の音源がそのまま流れるようになります。
しかし、その後スマホはメールや電話の使用頻度が減ったうえに、ほとんどの人がバイブレーションモードで使うようになり、着信音を鳴らすこと自体がほぼなくなりました。
そのため、着メロ、着うたは一気に衰退。しかし今でもレコチョクなどがサービスを続けています。
ワンセグ・フルセグの衰退はテレビ離れとNHK?
続いては「ワンセグ」です。2006年、地上波テレビのデジタル化に伴って登場した、電波が届く場所ならいつでもどこでもテレビが見られる機能。
かつてはデータ通信が低速かつ高価だったため、花形の機能でした。
今回、ワンセグ視聴のために中古2,000円で購入したのが、AQUOS PHONE ZETA SH-01F(シャープ)です。
まず、ロッドアンテナを伸ばし、現在の環境で受信できる放送局をあぶり出す「チャンネルスキャン」を行います。
そこで出てきたチャンネルを選局すれば、テレビが見られます。
テレビ番組が表示されました。画面下に映っているのはデータ放送で、スマホを横にすれば全画面視聴も可能です。
ここでもう一つ、やってみたいことがあります。実はこのSH-01F、搭載機種の限られる「フルセグ」機能も載っている一台でした。
ワンセグが13ある帯域幅の1つの領域(セグメント)だけを使うのに対し、「フルセグ」は残り12の領域をフルに使った高画質の12セグ放送。ワンセグが320×240ピクセル(QVGA)という低画質にとどまるのに対し、単純計算でワンセグの27倍となる、最高1920×1080ピクセル(フルHD)【※】もの解像度まで実現できました。
※ 実際は地上波デジタルの通常画質1440×1080ピクセルの解像度にとどまっていた
そこで、いざフルセグを使ってみようとしましたが、どうやら電波状況により自動でワンセグとフルセグが映り変わるようで、受信状況の悪いビルの中では受信できませんでした。
- 電波が届きにくい環境でも受信しやすいワンセグ
- 電波が届きやすい環境なら受信できるフルセグ
と、当時から役割が違っていたようです。そこで、屋外に出ると……たちまちフルセグの電波を受信でき、高画質の放送に切り替わりました。
きめ細やかで明らかにワンセグとは別世界の画質です。
筆者もフルセグケータイは持っておらず、憧れだったので、時を超えていよいよ使えたと、感慨深くなりました。
しかし、ワンセグは320×240ピクセルという低解像度でしか視聴できないうえに、スマホは4G回線の普及によって、「フルセグレベルの高画質の動画再生」が容易になりました。こうしてワンセグは衰退の道を辿ることに。
さらに、ネット動画環境の整備とテレビ離れが進んだことが背景にあるとも。また2019年の最高裁の判決により、ワンセグ機能の付いた携帯電話のユーザーにNHKの受信料を支払う義務が発生することが明確になったのも、一因と言われます。
ただでさえ「頑張らなければ受信できない」存在であるフルセグも、このあおりで消えていったのは想像にたやすいでしょう。
ちなみに今でもらくらくスマートフォン(F-52B)など一部の端末で、シニア需要に合わせてワンセグ機能が搭載されています。
あの日に消えた「赤外線通信」
今では人々と連絡先を交換するために、LINEで友だちを追加したり、SNSをフォローし合ったりしていますが、当時はケータイのメールアドレスを交換するのが主流でした。
それに使われた機能が、「赤外線通信」です。機種同士の赤外線ポートを合わせてデータを交換しました。
しかし海外ではSMSが主に使われ、携帯メールアドレスなどの情報を交換する赤外線通信があまりウケず、Appleをはじめとした海外メーカーには搭載する機種が少なくなったことで、徐々に廃れたようです。
加えて、使うのも面倒なうえに、やりとりできるデータ量も少ないので、衰退やむなしでした。
iPhoneにも消えた機能が
iPhoneにも、「なくなった機能」は多くあります。
その一つが「物理ホームボタン」。それを搭載していたのは、2015年発売のiPhone 6sが最後で、2016年に出たiPhone 7からはタッチセンサー式になりました。
ホーム画面に戻ったり、Touch ID(指紋認証)を行えたり、それが物理ボタンによって感覚的にわかりやすく実現できました。
iPhone 7以降の感圧式ホームボタンは疑似的に「押した感覚」を味わえるもので、これはこれですごいのですが、やはり物理ボタンを押したときの安心感はまた格別です。
しかし、この物理式ボタンの廃止によりiPhoneの耐水性を高め、ボタンを押したときのリアクションもカスタマイズできるようになったと言われています。
このiPhone 6sを最後に搭載されなくなったものが、さらにあります。「イヤホンジャック」です。
これによって有線イヤホンが変換アダプターなしでは使えなくなり、徐々にAirPods Proなどの完全ワイヤレスイヤホンが主流になっていきます。
このイヤホンジャックをなくすことにより、限られたスペースを他の機能に注力できたと見られています。
逆に、このiPhone 6sから仲間入りした目玉機能が「3D Touch」です。
アプリのアイコンを押し込むことにより、さまざまな便利機能を瞬時に呼び出せるもので、例えばLINEでは既読を付けずにトーク画面をチラ見できるなど、重宝されていました。
しかし3D Touchは、2018年のiPhone XR以降は廃止に。
