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こんにちは。ライターのらむ屋敷です。
皆さんは、ペットボトルで作れるランタンをご存じですか?
数年前に警視庁が公式ホームページで紹介し話題になっていた、
「懐中電灯の上に水を入れたペットボトルを置くと、光が乱反射して周りを照らすことができる」
というテクニックです。
私も試してみました。懐中電灯の上にペットボトルを乗せライトをONにすると、このように光ります。お手軽でいいですね。
ただ、真夜中に停電にでもならない限り、懐中電灯を使う機会はほとんどないかと思います。そして、停電になった時も懐中電灯の置き場所を忘れていたり、電池が切れていたり……なんてこともあるかもしれません。
すぐに取り出せる、「自分がいつも持ち歩いているもの」でランタンをつくれないものか……。
ありました。いつも肌身離さずに持ち歩いているものといえば、スマホです。
懐中電灯の代わりに、スマホのLEDのフラッシュライトでランタンをつくったら、見た目や明るさはどうなるのでしょうか? 試してみたいと思います!
今回の検証は、私が普段使用しているiPhone 6を使います。LEDライトが標準で搭載されています。
形状や大きさの異なるペットボトルを10種類用意しました。全てのペットボトルに水を注いであります。
コンビニなどでよく目にする形から、初めて見る形までさまざま。
この中から最もスマホのライトと相性の良い、ランタンに適しているペットボトルを見つけたいと思います。
明るさを正確に計測したいので、照度計を用意しました。
照度計の白くて丸い部分を、明るさを測定したい方向に向けることで数値化してくれます。単位はルクス、略記号は「lx」。カーテン越しに太陽光が少し入り込んでいる部屋の明るさを測定してみたところ「164ルクス」でした。
カーテンをめくって外に測定器を向けると「679ルクス」。
日本では「JIS照明基準」という国家規格が存在します。あくまで目安ですが、作業内容や空間の用途に応じた「推奨照度」が定められているようです。
今回は、以下のとおりに測定してみます。
・測定器から15センチの距離をあけてペットボトルを置く
・ペットボトルの下にLEDライトをオンにしたスマホを敷く
・地面と垂直に向けた測定器で、ペットボトルの上部と中央部の照度を調べる
ちなみに、スマホのライトは筐体背面の端っこにあるため、そのまま置くとバランスが悪いです。そこで今回は、もう一台のiPhone 6を用意して横に並べました。
これで、LEDライトがペットボトル底面の中央にくるようにセッティングできそうです。非常時は、スマホと同じくらいの厚さのものを土台に使うとよさそうですね。
では、試していきましょう!
まずは、一番小さな円柱のペットボトル。あんまり見たことのない形とサイズです。
部屋の明かりを消します。そして、裏返したスマホのライトを点灯、その上に水入りのペットボトルを乗せると……
綺麗……!! 水の気泡までも一つずつライトアップされているみたい。
【明るさの測定結果】
上部=10ルクス
中央部=12ルクス
1本目とは違い、形もサイズもコンビニや自動販売機などでよく見かけるタイプです。
これまた綺麗。1本目と同様に丸くて凹凸が少ないので、光が真っすぐに伸びている印象です。
【明るさの測定結果】
上部=31ルクス
中央部=20ルクス
普段あまり見ることのない形。化粧水の容器などに使われていそうです。
綺麗ですが、これまでの2本よりも若干明るさが物足りない……?
形がほぼ真四角で凹凸が皆無なためか、光が反射せず、明るさが周囲に吸われてしまっているような印象を受けます。
【明るさの測定結果】
上部=16ルクス
中央部=13ルクス
コンビニなどでもよく見るポピュラーなサイズです。サイダーなどの炭酸飲料が入っているイメージ。
これまでのペットボトルと同様に凹凸がないためか、真っすぐに伸びた光が先端部分に集まって強い光を放っているように見えます。
【明るさの測定結果】
上部=28ルクス
中央部=36ルクス
凹凸のあるペットボトル、初登場です。お茶などが入っているイメージ。ふだん最も多く目にする形かもしれません。
明るい!!
凹凸部分に光が反射して、明るい部分が多く見えます。ただ、測定結果はふるわず。感覚的には明るいけど、数値的にはそこまででした。
【明るさの測定結果】
上部=17ルクス
中央部=33ルクス
5本目のペットボトルがそのまま大きくなったような見た目ですが、明るさに影響はあるのか……?
