- 195
- 26
- 352
ガジェットを買って大失敗!節約の達人に聞く、不要な買い物を防ぐ方法
ライター/ウェブ編集。2001年からウェブコンテンツ業に企画・ディレクションとして携わる。2012年よりフリーライターに。女性向けコンテンツのほか、アプリ、旅行、生活、クルマ、働き方など様々な分野で執筆中。趣味は狛犬巡り。日本参道狛犬研究会会員。
ネット広告やECサイトの進化により、口コミと触れる機会が増え、私たちの買物欲求を刺激される頻度はどんどん高まっています。その分、買って後悔する回数も増えているような……。
「便利そうだと思って買ったのに、意外と使わない」という買い物の失敗は、地味にお財布へダメージを蓄積します。特にガジェットで失敗すると、処分するにも専用の業者さんに有料で依頼することになったりして、ダブルでダメージを受けることもしばしば。まさに筆者はそんなタイプの人間です。
新しい機能がついた便利なガジェットで生活を豊かにしたい!
けれど、失敗はしたくない!
そこで今回は、節約アドバイザー/消費生活アドバイザーの和田由貴さんに「買い物の失敗率を下げるコツ」について教えていただきました。
どうして私たちは買い物に失敗するのか?
数千〜数万円など、ある程度の金額がするアイテム、特にガジェット類は購入前に調べたりすることが多いもの。それでもなぜ買い物の失敗が起きるのでしょうか。
和田さん「購入したらこんなに良いことがあると、ポジティブなイメージばかりを膨らませているのが最大の原因ではないでしょうか。ガジェットを買うことで、できることがある反面、できないこともあります。やりたいことに適した商品か、吟味する必要があります」
じっくりと比較検討するためにも、欠かせないのが口コミのチェック。でも、この口コミも購入を後押しする言葉や評価の星がいっぱい並んでいます。
和田さん「ポジティブな言葉をただ追うだけでなく、自分の生活に落とし込んで、どんな場面で、どのように、どのくらいの頻度で使えるのかイメージしてください。必要かどうかの判断がしやすくなると思います」
やりたいこと、必要なことと多少ずれているにもかかわらず、「でも、他にもこんなにも良い機能あるし!」と視点がズレてしまうのが大きな間違いとのこと。
和田さん「本当にやりたいことに対して『必要だから買う』、これが正しい買い物です。あったら便利なモノは、なくても平気なモノだと思ってください」
「必要だから買う」和田さんの買い物の実例
和田さんは、指輪型の活動量計「オーラリング」を購入する際、2年近く購入検討をされたそう。
和田さん「ウェアラブルの活動量計がずっと欲しいと思っていたのですが、腕時計は習慣がないので、いずれ使わなくなるのが目に見えていました。そんな中、一昨年オーラリングが登場し、指輪なら気にせずつけることができると興味を持ったんです」
でも、その時は必要と思われる機能が足りなかったので、購入は見送りに。しかし、2021年11月中旬に発売された第3世代の「オーラリング」から、心拍数を常時モニタリングできるようになったため、購入に踏み切りました。数年越しで購入に至ったガジェットです。
和田さん「欲しいと思ってから何年か経ちましたが、自分に必要な機能を考えて選んだので間違いはありませんでした。次のアップデートで血中酸素濃度もチェックできるようになりますし、電子マネーなどの機能はスマホで十分使えているので指輪に搭載されていなくても問題なし。壊れない限りは、このオーラリングを使い続けると思います」
気をつけたいのは「必要だから」ではなく、「新しいアイテムを手にして自慢したい!」という欲。こういった考え方は、「無駄遣いに拍車をかける」と和田さんは言います。多くの人はガジェットや他人の自慢話に興味がない、そう思っておいたほうがよさそうです。
「必要だから買う」というのは、きっと自分でもわかってるんです。でもネットを見ていると「安い!」「多機能!」と、衝動的にポチッと購入してしまいます。こういった衝動を、どのようにして断ち切ればいいのでしょうか。
和田さん「ネットは買い物させるためのトラップだらけ。技術や手法も進化して、誘惑が多くなっていると感じます。衝動的な買い物を抑えるには、購入まで時間をおくのも1つの手です。もうちょっと待ったら良いものが出るかも、より自分がやりたいことに最適なアイテムが出るかもと考えるのはどうでしょうか。ここを買わずに乗り越えれば、より良い未来がある!と考えるのです」
我慢した上で「やっぱり必要」と思えたら、それは買いのアイテム。時間をおくことで、うかつに購入して失敗するループから抜け出せるかもしれません。
衝動に負けそうになってしまったときは、いったん全然関係ない別の情報に触れてクールダウンする方法も。和田さんもデパートの洋服売り場で欲しいモノを見つけたら、食品売り場などへ移動して一度冷静になるようにしているのだそうです。
和田さん「全く別の商品を見ている間に、よく考えたらいらないよね、とか、あっちの方がいいよね、と冷静に考えられるようになるんです」
