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北太平洋航路は中東の代替にならない

石油危機に関して、参照しているレポートを紹介しました。一部のみの要約です。もう少し、紹介します。

北太平洋航路は中東の代わりにならない

一部で指摘している千島列島近海を通る北太平洋航路は、米国やカナダからの輸入ルートですが、中東ルートを代替するには決定的な不足があります。

パイプラインの不在と港湾能力
アラスカやカナダの増産分を日本へ運ぶには、積み出し港のインフラが未整備です。
中東は数十年にわたり巨大なタンカーを毎日送り出す超巨大インフラを構築しています。
北太平洋航路にはそれだけの物量をさばく港湾・タンカー数が現在ありません。

油種の問題(再掲)
北米の軽質油は日本国内の製油所(重質油向け設計)ではそのまま使えません。千島経由でいくら運んでも、精製できないただの燃えない液体なのです。

北極航路:季節性とコストの壁
北極航路は将来的な可能性はありますが、2026年現在の今、燃料が足りないという事態には無力なのです。

温暖化の影響を受けているとはいえ、3月現在、北極海は依然として厚い氷に覆われています。砕氷船なしでの航行は不可能です。通年利用ができない航路に、国家の命運を懸けるエネルギー供給を委ねることはできません。

さらに問題なのは、ロシアリスクがあるということです。

北極航路の大部分はロシアの排他的経済水域を通ります。ウクライナ紛争以降、西側諸国がロシア産エネルギーを排除している現状で、ロシアに航路の生殺与奪の権を握らせることは、中東リスクをロシアリスクに付け替えるだけです。。

指摘された、頸動脈を変えれば世界が変わるという主張は、比喩としては面白いです。しかし、そういうならば、現実の血流量(輸送量)を無視していると返せます。

2,000万バレルは重いです。
ホルムズ海峡を毎日通過する原油は約2,000万バレルです。これに対し、北極航路や太平洋航路で現在運べる量はその数パーセントに過ぎません。

頸動脈(ホルムズ)が止まった時、指先の毛細血管(北極・千島)で全身の血流を賄おうとしても、脳(日本経済)は数分で壊死します。

結論:地理的空想よりも今、届く油がすべて

北極を通ればいい、千島があるというのは、食糧危機で米が尽きた時にお菓子を食べればいいと言っているようなものです。一部の足しにはなっても、1億人の需要(含、巨大な産業社会)を満たすことは物理的に不可能なのです。

一部に出てくる反論は、長期的な可能性の話と、今起きている物理的遮断を混同しています。

この代替航路にはおおきな限界が存在するのです。

私たちにできることは、今すぐエネルギーを節約することしかないのです。


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