BF-01Bのレビュー

予想外のロングラン商品、LTE不要ならまだ現役

レビューする 端末

BF-01B
BUFFALO
BF-01B

通信キャリア

mineo(docomo)

総合評価

3.0

既に発売からは7年近く経過した旧式機器ですが、LTEなしのモバイルルータとしては未だに総合力ではかなりの上位を維持し続けている(そしてメルコというかバッファロー製品としては異様な品質を誇る)という、ある意味オーパーツな製品です。
LTE全盛の現在では流石に通信レスポンスや最高速度の面で見劣りし、LAN側の無線規格も2.4GHzのみの802.11b/gだけ(しかもクライアント数は最大6)、クレードルも100base-TXまでと全てにおいて前世代のスペックではありますが、速度を要しないMVNOで少数の端末をメール送受信や軽いWebサイトの閲覧等それほどレスポンスを要しない用途に絞って使うなら未だにそれなりに使用できてしまいます。
また、クレードルを使用することで100base-TXとはいえ有線LAN機器を接続可能なので有線LAN機器のバックアップ回線用途や有線回線が引けない/現実的ではない場合の臨時設営、有線回線を引くまでの繋ぎ用途にも対応できるため、予備用に持っておくと何かと便利です。

WAN側の性能は現在では特に見るべきものはありませんが、W-CDMAでバンド1/6に対応(なお、同一H/WでSIMロックフリーのPWR-100Fはバンド9も対応、既にLTE化で停波しつつあるのでほぼ意味はありませんが…)HSPAで7.2Mbps/5.7Mbpsまでは対応しますのでエリアにはそう困らないと思います。docoomo網MVNOにも対応しますがAPN設定は複数保持できないのでMVNOを乗り換えると再設定ということになります。au網は当然全く使用できません。
SIMスロットは標準SIMで、横向きにスロットに入れる都合からSIMアダプタを使用する場合は段差にかなり慎重になる必要があります。
変わった機能としては一応公衆無線LAN等で中継器として使用できるように無線LANをWAN側にもう一系統持っており、しかもこっちは802.11a/b/gまでながら5GHzに対応していたりします。フレッツスポット対応の関連だとは思いますが、どうせなら5GHzの11aはLAN側の方にこそ欲しかったとは思います(苦笑)

LAN側も発売時期から大凡察しが付く通り、一昔前の仕様で無線は2.4GHzのみ、規格も802.11b/gだけ、クライアント数は最大6(7台目以降は接続認証自体通らない)です。chは13まで選択可能で当然単一チャネル通信のみです。
本機の最大の特徴にして現在まで3Gルータ最強の一角を張っていられる要素は主にクレードルの方にあり、このクレードルは現在販売中の機種でも珍しい"有線LANのルータ側(WANゲートウェイ側)として動作"と"ルータ機能を切り離して既設有線LANに無線APとして接続する"モードを選択することができます。速度こそ100base-TXですが、ポートも1つしかないし、こいつ経由で1Gbpsの通信を行う事もジャンボフレームを送りつけることも特にないと思いますので実用上は問題ないかと思います。

電源供給については内蔵バッテリは某ビデオカメラと互換がある当時としては汎用性が高いものでしたので、互換品は今でもカメラ用で結構見つかります、但し純正品の確保はかなり難しいでしょう。
AC電源はACアダプタ給電で、給電端子は本体・クレードル双方にminiUSB端子があります、時期的にmicroではなくminiですが汎用端子なので十分な出力があればUSBモバイルバッテリからの給電も可能で、十分な給電を確保できるなら常時稼働状態を維持できます。某LG製品の一部のように満充電になったら以降バッテリが空になってダウンするまで給電しないなんてこともありません。
バッテリ寿命を考慮した機能(満充電前に充電を止める等)は特にないようですが取りあえずバッテリが少しでも充放電できれば動くので互換バッテリ前提なら電源周りの環境は汎用性が高い方だと思います。
なお、クレードルとは専用端子だけで接続するため、ルータ本体の充電ポート端子が不調な場合でもクレードル経由で給電できる可能性が高い点は有難い所です。

価格

4.0

当時は結構したものですが、2016年~2017年現在ではほぼ捨て値です。
ほぼ同等品のDWR-PG含め、中古ならクレードル付でもほぼ五千円以下、下手すると未使用品(何故か2016年ごろからDWR-PGの未使用品がパッケージ付で大量に出回っています)でも五千円くらいだったりします。
MR-02LNが中古で六千円くらい、MR-04LNが特売で一万円強であることを考えると微妙な価格ですがこの値段なんらバックアップ用途やライトユースならまあ割安と言えると思います。

デザイン・大きさ

4.0

モバイルルータとしては性能やバッテリ容量の割にやや大きめでごつい形状です。また、LCDが無く、Webブラウザの設定画面以外ではLEDライト数個でしか状態確認ができないのですが、逆に言えばシンプルで信頼性に優れた構成ともいえます(有機ELのディスプレイのように画面が劣化して全機能モニタ不可になりにくいため)
ACアダプタは大きくはないもののややコンセント周りの形状を選びます。

操作性・使いやすさ

2.0

状態表示ディスプレイがなく、設定は基本的にブラウザ経由です。
LEDで電波強度の目安等最低限の情報は分りますが、サードパーティで公開されているモニタツールを併用したほうが良いかもしれません。
ソフトの使い勝手は年式相応で、色々しようとすると電池持ちと発熱が問題となる為シンプルにルータに徹したほうが吉です(microSDスロットがあってファイルアクセス以外に自動UL/DLとか妙に高度な機能があるようなのですが実用性は微妙)流石に暗号化方式はWPA2まで対応、出自からWPS/AOSSの対応で数少ないハードキーのうち最大サイズのものをAOSSに割り当てていたりします(苦笑)
まず需要は無さそうですがこの機器だけでVPNを組むことはできません(パススルー設定は一応あるようです)
DHCP設定の変更、LAn側アドレス変更、簡単なフィルタリングくらいは実装されていますがあまり高機能なルーティングは期待できません、普通にブロードバンドルータとしての基本機能だけを期待したほうが良いでしょう。スループットも年式と規格的に全く期待できませんがMVNOへの接続であれば実用範囲です。

バッテリー

2.0

現在の基準ではバッテリ持ちはあまりよろしくありません、そもそも容量自体もそれほど大きくない(1880mAh)です。
普通に使って十分新しいバッテリで数時間程度連続使用可能なので実用範囲ですが、やはりこの機種の本領は外部電源でクレードルを繋いだ状態の運用だと思われます。


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