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冒頭2ページで、読者を引き込め！続きが気になる漫画見開き決定戦【投票期締切は6月15日まで】
ライター: ヒラヤマヤスコ
1989年生まれ。人間編集部所属。逗子と京都の二拠点生活。学生時代は日本画を学び、京都の編集プロダクションに5年勤めたのち独立。Webや雑誌を中心に、ローカルコンテンツや食べ物屋・お酒をテーマにした記事をよく執筆する。「スナックおかん」なるフードイベントも各地で開催中。料理&酒場ネタや一次産業、街の小ネタや雑学まで、守備範囲が広い。
1989年生まれ。人間編集部所属。逗子と京都の二拠点生活。学生時代は日本画を学び、京都の編集プロダクションに5年勤めたのち独立。Webや雑誌を中心に、ローカルコンテンツや食べ物屋・お酒をテーマにした記事をよく執筆する。「スナックおかん」なるフードイベントも各地で開催中。料理&酒場ネタや一次産業、街の小ネタや雑学まで、守備範囲が広い。
日本を代表するカルチャーのひとつ「マンガ」。
巷で大人気の少年マンガ『呪術廻戦』はもちろんですが、本屋に行けば、日本史からビジネス論、ゲームの攻略まで、あらゆるジャンルの書籍がマンガ化されています。まさに老若男女が気軽に楽しめるコンテンツといえますね。
はっはっは！！ この新刊、めっちゃおもろいし続き気になるわあ〜〜。
こんにちは！ ライターのヒラヤマです。冒頭からマンガ読むのに没頭しててすみません。和山やま先生の『女の園の星』読みました？ 山口つばさ先生の『ブルーピリオド』も最高だし、そういえば Twitterで話題になってた吉田博嗣先生の『やすお』もよかったですよねえ……。
はっ！ スミマセン。わたしもマンガが大好きでして、いっときはいろんなマンガを500冊近く所有しており、大多数を売ってしまった今でも、なんだかんだと気になるマンガを見つけては、せっかく空いた本棚のスペースをまた埋めていく日々です。
とくに今は、SNSなどでマンガの興味をそそる広告が流れてきて、ついついクリックして数ページ試し読み。で、続きが気になりその作品を購入するということが多々あります。あの数ページだけ見せる売り方、ずるいですよね……。
マンガの書き出しは、新規の読者を引き込むための大切な見せ場。「次のページからどうなっちゃうの!?」というワクワクを、もっと感じてみたい！！ もしかすると、書き出しだけでも面白いんじゃない？！
というわけで、描いてもらっちゃいました。マンガの書き出しを。
題して【マイネ王オリジナル 続きが気になる漫画見開き決定戦】！！
いろんな分野で活躍するマンガ家やイラストレーターの3人が、テーマに合わせた自作マンガの「書き出し」部分だけを執筆。それぞれの作品を鑑賞しながら、みんなで続きを予想してみました。
マイネ王といえばスマホ……ということで、テーマは【スマホの要素を取り込んだ作品】！
なお、もっとも続きが読みたい作品をマイネ王読者のみなさんにも投票していただき「続きが気になるマンガ見開き王」に選ばれた作品は、その作品の続きを公開します！！
スマホ×ギャグ、スマホ×少女マンガ……と、いろんな角度からテーマに沿って描かれた作品たちをご堪能あれ〜！！
今回の参加者はコチラ！
百瀬ガンジィ
イラストレーター兼デザイナー。Webメディアでレポマンガなども執筆する。
にしむらみう
少女マンガ家を目指していたイラストレーター。美しい男が好き。
石塚大介
Instagramをホームに活動するギャグマンガ家。時事ネタをスピーディーに盛り込んだギャグマンガが魅力で、現在はフォロワー15万人を超える。
【スマホ×SF】突然ロボットが起動！？ドタバタ系少年マンガ
一人目のエントリーは、百瀬ガンジィさん。【スマホ×SF】をテーマにした作品になっています。作品はこちら！
おおおおお〜〜〜〜！めっちゃ少年マンガだー！！
変態親父、舞音博士が開発した新機軸IoT……。
だああああ！！ 恥ずかしい！！ セリフを音読しないで！！
もうすでに面白そうなんですが!?
