海外SIMのよくある誤解? 現地SIM vs ローミングSIM
SIMフリースマホ機が一般的になって来た昨今、海外に出られる方でSIMを入れ替えて渡航先でもいつも通り、いつもの使い慣れたスマホをそのまま使いたいという向きが増えているように思います。 以前投稿した別スレに関連して何人かの方々からPMお問い合わせがあったこともあり、ここで、海外SIMについてしばしば聞かれるウワサ(?)の幾つかについて改めて検証してみました。
「外国では何たって現地SIMが一番、接続スピードも速いし、値段も安い…そのうえ空港ターミナルで簡単に手に入る…」
え、それって、ほんと?
ということで、欧州圏で利用体験した以下のSIMについて、
- イタリアで現地#1キャリアのTIM SIM (Telecom Italia 国内#1キャリア)
- 国際ローミング 英国のEE SIM (欧州・48ヵ国ローミング・SIM)
を比較し、まとめてみました。
ウワサ・その① : 接続スピードに大きな差がある?
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↑ は、現地#1キャリア TIM SIM (Telephone Italy) の接続状況
↑ 欧州系・ローミングSIM 英国の#1キャリア EE SIM の接続状況
結論 :
TIM/EE 両者とも日本サイト(Tsukuba・テストサーバー)に接続する場合は UP/DN共に 30~50Mbpsと高速通信の出ている状態で、さらに、両者のPING=約310msと大きいものの、その値はほぼ変わらず、現地SIM vs ローミングSIMという差は見られなかった。
【重要】言い換えれば、海外に出掛けた場合、スマホ・ユーザーが、いつもの(日本国内に居るとと同じ)ように、いつもの日本のウェブサイトや、いつもの日本のサーバーにアクセスしようとする限り、「現地SIMであろうが、ローミングSIMであろうが大差ない…」ということです。
ただし、現地滞在期間が長く、現地のウェブサーバやウェブサイトへの接続を頻繁に利用する場合には、現地SIMのPING値が小さいことによるメリットは大きく、接続が快適になることは間違いありません。 長期駐在や、長期留学などの場合は現地SIM利用へ変更するのが良いと思います。
ウワサ・その② : 現地SIMの費用は安い?
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現地#1SIM TIM (Telephone Italia) の場合 :
ショップのお勧めは、「TIM for Visitor SIM」が 4GB/30日/100分通話付/€30(約4000円) 、リフィル・プランなしの使い捨て…orz
なので、店員と「通話不要」「SMS不要」等々の価格交渉して、Visitor SIMではなく、2GB(4G)/30日/€5+SIM代/€10=€15(約2000円)で折り合いを付けましたが、Visitor SIMを強く勧められるので強固なネバリと意志が必要です。(注 : SMS/通話の可能な電話番号はデフォルトで付属しています)
欧州系・ローミングSIM 英国のEE SIM の場合 :
Amazon.co.jpで渡航前にゲットでき、接続確認ができるメリットがあり、空港到着時からデータ通信の利用可能。
↓「EE 4G SIM イギリス他ヨーロッパ各国対応【2GB / 30日タイプ】/2080円」(私は既に EE SIMを維持しているので、二週間+の滞在期間中、リフィル・プランを利用して「2B/30日/£10 =約1460円」で済ませました)
結論 :
経験的に、短期利用の場合に、欧米の現地SIMは 国際ローミングSIMと比べても価格的な割安感はあまり感じません。しばしば ビジター用の現地SIMは国際ローミングSIMと比べて割り高なものになるケースが散見されます。
ただし、長期滞在の場合には「月次契約」などによる大幅なディスカウントや、通話/SMS優遇等、現地SIM利用の価格メリットは大なものがあります。
ウワサ・その③ : SIM入手は空港で簡単に?
