音声通話機能付帯料の低廉化or撤廃を要求せよ！【MVNO生き残りへの道】

テレサ協は、MVNO向けの接続料や音声卸料金の引き下げを要望した。

『MVNOが「携帯大手の廉価プラン対抗は困難」、接続料や音声卸料金の引き下げを総務省に要望』
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1301322.html

日本通信も、長年のドコモとの折衝（喧嘩？）で、音声通話料の卸料金の低減を求めている。しかしそれもあくまで通話料の部分の要求である。

通話料やパケット単価の低廉化が実現したとして、はたしてMVNOにとっての起死回生となるだろうか？
ユーザーの通話時間は年々減少しているし、また、MVNOユーザーの大部分は少容量ユーザーだ。パケットや通話料の単価が下がったところで、大きな恩恵が受けられるMVNOユーザーは少数ではないか。

それよりも、MVNOが要求すべきことは、キャリアがMVNOに卸す際の音声通話機能付帯料の低廉化もしくは撤廃ではなかろうか。

黎明期のMVNOは、データ専用SIMしか提供できなかったが、2014年頃から音声通話機能付きのSIMも提供が始まり、今ではどのMVNOもほぼ、音声機能付きSIMの提供が当たり前になってきている。

UQモバイルの繰越プランSが1480円で、仮にY!mobileもそれに追随したなら、よほどの（契約中の）MVNO信者は別として、MVNOに残るメリットはほぼなくなる。しかし、想像してほしい。現行のデータ専用SIMと同じ価格で音声通話機能付きSIMが提供されるとどうだろう？MVNOを利用し続ける人はかなりいるだろうし、さらなるユーザー獲得も期待できるのではないか。

なぜ音声通話機能付帯料に目を向けないのか？概ね月額700円の価格差があるが、その価格差は適切と言えるのだろうか？なぜその価格差に異を唱えないのか？

先述のように、今はどのMVNOも音声SIMを提供している、今尚音声SIMとデータSIMを分ける必要があるのか？楽天モバイル（MNO）はモバイルルーターも発売しているが、なにもそれ専用に音声機能を省いたSIMまでは提供していない。むしろそんなことをすれば余計なコストがかかるだろう。

外国では、データ専用SIMのない国も多い。私も詳しい訳ではないが、日本のようにデータ専用SIMなるものがある国のほうが珍しいくらいではないか。ましてやこれほどの料金差のある国は日本くらいだろう。そもそも日本のMVNOでのデータ専用SIMは、その黎明期にキャリア（ドコモ）が音声機能の卸を渋った名残でしかない。mineoが初のau回線MVNOとしてスタートした時にはKDDIは最初から音声機能を卸した。

総務省も、この国のSIMの在り方、抜本的に見直す時期ではないのか。これまで、高額な解約違約金も撤廃され、MNP転出料も撤廃される見通しとなっている。そろそろ、MVNOでの音声通話機能付帯料もメスを入れる時期のように感じる。テレサ協も是非武田総務大臣を丸め込んで議論をおっぱじめてほしい。