SIMロック解除後のau版AQUOS R3 SHV44(docomo VoLTE対応検証)
某MVNOからauへの2回線MNPでau版AQUOS R3 SHV44を6月に2台入手していた孝です。
2019年夏モデルとして発売されたこのSHV44ですが、大手キャリアから販売される端末としては珍しく他キャリアが使用するバンドにも対応しているようです(docomo版(SH-04L)の場合は他社のバンドには殆ど非対応、SoftBank版(808SH)の場合は対応のようです)。
その為、SIMロック解除すると一般的なSIMフリー端末のように他社のSIMを入れても通信エリアが狭くなるといったことが無く使う事ができます。
ただVoLTEとなると端末の販売元のキャリアと回線が同じでなければVoLTEとならずに通話時は3Gとなってしまう事があります(ちなみに僕の持っているau版AQUOS R SHV39ですと、docomo回線での発信時に3Gに落ちてしまいます。)。
そこで夏休みの自由研究(?)ではないですが、今回入手したSIMロック解除済みのSHV44 2台とiPhone 8(au販売のものをSIMロック解除したもの)、docomo回線 2回線、au回線 1回線で検証してみました。
SHV44やiPhone 8にdocomo回線のSIMやau回線のSIMを挿入し、様々な組合せで発着信を検証しました。通話中のSHV44の画面右上のアンテナピクトの左横に4Gの表記があれば、VoLTEで通話となっている事になります。
ちなみに通話中の画面に「HD」表示があれば、VoLTEによる高音質通話が実現できている事になります。
端末のOSですがSHV44はAndroid 9.0、iPhone 8はiOS 12.3.1となります。
下記組合せ(9通り)で検証しました。
(検証の写真はコメント欄に別でアップロードします。)
1.SHV44(au回線)→SHV44(docomo回線)
2.SHV44(au回線)←SHV44(docomo回線)
3.SHV44(docomo回線)→SHV44(docomo回線)
4.iPhone 8(au回線)→SHV44(docomo回線)
5.iPhone 8(au回線)←SHV44(docomo回線)
6.iPhone 8(docomo回線)→SHV44(au回線)
7.iPhone 8(docomo回線)←SHV44(au回線)
8.iPhone 8(docomo回線)→SHV44(docomo回線)
9.iPhone 8(docomo回線)←SHV44(docomo回線)
1.SHV44(au回線)→SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
どちらのSHV44にも「HD」表記がなく、VoLTE通話にはなりませんでした。
2.SHV44(au回線)←SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
どちらのSHV44にも「HD」表記があり、VoLTEによる高音質通話となりました。
3.SHV44(docomo回線)→SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
どちらのSHV44にも「HD」表記があり、VoLTEによる高音質通話となりました。
4.iPhone 8(au回線)→SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
SHV44には「HD」表記がなく、VoLTE通話にはなりませんでした。
5.iPhone 8(au回線)←SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
SHV44には「HD」表記があり、VoLTEによる高音質通話となりました。
6.iPhone 8(docomo回線)→SHV44(au回線)
SHV44には「HD」表記があり、VoLTEによる高音質通話となりました。
7.iPhone 8(docomo回線)←SHV44(au回線)
SHV44には「HD」表記がなく、VoLTEによる高音質通話にはなりませんでした。
8.iPhone 8(docomo回線)→SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
SHV44には「HD」表記があり、VoLTEによる高音質通話となりました。
9.iPhone 8(docomo回線)←SHV44(docomo回線)
docomo回線は4Gのままとなりました。
SHV44には「HD」表記があり、VoLTEによる高音質通話となりました。
まとめるとdocomo回線のSIMを入れたSHV44が3Gに落ちることがなく、常にVoLTE通話となっていました。
またdocomo回線からau回線に発信する時とdocomo回線同士の時にはVoLTEによる高音質通話となる事が分かりました。
au回線からdocomo回線に発信してもVoLTEによる高音質通話となる事はありませんでした。
docomo回線からau回線への発信するとVoLTEによる高音質通話になるのは下記URL先が関係していると思われます。
