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シーは島流し

過日京都の公園で幼稚園児の一団とすれ違った。
その中の2,3人が
♪シーは島流し~♪と歌っていた。
勿論「ドレミの歌」の替え歌である。
幼稚園児でも島流しという言葉を普通に使っていることにさすが京都であると恐れ入った。

ところでこの「ドレミの歌」であるがアメリカでは音名は「CDEFGAB」と呼ぶのが一般的で「ドレミ」は専門的なソルフェージの譜面読みの時位でしか使われていないようである。

https://www.pianoguildjapan.com/post/アメリカの音楽教育:ドレミ-cdeの背景について少しだけ

それなら何故「CDEの歌」でなく「ドレミの歌」にしたのかと疑問が残る。

私なりに考えて二つの理由を思いついた。
一つは歌の出だしで「文字を読む時はABCから始めるでしょう」と言ったので「歌を歌う時はCDEからなの」ではどちらもアルファベットになり教わる子供たちは戸惑うと思い歌の方を一般的ではない「do-re-mi」にしたのではないか。
もう一つは歴史の浅いCDEの音名より1000年前から使われている「do-re-mi」の方が初めて音楽に接する子供たちに原点を教えるのが理に叶っていて又物語の舞台となっているオーストリアに相応しいと考えたのではないかということである。
実際に1000年前の元祖ドレミの歌(下の動画参照)と『サウンドオブミュージック』の「ドレミの歌」の構造(ドレミの音名と実音が一緒に移行している)は似ているのでオマージュとして作曲したと思われる。

上の動画で分かるように当初は音階は「UT、RE、MI、FA、SOL、LA」の6音だけであった。
又「UT」は子音で終わるため発音に難がありイエス・キリストを意味するDominusの頭文字を取ってDoと発音するようになった。
更に「LA」の音の後ろに聖ヨハンナの頭文字を取って「SJ後にSI」が付き「ドレミファソラシ」の7音が完成したのである。

ところで「ドレミの歌」で「シ」は「ティ」となっている。
「tea(ティー)はジャムやパンに添えられる飲み物よ」とジュリー・アンドリュースは歌うのである。
これは何故かというと譜面を読んだり歌ったりする時一個の音符に一音節の言葉を付けるのが望ましいが音符に♭や#の臨時記号が付いた時「ドシャープ」とか「ソフラット」と歌ったら間に合わなくなる。
そこで#の場合「i」を♭の場合「e」を1文字にした音名の後に付けることにした。
#を使って半音階に並べると「do di re ri mi fa fi sol si la li si」となる。
そうすると9番目の「ソ#」と最後の「シ」が同じ表記(si)になる。
これでは困るので「シ」の音を「ti」にすることで解決した。
だからアメリカでは「ドレミファソラティ」と発音するのである。
何故「p」や「w」や「k」でなく「t」にしたかは不明である。

日本の場合
音の読み方は数種類ある。
〇「ドレミファソラシド」
これは二つの捉え方がある。
一つは「C」や「DO」の音をカタカナで「ド」と表記したものと考える方法である。
「ド=C」でこれは絶対的な物であるので「固定ド」と呼ぶ。
もう一つは任意の音を「ド」としてそこから全全半全全全半と並ぶ音列を階名として呼ぶ方法である。
この場合全ての音が「ド」になりうるので「移動ド」と呼ぶ。
日本ではこの両者が混在しているのでやっかいである。
このため文科省の小学校音楽の指導要領では(鍵盤の白鍵だけで収まる)ハ長調だけを教えるようになっているのでこの場合「固定ド」=「移動ド」となるので問題はないが長じて他の調が出てきたら困ることになる。

〇「ハニホヘトイロ」
これは日本独自の表記法であるが実際にこの音名で譜読みをする人はまずいない。
現在は「交響曲第5番ハ短調」とか「変ロ長調」とか楽曲の調名を呼ぶときにしか利用されていない。

〇「CDEFGAB」
これはアメリカ式の呼び方(シー、ディー、イー、エフ、ジー、エイ、ビー)でジャズや洋楽の分野で使われている。
ギターのコード名もこちらである。
〇「CDEFGAH」
これはドイツ式の呼び方(ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー)で主にクラシック音楽系で使われている。
「H」は「シ」であるが「H♭」は「B(ベー)」となるのでややこしい。