キャラがすごく可愛いですよね！ 週刊少年ジャンプ的な王道さを感じます。
ちょっとセクシーな女性キャラの登場、『いちご100％』とか『ニセコイ』に通じる「ムフフなハプニングがあるラブコメ」の予感ですね！
これはどういった作品なんでしょう？
少年マンガを主軸にしようと思って、少年マンガだとSFの要素が組み合わせやすいかなあと。スマホに連動してスイッチのオンオフなどができるIoT家電がありますよね。そういう技術を元に、スマホにペアリングして家電としての女の子が主人公の元に現れて……という……。
人型ロボットっていうところに「未来のロマン」が詰まってるよね。『GS美神 極楽大作戦！！』のマリア、『ちょびっツ』のちぃ、ロボットではなくサイボーグですけど『攻殻機動隊』の草薙素子なんかも。女性的な柔らかい曲線に、機械の無機的な要素が合体しているビジュアルは昔から人気の要素ですね〜。
ロボットとはいえ、ちゃんと感情があるのがいいですね。「きゃー！変態！」ってセリフが。
王道ですよね。『ドラえもん』でしずかちゃんのお風呂を覗くのび太的な……。
キャラクターのネーミングセンスもいいですよね。
舞音博士……って「マイネ王」からきてる名前ですもんね。他のキャラの名前はどうやって考えたんですか？
お掃除ロボットの「ルンバ」があるじゃないですか。そこから音楽つながりで「ワルツ」っていう名前はどうかなと。ワルツの名曲に「美しく青きドナウ」というのがあって、その作者の名前が、ヨハン・シュトラウス2世で……。
主人公の夜範くんはヨハン・シュトラウス2世からきてるんだ。
ものすごく考えられてる！
たとえば『ハイキュー!!』は動物の名前が学校名だし、そういう名前の設定に読者が気づけた時のハラオチ感がいいなあ。今後も音楽から関連づいた名前のキャラクターが出てくるのかもしれない。
っていうかこれ、SFでしょ……。何ページの作品になるんですか？
32ページ？ いや、設定や話を詰めると48ページくらいいるかも……？
56ページは必要なんじゃないですか!?
すごいページ数だな！
今後の展開を考えていきましょうか。ギャグ始まりであればあるほど途中にシリアス展開を挟みたくなっちゃうんですが。
ワルツちゃんの機能次第ではいろんな含みを持たせられますもんね。
1話完結型ののほほんとしたギャグマンガでもいいですよね。余計なものまで掃除しちゃったりするとか。
機械といえば型落ちでサポート対象外になるのが世の常なので、そういうところからシリアス展開に持っていけないだろうか……!?
修理が必要になったけど修理できなくて……みたいな？
それで夜範くんも博士になっちゃうとか!?
変態博士の父を超えていく展開!? アツい！！
でも、最後は冒頭のドタバタギャグ的モードで終われるといいなあ……というわけで、我々が予想する続きはこちら！
この企画、めっちゃ恥ずかしいな……。しかもSFって描くのが大変なんですよ！
SFって描いているうちにどうしても矛盾が出てきますもんね。その矛盾にどうやって整合性を持たせるかが難しいところというか。
プロっぽい意見だ。
夜範くんの「アイツは違ったんだ……」という独白が、今後どう回収されていくのでしょうか！ 乞うご期待！
【スマホ×ギャグ】スマホを羨む謎の生物の正体とは!? 不穏さも魅力な不条理ギャグ
続きましては石塚くんの作品です！ 現役の人気ギャグマンガ家が放つ作品は……こちらー！
不穏……！！
これはずるいよなあ〜。世界観ができあがりすぎてる。
いろんなところにツッコミどころがあって、どこからツッコんでいけばいいのかわかんないですね。
石塚くんの得意とするところは『ボボボーボ・ボーボボ』や漫☆画太郎先生の作品にも通じる「不条理なギャグ」ですよね。でも、絵柄かなあ……ガロっぽい文脈も感じるんですよね〜。ガロ系のマンガって読んでました？
僕、『浦安鉄筋家族』以外ほとんどマンガ読んだことないんですよね。
『浦安鉄筋家族』しか読んでないって、そんなことある？
聞きたいことは山ほどあるんですが、設定を解説していただきましょう！
この男の子は僕が普段連載しているギャグマンガの主人公「田中ミノル」くんです。で、後ろにいるこいつは宇宙人なんですよ。
宇宙人なんだ!?