500mlの四角柱と比べると、水の容量は2倍。光っている面積が増えた一方で、ほんの少しだけ明るさが減ったように見えます。
【明るさの測定結果】
上部=24ルクス
中央部18ルクス
いびつな形のペットボトル。ケチャップが入ってそう。
光が先端に集まっているところが独特です。細かい気泡もいい味を出している。
【明るさの測定結果】
上部=20ルクス
中央部=14ルクス
四角く縦に長い形状。コンビニやスーパーではあまり見たことがありません。
凹凸にそこまで反射せず、光が真っすぐ伸びています。
【明るさの測定結果】
上部=15ルクス
中央部=25ルクス
スポーツドリンクなどが入ってそうな形状。10本のペットボトルのうち、もっとも凸凹しているため、光がどう反射するのか楽しみです。
ペットボトルの凹凸で光が乱反射しているのがハッキリ分かります。甲殻類の背中のようにも見えて、少し不気味ですね。
【明るさの測定結果】
上部=14ルクス
中央部=13ルクス
全く見たことない形状。何を入れる容器なのでしょうか。ケチャップ容器のような7本目に近い光り方をしそう。
若干、光が曲がって反射しているように見えます。気泡が上部に集まっていますね。丸みのあるペットボトルは上部に気泡が集まりやすいのかもしれません。
【明るさの測定結果】
上部=30ルクス
中央部=13ルクス
以上、10本全ての検証が終わりました。
照度計で測定した結果は、以下の通り。
私が見た中で最も明るさを感じたのは5本目のペットボトルでしたが、照度はそこまで高くありませんでした。凹凸などに多く反射したものが明るいと感じるのは、一種の錯覚なのかもしれません。
また、ペットボトルの容量が大きければ大きいほど光が強くなる、というわけではないことも分かりました。
数値的に最も優秀だった500mlの円柱ペットボトル、または視覚的に最も優秀だった500mlの四角柱ペットボトル、このどちらかを非常用に保管しておくといいと思います。
ちなみに、今回の検証で使用したiPhone 6は、5年前に購入して一度もバッテリー交換などしていませんが、ライトを点灯させた状態でおよそ6時間は無充電で使用できました。
停電時のスマホのバッテリーは貴重なので、必要な時だけLEDライトを点灯するのがよさそうです。
あわせて、「省電力モードをONにする」「通知をOFFにする」「液晶画面を暗くする」など、バッテリーの減りを抑える設定もあわせて把握しておきたいところですね。
参考)スマホの悩みNo.1? バッテリー問題を解決するためのポイントとは
もしもの時に「ペットボトルがない!」なんてこともあるかと思います。
そこで、グラスを用意しました。
容量はどちらも約350mlです。どのように光るか試してみましょう。
水を注ぎ、スマホの上に乗せると……
とても神聖な水に見えてきます。
グラスの上に目をやると、反射した光が壁一面にうつってオーロラみたいになっています。神秘的だ……。
こっちのグラスも美しい。
グラスの上を見ると、やはりオーロラみたい。ペットボトルで作ったランタンと同様に、美しい見た目になることが分かりました。
ただ、コップが倒れてスマホが水浸しになったら怖すぎるので、あまりオススメはしません。
私の部屋の机です。部屋を暗くして、視覚的に最も優秀だった500mlの四角柱ペットボトルのランタンを置いてみます。
周囲は照らせているように見えますが、机の上で作業する時の明かりとしては心許ない。
机の上にノートを置いてみました。文字が見えるかどうか微妙なところですね。
続いて、私の部屋のベッド周辺です。マットレスが直立していますが、防音のためなので気にしないでください。
電気を消し、普段使っているフロアランプを点灯しました。これを即席ランタンに代えたらどうなるでしょうか。
枕元にセッティングします。
フロアランプと比較すると光が弱いです。読書や勉強などの作業用途ではなく「周囲を照らして安心感を得る」ような使い方が適しているのかもしれません。
最後に、色付きの瓶や透明以外の液体でどのように光るか試してみましょう。
麦茶、瓶ビール、化粧水の3つを用意しました。すべて中身入りです。私のベッドの枕元で、これらの容器の下からスマホのライトで照らしてみましょう。
ものすごく暗い。スマホのライトの光が覆われているかのよう。光がほとんど見えません。
明るくはないですが、麦茶より光がハッキリと見えます。透明の容器&茶色の液体の麦茶と、茶色の容器で黄色の液体の瓶ビール。後者のほうが明るいということは、容器よりも液体の方が光の強さに影響を与えるのかもしれません。
寝るときに枕元に置いておくと安心できそうな、やわらかい光。この化粧水は白濁しているせいか、容器の中央付近で光が止まっているように見えます。透明な水で作った簡単ランタンだと光が強すぎると感じるときは、このように少し濁った液体を入れるといいかもしれません。
ちなみに、枕元にペットボトルを10本並べると「猫除け」されているみたいで全く落ち着かないことも分かりました。
それでは、検証が終わったので寝ます。
おやすみなさい。
(編集:ノオト )