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1157651.html
一方のau回線では他社とのVoLTEによる高音質通話対応が進んでいない事がこれで分かりました。
これによりau回線ユーザーとdocomo回線ユーザー間で通話する際はdocomo回線ユーザーからかけると通話音質が良くなると思われます。
元々他社とのVoLTEは非対応でスタートした為、au回線とdocomo回線で使えない場合があるのは仕方ない事と諦めていますが、嬉しいのはdocomo回線同士でのVoLTEによる高音質通話に対応している事です。
auで発売されたSHV44にも関わらず対応しているという事で、auで発売された端末でありながらdocomoで発売された端末のように使える事を意味します。
その為、docomo回線を用いた数多くのプランの中から選択して使うといった事も容易にできます。
SHV44は他キャリアで販売されているAQUOS R3と比較して、上記のように他キャリアのバンドに対応していたり、試供品としてですがTPUクリアケースが付属しているにも関わらず、安く買えるので他キャリアよりはコストパフォーマンスには優れているかと思います(白ロムですと6万円前後で購入できます)。
docomo回線で使用する際にもSHV44を一度検討されるのは十分ありかと思います。
機会があればSoftBank回線でのVoLTE対応検証をしてみたいものです。
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ヨッシーセブンさんのコメントを受けて、記事の内容を修正しました。(2019/8/11 13:55)
まずはSHV44同士での検証です。
左のSHV44はau回線、右のSHV44はdocomo回線です。
1.SHV44(au回線)→SHV44(docomo回線)
2.SHV44(au回線)←SHV44(docomo回線)
次はSHV44同士かつdocomo回線同士の検証です。
3.SHV44(docomo回線)→SHV44(docomo回線)
次はiPhone 8にau回線のSIMを入れ、SHV44にはdocomoのSIMを入れて検証です。
4.iPhone 8(au回線)→SHV44(docomo回線)
5.iPhone 8(au回線)←SHV44(docomo回線)
次はiPhone 8にdocomo回線のSIMを入れ、SHV44にはau回線のSIMを入れて検証です。
6.iPhone 8(docomo回線)→SHV44(au回線)
7.iPhone 8(docomo回線)←SHV44(au回線)
次はiPhone 8とSHV44にdocomo回線のSIMを入れて、docomo回線同士の検証です。
8.iPhone 8(docomo回線)→SHV44(docomo回線)
9.iPhone 8(docomo回線)←SHV44(docomo回線)
au端末でdocomo VoLTEに対応しているというのは良い情報ですね。
でも、VoLTE通話という言葉がブレていると思います。
最初の方では、3Gに落ちず、VoLTE通話と書かれています。これは、4Gで通話出来さえすればVoLTE通話という意味だと思います。
先ずは、ここに対応しているかどうかが重要なはずです。
しかしその後はHD通話のことをVoLTE通話と読んでいます。
これは、端末は無関係ではないでしょうかね?
http://blogofmobile.com/article/117554
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2017年第4四半期以降、SHARP製のスマートフォンに付与されるメーカー型番の規則は、XN-DDBTから始まるものはNTT DOCOMO向け、DDから始まるものはKDDIおよびOkinawa Cellular Telephone向け、W-から始まるものはSoftBank向け、XN-MBTから始まるものはSIMロックフリー版となっている。
W-105B, 808SH, DD1893B及びXN-MBT93は同一機器として認証を取得しているため、XN-MBT93はSIMロックフリー版のSHARP AQUOS R3で、AQUOS R3 (808SH)およびAQUOS R3 SHV44とハードウェアが共通になると推測できる。
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どうやら、ソフトバンク、au、simフリー版は同一のモデム性能で技適を取っているようです。(総務省の技術基準適合証明の検索で確認しました。)
simフリー版は当然ドコモに対応しないといけないので、それと同一なのだからau版、ソフトバンク版でも当然ドコモの800MHz帯が使えることになります。
じゃあ、ドコモ版はどうかというと、あえて同一とはせず、800MHz帯はBand19しか技適を取っていません。
HD通話の話は、今のところドコモsimで発信の場合はおっしゃるようにHD表示が出ますが、auとかソフトバンクsimの場合はHD表示出ませんね。ドコモが一番機器設備の対応が進んでいるようです。
