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投資信託の経費率(カタログスペックに惑わされない)

松井証券では、国内株式50、先進国株式50、のポートフォリオ運用をしています。先日、積立注文失効の連絡があり、スポットで再注文しました。その際ファンドの詳細情報を確認しましたが、経費率という項目が目にとまりました。

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「オルカン」の経費率が0.16%、、、には驚愕したのですが、それはさておき用語の定義です。【信託報酬合計(名目)】は、みなさんよくご存じの信託報酬、目論見書記載のアレ、いわゆるカタログスペックと思います。用語に注釈解説がついているので見ていきます。

【信託報酬合計(名目)】信託報酬とは、投資信託の保有期間中にかかるコストです。「名目信託報酬」とは、運用にかかる手数料で、運用会社、販売会社、信託銀行に支払います。

【信託報酬合計(実質)】「実質信託報酬」は「名目信託報酬」に監査報酬、弁護士費用、インデックスファンドの場合ライセンス料などを加算した実質的なコストです。

【経費率】純資産総額に占める投資信託の経費の割合です。経費には、信託報酬、有価証券の売買委託手数料、保管費用などが含まれます。投資信託の決算期間に計上された費用と、投資信託の純資産総額を期末時点で比較した数字です。

多くの投資信託がファミリーファンド方式をとっています。マザーファンドが同じ場合、信託報酬は同じに設定されていることが多いようです。
同じマザーファンドであっても(=カタログスペックの信託報酬は同じであっても)、為替ヘッジの有無が選択できる場合、ヘッジありはヘッジコスト分だけ経費率が悪化するはずです。決算頻度もしかり、年一回決算よりも毎月決算(予想分配金提示型)のほうが経費率が悪いはず、という仮説が成り立ちそうです。
この仮説証明は、アライアンスバーンスタイン米国大型グロース株マザーファンドをマザーファンドにもつ、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信ファミリーに聞け!みたいな。
(以下の画像は「現時点の」MATSUI投信の銘柄詳細情報から)

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決算頻度については、決算が多い毎月決算型が年一回決算にくらべて0.1ポイント程度悪化しているのが見て取れます。
為替ヘッジの有無については、年一回決算ではヘッジありが0.03ポイント悪化していますが、毎月決算型ではヘッジなしのほうが0.01ポイント悪化しています🤔どうしてだろう
考えられる理由は分配金実績かな。ヘッジありCコースの分配金実績は、過去12か月で5回。ヘッジなしDコースの分配金実績は、過去12か月で12回。送金コストはDコースのほうがかかっているので、経費率が悪化した?🤔これは、Cコースの分配金が12/12になったタイミングで追試してみます。

ここまで見てくると、自分のポートフォリオを構成しているファンドの経費率が気になってきます。松井証券で取り扱いのあるファンドのみという前提になりますが、経費率昇順で調べてみました。青字が指数をベンチマークとするパッシブファンド(インデックスファンド?)、赤字がアクティブファンドです。

cost.png

信託報酬の高いファンドほど経費率が高くなるのは当然として、経費率が信託報酬よりも低くなっているのはなんだかなー🤔名目信託報酬は運用期間中にディスカウントされることもあるので、経費率が下がることもあるかー

S&P500指数をベンチマークとするインデックスファンドの経費率は概ね0.07%なのですが、eMAXIS Slim米国株式は0.10%です。純資産残高トップの投資信託なので経費率は小さいものと予想していましたが、小口の売買が多かったりで細かなコストが積みあがっているのかもしれません。ここは決算資料を深く読み解かないとわかりません。

