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近年、スマホで副収入を稼ぐ「スマホ副業」が注目を集めているようです。ポイントを貯める「ポイ活」やアンケートモニターなどさまざまなスマホ副業があるなか、筆者が注目したのは「写真販売アプリ」。スマホで撮った写真がお金になったら、うれしいですよね?
そこで、写真販売アプリ「スナップマート」の村上あゆ美さんに、売れやすい写真の傾向や撮影のコツを聞きました。後半では、筆者が実際に販売にチャレンジしてみたレポートもお届けします。果たして、売上金額は?
——「スナップマート」は、どういうアプリなのでしょうか?
スナップマートは、スマホで撮影した写真を企業に買ってもらえるアプリです。写真の販売と聞くと「経験を積み、高価なカメラを持っているプロカメラマン」を思い浮かべますよね。でも今は、素人でもスマホでクオリティーの高い写真を撮影できる時代になりました。
従来のストックフォトサービス【※】だと、かっちりした写真が多いですが、スナップマートはSNSになじみやすい、生活感のある写真が多いのが特徴です。
※ 写真素材の販売を仲介するサービス
——誰がどのような目的で利用しているのでしょうか? 出品者と購入者、それぞれについて教えてください。
スナップマートの出品者は、約7割が20~30代の女性です。インスタグラムに写真をのせる延長で出品していて、単純に「自分が撮った写真って、売れるのかな?」という興味から始める人が多いですね。あとは、写真撮影を仕事にしていきたい人が1つのステップとして利用しているケースもあります。
購入者は、Webメディアで記事のアイキャッチを探している人、SNSの広告制作をしている人、企画書に使う写真を探している人など。SNSだと、いかにも広告っぽい写真はスルーされてしまうので、日常に近い写真を求めて購入しているようです。業種としては、美容や通信機器、スマホ関連が多いですね。
——どれぐらいの売上金額になるのでしょうか?
正直、そんなに稼げるアプリではありません。かなり売れている人で月3万円ぐらいでしょうか。私も社員になる前は出品者だったんですが、月に千円売れればいいかな、くらいでした。
最初の1枚が売れるまでの期間は、勘のいい人かどうかで分かれます。ある程度、量を出品して傾向をつかむ必要があるので、早くて1週間、長くて3カ月かかる人もいます。
——どんな写真が売れやすいのでしょうか? 傾向を教えてください。
グラフ左側が出品されている写真、右側が売れている写真のカテゴリです。風景や自分のペット、花の写真を出品する人が多いのですが、実際に求められているのは人物、ライフスタイルなど。生活の1シーンがわかるような写真ですね。
カテゴリの内訳を見ると、女性45%、男性10%となっています。手や横顔も売れていますね。とにかく人の気配がある写真が人気です。
——私のスマホに入っている写真を、事前に何枚か村上さんにお送りしました。「これは売れそう/売れない」など講評していただけますか?(※村上さんには写真の詳細までは伝えていません)
わかりました。まず、売れる可能性があるかな、と思ったのはこちらですね。
コロナ禍でZoom飲み会やライブ配信、ウェビナー(ウェブセミナー)などのシチュエーションが増えているので、記事や広告でも使われやすそうです。ただ、余計なものが入り込むと何を見せたいのか分かりにくくなるので、トリミングしてください。
こちらは何かを視聴している写真ですか? それとも会話中? もう少しシーンがわかりやすいといいですね。セミナーを受けているのであれば、メモをしながら聞いている、とか。「Zoomの採用面接が増えています」みたいな記事を想定すると、スーツやワイシャツがいいでしょう。同じシチュエーションで、私服、スーツなど何パターンか撮ってみてください。
こちらは、シチュエーションは良いものの天気が悪いので、加工で明るくしたほうがいいですね。この写真のポイントは左側の余白です。ここに広告や記事のアイキャッチとして「海のある暮らし」「移住セミナー」などの文字を入れられそうです。
足湯の写真として悪くはないのですが、ピースをしているので普通の記念写真になっています。もう少し自然なポーズがいいでしょう。
お好み焼きの写真は、単体より手が入っているほうがいいですね。作っている画が思い浮かぶ写真だと、SNSやWebで使われやすいでしょう。
これも余白がいっぱいあるので良いなと思ったのですが、何をしているのか分かりにくい。公園じゃなくて道路であれば「歩きスマホはこんなに危険!」みたいな記事に使えるかもしれません。
——マスクのあり、なしはどうですか?
