ポピュリズム集団の政策とMMTの類似性
別投稿へのコメントでポピュリズム集団を信奉する人がその政策はMMTとは違うと申していますが、ほぼ同じだということを示します。
共通点(MMTの影響が色濃い部分)
当該集団経済政策は、以下の点でMMTの考え方に非常に近いです。
財源論の否定: その集団の基本政策では、「『国の借金は国民が返さなければいけない』『税金だけが財源である』といった政府の宣伝はウソである」と明言しています。
これはMMTの「政府支出は税収に先行する」「自国通貨を発行できる国は財源に制約されない」という考えと合致します。
通貨発行権の重視: 「日本の通貨は信用貨幣である。これは国の支出によって生まれ、課税によって回収され、その差額が日銀券や日銀当座預金、そして国債の形で世の中に残るのである」と主張しており、自国通貨を発行できる政府が通貨の供給主体であるというMMTの認識と一致します。
インフレ抑制が唯一の制約: 財政支出の限界は、インフレ率が許容範囲を超えるかどうかであり、国債残高の大きさではない、という考え方です。
その集団は、初年度200兆円規模、翌年から100兆円規模の大胆な支出を行っても、インフレ率は2〜3%以内に収まると見ており、デフレ脱却を重視しています。
税の役割: 税金の主な役割は、財源確保ではなく、格差是正のための再分配、景気過熱の抑制による通貨価値安定化、望ましくない経済活動の抑制にあると主張しています。
これはMMTにおける税の機能論と重なります。
相違点(代表の発言から読み取れる可能性)
その集団代表が「MMTではない」と発言する背景には、以下の意図があるでしょう。
誤解の回避: MMTが持つ「政府は何でもできる」「無限に紙幣を刷れる」といった極端な誤解や批判を避けるため、または、学術理論としてのMMTの厳密な定義とは異なる政策体系であることを強調するため。
政策の独自性: MMTの理論を参考にしつつも、その集団独自の政策パッケージとして提示したいという意図。
そもそも、その政策自体経済原理を無視するブードゥー経済学にしかすぎませんが、その点は後日に。


続編に期待します。
私はMMT論者ではありませんがMMT論の立場ではその批判にどう答えるかを示して、より理解を深めたいと思います。
>>そもそも、その政策自体経済原理を無視するブードゥー経済学にしかすぎないのか?
>>MMTは、20世紀初頭のクナップ、ケインズ、シュンペーターらの理論を原型として、アバ・ラーナー、ハイマン・ミンスキーなどの卓越した経済学者の業績も取り込んで、1990年代に成立した経済理論です。
中野剛志さんに「MMTっておかしくないですか?」と聞いてみた 第1回 2020年3月31日
https://diamond.jp/articles/-/230685
>>ケインズは、雇用を生み出すためには、自由市場に委ねるのではなく、政府の公共投資(財政政策)によって有効需要の不足を解消しなければならないと主張しました。
MMTも需要があれば積極的に財政出動すべしと主張しています。
>>ケインズ経済学は、簡単に言うと、景気がよいときには政府支出を減らすことでインフレを抑制(バブルを防止)し、景気が悪いときには政府支出を増やすことでデフレを回避するというものです。ところが、この30年間、日本はケインズ経済学と正反対のことをやり続けてきたんです。
中野剛志さんに「MMTっておかしくないですか?」と聞いてみた 第12回 2020年3月31日
https://diamond.jp/articles/-/231383
収入から返す、資産から返す、別の借金で返す、と。
なんで2つ目の資産から返す方法を考えないのか不思議。
クソみたいに資産積み上がってますよ。
政府外郭団体のような、要るのか要らないのか判らない、会社のようなものなんて株式会社化して売り払えばいいんじゃないですかね? 値段が付かないような役に立たない金食い虫なら潰す、資産に計上できる価値が有るなら、借金の担保としても、実際に返すにも役立ちますよ、考えない道理は無い
>> 及時雨 さん
中野剛志氏ですか・・・。ヒュームの経験論を思想的基盤にしているところまでは共感できます。MMTがミンスキーの理論を取り込んでいるとは初耳です。彼が金融不安定説の理論を提唱しましたが、07年の金融危機をうまく説明でき、評価されています。
それとMMTがどう結びつくのでしょうか。理論の一部をつまみ食いしているような気がします。
いずれにせよ、中野氏の説は他のトートロジーを繰り返す人とは違いそうですね。
>>MMTは、ケインズやミンスキーらの業績を取り込みながら成立したポスト・ケインズ派の経済理論です。
「MMT現代貨幣理論入門』の著者である、L・ランダル・レイは、ミンスキーの弟子に当たる人物なんです。
ミンスキーとらMMTの接点は
>>ミンスキーは、必然的に不安定化する資本主義を救出するために、国家が介入する必要があると考えたわけです。
中野剛志さんに「MMTっておかしくないですか?」と聞いてみた 第12回 2020年3月31日
https://diamond.jp/articles/-/231383
国家が市場にとことん介入しようとするのがMMTということでしょうか。
誰がそんなお金でモノを売ってくれるか知りませんけど・・
>> pmaker さん
眼の付け所はエッジが効いていますね!ご指摘の通り、一国閉鎖経済の下ではなかなか有効な理論ですが。
MMTは,「インフレなき完全雇用」をめざすものであり,その意味ではマクロ経済学の多くの潮流と同じことを目指している。だから,MMTは,ただ財政支出を増やせばよいと主張しているのではなく,完全雇用達成に貢献するように支出せよ,成長率は金利を上回っていなければならない,雇用増大に貢献しないような財政支出はするな,なぜならば完全雇用になる前にインフレになってしまうおそれがあるから,と主張している。
MMTが,「国債が自国通貨建てならデフォルトしない」と主張していることはよく知られているが,裏返すと,「外貨建てであればデフォルトし得るから気を付けろ」と言っているのである。
MMTは財政膨張は金利は高騰させないが悪性インフレは起こし得るとして,だからこそインフレに警戒しているのである(※2)。これを避けるためには,財政支出が,なによりも遊休している労働力の稼働に用いられるとともに,利用可能な経済的資源の着実な増大につながる必要がある。
MMTはそんな放漫財政を奨励するものではない。雇用を増大させない支出はすべきではないとし,インフレのみならずバブルをも基準として財政膨張をチェックするのである。
2021年12月14日火曜日
小幡績「日本では絶対に危険な『MMT』をやってはいけない」には,あまりにも誤解が多い
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