MSCI ACWI指数をベンチマークとするインデックスファンド。いまでは選ぶに困りませんが、生まれたての文字通りベビーファンドが多くて、経費率が算出できないファンドが多いです。また、ACWI指数への投資といってもACWIマザーファンドへの投資ではなく、MSCI KOKUSAI、MSCI Emerging Markets、MSCI Japanという3つのマザーファンドへの投資になります。eMAXIS Slimの場合、MSCI KOKUSAIに投資するeMAXIS Slim先進国株式の信託報酬は0.09889%、MSCI Emerging Marketsに投資するeMAXIS Slim新興国株式の信託報酬は0.1518%です。MSCI Japanに投資するベビーファンドは商品化されていないので、組み入れ比率に応じた信託報酬の積和計算はできませんが、明らかになっている商品については、その信託報酬はどれもオルカンよりも高いです🤔合成指数の場合、目に見えない経費が乗っかっているかもしれません(羊頭狗肉とまでは言わない)

為替ヘッジの有無、決算頻度の経費率に与える影響については、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信ファミリーで確認しましたが、三井住友DSのグローバルAIファンドでも再確認しました。このファンド、昔はかなり人気があったのですが、マザーファンドの運用会社が変わってから以降パッとしません。生成AIブームになっても資産流出がおさまりません。NVIDIAの組み入れ比率が下手なインデックスファンドよりも低いからなー🤔まあこれは別の話。
今回はここまで。


5 件のコメント
1 - 5 / 5
信託報酬は、へぇーそうなんだぁと思いました。
普段は国内個別銘柄投資なので。
常に売買して利益出す難しさをわかっているので
派手に違わない限り、報酬率には目をつむります。
海外銘柄に手を伸ばそうか悩んでいますが、為替部分で止まっています。
気にしないほどキャピゲイン取れればいいのですが。

>> 格安ガラケー1円セール さん

こんにちは♪
信託報酬は上場投資信託にも存在しますから、個別銘柄との対比で考えると「個別銘柄組み入れに係る経費」になるでしょうか。
個別株売買にはどうしても技術的な練度がつきまとい、結果論ではかたづけられない上手下手が存在します。研究に時間を費やせる人ほど運用成績はよくなる傾向がありますが、そこまでコミットできない人は、投資信託をうまく使ってほしい、というか、使うしかないとかと。
投資信託の運用報告書を見返していますが、売買委託手数料と有価証券取引税をN/Aとして計上していないファンドが多数見受けられます。eMAXIS Slimは比較的しっかり計上しているほうでした。経費率も運用報告書のカタログスペックで、年末作成年始に届く「信託報酬等概算額のお知らせ」が経費実態にいちばん近いのかもしれません。
上司への説明でも往々にあるあるだけど、
頻度としては一回乃至二回、金額的に微々たるものだけど、コンプライアンスとして決裁を取らないといけない、ステークホルダーにどう説明したらよいか迷う、みたいな。

費用明細の項目概要には、当たり障りのない言葉を綴ります。
「その他費用」内の「その他」として
・信託事務の処理等に要するその他諸費用
とするか、あるいは
・法廷書類等(有価証券届出書、目論見書、運用報告書等)の作成、印刷、提出等に係る費用や法律顧問、税務顧問に対する報酬および費用等
とするか。

常識的に考えれば、そういう費用がかかるのは当然なんですが、いざ計上しますと言われると、ちょっとねえ。多色刷りの目論見書をモノクロにすると経費は節約できるんじゃない、とか言いたくなる。
#目論見書が多色刷りのファンドは敬遠です。

ファンミーティングにお金をかけているうちは月々の通信費が下がらないのと同じ構図。それがうれしい人もいるからムツカシイ。あまり表に出したくない不都合な真実。

>> _カブ さん

おはようございます♪

eMAXISオンラインファンミーティング は2024年8月2日(金)の開催を予定しています。
当ミーティングの募集締め切りについては、2024年8月2日(金)10:00とさせていただきます。応募者枠が満員になった場合には事前に募集を打ち切らせていただく可能性があります。
当ミーティングは、資産運用や投資に関する情報提供を目的としております。開催に係る費用はファンミーティング対象ファンドで按分し、対象ファンドのその他費用(その他)から支出されます。
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