ミノルくんがスマホを買ったら、いつのまにか後ろにこの宇宙人がいて「なんかおるなー、家までついてくるなー」という状況です。
ミノルくん、肝座りすぎてるでしょ！ これがバトルもので宇宙人が敵キャラだったとしたら、ミノルくんはスマホで攻撃するのかな!?
宇宙人の狙いはミノルくんではなくスマホって可能性もありますよね。あくまでセリフは「そのスマホいいなあ」なので。
ミノルくんを殺してスマホを奪う……？
そんな死にエンドある？
そんな結末で「スマホを買っただけなのに」のタイトル回収するのやばくない？
とはいえセリフは「見たこともない生物が懐いてきました…」なんよね。懐いているんだとミノルくんに思わせる動作はしてるわけよね。あ！ スマホの機能を使って、母星に帰りたいとか！
ひょんなことから地球にきた宇宙人が救難信号のためにスマホを使いたくて、スマホを奪い合うドタバタギャグ……ストーリーは組み立てやすそうですよね。
「そのスマホいいなあ」の羨ましがる部分がどこにかかっているかも気になりますよね。スマホ本体なのか、壁紙やアプリなどの中身なのか。
ここまできたらスマホを食べたいって可能性もありますよ。『Dr.スランプ』のガッちゃんは金属とかを食べるキャラですし。
怯えてないミノルくんもそうですけど、宇宙人も見た目よりは怖くないキャラなのかもしれませんよね。
最後は仲良くなってふたりで自撮りを撮る……みたいなね！
いいね〜！！
異星人どうしゆえのトラブルがあっても、最後には仲良くなれたらいいですよね……ということで、我々が予想する続きはこちら！
なんやかんやの末、最後はふたりで自撮りを撮るほど仲良くなる！！
なんやかんやの末、最後はふたりで自撮りを撮るほど仲良くなる！！
正直この見開きからなら無限の可能性がある石塚くんの作品。スマホを羨む宇宙人の正体とは……!?
【スマホ×少女マンガ】スマホを愛する先生の壁紙が!? ハイクオリティなラブコメ
最後はにしむらさんの作品です。プロの少女マンガ家を目指していたというにしむらさんの作品は、こちら！
うわ〜〜〜！！
絵うまっ！！ 完成度が高いですね！！
バッチリ少女マンガだ……！！
クオリティもさることながら、続きがめっちゃ気になりますね。最後のコマで先生の顔が見えないというのが……。
先生の顔がどんななのか気になる！ めっちゃ怖い表情だったら、そこからのホラー展開もありますよね！
そういえばめっちゃ1ページ目にお花が散ってますね。
これはアネモネの花を散らしてるんです。花言葉に物語の意味を含ませていて。赤のアネモネ、白のアネモネはそれぞれ花言葉が違うんですが、ぜひ調べてみてください。
ほげ〜〜〜！！
つくりこみやば。
さて、予想していきたいのは先生が主人公のボケーっとした顔を撮っていた理由なんですが。
王道なら恋愛が絡むんだと思うんですけど、あえてボーッとしてる顔を撮っているのが気になりますね。
実家の犬と同じ顔してて可愛い……みたいな理由でも可愛いよね！
偏愛先生との、ギャグパート多めのほほんラブコメですね。リアルな世界では確実にNGですが、ありえないことでもまかり通る、それがマンガの世界……。
「なに撮ってるんですか〜！」って女の子がプンプン怒って終わる……みたいなのもいいですよね。変な顔したらすぐに写真撮ってくるのに、じつはロック画面だけは満面の笑みだったりして。
いい……！！！
ちょっと引っかかるんですが、先生の最後の「あれ」というセリフ。
たしかに。みられたらいけないものだったら、普通は「ちょっと！」とか「見ないで！」とか、そういう言い方になりますもんね。見られて興奮してるとか……？
やばい先生だ。
冒頭の「スマホを愛しているらしい〜」っていうのも、あくまで噂話の域なんですよね。じつはスマホを愛しているわけではなくて……という可能性もありますよ。
じつはスマホのなかのデータなり、別のものを愛しているって話も繋げられますね。この主人公の先生への意識はどうでしょう？ 先生が好きだったらこんな顔はしないでしょうし……。
最終的に両思いエンドになるとしても、今はまだですよね。じつは先生、めちゃくちゃ加工好きで、どんなにブスに写った写真も綺麗にしてくれるとか！
