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楽天はエリア拡大を頑張ってない!?2つの理由

 楽天モバイルのエリアが、なかなか拡大しないなぁー。と感じていませんか?一方で楽天は基地局設置を頑張っているという人もいます。でも、圏外になった!?という驚きの声すら聞こえてきます。
はてさて、どちらが本当なんでしょうか?
「頑張っている/いない」は、主観的で曖昧な表現なので改めましょう。
楽天モバイルが「他社」に比べてエリア拡大に積極なのかどうか、という点で比較しましょう。
・1つめの検証は、エリア拡大のための予算比較です。
まず、楽天は10年で5000億円の設備投資。コレ覚えましょう。正確じゃないけど3年で1,500億と覚えてもいい。ちなみにドコモFOMA(3G)は1年間で1兆円でした。全国エリアの規模感はお分かり頂けたと思う。
 ということで「他社」代表はドコモにします。5G設備投資額は3年間で1兆円です。2021年度は1万局。2022年3月末までに2万局。ドコモは5G基地局設置を少し急いでやってます。

比較してみると、
・楽天モバイル:10年で0.5兆円(4G+5G)
・NTTドコモ:3年間で1兆円(5Gのみ)

・2つめの理由は、5G基地局建設費と工期の比較です。
楽天は小型高性能設備で従来よりも安く設置できるとアピール。確かにそのとおりですが、実はドコモ5G基地局の方が断然安く建設できるのです。
結論:5G基地局建設は安い
 ドコモの5G基地局は既設3G/4Gの鉄塔&既設電柱に設置できます。もちろん既設電源や既設光回線も流用可能です。新設するよりも早いし安上がりです。NTT光回線開通待ちも不要です。将来的な増速&光回線増は必要ですが、それはトラヒックが増えてからのお話。まずは瞬速開通で5Gエリアは拡大です。
 新たな5G設備の設置場所はあるのでしょうか。既に確保済みかつ、無線機置換も順調な計画です。比較的大型の3G(FOMA)基地局(無線機)を撤去して、小型のドコモ5G無線機に置換するだけで済む場合も多いです。
 あれ、3G(FOMA)って2026年までサービス中だから撤去出来ないんじゃ?と気づいた方は詳しいですね。安心してください、3G基地局はプラチナバンド。大部分のカバーエリアが重複しており、間引きしやすく、撤去できるのです。例えばA局-B局-C局が隣接している場合、各エリアは十分に重複しています。ですから、A-B局を撤去してC局だけでエリアカバーできます。もちろんA-C局を撤去してB局だけで運用する事もできます。
 3Gプラチナバンドは広い到達エリアを持っているため、大規模な撤去を可能にしています。半径7Kmをカバーする大ゾーン方式も北海道全域停電時に活躍しました。地域によりますが3G大ゾーン方式基地局1つあれば、3G基地局は10局以上の撤去ができます。
 ただし、この場合の問題点として、1つの基地局にかかる処理負担が大きくなる点があります。通常はトラヒックが増えると増速回線増設しますが、もうすぐ終了する3Gに追加コストはかけたくない。3G利用者=3G収容端末数は少ない方が良い。ここでahamo効果が表れます。ahamoは5G基地局設置を陰ながら支援できています。
 前述のとおりドコモはFOMA開始時に年間1兆円超の設備投資をしています。全国エリア展開する場合、この程度の規模感は必要だったのですが。FOMA設備を5Gと入れ替えする事で、安価で素早いエリア展開が可能になり、ドコモ5Gはエリア面でかなり有利なスタートを切ることが出来ます。
 さて、対する楽天は少ない設備投資額で、借地借ビル、鉄塔・コンクリート柱などの地上高工作物。電源&通信回線などの付帯設備。そして4G無線機+5G無線機が必要です。完全仮想化クラウドで安価に設置できるそうです。が、時代はクラウドからエッジに変化しつつあります。開始時に技術の最先端を走っていても、すぐに追いつかれてしまうのは楽天もよく知る所。楽天モバイル5Gの本気が楽しみです。
 実際、楽天の設備投資額と開局数を見る限り、エリア拡大&基局設置については他3社よりも消極的です。
※設置基地局数は、随時公表資料を参照して下さい。

