アイーダトランペット
アイーダトランペットという楽器がある。
名前から分かるようにヴェルディが作曲した『アイーダ』の凱旋の場だけで使われる特注の楽器である。
古代エジプトの壁画等参考にして作られた。
ヴェルディの指示は以下の通りである。
〇直管である
〇ピストンは一個である
〇調性はAs(変イ長調)とB♮(=H、ロ長調)である
〇それぞれ2管又は3管編成
〇名称はエジプシャントランペットとする
オペラ上演の際この楽器の奏者は兵士の格好で舞台袖とか城壁の上とかで演奏する。
所謂「バンダ(別動隊)」である。
普通のコンサートの時でも舞台前面や後方の一段と高いバルコニー等に立って演奏することが多い。
上は実際の演奏動画である。
指揮者の両側に二人づつ立っているが客席から見て左側の楽器がAs管で右側の楽器がB♮(=H)管で長さが違うのが分かる。
先ず行進曲の初め(5~53秒)はAs調で左側の2人だけが演奏する。
その後H調に転調(53~1:29秒)してからは右側の2人だけが演奏する。
その後再びAs調に転調(1:29~1:42)して左側の2人は主旋律、右側の2人は同じ音の3連符の伴奏を演奏して曲を終える。
現行の3本ピストンの楽器では全ての調の音を均一に出すことが出来るがピストン1本の楽器では不安定になるので楽譜の調性と同じ調の楽器を使うことで少しでも纏まった音を出すよう調性の違う2種類の楽器を使っている。
15年程前N響が演奏会形式の『アイーダ』を演奏したことがある。
この時わざわざオリジナルのアイーダトランペットを外国から持ち込んで演奏したがN響の奏者をもってしても音程が安定せず折角の企画が不評に終わったという記憶がある。
今は3本ピストンの直管の楽器を使ったり、舞台上では役者が吹く真似をして実際はオケピットのトランペット奏者が吹いたりするのが多いがオリジナルのアイーダトランペットの煌びやかな音を聴きたいものである。



4本ピストンで微分音(半音の半音)を出しますよ。
>> 及時雨 さん
リップスラーでなくタンギングで微分音を出せるのが凄いですね。第4ピストンの動きに秘密がありそうですがアンブッシャーの微妙なコントロールも関係しているかもしれませんね。
珍しい動画ありがとうございました。
このフレーズが好きでよく聞きます。
バンダというとアルプス交響曲と巨人を思い出しますが、他にもたくさんあるのでしょうね。
>> sawa875 さん
バンダで思いつくのはベートーヴェンのオペラ『フィデリオ』の序曲「レオノーレ第3番」ですね。他にもありそうですが実際に聴いたことはありません。
コメントありがとうございました。