スマホやパソコンでショッピングサイトを見ているときには、近くにあるぬいぐるみを見たり、猫などの癒やし系動画を視聴したりすることで、洋服売り場から食品売り場へ移動するのと同じようなクールダウンが期待できそうですね。
また、ガジェット好きにとって、ガジェットニュースは物欲を刺激するもの。情報源となる雑誌などを遠ざけるだけでも「欲しい!」と思う瞬間を減らせます。お店で実機を触るのも、必要になってから行うのがおすすめです。
買い物に失敗したあと、そのまま放置していては同じことの繰り返しになってしまいます。次回失敗しないために、どのような心がけが必要でしょうか。
和田さん「安いものほど財布のひもが緩みがちになりますよね。それが例えば10万円もの高額になると慎重に考えるようになります。だからこそ、安いものほど吟味しましょう。また、費用対効果を見積もることも大切です。すぐ使わなくなるモノの費用対効果は極めて低いです」
例えば、防寒コートが2月頃に半額セールになっているとします。この先の季節に『必要』なのは春コートですが、半額と聞くとお得な気がしてしまいますよね。購入したとして、2月中は使えるかも知れませんが、そのあとは来年までお蔵入り。来年になってから、同じコートを着るならまだしも、ほかのコートを買いたくなるかも知れません。いくら半額でも2月だけしか着なかったのなら、むしろ費用対効果は悪化。お得ではなくなってしまうのです。
必要なアイテムでも、価格重視にすることでスペックが足りないというミスマッチを起こすことも。筆者も「安いから」と選んだスマホのスペックが合わず、結局すぐハイスペックスマホに買い直した経験があります。安いという要素に惑わされず、価格よりも「必要とする理由」を重視することが大切なのだそうです。
失敗した買い物は、どう振り返ればいいの?
ムダな買い物をしないように気をつけても、買い物に失敗してしまうこともあります。和田さんも最近こんな失敗をされたそうです。
和田さん「マスクを購入するときはコスパ重視で1枚あたりいくらか考えて選ぶのですが、お店で安いマスクがあったんです。欲しい形状で不織布だったので、買いだと思ったのですが……家に帰ってみたら子ども用でした。コスパ重視しすぎて、ちゃんとサイズを確認しなかったんですよね。大失敗でした」
ガジェットも、買うときは「ここがいい!」と思って購入します。でも失敗と気づいたときは、最初に想定していたメリットは、もはや忘れ去られた状態です。
和田さん「失敗したと感じる理由は、購入する前は魅力的で必要と思っていたのに、実際自分の生活には必要ないモノだったから。自分がやりたかったことができない商品だったのか、そもそも不要なモノだったのか、自分が欲しいと思ったときの気持ちと照らし合わせて、自分の陥りやすい傾向を分析してみるのがいいと思います」
そして、記録をつけて「見える化」することも、良い振り返りになります。
和田さん「化粧品や服を買いすぎる人は、記録をつけるだけでも反省の気持ちが強まって買いすぎをセーブできるんです。同じようにガジェットばかり買いすぎる場合も、記録をつけて『見える化』することがセーブにつながると思います。また決済方法を変えて、手軽にポチッとしづらくすることも1つの手です」
和田さん「モノも人間もいい部分とそうでない部分があります。『欲しい! 魅力的!』と感じているときは、いい面しか見えていない、いわば視野が狭い状態。そんな状態で買い物をすると、失敗しやすくなってしまいます。良い点も悪い点も俯瞰できる広い視野で見るように心がけるといいと思います」
次から次へと新しいものが登場するガジェット。どれも便利さを追求していますが、自分の暮らしに本当に必要なものはごくわずかなのかも知れません。和田さんのアドバイスをもとに、これからはガジェット買い物で失敗しない暮らしを目指したいと思います!
<取材協力>
和田由貴さん
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。
https://wada-yuki.com/
編集:ノオト
イラスト:サンノ
- 155
- 14
- 232
- 203
- 16
- 408
- 221
- 18
- 562
でも、なるべくしないほうがいいかな。
後悔したことは忘れて、マストアイテムが記憶に残っているので、衝動買いを繰り返してしまう。
買い物しなくなりました・・・
ためになりました。
最近はダメでもフリマでうったらええやん、と左クリックが敏感になっています。
その買い逃したのが何なのか思い出せないので、結局その程度のものという事?
最低一年に一回は繰り返し使うものを手に入れようと思います。
無駄を省いてコツコツためよっと
でも、手にとって使ってみないとわからないこともあるから、そこはお財布と相談でよいのではないかな、と
あと、失敗した〜と思ったものでも、ライフスタイルが変化して後々使えることもあったりする
衝動買いはやめて 時間をかけて 買うべきですね。