「1234567」
これは音名を数字で表すもので楽譜を読めない高齢者向けの楽器で使われることが多い。
大正琴、ハーモニカ、二胡、篠笛等である。


8 件のコメント
1 - 8 / 8
アメリカで「ドレミ」を使わないって知りませんでした。ドレミは世界共通かと思っていたー。

日本語の「ドレミ」の読みは楽器によって異なっていて、
トランペットでは、楽譜の「ド」を演奏すると、実音でE♭(ミ♭)の音が鳴ったり、ホルンでは楽譜の「ド」を演奏すると、実音でF(ファ)の音が鳴ったり、
みたいな感じで移調されているそうです。
ピアノでは、楽譜の「ド」は、実音でもC(ド)です。

その区別に、実音にはドイツ語読みのツェーデーエーエフを使うみたいな事を聞きます。

アメリカではどう区別してるんでしょうねー。

日本では、英語読みのシーディーイーエフは和音のコードの場合にしか使わないような??(間違っていたらすみません)
ハニホヘトは、書かれているように調でしか使わないですよね。
上のコメントわかりにくいですが、本文に書かれている「移動ド」と「固定ド」をどう呼び分けているんだろうーアメリカでは、という素朴な疑問です。

日本では、「移動ド」は「ド」、「固定ド」をツェーって呼ぶ事が多いように思いますが、アメリカでは全部「シー」なんだろうか?という疑問です。

日本では、移動ドの事はツェーって言わないですよねー?ツェーは絶対音階の固定ドをさしますよね、たぶん。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン

12本セット.PNG

>> さと さん

そもそもアメリカには「移動ド」の概念がありませんので「C(シー)」で通用します。

>日本では、移動ドの事はツェーって言わないですよねー?ツェーは絶対音階の固定ドをさしますよね

仰る通りです。
「移動ド」と「固定ド」が混在しているのは日本だけのようです。
日本でツェーというのは明治時代にドイツの音楽体系を取り入れたからでアメリカから取り入れていたらシーとなってた筈です。
只グローバル化した現在は伝統的なドイツ語表記が共通言語となっています。

画像は半音毎12音階に合わせた笛のセットです。
1本調子というのがF管になります。
12本とも全ての孔を閉じた時の音を「ド」と呼びます。
「移動ド」の権化のようなものです。

分かりにくい投稿文にコメント頂きありがとうございました。

>> hijiake さん

>そもそもアメリカには「移動ド」の概念がありませんので「C(シー)」で通用します。

ど、どういうことなんでしょう??

その笛と同じように、クラリネットやサックスなどの吹奏楽器でも移調されています。
実際に鳴る音の高さ(絶対的な音)と、楽譜に載っている音(移調後の音名)とが異なります。

楽譜に「C(ド)」って書いてあって、鳴らした実音が「Bb(シフラット)」の場合、楽譜の「C(ド)」が「移動ド」じゃないんでしょうか。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン

>> さと さん

アメリカには一部の専門家以外にはドレミは存在しないものですから概念がないと書きました。


>楽譜に「C(ド)」って書いてあって、鳴らした実音が「Bb(シフラット)」の場合、楽譜の「C(ド)」が「移動ド」じゃないんでしょうか。

楽譜に「C(ド)」って書いてあって、鳴らした実音が「Bb(シフラット)」の場合、その「Bb(シフラット)」を「ド」と読むのが「移動ド」です。
正確には「変ロ調のド」というのが正しい呼称です。

オーケストラの練習の初めに「A」の音を出して音合わせします。
「A」の音は約440Hzと決められた絶対音ですが「移動ド」の場合C調の楽器は「ラ」の音、F管は「ミ」の音、G管は「レ」の音とバラバラな階名の音を出すことになりますがこれらは全て約440Hzですから音をと合わすことが出来るのです。
調性の異なる楽器編成の楽団ではCDEの絶対音の音(通常はA)で音合わせをします。
「ドの音を出して」とかはあり得ません。
hijiake
hijiakeさん・投稿者
ベテラン

>> _カブ さん

ご教示ありがとうございます。
勉強になりました。

>> hijiake さん

それは日本でドイツ語読みで音を示す話ですね。
ごめんなさい、もういいです
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