卒業のご挨拶（mineo責任者 上田晃穂）

振り返ってみますと、2016年7月に私がmineoの責任者として着任した当時、mineo回線数は約32万件、業界シェアは約5%、マイネ王会員数は約8万人の状態でした。

mineoの責任者に着任した際、私はマイネ王の記事で「所信表明」を行い、「mineoのありたい姿」として、以下の5つを目指すことを宣言しました。
　1. まっすぐなmineo
　2. イケてるmineo
　3. ネットぢからのmineo
　4. おもしろいmineo
　5. うれしい！たのしい！大好き！mineo

3年間、これらの5つのありたい姿を目指しながら、mineo・マイネ王で、具体的な取組みを実施してきました。
その結果、2019年6月末時点で、mineo回線数は約116万件（3.6倍）、業界シェアは約9%（第5位）、マイネ王会員数は約53万人（6.6倍）と、本当にたくさんの方にmineoを選んでいただき、使い続けていただき、マイネ王をご活用いただいております。
本当にありがたい限りで、感謝の気持ちでいっぱいです。

これまで本当に色々なことがありましたが、以下の5つの観点で、この３年間の具体的な取組みを振り返ってみたいと思います。
　1. あたらしい「MVNO初」となるサービスを世の中に提供する
　2. 「リアルの場」と「ネットの場」をハイブリッドで推進する
　3. がんばってmineo・マイネ王を磨き続け、満足度・ＮＰＳ向上を図る
　4. ともに創る「徹底的なファンとの共創」
　5. 「うれしい！たのしい！大好き！mineo」　を具現化する

あたらしい「MVNO初」となるサービスを世の中に提供する
私がmineoの責任者として常に意識してきたことは、
　●格安スマホを検討している方々に、「格安スマホといえばmineo」と頭に思い浮かべてもらえるような存在・位置づけになる。
　●そのために、「MVNO初」となる、新しい・イケてる・面白いサービスを世の中に提供し続ける。
　●そして、さまざまなWebサイト記事、新聞・雑誌、TV番組等で取り上げていただき、「mineoを少しでも多くの方に知っていただく」取組みを推進する。
ということでした。

その結果、過去3年間で「MVNO初」となるサービス・取組みを多数提供開始することができました。

また、mineo・マイネ王に関するプレゼンや取材対応等については、この3年間で計99回、実施させていただきました。「mineoを少しでも多くの方に知っていただく」多くの機会をいただき、本当に有り難うございます。
具体的には、記者さん向けの事業戦略説明会、各種メディア取材対応、テレビ東京の「ワールド・ビジネス・サテライト（ＷＢＳ）」での放送、「日経ビジネス」での特集掲載、ラジオ番組「石川温のスマホNo.1メディア」への出演、「熱狂ブランドサミット」や「宣伝会議サミット」などの様々なセミナー・イベントでの講演、そして、某女子大生100名に経営戦略論の講義などなど・・・。
色々な場でmineo・マイネ王に関してプレゼンする場をいただけたこと、テレビ・ラジオへの出演や雑誌への掲載など、人生初体験の貴重な経験をさせていただきましたこと、本当に感謝しております。

「リアルの場」と「ネットの場」をハイブリッドで推進する
mineo・マイネ王では、ファンの皆さんと密なコミュニケーションを実施し、mineo・マイネ王を体感・体験できる場を提供すべく、「リアルの場」であるオフ会、ファンの集い、王国イベント、green project等と、「ネットの場」であるコミュニティサイト「マイネ王」の取組みを両方重視し、ハイブリッドで推進してきました。

まず「リアルの場」については、3年間で計30回のイベントに参加させていただき、のべ1000名以上の皆さんとお会いすることが出来ました。

また「ネットの場」については、「マイネ王」上で皆さんに楽しんでいただくために、イケてる・面白い企画を色々と実施してきました。以下の内容が、私個人にとって特に思い入れが深く、心に刻まれています。

「リアルの場」と「ネットの場」をともに重視してきたのは、それぞれの場が持つメリットを活かしつつ、デメリットをうまく補完することができるからです。「リアルの場」は、皆さん１人１人のお顔を拝見し、直接お話しすることで、考えや熱量を感じることができますが、時間や場所の都合上、頻繁に実施することができません。一方で「ネットの場」は、たくさんの方に迅速に情報を伝えることが出来ますが、どうしても感情が伝わりにくくなります。
私は、「ネットの場」のマイネ王上で、よくイジられたり、勝手にプロファイリングされたり、カピバラに似ているといわれたりしますが（笑）、それらの書き込みをされている方々は、「リアルの場」で実際にお会いしている方も多いです。私は、これらのコメントを読むときは、実際の皆さんの表情を、口調を、考えを思い浮かべながら読んでいますので、どれだけイジられても、気分を害することは全くありません（笑）。
また、あるマイネ王メンバーの発案で、非公式の私の「卒業式」＆「送別会」を企画いただいています。この案をメッセージでいただいたとき、とっても嬉しかったです。
「リアルの場」と「ネットの場」を通してつながった、素晴らしいメンバーの方々は、mineo・マイネ王の宝物であり財産です。今後も大切にしていきたいと思います。