3D Touchが使えるディスプレイにかかる多額なコストの割に、対応するアプリが少なく、「使わなくても操作できる」ために利用者が少なかったためと言われます。
ですがその後の機種では長押しでほぼ同様の操作ができる「触覚タッチ」が登場。動作が遅いとの不満も出ていましたが、より短いタッチで呼び出せる設定項目も登場し、使い勝手が3D Touchに近づいたとも言われます。
あのひつじが生きていた? iコンシェル
ドコモユーザーならおなじみだったのが「iコンシェル」。2008年にサービスが始まり、ライフスタイルや住まいのエリア、現在地に応じて生活情報を適宜知らせるなどの機能がありました。
さらに「しゃべってコンシェル」は2012年にスタートしたiコンシェルの発展版のようなサービスで、キャラに話しかけてアプリの起動や乗り換え検索などを行えました。
ドコモのスマホを買うと標準で付いてくるもので、一部では「画面を歩くひつじがジャマ(?)」と、Microsoft Officeにおけるイルカの「カイルくん」のような扱いを受けていました。
さらに、2023年6月末に「昨今の事業を鑑み、経営資源を集中すべく」とのことでスマートフォン版「iコンシェル」を「my daiz(マイデイズ)」へ移行するとともに、iモード版「iコンシェル」および「しゃべってコンシェル」のサービスは終了となりました。
いざそのmy daizを見ると、ひつじのしつじくんは姿を消してしまったように見えます。
しかし……実はキャラ選択の画面で、iコンシェルにいた「ひつじのしつじくん」と「メイドのメイちゃん」が選べるのです。
「キャラの部屋」を覗いてみると……
何やら漫画・ONE PIECEで見た「ゴムゴムの実」のようなものが部屋を飛び交っており、それっぽいセリフと扮装をしています。なんだこの(ムダに労力をかけた)茶番は。
しかし、話をすればこれまでと同じように答えてくれます。ちなみに「イレギュラーな質問をするとただただ困り果てる」というのは、最近のAIとは違ったかわいいところです。
◇
時代を彩った「なくなった機能たち」。完全に役目を終えたり、ちょっと数奇な運命を辿って部分的に残ったりするものもありました。
この世の時間は、あまりにも早く過ぎていきます。しかし「なくなった機能たち」が、たしかに私たちがその時間を生きたことの証明までしてくれていると思うのです。
編集:ノオト
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川の流れのように・・・
好みの音楽とか。
今は通信料が安くなり、
音楽はストリーミングで十分となりました。
着信音もあえて黒電話にしてあります。
固定電話不要ですし。
カスタマイズが楽しい時代を過ごせて良かった。
スマホのカスタマイズは便利な用にですね。
ゆずるね忘れると嫌なので、
オートメーションにしてあり安心です。
ワンセグ放送は、TV局がネット配信している
赤外線通信は、Bluetooth ・近距離無線通信(NFC)など多々
などに、移り変わってきていると思います
Apple Wallet は
近距離無線通信(NFC)によるEMVコンタクトレス(NFC Type-A, NFC Type-B)とFeliCa(NFC Type-F)を用い、カード番号の代わりにトークン化して決済する特徴を用いてる
EMVコンタクトレスは、NFC Pay・タッチ決済・ID・QUICPay など
着メロ集で根気よく打ち込んだなあ。
今ではもう標準に入ってる物を適当に設定してますが…😅
スマホは電伝虫です。
楽しめました
画面も小さいし、よくこれで色々やってたなぁと感心しちゃいます
いまだに着メロオルゴールのが欲しいと母は言います
またまた気になってた情報ありがとうございます。
楽しすぎる!いつも楽しい企画感謝です!
絶対に交換していた。CDMA1は光らないとか聞いたような?
色々と資料収集に、大変でしたでしょうね。
お疲れ様です。
赤外線通信なんて、よくやったなぁー
と、昔を懐古してます。
有難う御座居ました。🙇
遠くから聞こえる水戸黄門のテーマ曲
横目でそうっと どんな人か見たなあ
携帯のアンテナを仕舞う時 お腹で押して あやうく折れそうになった事もね
そんな歌もありました!
私が生まれてはじめて携帯を使ったのは、阪神淡路大震災の直後にNTTDOCOMOさんから提供いただいて、公務(災害対策本部)で自衛隊のみなさんと倒壊家屋の解体業務に従事したときです~~~!!!
もうあれから、29年が経過したんですね~~~!!!!!
(多分一部の人だと思う。いや思いたい)
Z世代は、着信音をデフォルトの内蔵音だけで
音にもメッセージ(略称も駄目だの「!」マークやスタンプまでもありえないとか)
にも拘らないと聞きましたが、そのうちケースも
使わなくなってくるのかなー
Xiaomi系スマホは、TVリモコン用などで使える
赤外線付いてるみたいですね
今現役のガラケーにもシンプル設定をしてますよぉ〜〜〜♬🐶🐰🐱🇹🇷
ガラケーは色々なバリエーションがあり楽しかったですね。
新機種が発売される度にショップに見に行ったりしてました。
ロッドアンテナを伸ばしてワンセグ、フルセグでのテレビ視聴や録画番組視聴も出張中によく見てました。
デジタル一眼レフからの写真取り込みに赤外線使っていました
今思えばこれもまた古き良き時代の産物ですね!
衰退の原因はマナーモードだと思ってる。
情報ありがとうございます