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水曜美術館「ムンク展/共鳴する魂の叫び」



Eテレ「日曜美術館」ではありません(笑)
http://www4.nhk.or.jp/nichibi/

本日12/12(水)、上野の東京都美術館に行って参りました。

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ノルウェーの国民的画家であり、『叫び』『マドンナ』はあまりにも有名です。

彼の芸術作品を理解するに大切な背景が2つあると考えています。

1.幼い頃に肺結核で亡くした母への恋慕。母の代わりに慕っていた一つ年上の姉もムンクが15歳の時に亡くなります。同じ肺結核でした。これ以来ムンクは「死」というものを強く意識せざるを得なくなります。生と死という単純な二元論ではなく、不条理を背負うことになった芸術家だったということ。

2.恋人もいましたが一生独身を貫きます。自分の芸術のためにという理由でした。ムンクが描く愛の作品の多くは「性愛」です。『マドンナ』(数点あります)とは「イエス・キリストの聖なる母」ですが、そんな作品にも胎児と精子が描かれていたりします。これは冒涜ではなく、生への希求であり賛美と捉えます。


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芸術家として、芸術とは何かを追い求めた、孤高の画家です。
哲学科ニーチェとも親交がありました。
ニーチェの肖像画も残しています。
さもありなん。

ナチスから頽廃芸術の烙印を押され作品を没収されたりしましたが、ムンク自身はそれほど深刻に思わなかったのではないでしょうか。
しかしながら、晩年一人住まいの邸宅に多くの作品を「我が子供たち」と呼んで一緒に暮らしたという逸話は、芸術家ムンクの人間性と愛情を強く感じます。

ムンクの作品はオスロの市立ムンク美術館でゆっくりと観ることができますが、経済的・時間的に余裕のない方はぜひ東京都美術館へお越しください(笑)


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(おまけ)

東京都美術館中央棟2F レストラン MUSE(ミューズ)
ここの「オムライス(ハヤシソース掛け)」、美味しいです!
上野精養軒の運営です。


13 件のコメント
1 - 13 / 13
おはようございます
美術に疎い私でも、この絵画は知ってますね

学友に馬面のやつが居て、そいつの事を
ムンクと呼んでたのを想いだしました。
「ケロコロ美術解説」
知識が深まります
(嬉〃∀〃)ゞ☆

何も知らないまま鑑賞するのと
背景を知ってから鑑賞するのは
作品の見方が変わりますね、
きっと。

ケロコロさんはいろいろなこと
いっぱい知っていらっしゃる。
尊敬します。

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😱😱😱😱😱😱😱

実は私も先月末に見てきました。
かなり若い頃から霊が見えていたのではないか、と思えるくらいに病的な画風でしたね。「私は病気を遠ざけたくはない。私の芸術が病気に負うところは、実は大きいのだ」とも言っていたそうです。

また、「芸術家は孤独でなければいけない」と言って結婚もせず子供も作らなかったというのも考えさせられました。
確かに、現状に満足している人間からは、人を感動させる芸術作品を生み出すパワーなんて出てこないのかもしれません。
自分も叫ぶような思いしました。😱
今は大丈夫です。😊

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実は都美術館で同時開催の「現代の書」がメインでした。
特に、ポスターにもなっている「驟雨」(↑)が良かったですね。

ただひたすらに「あめあめあめあめあめあめあめあめあめあめあめ」と繰り返し書かれているだけなのですが、にわか雨の音がリアルに聞こえてくるようでした。

1/6までですので、お早めに。
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>ぷりんさん

コメント返し、遅くなりました。ペコリ
「叫び」は昔からお笑いにも利用されるなどしましたから、知名度は高いですね(笑)

僕の学友にも馬面がいて、「藤田まこと」と呼んでいました(笑)
時代の違いか、教養の差か???(笑)
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>白波一人男 さん

コメント返し、遅くなりました。ペコリ
ムンクの誕生日の日にムンクの絵をたまたま観に行った、となりました。
東京都美術館のTwitterのフォロアーなのに気付いていませんでしたね(笑)
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>マイネ神さま

コメント返し、遅くなりましたでございまする。ペコリ
それは「神のみぞ知る」でございましょう。
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>ねぼまぼ さん

コメント返し、遅くなりました。ペコリ
お褒めくださり、恐れ入ります。
そして、ありがとうございます。

僕はただ好きなだけで、所詮アマチュアです。
歴史書、解説本があれば誰でもさらに深く鑑賞できると思います。
美術館に行けなくても画集でも充分に愉しめますよ。
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>Dさん

『叫び』が有名になり、ムンクが描き続けた精神が表層に現れた「もの」の鑑賞者であるべき我々はそれを見落としていたのかもしれません。
このリトグラフは亡くなった姉へのオマージュ的な作品だったと記憶していますが、姉が内包する哀しみを、弟としてではなく、一人の画家としてそれをも捉えていると思います。
ムンクが自然主義的な表現から脱皮した記念碑的な作でしょう。

ムンクは「我が」芸術の求道者であり、孤高であり続けました。
また自分の作品をこよなく愛した画家でもありました。
時に売り渡す事が約された肖像画など、同じものを二つ描いて一つは買主に、もう一つは自分で所有したこともありました。
ドイツなどでは肖像画家として人気がありましたし、経済的に成功している画家の部類に入ると思います。
また、油彩だけではなくリトグラフやエッチング、木版画などの技術を取得し、現代芸術にも通じるある意味前衛的な作品も手掛けています。
これは作品を、油彩と違って、多作できるという点でもムンクの経済状況に利しました。
だからと言ってこれを商魂逞しいと非難するのは大きな間違いで、次の芸術、真の芸術に猛進するための必要最低限のエネルギーであったことは彼の暮らしぶりと、一生独身を貫き通したことからも明らかです。

>現状に満足している人間からは、人を感動させる芸術作品を生み出すパワーなんて出てこないのかもしれません。

その通りだと思います。
画家とすれば若い内から成功した人物ですが、そこに安住することなく芸術を突き詰めたからこそ後世に残る作品を遺せたのだと思います。
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>gonzu さん
>自分も叫ぶような思いしました。😱
>今は大丈夫です。😊

話をひっくり返すようで申し訳ないですけどね、実は『叫び』は叫んでいないんです!?(笑)
夕方5時頃「逢魔が時(おうまがどき)」というのがあって、この世とあの世が繋がる時間帯なんですが、この時ムンクは幻影を見て、この『自然を貫く叫び』を絵にしたんです。
実は叫んでいるように見える人は、その『自然を貫く叫び』から身を守ろうと耳を塞いでいるんです(笑)

なので、ぜんぜん大丈夫です!(笑)
ケロコロ
ケロコロさん・投稿者
SGマスタ
>Dさん

情報、ありがとうございます。ペコリ
現代の書は「書」の概念を超え、抽象画とも違う新たな領域に入っていると思っています。
理解しようという行為自身が意味をなさないぐらい非常にエネルギッシュだと感じています。

実はツレのオヤジがアマ書家でした。(今は高齢のため引退)
何の会かは忘れましたが(たくさんあります)、都美術館にも出展して○○会長賞(最高位です)を貰いました。
アマ書家でもちゃんと書家名簿に載っていて「号いくら¥」の金額の高さにビックラこいたことがあります(笑)
ゲスな僕ですから、「今の内にたくさん書いといてくれ」と願い出たのは言うまでもありません(笑)
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