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現地#1SIM TIM (Telephone Italy) の場合 :
残念ながら、日本からの直行便到着のミラノ・マルペンサ国際空港にはTIMショップはありませんでした(泣)。
安易に「空港で簡単に手に入る…」と期待するのはお勧めしません。空港でのSIMゲットを予定する場合には、必ず空港内ショップの場所と店舗オープン時間、手続き時間など、事前確認しておくことをお勧めします。
結局、現地TIM SIMをゲットするには時間を見つけて街中のTIM ショップに出向くしかありませんでした。
ちなみに、ショップでの現地SIMゲットには、パスポート、滞在住所、連絡用電話番号などの提示が要求されますので準備が必要です。
欧州系・ローミングSIM 英国のEE SIM の場合 :
Amazon.co.jpでポチッとワンクリック、渡航前にゲットできます。(今のところ)SIM購入に際しての、パスポートや、免許証等の提示は不要です。
結論 :
「現地SIMは空港で簡単に手に入る…」というのは要注意です。 空港ショップの有無、空港ショップの場所、手続き必要時間、手続きに必要な書類等々、事前の準備と心構えが必要です。
それに対して、国際ローミングSIMは日本国内に居ながらAmazon等でポチッと入手出来るので簡単です。渡航前に入手出来て、空港到着と同時に利用開始できるのも便利です。
以上、三つの点から 現地SIM vs ローミング・SIM【欧州編】とをユーザーとしての以前の利用体験から比較、まとめ直しをしてみました。海外SIMに興味ある方むけ、いつもながらのニッチな検証でした(笑)
私も現地SIMの優位性はRTTが小さい事だと思っています。
現地SIMのRTTが小さくても、イタリアから日本のコンテンツにアクセスする場合には、そもそもコンテンツまでの距離が遠いので、ローミングSIMのPINGへの影響がそれほど気にならないということが結論です。
現地SIMにこだわることなく、使い勝手の良いローミングSIMを利用した方がお気楽な使い方が出きるというのがお勧めですね。
私の場合、海外では+1, +44のIP電話番号を常用(仕事関係)していて共にSMS/通話が可能なので、それで全て賄ってます。 日本では常用の+81-50-xxx Fusion-Smartで SMSが使えないのがちょっと悩ましいですけど。。。
| それほど気にならない
私のレベルの利用ではご指摘の通りと思います。
ただ、現地向けのアプリ(例えばドイツやスイスの鉄道用)なんかはRTTが小さければよりサクサク動くと思います。
息子がSIM2Flyを挿したE5577を持参してロシアに出掛けていますが、現地WiFiではLINEは使えないそうです。
空港も大きな空港だと、店を探すのも一苦労ですし、反対に小さな空港だとお店がなかったり。行ったことがあったり、お店を探す時間がそれなりに取れるなら、現地購入でもいいかもしれませんが、移動の関係などの要素を考えると、事前入手した方がいいことも多いです(特に同行者がいる時)。
>「現地SIMは空港で簡単に手に入る…」というのは要注意です。
本当にそう思います。
>空港ショップの有無、空港ショップの場所、手続き必要時間、
>手続きに必要な書類等々、事前の準備と心構えが必要です。
夜や早朝の到着だと店があっても開いてない、ということはよくありますよね。また、そもそも空港にSIMがあっても高いことが多いです。空港の現地通貨両替所と同じ感覚です。
>現地向けのアプリ…RTTが小さければサクサク…
はい、まさにその通りです。仕事でホテルからHQオフィスのサーバー(現地)にアクセスするのにTIM-SIM使用の時と、EE-SIMを使った時ではサクサク感が違いました。 現地コンテンツにアクセスする時には差がでます。
>ロシアに出掛けていますが、現地WiFiではLINEは使えないそうです。
おおお、チャイナブロックならぬ、ロシアブロックがあるのですかね?
>どちらがいいかは、その時の状況によって変わりますね
はい、ご指摘の通り、海外SIM利用と一言で言っても、個人旅行、団体旅行、短期ビジネス・トリップ、長期赴任、長期/短期留学など、色々なケースがあるので、TPOに合わせた選択が肝要ということですね。
>夜や早朝の到着だと店があっても開いてない…
そそそ、特にLCCなんて使うと出発時刻も到着時刻がハンパないですよね(笑) 私は仕事出張なのでLCCはほとんど使いませんが(便変更や、荷物の融通が効かないので)、欧州なら基本午後5時、遅くても午後7時迄…特例を除き、空港ショップなんてこんな感じでしょうか(-_-;)
私は、現地SIMをあらかじめアマゾンなどで買ってからいきます。
最終目的地ではなく経由地で使いたい、という場合もやはり事前入手できていた方が楽ですね。空港も出発・到着ロビーにはそういうショップがあっても、搭乗ターミナル内には軽食やちょっとしたお土産屋さんがあってもSIMまでの取扱いはなかなか見たことが無いです(つまり出国後・入国前の状態ではなかなか入手できない)。
空港内の無料Wi-Fiでお茶を濁せる場合がほとんどですが、そういう時に限って乗換・乗継便がキャンセルになったり変更になったりして結局電話回線が必要なことも「あるある」だったりします。で、公衆電話があったはずの場所には無いのも「あるある」です(日本同様に各国公衆電話は減っているように思います)。
理由は旅行前に「SIMの接続テストができる」から。
国内で調達しても値段もそんなに変わらないし、SIMが繋がらなかった場合、国内にいる間であれば、代理店に問い合わせするとか、ググって調べるとか手段がありますから。
コメント、ありがとうございます。
>私は、現地SIMをあらかじめアマゾンなどで買ってからいきます
Amazon.co.jp で購入できる現地SIMって、タイ(AIS, TRUE, DTAC)、ベトナム(Vietnamobile, Mobifone)、英国(EE, 3)と米国(ZIP, H2O)、それに香港(China Mobile, China Unicom-HK)くらいに限られていたように思いますが?
日本国内で現地SIMの入手ってなかなか困難です。
>最終目的地ではなく経由地で使いたい、という場合も…
余談ですが、トランジットでは MTX Connect の従量課金がとても便利です。国別プランが不要で一律€0.015/MBで110ヵ国はチョイ接続に威力を発揮しています(笑)
>理由は旅行前に「SIMの接続テストができる」から…
そそそ、これも重要な選択理由の一つですよね。「いざ現地に到着してみたら使えなかった~」ってよく見かけます(汗) とくに初めて使うSIMの事前確認は出
きるに越したことはないですね。
>Amazon.co.jp で購入できる現地SIMって、タイ(AIS, TRUE, DTAC)、ベトナム(Vietnamobile, Mobifone)、英国(EE, 3)と米国(ZIP, H2O)、それに香港(China Mobile, China Unicom-HK)くらいに限られていたように思いますが?