早速の回答ありがとうございます。
>でも、VoLTE通話という言葉がブレていると思います。
>最初の方では、3Gに落ちず、VoLTE通話と書かれています。これは、4Gで通話出来さえすればVoLTE通話という意味だと思います。
>先ずは、ここに対応しているかどうかが重要なはずです。
そうですね、VoLTEの元々の意味を考えると、仰る通り4Gで通話できさえすればVoLTE通話ですね。特にauの今の機種の事を考えると4G通信しかできずに必ずVoLTEになるので、「HD」表示の出ていないSHV44(au回線)→SHV44(docomo回線)だとVoLTE通話ではないのかという話になってしまいますからね。
どこかで「HD」表示が出るとVoLTE通話というのを見たので、そこで勘違いしていたところがあると思います。
失礼いたしました。
「HD」表示はVoLTEによる高音質通話が実現できている時に出てくると考える方が良いのでしょうかね。
> まとめるとSHV44ではdocomo回線からau回線に発信する時とdocomo回線
> 同士の時にはVoLTE通話となる事が分かりました。
> au回線からdocomo回線に発信してもVoLTE通話となる事はありませんでした。
(以下略)
docomoテクニカルジャーナルでも一度 LTEプロトコルの開設をやっていましたが(私も別件でそれをマイネ王のスレッドにコメントしたことがありますけど)、制御自体は TCP/IPと同じ様に L3レベル(ネットワーク層)で制御してるのを理解してました。
POIが従来から利用されている L2ピアリングの状態だと、L3レベルの制御プロトコルは L2延伸するなり(VxLANやら NVGREも併用してうまくカプセル化)しないとそもそも関門交換機を超えていけなんだろうなあ、とこのスレッドを見て思いました。
そういえば、確かに docomoは L3接続メニューも展開してた記憶があります。
でもこういうところでネットワーク技術の基礎とか知識が理解に役立つのはなんとも「ああ、仕事柄だよなあ.....」と思ってみるなど。
※実際にやってるのはもっと面倒なお話だったりしますけどね。
(別部署なので概要しか聞いてませんけど)
コメントありがとうございます。
>「シャープ、SIMフリー版のSHARP AQUOS R3を準備中か」
>http://blogofmobile.com/article/117554
この記事は見たことがありました。
ただやろうと思えばソフトウェア的にバンドを塞ぐとか出来るかと思うのですが、しないのはコスト的な問題か何かなのですかね。
まあ塞いでいないというのは嬉しいことではありますが。
>HD通話の話は、今のところドコモsimで発信の場合はおっしゃるようにHD表示が出ますが、auとかソフトバンクsimの場合はHD表示出ませんね。ドコモが一番機器設備の対応が進んでいるようです。
そうなのですね。
それを考えるとSHV44ではdocomo回線を使うと良かったりするのでしょうかね。
通信エリアの問題はあるかと思いますが。
>ただやろうと思えばソフトウェア的にバンドを塞ぐとか出来るかと思うのですが、しないのはコスト的な問題か何かなのですかね。
技適の費用が1Band当たり53~55万円くらいかかるという試算を書いた記事を見たことがあります。昔は通信キャリアしかスマホを販売していなかったのが、simフリーの機種をメーカー自身が出すようになって、必ずそのsimフリーの機種の技適を通さなければいけないので、できればどの通信キャリアも同じ中身にして、申請は一つにして通したいというのがメーカー側の本音だと思います。
auとソフトバンクは、Band11とBand41が共通していますよね。だから一つにまとめやすいというのはあると思います。ドコモはBand21が必須、Band11とBand41は必要ないのでまとめにくかったというのがあるんじゃないかと私は推察しています。
HD表記については、以前にどなたかが検証スレをあげられていました。
お気に入り登録し忘れて、探せませんでした。すみません。
でも、HD表記が出ているからと言って、必ずしもHD通話になってはいないというのが私の確認結果です。
事例ですが、
Mate10Pro 中国移動、中国電信ともにHD表記になっていますが、相手が2G通話しか対応していない場合でも、HD表記は消えません。
日本国内と中国では、HD表示の条件が異なるようです。
okitaomote先輩のコメント
https://king.mineo.jp/my/a951df32ac197059/reports/56677/comments/1750723
https://king.mineo.jp/my/a951df32ac197059/reports/56677/comments/1750844
を拝見して、最近のau・ソフトバンクのシャープ製端末がSIMロック解除をすることで3キャリアの電波が使えるようになる理由が何となくわかりました。
なぜ これをソニーは見習わないのか?!という疑問がますます湧いてきますね。Xperiaも、シャープと同じようにしたら、ちょっとマシになると思うのですが...(^^ゞ
ソニーは日本の会社だからでは?