終末から
終末からという雑誌を見つけました。
野坂昭如が監修(編集委員の一人)を務めたこの雑誌は、まさに石油危機後の出口のない閉塞感を象徴するメディアでした。
1973年7月号に創刊号が出て、1974年7月で終了しました。
味戸ケイコの幻想的画調の表紙が印象的です。
野坂といえば、火垂るの墓で有名ですね。涙なしでは読めません。テレビCMでも有名だったようです。ソクラテスを揶揄していたかと。
その彼が監修する雑誌は、 ノストラダムスの大予言や日本沈没がベストセラーとなった当時の終末ブームを背景に、単なるオカルトではなく、政治・経済・文化のあらゆる面から文明の崩壊を論じるという、極めてアナーキーかつ知的な構成です。
野坂本人のほか、安部公房、石原慎太郎、小松左京、大島渚といった、当時の知性の巨頭たちが破滅をコンセプトとして大いに咆哮しています。
井上ひさしが『吉里吉里人』の連載をこの雑誌から開始しました。
特に野坂が、 トイレットペーパー騒動に象徴される日本人の卑しさを痛烈に批判しているのには感銘を受けました。
焼跡を知る世代として、石油がなけりゃただのゴミと化した都会の脆弱さを嘲笑。戦後の繁栄など砂上の楼閣に過ぎなかったと断じていました。
現代もその状況になっていると思います。彼が生きていたら・・こんなことを書いていたであろうというコラムをいずれ書いてみます。
8 件のコメント
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ソ、ソ、ソクラテスか、プラトンか、(中略)
み〜んな悩んで、大きくなった。
を、思い出しました。
>> p928gts さん
それです。YouTube動画にありますね。>> sawa875 さん
小松左京氏の予言(?)が的中しているのが困った😩先進国で「日本(だけが)沈没」
>> p928gts さん
日本沈没はまだすべてを読んでいません。筒井の日本以外全部沈没は読んだのですが…
ソクラテスを揶揄したのではなく「ソ、ソ、ソクラテスか」の歌詞がkituonshaを揶揄していると一部で問題視されたのです。
筒井康隆の『日本以外全部沈没』は小松左京の『日本沈没』のパロディーですから重みが違います。
原作を読んでなくても充分面白いですけどね。
筒井康隆は他に大江健三郎の『万延元年のフットボール』のパロディーとして 『万延元年のラグビー』があります。
新田次郎の『八甲田山死の彷徨』が出版された時当然パロディーとして『六甲山死の彷徨』が書かれると思いましたがこちらは構想のみで作品化はされていません。
>> sawa875 さん
「日本沈没」で、わだつみ や ケルマデックのシーンは印象的でした。作中での(故)竹内均教授のお姿も。前編
https://youtu.be/6ANnIFnFsus
後編
https://youtu.be/yzQ0TlcTEpg
>> hijiake さん
そうですか。きつ音者を…。動画を見た限りですが、違和感は感じませんでした。万延元年はノーベル受賞作ということで、読みました。読みづらく、1か月もかかりました。
重厚というか、難解であるところの文体、悲劇的であるところの(笑)結末など読んでいて面白さを全く感じませんでした。これが、当時の学生に熱狂的に受容されたとは驚きです.
ラグビーは初耳です。ただ、筒井のスタイルからすると、それこそ大江は恰好の揶揄の対象となるでしょう。
石油をほとんど輸入に頼っている日本は、食糧の自給率(カロリーベース)に関してもとても低いとよく言われていますが、食料安全保障指数ランキングでは6位(2022年)。
かといって、日本はどんな場合でも安心ということをいいたいわけではなく、日本のいろんな分野で食料を確保するために日夜働いてくれている人々がいるという結果ということ。
今回でも単純にホルムズ海峡が封鎖されたら日本は駄目だというのではなく、エネルギー確保のために知らないところで日夜働いてくれている多くの人達がいることを忘れてはいけない。というか私にそれしかできないけど… (これはあくまでの私の感想)