 なぜ、これほどまでに楽天は基地局設置を渋るのでしょうか。無人航空機や低軌道衛星があるのでしょうか。確かにSNSと組み合わせる事で強みとなり得ます。楽天の秘策についてはわかりません。基地局設置を控えて、設備投資を抑えれば、収支改善効果はあります。それは20年前にツーカー (Tu-Ka)が失敗した方向性にも似ています。
 現状ではauローミング頼みです。しかもローミング利用部を別トラヒック(=課金)としてコントロールしています。さらにauローミング終了後圏外の場合は、MVNO(ドコモ回線)貸し出すという噂も。どちらにしても、楽天圏外エリアでは他社回線でカバーしようとしているわけです。しかもローミング利用部は別トラヒック(=課金)コントロールしている。この方法はMVNOのそれとまったく同じ手法です。
 料金プランはシンプルでも、複雑な通信量カウントと帯域制限で体系を分かりにくくしています。楽天エリアでの通信量制限を非公開にしているのも、MVNOでよく知られている方法ですが、MNOでは馴染みません。これはMNOとして自前設備でサービス提供するという意識がありません。
 楽天がエリア拡大を頑張らないので、いつまでも楽天モバイルの意識がMVNOのままに見えます。自前設備でサービス提供する意識は低く。いつまでもMVNOの延長でMNOをやろうとしているからです。
 楽天がMNOになりたいのであれば、MVNO(スパホ)は早々に終了。auローミングも早々に終了。サービス終了:巻き取りの苦労も知らないといけません。


3 件のコメント
1 - 3 / 3
古い投稿に何ですが、

楽天の考えは分かりかねますが、現状としては、5Gを放置して、4Gに全力投球するのは、理にかなっていると思います。

4Gに関しては、多くの会社にノウハウの蓄積があり、通信端末を含めて必要な機器の価格もこなれているでしょう。

それに対し、5Gはこれからの技術であり、まだまだ、各社手探りで開発中で、本当の意味で使い物になるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。そうした状況では、必要機器の価格も高くなってしまします。利用可能な端末も少ないですし。



NTTのように、全方位戦略を取れる会社ならともかく、まだまだ弱小な楽天は、ノウハウが蓄積して、機器の価格がこなれてくる数年後まで、5Gは、自社ノウハウ蓄積程度にとどめるのは、一手だと思います。
かーいとーる
かーいとーるさん・投稿者
マスター

>> att_plus さん

コメントありがとうございます。
私も全く同意見です。
安定の4Gを安く展開して、5Gは試験運用程度が効率的ですね。

では、どのくらい4Gエリア展開する計画なのか?
最近の答え:
基地局数を4万4000局にして、密度を高める
→端的に言えばしばらく「エリア拡大しない」よって事。

KDDI社長「6000億円で賄えるほど甘くない」
→楽天は1兆円へ増額して備えるが、
郊外のエリア拡大に費やせば、都心部ので速度低下と接続不良が頻発する可能性があり。楽天遅い、という評判が怖い
かーいとーる
かーいとーるさん・投稿者
マスター

>> att_plus さん

机上空論となりますが。わかりやすさの例として
GSM 3G WCDMA規格のエリア構築であれば、非常に安価で展開できます。撤去払い下げ無線機を無料で入手する事も可能でしょう。
でも、過去の規格で安価なエリア構築をして将来につながるでしょうか。

5Gを放置して、過去の4Gに投資拡大するのは、
本当に理にかなっているのでしょうか。

結論は、ユーザー動向が結果を左右します
ユーザーが安価で安定を求めるのか。
高速大容量に価値を見出すのか。
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