私がいく海外行ったときにそうしたってだけのことなので。
それ以外の地域に行ったことないので。
ほかの地域のことは知りませんでした。
なにか気に食わない書き方だったことであればすいません。
この場合だと、現地SIMで現地に近いサーバへのアクセス以外は、RTTも大きくは違わないはずなので。
>なにか気に食わない書き方だったことであればすいません
いえいえ、そんなことはありません。ご心配なきよう。
日本国内で渡航先の現地SIMがアレコレ簡単に手に入るようであれば、それはもう有難いことです。それが出来ない渡航先をカバーしてくれていて、それなりの価格で提供してくれるビジネスがローミングSIMなわけでから。
>IIJのフルMVNOを活かしたサービスに期待して…
はてさて、IIJmio "ブッチギリの海外SIM (ローミング or eSIM)…"
な~んて、やりますかね~? (半信半疑)
フルMVNOを使って、どの仕組みをOEMするかが鍵かなぁ。(IIJmioが自前で各国キャリアと接続契約をするとは思えないし…) mineo海外プリペイドが組んだ相手は技術的にも価格的にも競争力が無かったようでしたから。
コメント、ありがとうございます。
おおお、両替所でプリペイドSIM…
私の場合、マルペンサ国際空港の到着ロビーを出たところで売店のオニイさんに尋ねたところ、「WINDのsimショップなら何処かにあったと思うけど、TIMは市内に出ないと無いよ…」ってな感じでしたね。
イタリアでは #1 TIM, #2 Vodafone-IT, #3 WINDの順でモバイル・シェアとなっているようです。
>到着して即通信なら前もって準備ですね…
はい、到着ゲートを出たら電源ONしておけば、イミグレーションに来る頃にはシッカリ4Gマークが点灯しているって…安心しますね~(笑)
余談ですが… 只今、ブラジルがコスタリカを2-0で破りました。最後の5分間でした。
追記 : タイ系・国際ローミングSIM (DTAC, Sim Go! Inter)を使用した場合
SPEEDTestでTsukubaサーバー(日本)をターゲットに選択して PING=約350ms, DN=約18Mbps が得られているので、やはり海外から日本国内のコンテンツにアクセスするネット利用環境では、現地SIMとタイ系・ローミングSIMでも大差ないパフォーマンス体感となっていることが分かります。
途中でタイのAPNを経由するかどうかの違いになるので、現地-日本と現地-タイ-日本での経路の距離差の2倍に対応した時間差(≒距離差×2÷光速)が生じると思われますね。
現地、ローミングSIMのAPNの位置、日本の地球規模での位置関係(ネットワーク的位置関係)で、RTTへの影響が変わりますね。ローミングSIMでは、現地キャリア(VPLMN)~ローミングSIMのキャリア(HPLMN)間の国際ローミング網での往復のトラフィックが余分に発生するので。。。。
>ひみつ77 さん
>東南アジアにいて、ヨーロッパ系のローミングSIMを用いて、日本のサーバにアクセスする場合…
おおお、そうですね~どんな数値が出てくるか興味深いですよね。
過去に Three SIMを使ってインドネシアに初着陸した時にはデータ通信が繋がっただけでスッカリ満足してました(笑) 欧州系・ローミングSIMはEU圏以外はあまりカバーしてません。カバーしていたとしても米国、カナダ、香港、マカオ、オーストラリア、シンガポールくらいで東南アジア諸国をカバーしているSIMはなかなか見当たらないです。
グローバル・ローミングSIMになってしまいますが、以前MTX Connectをフィリピンで試用した時のデータがありました↑写真。 MTX Connectは接続元の管理サーバーがルクセンブルクにあるので、ターゲット・TsukubaサーバーへのSpeedTestで、やはりRTT=595msと大きな値になってしまっていますね。
やはり我々(日本のウェブサイトや日本のサーバーにアクセスするユーザーの意味)が東南アジア圏でローミングSIMを使う場合には、やはり東南アジア圏のSIM、すなわちタイ系、または、香港系のSIMを使うのが良いですね。
ただし、一般に東南アジア圏は現地SIMが非常に安価で安易に入手できるので、到着直後の急ぎ連絡等の必要がない限り、現地SIMというお得な選択肢は言わずもがな…ですけど。
一方、フィリピン現地SIM, SMARTを使って日本のターゲット・TsukubaサーバーへのSpeedTestでは、RTT=66ms↑と小さくなってます。
すなわち、まとめてザックリ言い換えると、
「日本に近い外国から日本にアクセスするには、現地SIMが大幅に有利」
「日本に遠い外国から日本にアクセスするには、現地SIMでもローミングSIMでもそれほど差が出ない」
こんな表現になるかと思います。。。