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一円のゆくえ

日曜午後の徒然に。私が「人口に膾炙している」と思っていることが、そうでもない気がして。その一例。

タイトルでわかる方は、読み飛ばしてください。昔からいろいろな人が書いている謎々。かいつまむと(の中は関係ない)、
三人の泊まり客が宿代十円の三人分、三十円を払う。帳場の女将は(また泊まってもらえるかもと)五円おまけする。それを届ける女中が(いい方にとると、五円は三人でわれないから)二円ねこばばする。一人一円ずつ受け取って、宿代は九円の三人で二十七円に女中のくすねた二円を足して、二十九円。一円のゆくえは?

旅にかかわる随筆やらに、おそらく原稿の枚数が注文に足らないときよく使われたのでなかろうか。何度も読んだ覚えがあります。

これは謎でも何でもなくレトリック ことばの綾 のなせる技。宿代三十円は、帳場に二十五円、女中に二円と泊まり客に三円、合わせて三十円でピタリ。二十七円は帳場の二十五円と女中の二円なので、さらにくすねた二円を足す意味はありません。

宿代三十円から五円おまけするのがミソで、三人でわれるよう六円おまけしたら成り立たない。

この謎々は戦前の洋書に掲載されているものらしいが、それ以前から口承されていたのでなかろうか。西洋でも「人口に膾炙している」かは分かりません。そもそもこんな慣用句は英語にはないと思います。


1 件のコメント
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30円の行方で見れば、店に支払25円、店員ネコババ2円、客へ戻し3円で合計30円で別におかしくない。

実支払の27円の行き先で見ても、店へ25円、店員ネコババ2円で合計27円。
これも別におかしくない。

即ち、宿への支払27円は宿手取25円とネコババ2円に変わった。

宿への支払27円(宿手取25円+ネコハバ2円)と更にネコババ2円を゙足すと、宿手取25+ネコハバ2+ネコハバ2で計算上は確かに29円となる。
だが、これと30円を比較する意味は元々無い。
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