フォワードガイダンス廃止の衝撃
7月29日、FRBの新議長ケビン・ウォーシュが会見を行います。パウエル時代の優しいおじさんはもういません。代わりに登場したのは、フォワードガイダンスをゴミ箱に捨てた男です。
ウォーシュ氏は7月1日、ポルトガルのシントラで物価は高すぎると発言しました。それだけではありません。フォワードガイダンスは我々がやるべきビジネスではないと宣言したのです。
つまり、私たちがこれまで頼りにしてきたパウエルのヒント——忍耐強く、データに依存——は、もう全て消えたと思えます。
そして翌日、7月30日にはGDPとPCEが発表されます。ウォーシュ氏はその数字を、おそらく誰よりも正確に把握しています。
アトランタ連銀のGDPNowは第2四半期を3.0%近辺で追跡しており、プロ予想者は2.1%と保守的ですが、ウォーシュ氏はもっと高い数字を見ているかもしれません。PCEは5月の4.1%から6月は3.7%へピークアウト——しかしコアPCEは3.4%で粘着しています。ウォーシュ氏はこの表と裏を熟知しているのです。
だから彼はこう言うでしょう。インフレは鈍化しているが、2%目標には遠いと。そして利下げの時期については何も言わないと。これが黙殺です。市場が利下げを織り込んでいるのに、彼は沈黙で応えるのです。
注意すべきことがあります。ウォーシュ氏の6月の初会見では、声明文が300語から130語に削られました。ドットプロットには自身の予想を出さなかった——歴代議長で初めてのことです。
クラウディア・サーム氏は国家統計をバスに轢かせるようなものだと嘆きましたが、ウォーシュ氏は意に介しません。彼は市場がFRBのガイダンスに依存しすぎていると言っているのです。つまり、皆様の待てば利下げが来るという甘い考えを、彼は根絶やしにしようとしています。
7月29日の会見で、ウォーシュ氏は以下の三つの壁を築くでしょう。
第一の壁——経済は強い。GDPが2%超なら、景気後退の心配はありません。失業率は4.3%で堅調です。トランプ減税が消費を後押ししており、利下げの理由は見当たりません。
第二の壁——インフレは粘着。PCEはピークアウトしたかもしれませんが、コアサービスインフレは3.7%で高い水準にあります。賃金上昇は鈍化しているものの、住宅コスト、医療費、教育費は上がり続けるでしょう。2%は遠い夢のままです。
第三の壁——私は何も言わない。フォワードガイダンス廃止。次の動きはデータ次第です。9月会議までの2か月間、CPI、雇用統計、PCE、GDP修正値——すべてがサプライズになり得るのです。
では、どう対処すべきでしょうか。
続く