まさかの盛りマスター！ うーん、どうしようかなあ〜、これは展開に迷う！ 先生の次の顔だけでも想像しましょう。……ということで、先生が主人公を撮った理由はこちら！
実家の犬に似てて可愛い！
実家の犬に似てて可愛い！
好きなものに似ているきっかけで始まるラブもありますからね……本当の表情はどんななのでしょうか。気になります！
珠玉の作品が出揃いましたね。どれもジャンルが違っていて魅力的でした。そして全部続きが気になる〜！！
みんないろんな要素を1～2ページのなかに入れまくっているので気になる点が多かったですね。
普段少女マンガはほとんど読まないので、レベルが高くてびっくりしました。
百瀬さんとにしむらさんのマンガも見比べると少年マンガ・少女マンガの違いが出てて面白いですね。少年マンガはトーンや花でスペースを調整できないぶん、より遠景・中景・近景と、奥行きのバランスが取れていないと読みにくいですけど、そのへんきっちり考えられてるなあって。
あるある！ スマホのおかげでポーズ参考が容易に撮れるようになって、複雑なポーズを描く場合は写真撮るのが当たり前になりつつあります。
少女マンガはさすがのコマ割ですよね。視線の誘導がすごく綺麗にできてる！
「あれ」という吹き出しの円を閉じずにコマの外に出して、次ページに誘導するとか、細かいところまで配慮が行き届いているなあって感じがしますよね。
NHKで『漫勉』って番組んですが、あれに少女マンガ家の西炯子先生が出演されていたんです。そこで「少女マンガはコマの外に感情がある」って仰っていて。
おおお〜。
なるほど〜！！ それでいうと羽海野チカ先生の『三月のライオン』は、掲載されてるのは青年誌なのに、少女マンガ的なコマ割りですよね。羽海野先生がもともと少女マンガ誌で書いていただけあって。
そう！ そうなんですよ。最近は作家さんのジャンル移動も自由になっているのもあって、より少女マンガと少年マンガの表現方法がお互いに影響しあっている感じはありますね。
コマ外に散る花にも意味を持たせてるあたりはすごいですよね〜。
花言葉「死」とかだったどうしよう……！
ダークすぎて笑う。
石塚くんの絵はもうずるいよね〜〜〜。
絵を見たらすぐに作者がわかる絵柄、すごいと思う！
画面の諸所にある小ネタの数もすごいんですよね。
もう無法地帯って感じ。
デッサンやパースが狂っているんですけど、それもこの不条理なギャグを形づくる土台になっているというか。
でも視線誘導はちゃんとできているんですよね。まずセリフ、宇宙人の顔……と移動して、ミツルくんの独白を見ることで状況が把握できるようになっている。独白を吹き出しで囲っていないから、視線誘導がスムーズなんですよ。
コピックの色もいいですよね。全部アナログで描いてるんですか？
今回はそうですね。主線はミリペン、色はコピックです。文字だけはアプリケーションの「CLIP STUDIO」で入れてます。僕、下書きとか一切しないんですよ。
書き損じとかないんですか!?
ないです！ 元が汚いので！！！
まっすぐな答えすぎて笑った。
僕、下書きがめっちゃ嫌いで。
わかるう〜〜〜〜！！！
下書きでベストな線が出たら嫌じゃないですか。だったら新鮮な感情で描いた線の方がいいなって。僕はめんどくさいからって理由の方が大きいんですけど。
そうそう……下書きの段階はいろんな線を描くから「遊び」があるんですよね……。
そんなこんなで最後はマンガのテクニック談義に。
企画を終えてあらためて思ったのは「マンガが描けるってすごい才能だな」ということ！
だってなにもない紙の上に、人物と空間と「世界」を表現できるんですよ……神かよ……。三者三様の、スマホをめぐるいろんな世界を見ることができました。
みなさんは、どの書き出しが気になりましたか？ そして実際の続きはどんな展開になると思いますか？ 今後の展開を添えて、ぜひ投票してみてください！
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アンケート回答 【スマホ×ギャグ】スマホを羨む謎の生物の正体とは!? 不穏さも魅力な不条理ギャグ
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あえて選ぶなら、ですが……。すみません。