石炭火力について
石炭火力発電所!多くの方は煤煙を出す、PM2.5、窒素酸化物、硫黄酸化物など撒き散らし公害の温床とイメージではないでしょうか。
しかし、超臨界型以降の石炭火力はそのイメージとは裏腹にPM2.5は無縁だし窒素酸化物や硫黄酸化物は排煙浄化装置によりほとんどださない。
なかでも最新型の石炭ガス化発電石炭を蒸し焼きにしてコークスと石炭ガスに分離する。
石炭火力発電は基本的にはボイラー(この場合石炭ストーブをイメージすると分かりやすい)で加熱し湯を沸かしタービン(風車のイメージ)を回して発電機を回して発電する。
石炭ガス化発電ではこれを担っているのがガス化炉と言われる部分でコークスと石炭ガスを精製する過程で生ずる熱を利用してまず発電が行われる。
また、このガス化炉において硫黄酸化物や窒素酸化物また道路の材料に使われるコールタールが生成される。
また、ガス化炉の燃料としてコークスが使われる。
次に発生させた石炭ガスはガスボイラーで燃やされタービンを回して発電機を回して発電する。
最新型の石炭ガス化発電は勿来共同火力において熱効率48%を達成したこともあり二酸化炭素排出量は石油火力並みまで低下してきている。
石炭ガス化発電はクリーンな石炭火力に変貌してきている。
石炭火力新設に反対している方々の主張を見ると昭和45年頃の公害垂れ流しの石炭火力のイメージそのままに反対運動している。
彼らが出してきたデータは最新型とは言わないまでも超臨界圧石炭火力以降ではあり得ないデータ。
また、発電から排出される二酸化炭素は9800万トンと工場の43000トン、車の21000トンより少ない。
石炭火力は原発も同様であるがベースとなる電源であり電力供給がタイトになる時期には揚水水力発電を昼間稼働させるための電源構成を担っている。
揚水水力は昼間はダムから放流し下のため池にため夜間にベースロード電源の夜間電力を使いため池からダムに組み上げて使う電力システム。
最近石炭火力を調べて見て日本の石炭火力の技術力の高さに驚かされたと同時にロードベース電源として必要な電源であるとつくづく感じました。
二酸化炭素とか温暖化のもとになる物質もかなり控えめになっているらしい話は散見しますね。
東日本大震災以降、電力関係の話は盛んになっているとは思いますが、そのトーンもどんどん落ち着いているなと思っていました。
この前の北海道地震の大停電のように、実感のある体験が無いとなかなか考えることもありませんからね。
個人的には、お話にも出てきている揚水発電や、中小の河川などを利用する小水力発電に期待しています。
山などによる高低差が日本中いたる所にあり、雨も安定的に降るという気候をもっと生かしたらどうかなという思いです。
水は、現状もっともコントロールしやすい自然エネルギーだと思っています。
農業用のため池や用水路も使っていけば周辺の小さい集落くらいは何とかなりそうな気がするんですよね。
うまく運用すれば豪雨時の堤防としても期待できると思います。
また、今後の電気エネルギー問題は発電の設備・技術と同時に、蓄電の技術も不可欠でしょうね。
エネルギーの蓄え方にブレイクスルーが起きるまで、まだまだ現状の発電系を頼ることになると思います。
日産リーフの廃棄バッテリーを何十個も集めて、大容量バッテリーに仕立て上げるような取り組みも行なっているようです。
全個体電池やナトリウム電池・アルミニウム電池というのも耳にするようになってきました。
今の時代はエネルギー産業の初期の過渡期・転換点であると思います。
ベース電源である火力発電(石炭含む)はまだまだ重要な発電方法だし、新技術の普及は相当な時間が必要でしょう。
そんな中で、既存の火力発電の技術もどんどん向上しているというお話が聞けて嬉しいです。
ただそれらがサイクルとして正しく回り続ける限りは運営・運用も良好に維持できると考えます。
あとは原子力系だと「加速器駆動未臨界炉の開発」(最終的には短期核種への変換技術を確立)が何だかんだ言っても一番必要なことだと考えます。
10万年オーダーで放射性廃棄物を管理し続けられるのかについては、オンカロ(フィンランド・オルキルオト)や「核廃棄物隔離試験施設」(アメリカ・ニューメキシコ州カールズバッド)の様な地勢を日本国内に確保するのも困難でしょうから、やはりその技術は必要なんだと考えますね。