あり、なし、両方のバージョンで撮っておくのがいいと思います。コロナ禍の今だと「マスクあり」の写真が売れやすいですね。
——売れる写真の撮り方はありますか? 構図や光の当て方など、何かアドバイスがあればお願いします。
基本は明るめで、後から文字を入れることを想定して少し余白をあけておくと良いでしょう。あと、余計な物を写さないようにしてください。ちなみに、SNSだと肌を修正しがちですが、逆に肌が荒れている状態の写真が広告で使われることもあります。
——肌が荒れていても「手荒れ対策」みたいな広告や記事に使える、と。
その通りです。美容関係では、逆にネガティブな写真を探している人もいるので。モデルさんを使って完璧に撮影した写真より、日常感のある写真のほうが売れやすいと思います。
——出品できない写真はありますか?
一番気をつけてほしいのは、他人が入り込んだ写真です。人には肖像権があるので、他人が写っている写真を勝手に出品するのはNGです。人物写真は必ず「モデルリリース」を取得してください。モデルリリースとは、写っている人から「販売してもいいですよ」と許可をもらうための仕組みで、アプリ内に機能があります。
——横顔や後ろ姿でもダメなのでしょうか?
個人が判別できない状態であれば、基本的には権利侵害には当たりません。ただ、写真が広告に使われて「これ、もしかして私では?」と思う人が出てくると、気分は良くないですよね。後でトラブルになる可能性があるので、許可が得られない人物写真は控えた方がいいと思います。
あと、有料の施設やイベント、たとえば動物園や水族館、フェス系などは、撮影はOKであっても出品するのは許可がいるケースが多いです。商用として使うことになるので。
——東京タワーやスカイツリーはどうですか?
難しいところですね。風景の中の一部であれば、風景写真として捉えられます。例えば「六本木の街並みを撮影したら、少し東京タワーが入っていた」くらいならOKですが、東京タワー単体だと許可が必要です。お店も、外観や内装などでどこの店舗かわかる写真は許可を取ってください。
あと、よくあるのがペット写真のトラブルです。
——ペットもNGなのですか?
自分が飼っているなら問題ありませんが、他人のペットは注意してください。友だちの家の猫がかわいくて、写真を撮って出品すると、広告に使われているのを飼い主さんが発見して「うちの猫が勝手に使われている!」となるわけです。
飼い主としては、必ずしも嬉しいとは限らないですからね。動物に肖像権はありませんが、飼い主の許可を取らないとトラブルになる可能性もあります。自分が管理者ではない場所や物を出品するときは気をつけてください。
——ほかに注意点はありますか?
ロゴが写っている写真はNGです。たとえば化粧品の場合、加工してロゴを消すか、見えないように撮影してください。お店の料理も、特定できるものは控えるか、許可を取る必要があります。
——もしNGの写真を出品してしまった場合は、どうなるのでしょうか?
