なぜイランは核兵器を保有すべきか・核の均衡と戦略環境の安定
アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃から2ヶ月が経過。
ホルムズ海峡の航行ができないため、日本含め世界中のエネルギー危機が深刻化してきました。
勉強のために、ある論文を読みました。
アメリカの国際政治学者の重鎮ケネス・ウォルツの論文(2012年)
「なぜイランは核兵器を保有すべきか・核の均衡と戦略環境の安定」
https://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/201207_waltz/
論文の概要は
「中東が不安定な原因はイランの核開発ではない。
イスラエルの核、通常戦力が圧倒的なため、均衡と抑止が機能しないからだ。
よってイランに核兵器を保有させれば中東は安定するだろう」
というものです。
「イランに核兵器を保有させるな」というこの戦争の大義名分を根底からひっくり返す論文がアメリカで14年も前に書かれていて驚きました。
「核兵器は危険なので廃絶しよう」という「核悲観論」
「核兵器の核抑止で平和は保たれる」という「核楽観論」「核抑止論」
「国力の天秤の均衡で平和が維持される」という「勢力均衡論」
基礎知識は必要ですが、これらについて雑談しませんか?
基礎知識はないが、勉強したいという方も歓迎します。
5 件のコメント
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核兵器は「危険すぎる」ため、保有国が増える(核拡散する)ことは国際社会のリスクを劇的に高める。
だから「核廃絶を目指すべき」という考え方。
核楽観論とは・・
核兵器は「強力な抑止力」であるため、核保有国が増えることは、逆に大きな戦争を抑止し、国際秩序を安定させる。
だから「緩やかな核拡散を容認する」という考え方。
核兵器の圧倒的な破壊力を背景に、相手国に報復の恐怖を与えることで、攻撃を思いとどまらせて戦争を防ぐという安全保障上の理論。
自国も報復されるという「恐怖の均衡」により、双方が核使用をためらう状況(相互確証破壊)を前提としている。
勢力均衡論(バランス・オブ・パワー論)とは・・
特定の国が圧倒的な力を持って他国を支配するのを防ぐため、複数の国が軍備の増強や同盟を結ぶことで軍事力(経済力)の均衡を図り、平和と安全を維持しようとする国際政治の考え方。
ロシアとの包括軍事協定を結ばなかったら、
今頃は滅んでいたかも?
書記長は、イランを注視している。
>> YASUHID さん
>>北朝鮮が核を持たない「北朝鮮が核保有しているから、アメリカは北朝鮮を攻撃しない」
だから朝鮮半島の平和は保たれている。
朝鮮半島の平和を保っているのは「核」だという事でしょうね・・
「平和は、博愛主義や協力からではなく、暴力の脅威が常に存在する状況から生まれ、交渉力は、攻撃するぞと相手を脅かす力によってもたらされる」
クリストファー・ブラットマン著「戦争と交渉の経済学・人はなぜ戦うのか」より
ケネス・ウォルツ論文「核兵器の拡散:増えればより良くなる」(1981年)
ケネス・ウォルツは、カリフォルニア大学の名誉教授で核楽観論者ですね。
ケネス・ウォルツが提唱したリアリズム(ネオリアリズム/構造的リアリズム)は、国際政治を無政府状態(アナーキー)なシステムとして捉える理論です。
国家の行動は人間の本性ではなく、国際システムの構造(パワーバランス)によって規定されるとし、国家の生存と勢力均衡を最重要視します。
5年前ならトンデモ理論ですが、今の状況を見れば先見の明があったのだなと感じます。