がんばってmineo・マイネ王を磨き続け、満足度・ＮＰＳ向上を図る
mineo・マイネ王のサービス・取組みについては、単に新しいサービス・企画を実施したらそれで終わりというわけではありません。新サービス提供後も、「アイデアファーム」や「リアルの場」で皆さんからいただく意見・要望を踏まえて、mineo・マイネ王を継続的に迅速に改善し続けながら、常にピカピカに磨き続けていく必要があります。
これまでmineo・マイネ王がサービスを提供し続けられてこられたのも、常により良いサービスを目指して意見・要望・アイデアをいただける「ファンの皆さん」、そしてそれらの意見・要望・アイデアを踏まえてシステム、設備・機器、業務運用の仕組みを改善・改革していただいている「社内関係者の皆さん」と「社外のパートナーの皆さん」の支えのおかげです。

本当にいつもありがとうございます。

そして、こうして常にレベルアップし続けてきたmineo・マイネ王を使っていただくことで、お客さまの満足度やＮＰＳ（顧客推奨度）も向上し、「社外の第三者調査でたくさんの賞を受賞」することができました。また、「サービス・ホスピタリティ・アワード最優秀賞」という「おもてなし」の観点でも最高の評価を頂くことができ、mineoを、マイネ王を、共に創り上げてくださった全ての皆さまに、感謝・感激の思いでいっぱいです。

ともに創る「徹底的なファンとの共創」
ご存知のように、格安スマホ（ＭＶＮＯ）の市場は、約1000社がひしめく、とても競争の激しいレッドオーシャンの市場です。この中で生き残るためには、他社にはない「mineoだけが持つ独自価値」を打ち出して、「オンリーワンの存在」になる必要があります。生き残りをかけてmineoが打ち出した戦略、それが「徹底的なファンとの共創」です。

mineoでは、「お客さまは神様」と考えるのではなく、「mineoブランドを一緒に創る同志・仲間」だと位置づけています。mineoでは、ミッション・ビジョンを明文化したブランドステートメント「Fun with Fans!」を制定するとともに、2019年2月には、mineoブランドに関わる全ての関係者が、お客さまとのあらゆる接点において、同じベクトル・気持ちで行動するためのバリュー（価値観）を明文化した「mineo way(行動指針)」を新しく制定しました。

「mineo way」では、以下の３つの行動指針を掲げています。

　1. シンプルに、正直に。みんなに誠実であろう
　2. 共有して、共感して、仲間と一緒に創っていこう
　3. 前例のない未来へ、自ら挑戦しよう

このうち、「シンプルに、正直に。みんなに誠実であろう」は、私がmineoのありたい姿であげた「まっすぐなmineo」と、込めた思いは同じものであり、mineoサービスの根幹となる価値観です。
しかし、「通信の最適化」問題のときには、「mineoだったら正直に言ってくれると思っていたのに・・・」という皆さんの思いに応えることが出来ず、大変申し訳ありませんでした。このときのことを二度と忘れないよう、wayの第一番目に明記し、今後引き続き、mineoブランドに関わる全ての関係者がこれに基づいて行動していきます。
その上で、「共有して、共感して、仲間と一緒に創っていこう」という徹底的な共創戦略を推進しながら、「前例のない未来へ、自ら挑戦しよう」を具現化した新しいサービス・企画を提供し続けたいと思います。

「うれしい！たのしい！大好き！mineo」を具現化する
私の好きな曲に、ドリカムの「うれしい！たのしい！大好き！」という曲があります。この曲の世界観を取り込み、mineo・マイネ王を利用していく中で、「うれしい」ことがあった、「楽しい」ことがあった、mineoを「大好き」になったと思っていただけるような瞬間を増やすにはどうしたら良いのか、このことを3年間ずっと考え続けてきました。これらの考え方を整理し、体系化したものが以下の図になります。

mineo・マイネ王が提供するサービスは、「機能的・情緒的・社会的価値」の３つの側面を常に意識しています。格安スマホの市場は「機能的価値」の部分ではなかなか差別化が難しい状況です。そこで、mineoやマイネ王を使う中で、ファンの皆さんに「共感」していただき、一緒に創る「共創」を進める中で、うれしい！楽しい！ことがあったといった「情緒的価値」を感じていただき、「愛着」をもっていただけるようなサービスでありたいと思っています。また、mineoやマイネ王を使いながら、世のため人のためになるという「社会的価値」も感じていただきながら、「応援」していただけるような存在になりたいと思っています。
これらを意識しながら、今後も具体的施策を続けていきます。

さいごに

最後になりますが、私がこの3年間、mineo・マイネ王の業務に携わっている中で、常に思い続け・考え続けていたことが、『ファンベース』（佐藤尚之著）という書籍の一節にありますので、引用させていただきます。

　時間がかかるのではない。じっくりと「時間をかけたい」のである。
　手間がかかるのではない。真摯に丁寧に「手間をかけたい」のである。
　手離れが悪いのではない。楽しいから「手を離したくない」のである。
　効率が悪いのではない。できるだけ長く「労力をかけてつきあいたい」のである。

mineo・マイネ王で皆さんと過ごした時間は、私のこれまでの会社人生の中で、最も密度の濃く深い時間であり、そして、本当にたくさんのうれしさ・楽しさ・幸せを体験できた3年間でした。

皆さん、本当に「ありがとう」ございました。

今後とも、mineo・マイネ王を末長くよろしくお願いいたします。