「権利を侵害しています」「モデルリリースを取得していません」と通知が来るので、取り下げるなど対処をしてください。施設から「うちの写真が勝手に出品されている」と通告が入ることもあります。
——通常の出品のほかに「コンテスト」を開催したり、「アンバサダー」を募集したりしているようですね。
コンテストは、「空」「植物」「チョコレートスイーツ」「冬景色」などテーマごとに開催しており、受賞作品は500~1,000円程度の賞金がもらえます。売れやすい写真の傾向がわかるので、初心者の方はぜひチャレンジしてみてください。新規登録ユーザー限定のコンテストも毎月開催しています。
アンバサダーは、「撮影+プロモーション」という形で商品の魅力を伝えてくれる人を募集する企画です。募集する企業は化粧品、お酒、食品関係が多いですね。応募は誰でもできますが、参加できるのはブランド側が選んだ人のみ。選ばれたアンバサダーは「こういうテーマで商品を撮影してください」と設定が与えられ、撮影+SNSで投稿します。
アンバサダーに選ばれると商品がもらえます。さらに「アンバサダーコンテスト」も行われるので、良い写真を撮れば賞金がゲットできるかもしれません。
——最後に、これから使う人へアドバイスがあればお願いします。
普通に撮って出品するだけだと、なかなか売れにくいと思います。普段から「こういう記事ってよく見るな」「こういうアイキャッチ、よく使われているな」と意識しておけば、需要のある写真が見えてくるはずです。最近だと「リモートワーク」「おうち時間」とか。
また、スナップマート主催のコンテストは売れ筋の写真をテーマに設定しているので、ぜひ参加してみてください。アンバサダーに挑戦し、企業から依頼される商品撮影につながっているクリエイターも多くいます。アンバサダーにもチャレンジしてもらえるとうれしいです。
ということで、スナップマート・村上さんのアドバイスを受け、筆者も写真を出品してみました。
まずは本人確認書類を提出します。これは必須ではありませんが、購入者である企業は「身元がはっきりしている出品者のほうが安心」と考えるため、購入される確率がアップするそうです。提出といっても、アプリ内で写真を撮るだけでOK。
次に重要となるのが報酬率です。出品者がもらえる金額は、
売上金額 = 販売価格 × 報酬率
となります。写真の販売価格は運営側で決められており、出品者側では設定できません。
報酬率は「メダル」を獲得することでアップできます。メダルの獲得方法は「本人確認書類を提出する」「タグとコメント両方ついた写真を10枚以上出品する」「コンテストに3回以上応募する」など。筆者は7つメダルを獲得したので、報酬率は40%となりました。
出品するにあたり、「タイトル」と「タグ」をつける必要があります。タグはスナップマート内で検索されるワードです。屋外、スマホ、男性など写真に関連するキーワードを入れましょう。一方タイトルは、Google検索で引っかかるためのワードです。「マスクをして歩きながらスマホを見ている男性」など、分かりやすい&検索で引っかかりやすいタイトルを入力します。
出品で重要なのが、モデルリリースです。特定できる人物が写っている場合は、その人に許可を取らなければなりません。モデルリリースの通知はメールで送ることも可能ですが、知り合いならスナップマートアプリをダウンロードしてもらいましょう。相手にユーザー登録してもらえば、スムーズに出品できます。
そんなこんなで、妻にも協力してもらいながら、20日間で合計114枚の写真を出品しました。果たして結果は……
3枚売れました!
購入された写真は下記のとおりです。
こんな写真が売れるんですね。かなり意外な結果でした。血圧を測っている写真は、タグを多めに入れたことが功を奏したのかもしれません。さて、気になる売上金額は、
1枚あたり88円×報酬率40%=35円
35円×3枚=合計105円(税込み)
このような結果となりました。ただし、出金するには振込先口座の登録と手数料220円が必要です。つまり、実質の儲けはまだマイナスの状態となっています。
正直「1枚も売れなかったらどうしよう」「記事として成り立つのか?」と不安だったのですが、なんとか3枚売れてホッとしました。
とはいえ「なんだ、結局そんなもんか」と思った人も多いのではないでしょうか。やはりそれなりの売上金額を目指すには、たくさん出品したり売れやすい写真の傾向をつかんだりして、根気よく続けることが必要だなと感じました。
実際どんな写真が売れているのかは、アプリ内で確認できます。写真を撮るのが好きな人、ちょっとでもお金を稼ぎたいと思った人はチャレンジしてみてください。
<取材協力>
スナップマート株式会社
スナップマート
iOS版ダウンロードページ
Android版ダウンロードページ
(編集:ノオト )
自分の写真のヘタさに驚く
ちょっと、記事を読み込んでみます。
ありがとうございます
活躍されてる人はすごい!
絵のモチーフになるような写真を探したいと思いました。
覚えておこうφ(..)メモメモ