信頼市場化と社会資本のリスク
職場で代理婚活の話題になりました。経済の観点からみると、どう評価されるか検討しました。
一言で言うと、家計内外部化の好例です。
1960年代までのお見合いは地縁・血縁という社会的資本で費用ゼロ。高度成長で都市化し、恋愛市場が自由化。2020年代ではコンプライアンスコスト上昇で職場のマッチング機能が失われ、取引費用が親に転嫁されたのです。
1.6万円はその価格。
経済学的には二重プリンシパル・エージェント問題。親(エージェント)が子(プリンシパル)の効用を最大化すると称しつ、自身の「孫欲しい」「世間体」効用を混在させてしまうのです。
情報の非対称性は深刻で、子ども不在のためソフト情報(人柄)が伝達不能。結果、ハード情報(年収・学歴)による逆選択が起きる。
マクロ影響をみると、限定的です。婚姻数押し上げ効果はあるが、出生への波及は弱いでしょう。
なぜなら代理婚活参加者の子は30~40代中心で、可処分所得は高いが時間選好率は高い。仮に成婚しても晩婚ゆえ出生率は上がらない。むしろ親の消費(参加費・交通費)がGDPを押し上げる程度です。
皮肉なのは、中国の公園型(無料・非公式)に対し、日本は有料・準公式化した点。これは信頼の市場化を示します。個人情報保護を商品化し、不安を価格転換しました。
ただ、長期的には、信頼財の過剰商品化が社会的資本を毀損するリスクがあります。
では、どうするか。
成婚率の統一定義と第三者監査、
子ども本人の事前同意の義務化、
職場外の第三の婚活の場(コミュニティ)への補助金。
市場に任せるだけでは、親の不安が搾取されるだけです。
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