ちょっと見なおしました。
ところで、マスコミや自然再生エネ派が批判している日本のエネルギー政策で石炭火力を重要電源とする政策は二酸化炭素削減からも正しい政策であることが立証されると見ています。
新しく建てられる石炭火力は最新型石炭ガス化発電(IGCC)または先進型超々臨界圧型石炭火力発電。
二酸化炭素排出量は従来の石炭火力に比べ1割から2割少ない。
また、老朽化した石油火力を廃炉にしてコンパウンドサイクル発電(CC発電)を建設する。これをバランスよく組み合わせればあくまで数値上ではあるが日本全体で約2000万トン削減は可能との数値が出てくる。
私は2040年にやり方次第では二酸化炭素削減のトップランナーになると見ている。
ところで、二酸化炭素削減に太陽光発電があるじやないのと言われるかもしれない。
太陽光発電は一日の稼働率は最大電力で3時間から4時間。
これをベースに国の政策である再生エネ22%のうちざっくり10%を補うとした場合パネル数にして6億4000万枚、
電力施設で1億6000万kwが必要となる。
これは日本全体の火力発電約2億kw(東京電力1992年発行のパンフより)の8割に相当する。
また、太陽光発電の発電コストが2円とかが新聞を賑わしているがその根拠はサウジの砂漠地帯などで最大電力で12時間以上
規模で日本のメガソーラの最低でも10倍をベースに算出した数値。
実質日本の発電コストの1/40をもとに計算したコストである。
太陽光発電はあくまで補助電力にしか過ぎないと見ている。
散見してるニュースだと、中国の石炭発電の設備は未だに旧式らしく、冬場の電力消費で大気汚染の原因にもなっているみたいな話もあったような…。
もしかしたら、単に家庭の暖房に石炭を使っているとか、そんなのかも知れませんけど。
まあ、要するに石炭を燃やすにしても、技術次第で弊害は減らせます。
ちなみに、原発も石炭も基本的には同じ構造だったはずです。
・原発は核分裂とかで水を熱してタービンを回して発電。
・石炭発電石炭を燃やして水を熱してタービンを回して発電。
それが、一番効果的かと★
ご紹介の石炭ガス化発電(IGCC)や、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)などは本当に性能が良くなってきて、600〜700g/kWh前後にまで低炭素化が図られていますね。
素晴らしい日本の技術であり、是非、海外の低効率な旧式石炭火力を置き換えていってもらいたいものだと思います。
とは言え、その石炭ガス化発電でさえも、日本の平均的なLNG火力のCO2排出量である476.1g/kWhに届いていないことも事実です。
ちなみに、日本のLNG火力の技術開発も目覚ましく、ガスタービン複合発電(GTCC)で凡そ350g/kWh、1700°C級GTCCになると310g/kWh、そしてガスタービン燃料電池複合発電(GTFC)になると、なんと280g/kW程度にまで
低炭素化が図られることが期待されています。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/jisedai_karyoku/pdf/004_02_00.pdf
ついでに言えば、石炭火力は出力調整やオンオフ制御が難しいので常に一定で発電させることになります(いわゆるベースロード運転)が、LNG火力は調整がしやすいので(特にGTCC)、出力変動の激しい再生エネルギー発電との併用にはベストマッチだと思っています。
> 最近石炭火力を調べて見て日本の石炭火力の技術力の高さに驚かされたと同時にロードベース電源として必要な電源であるとつくづく感じました。
質問。
最新型の石炭火力がベースロード電源であると言うことは、つまりは石油やガス火力の様に夜昼の負荷変動に対応することは難しいと言うことでしょうか?
北海道電力の苫東厚真発電所も海外炭です。
というのも、石炭の成分はC、100%に対して、石油系はHも燃やすのでCの割合が少ないのです
確かに従来の石炭火力はススが出る問題は技術の進歩で改善しましたが、CO2はねえ・・・・